2019年6月16日の千葉ロッテマリーンズ対中日ドラゴンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)の、9回裏のスコア。
「竜達/お前達」を象徴する出来事の一つであり、同時に中日の蔑称にもなった。
「ドラゴンズクエスト6x 幻の大地」*1と呼ばれることもある。
なお6xのxは「✕」(バツ)ではなく「x」(エックス)である*2。
概要
中日は高卒2年目の先発・清水達也が好投し、打線も12安打で7得点。5点差で9回裏を迎えたが、
- 登板した田島慎二が鈴木大地に2打席連続となる一発を浴びた後、一死1・3塁で降板。
- 代わったライデル・マルティネスも流れを止められず、3長短打と1四球で田島のランナーをすべて返した上さらに1失点し1点差に詰め寄られ、なおも満塁にして降板。
- 最後はジョエリー・ロドリゲスが鈴木に逆転サヨナラタイムリーを打たれ試合終了。
このイニングのスコアは「6x」となり中日は衝撃的な大逆転サヨナラ負けを喫した*3。
この惨状には中日ファンはもちろん荒れていたが、この日3打点を稼ぎ出し守備でも好プレーを見せていた京田陽太がベンチの柵を蹴りグラブを投げつけた事が話題になった。
後にこのサヨナラ試合は「スカパー!サヨナラ賞 2019年間大賞」のパ・リーグ部門に選ばれた。なお、表彰式は鈴木大地の楽天へのFA移籍後だったこと、さらにはサヨナラ打の鈴木本人が登壇したことから表彰自体がネタにされた模様。
動画
コロナ禍の2020年4月には千葉ロッテマリーンズ公式YouTubeチャンネルにてフルサイズで試合が配信された。
5年前にも
ロッテは5年前の2014年8月6日の楽天戦にも、最終回だけで6点取ってサヨナラ勝ちを決めている。
この日も2-7と9回までは楽天ペースで進んでいたが、9回裏に登板した西宮悠介が炎上し、岡田幸文の三塁打を皮切りに鈴木のタイムリー、加藤のヒット、暴投後に角中勝也に四球、さらに捕逸で3点差とされた上に無死1・3塁に。
その後楽天はブライアン・ファルケンボーグをマウンドに送ったが、アレフレド・デスパイネにあっさり四球を与えて満塁にすると、金澤岳こそ三振に仕留めたものの、続く今江敏晃、ルイス・クルーズ、川本良平に3者連続タイムリー*4を打たれあれよあれよと4失点。衝撃の「6x」により楽天は大逆転サヨナラ負けを喫し、当時ルーキーの松井裕樹の先発でのプロ初勝利まで消えてしまった。
海の向こうでも
中日の大逆転負けからちょうど2か月後の8月16日(現地時間では15日)、奇しくも同じ青い球団であるMLBのシカゴ・カブスがクレイグ・キンブレルの炎上で「6x」でサヨナラ負けを喫しており、ダルビッシュ有の登板試合だったこともあり日本でもネタになった。
NPBのサヨナラゲームにおいて逆転した最大点差記録について
なお、この記事で挙がっている5点差逆転はサヨナラゲームにおいて逆転した最大点差記録には該当しない。
NPB一軍戦においてサヨナラゲームで逆転した最大点差は、1993年6月5日の近鉄バファローズ対福岡ダイエーホークス戦(藤井寺球場)でダイエーがひっくり返された6点差(=「7x」)である。奇しくも吉井理人と村上隆行(嵩幸)は近鉄の選手として7xの試合を(勝利投手は吉井)、吉井はロッテの、村上は中日のコーチとして6xの試合を経験している。