- 走者と捕手の激しい接触。クロスプレーの一種。 (主に走者側で)当プレーを引き起こした者をプロレスラーと呼ぶ場合もある。由来となったマット・マートン及び、巨人時代の清原和博を指す場合が多い。
- 興行戦略として用いられる、チーム間の筋書き上の因縁。主に巨人と阪神*1、巨人とヤクルト*2、阪神とヤクルト*3、かつての太平洋(現在の西武)とロッテ*4等を示す。まれに選手間の因縁に関しても用いられる。
本項では1について解説する。
経緯
2013年5月12日の阪神対ヤクルト戦における出来事。4回表、1死1, 3塁の場面で鳥谷敬が右飛を放ち、三塁走者のマートンはタッチアップで本塁へ突入。タイミングは完全にアウトだったにも関わらず、ヤクルト捕手の田中雅彦に対して真正面からタックルを浴びせ、弾き飛ばした。
結果的にアウトにはなったものの、田中は本プレーで鎖骨を骨折し、戦線離脱へと追い込まれる。テレビで解説を務めた達川光男氏は激怒し、以下のコメントを残す。
『今のマートンはふざけるなですよ』
『僕がもしアレ(投手)だったら絶対ぶつけますよ』
『野球じゃない』
『プロレスラーにでもなった訳ですよ』*5
達川自身は広島で正捕手を務めた経験を持ち、クロスプレーの危険性を熟知している*6が故の厳しい言葉であった。
当試合を機に「マートンのラフプレー=プロレス」が定着、以降はマートンに限らずラフプレー全般に対して用いられる呼称として浸透した。
マートンのプロレス戦績
いずれも上述のプレーと同様に、アウトのタイミングで捕手に突っ込んでいる。
- 同年6月22日 対DeNA戦
3回表に本塁突入した際、高城俊人にタックルを敢行。翌日の西岡剛のクロスプレーと合わせて「阪神はラフプレーが多すぎる」と球団ぐるみで非難を浴びた。 - 同年9月14日 対ヤクルト戦
6回表、相川亮二に真正面からタックル。アウトになったが、激怒した相川がマートンを突き飛ばし、両軍入り乱れての乱闘に発展。相川とマートンの両者に退場処分が下された。
影響
負傷者を出した本プレーは問題視され、以降も上記をはじめとする危険なプレーが散見されたことから2015年の監督会議で真中満(当時のヤクルト監督)が問題提起し、選手会も同調。翌2016年からコリジョンルールが導入される流れとなった。