もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

Last-modified: 2024-02-08 (木) 07:50:15

放送作家・小説家の岩崎夏海による小説、またはそれを原作とするアニメ・映画のタイトル。
略称は『もしドラ』。


概要

題名にもある、ピーター・ドラッカー氏*1が著した『マネジメント』自体は経済学(経営管理論)の書籍としては非常に優れており、世界中に熱心な信奉者が存在するほどのまさにマネジメントの教本である*2
しかし、当の『もしドラ』に関しては『マネジメント』中に出ている格言の意味も考えず「格言を文字通り野球に当てはめただけで試合に勝てました」というそんじょそこらの自己啓発本も真っ青な代物となっている*3
また、采配面に関しても「送りバントを一切しない」*4などのある程度有用性のあるものも一部あるが、「状況を問わず常時内野前進守備」「意図的なボール球を全く投げない」*5などの少しでも野球を知っていればおよそあり得ない采配も多数存在するなどツッコミどころ満載である。

それゆえ野球をかじった住民が多いなんJでは「『マネジメント』という本(またはドラッカーという人物)の存在を知ることが出来たことだけがこの本の良い点*6と評価される始末。

 

なんJにおいては2011年夏にNHK・Eテレで放送されたアニメ版の認知度が高く、

といったネタでなんJを賑わせ、一時期「程高川島スレ」というカッスレのパロディ的存在(下記参照)も登場したほどである。

程高川島スレ(カッワレ)

程高川島スレ(通称カッワレ)は、「マネジメント教狂信者である程高川島さんが、あらゆるものを次々とマネジメントするが、ことごとく失敗し最後には死亡する」という流れが定番となっているネタスレのこと。「程高川島、○○をマネジメント」といったスレタイで立てられ、ネタの最後は「なお、次の放送日(再放送)には間に合う模様。」といったフレーズで締められることが多いが、間に合わないこともある。元ネタともいえるカッスレ同様、不謹慎なネタを扱うことも多ければ、他のアニメネタを絡ませることもある。
『もしドラ』の原作において、一部で「野球を舐めきった戦法」とまで言われた上述の「ノーボール・ノーバント作戦」が奏功し甲子園出場手前まで行くというご都合主義の展開があったことや、アニメ版の『もしドラ』では肝心要の『マネジメント』の解説すら不十分なものであったことなど、全体的に散見された作品としてお粗末な点に「カッスレ的なるもの」を感じた誰かによってカッワレは立てられるようになったと推測される。
アニメ『もしドラ』が放映されていた頃には多くのカッワレが立てられ、様々なものが程高川島によってマネジメントされたが、その後は徐々に廃れ、現在ではごくたまに思い出したかのように立てられてはあまりレスも付かずに落ちていくといった状況である。

登場人物

  • 程高川島さん(17)
    我らがカッワレの主人公。通称・程高川島、カッワ、または程Kz
    特技は全裸土下座と自らの聖域を披露すること。
    程高野球部のマネジャーで、熱狂的なドラッカーファン。独自のマネジメント論を振りかざし、程高野球部にとどまらず、プロ野球チーム・サッカーなど他スポーツのチーム・政治政党といったスポーツ以外の団体・「もしドラ」以外の創作作品などあらゆるものをマネジメントするが、大抵残当な失敗により死亡する。
    影響されやすい性格をしており、ドラッカーの『マネジメント』ではなく板垣恵介の漫画『グラップラー刃牙』を読んだ際には、部員全員に格闘とんちを強いるという一面も見せた。
    在日韓国人であり、同胞である秋山澪(チュ・サンジュ)も作品の枠を超えてしばしば登場する*7
    なお『もしドラ』とカッワレは無関係であるが、川島みなみさんのモデルとなった某アイドルグループのメンバーも異性に自らの聖域を披露したことがバレてスキャンダルになり、丸坊主になった模様。
    巨人小笠原巨人の小笠原の関係と同様に、アニメ『もしドラ』の登場人物であり、作中で程久保高校に所属している川島みなみさんと程高川島は別人であり、アニメ(勿論原作小説、漫画版含)とも全くの無関係である。
  • 故・Yさん(17)
    程高川島さんの親友。カッスレの大正義巨人軍原監督のポジション。Yさんと『もしドラ』の登場人物である宮田夕紀さんとの関係は不明。
    宮田は作中で長期入院しているが、Yさんはカッワレでは既に死亡したこととなっている。しかし巨人小笠原同様すぐ生き返るようで、程高川島さんの失敗の後に毎回蘇生してコメントを残す。なお、コメントを残した後は再び死亡する模様。
  • レフト朽木くん
    ベースランニングのスペシャリスト。高速ベーランや直角ベーラン、果ては殺人ベーランまでも使いこなす程高の聖域。
  • 程高北条さん
    え、あ、はい。Air Highとも。
  • 大正義巨人軍
    程高野球部と度々練習試合を行うプロ野球チーム。巨人小笠原が所属するチームでもある。高校生相手でも決して手を抜かず、初回から2687768090点と驚異的な先制をするなどの大正義ぶりを見せ付けてくれる熱いチーム。



関連項目



Tag: 漫画・アニメ カッスレ なんJ


*1 オーストリア出身・ユダヤ系の経済学者(1909-2005)。現代経営学:マネジメントの始祖として世界に影響を与えた人物である。また、マネジメント以外にも国有企業民営化を提言し、イギリスのマーガレット・サッチャー政権(1979-1990)の民営化政策、俗に言うサッチャリズムに影響を与えた。
*2 33人が69日の間崩落現場に閉じ込められ最終的に全員救出された2010年のコピアポ鉱山落盤事故のリーダーがドラッカーの著書の愛読者として知られる。
*3 当てはめただけならまだしも、まず格言の解釈自体にも怪しい点がある。
*4 『もしドラ』出版時のNPBはスモールベースボール信仰が強かったため強い批判を浴びた。しかし、その後データ解析が進んだ結果、近年では「得点が入る確率を考慮するとバントは基本的に非効率的な戦略」とされている。打者全員が一定以上の打力を備えていることを前提としているが、現在ではそもそも一定の打力が望めないのならばまずは根本の打力を強化すべきという風潮にあるため、状況に応じてのバントはともかく無駄な多用は批判される傾向が強い。なお、バント嫌いで知られる元横浜監督の権藤博は監督時代も野手には殆どバントを指示しなかったほか、解説者としても野手がバントの構えをする度に厳しい発言をする場面が多い。権藤とは真逆のスタンスを取る現阪神監督の岡田彰布は解説者時代、強攻策についての厳しい発言が多かった。
*5 逆に判で押したように梅野隆太郎に釣り球作戦を命じていた金本知憲も批判されている。ボール球はあくまで臨機応変に活用するものであり、ゼロヒャクで片付けて良い物ではないのである。
*6 実際「マネジメント」の売上はもしドラが話題になって以降大幅にアップ。一種の「炎上商法」としては成功を収めたともいえる。
*7 アニメ版『もしドラ』の川島みなみと『けいおん!』の秋山澪は、声優の日笠陽子が演じていたという共通点がある。