◆忍◆ ニンジャ名鑑#208 【ネブカドネザル】 ◆殺◆
オムラ・インダストリ専属、決戦ニンジャ。身体の90%がサイバネ化されている。電磁バリアで攻撃を跳ね返し、アンタイ・ニンジャ・アサルトキャノンを体内に格納。モータードクロ以上の超火力で敵ニンジャを消し炭と化す。
登場エピソード
「イエスボス」
「無意味な質問です。私はニンジャソウル憑依者であり、私の身体は機械です。私はオムラ・インダストリの所有物です」
人物
- モーティマー・オムラ提唱のモーター理念を体現するサイバネティック決戦ニンジャ。全身の95%(名鑑から5%増加!)をサイバネ化した、ほぼ完全なサイボーグである。
- ザ・ヴァーティゴ=サンによると生身で残っている箇所は脳、脊髄、心臓のみ。つまり、臓器の大半もサイバネ置換されている可能性が高いが、作中では密かにスシを食す場面も見られた。……まあ、ロボットでもスシは食えるし……。
- さらにジェリー・タグチ・ウィルキンソン=サンからは、「脳組織全てがそのままとは考えづらい」との見解が示されている。
- お世辞にも企業経営者として褒められた器ではないモーティマーに絶対的に従っている。アルベルト・オムラ会長の言葉を「妥当」と判断しながらも、「命令」を仰ぐのは社長に対してのみ。
- 会長にとってのオメガに相当するのが、社長にとってのネブカドネザルであるのかもしれない。何が彼をそこまでさせるのだろうか……?
- 終始感情を発露させることなく、淡々と事務的なやり取りを続ける姿は「会社の備品」めいたアトモスフィアを醸し出している。
- 過酷な戦闘機動やダメージにも耐える驚異的なニンジャサイバネ耐久力と、火力を過信せず状況に応じて的確に武装を運用する冷静な判断力と戦術眼は、士郎正宗=サンの『アップルシード』や『攻殻機動隊シリーズ』に登場しても全く違和感がない。
- 当初は今までのオムラ製品の惨状からヘッズにその能力を危ぶまれていたが、いざエピソードが翻訳されるとオムラの株を右肩上がりにする実力でヘッズを魅了した。今までのポンコツどもはやはりAIに問題があったんじゃ……。
- ニンジャスレイヤープラスのN-FILES【ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ】にて、憑依ソウルは「不明だが、高位のものではない」ことが明かされた。
- 「なお薬物は使用していません」「現在私はノードラッグです」と、薬物非使用アピールがやたら多い。
外見
- ニンジャ装束風のシャープな機甲外殻によって全身を覆い、メンポの奥には眼光めいて四つの赤い光が輝く。
- 腰部に宇宙飛行士めいた小型ジェットノズル、背部にジェットパックを内蔵。いずれも格納式。
- 後述の追加装備を含めた物理書籍版のデザインは、もはや空を舞う機械要塞といったアトモスフィア。
元ネタ・考察
- 名前の由来は判然としないが、いくつかの説が挙がっている。
ワザ・ジツ……というよりソウビ
サイバネボディ
- ユニーク・ジツを持たない(と思われる)彼の最大の武器は、さながら「ハイテック・ジツ」とでも言うべきそのサイバネイション・ボディそのものである。
- ツラナイテタオスが突き刺さっても戦闘続行可能なタフネスや、ジェット推進による機動力、ガンマ線視界モードをはじめとする索敵能力など、実際隙がない。名実ともにオムラの「決戦ニンジャ」である。
- 唯一の難点は兵器のアウト・オブ・アモーか。
モーターツヨシ
- モーティマーがモーター理念の名の下にゴリ押しで作ってしまった、「鋼鉄モンスター」「カイジュウ」とさえ形容される恐るべき外部アーマーシステム。16の背部コネクタでネブカドネザルと脊髄直結、背中・肩部・腕部をアーマーで覆うことで装備する。
- ジェネレーターを内蔵し、並の攻撃機を遥かに凌駕する高火力高機動重装甲を搭載しているが、常人が身に着ければ自重で潰れ、例えニンジャであってもネブカドネザルのような思い切ったサイバネ化を行わないと運用不可能な代物。
スペック | |
---|---|
サイズ | 「陽炎に霞む巨大なシルエット」の形容通り、最低でも人間の数倍のサイズがある模様 |
装甲 | 飛行中の戦闘機と正面衝突してもほぼ無傷 |
運動性 | 内蔵した各部スラスターを利用し、常人の戦闘機搭乗者ならば過剰Gで死亡しかねない速度での急速旋回やエクストリーム飛行が可能。 高機動力を活かし、高速戦闘機編隊の背後に回り込める |
センサー | かなり離れていてもニンジャや非ニンジャの存在を捉え、さらにそれらの識別も可能 |
搭載武装 | |
アンタイ・ニンジャ・アサルトキャノン×2 | 肩部搭載。多少威力が軽減されても、五重塔を一撃で爆破・倒壊させる火力を誇る電磁弾丸を射出する |
小型ミサイルポッド | 右肩部や背部に搭載。肩部には試作型クラスターミサイルを装填 |
対人マルチプル機銃 | 肩部搭載。対地攻撃に用いる |
ミサイルランチャー×2 | 腕部搭載。各3連装以上と見られる |
ガトリング砲 | ハンガーラックに懸架、腕部に装備 |
モーターブレード×2 | ハンガーラックに懸架。聖なるヌンチャクと互角に打ち合うことが可能な他、刀身を伸長できる |
散弾砲 | 胸部内蔵。蜂の巣状の銃口が特徴 |
アームパンチ機構 | パラベラムやモーターナガサマが使用していたシリンダーアームパンチ機構の大型版。 偏向ブースターと電磁バリアを組み合わせることで破壊力を強化、重武装ツェッペリンさえも撃墜できる |
重金属弾バルカン | 書籍版にて追加。アーム部分に内蔵し、戦闘機を撃墜可能な威力を有する |
マルチブル・グレネード | 書籍版にて追加。空中から散布し爆撃を行う |
アンタイ・ニンジャ・ナパーム | 書籍版にて追加。胸部に内蔵されており、ニンジャを焼き尽くし爆発四散に追い込むほどの火力を有する |
機雷散布ボックス | 書籍版にて追加。パージさせることで空中から散布し爆撃を行う |
アサルトガン | 書籍版にて追加。腰部に搭載。引き抜いて二丁拳銃めいて射撃できる |
防御兵装 | |
電磁バリア | 球状に展開し、スリケンや高射砲の弾丸、ミサイルを完全に無効化する。ただしエネルギー消費が激しい。 モーターツヨシに密着した敵を弾き飛ばす迎撃手段としても応用可能 |
機銃 | 胸部内蔵。迎撃機構と連動し発射される |
オプション | |
追加ブースター | 飛行用装備 |
追加装備:MAAA(モーター・アブナイ・アットー・アグリゲイト)システム
- 「神話モンスターめいた」と形容される、巨大なロケットエンジンの集合物。
- 三十六個所のマイナスドライバーネジめいた機構によりモーターツヨシ背部に連結され、モーターツヨシの機動力を大きく底上げ。ネオサイタマ-キョート間を数時間で移動可能とする。
- モーティマー曰く「くだらない安全保障上の物議を醸すから実地テストは行っていない」シロモノで、身体にかかる負荷もぶっつけ本番の危険性も「ニンジャだから大丈夫」で済ませたが、劇中では実際特に何も起こらなかった。
- 怪しげなニンジャパワーが炸裂する本作で「一人ロボットアクション」を展開していたネブカドネザルだが、この装備を装着したことで、完全にゲーム『アーマード・コア フォーアンサー』そのものになってしまった。
- 実際カッコいいカタパルト発進シーンはフロムソフトウェア・クランに属するヘッズを大興奮させ、続くモーティマーの「モーターヤッター!飛んだァ!」の叫びは彼らの腹筋を爆発四散させた。
- このカッコイイ発進シーンのネブカドネザルのHUD表示は軍事兵器用語である。
- 「システム総じ緑な」「谷」「弾薬」「殴り薬」「沈痛」。順に解読すれば下記のようになる。
表示 | 訳 |
---|---|
「システム総じ緑な」 | 「システムオールグリーン」 |
「谷」 | 「Vary(変形)」 |
「弾薬」 | 「弾薬」 |
「殴り薬」 | 「アッパードラッグ(精神刺激系の薬物)」 |
「鎮痛」 | 「SAD:Safing/Arming Device(電子的安全・武装デバイス)」 |
- また、「人工ニンジャアドレナリン」というノードラッグとは対照的なコトダマも。
- これだけハイテックの固まりなのに、なぜかカタパルト前方のカウントダウン表記は「巨大めくりショドー台」。
- ひょっとして、施設にかける金がもうなかったのだろうか?「ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ」時点で、すでに「決算時に色々」しないと赤字だったようでもあるし……。
- とはいえ、彼のキョート上空での大戦果を目撃した社長&社員一同は「ツーヨシ!ツヨシツーヨシ!」と大エールを送る大興奮状態と相成った。
- 書籍版ではそのヤバさがさらに加速し、ネオサイタマからキョートまでの所要時間が「数時間」から10分へと短縮された。
- ちなみに現実であっても埼玉と京都は300km以上離れているが、忍殺世界では旅客機で7時間ほどとされている。現実での旅客機7時間に相当する距離はおよそ東京-シンガポール間の約5000kmだが、もしそうだとすれば、時速3万kmという長距離弾道ミサイルを上回る速度である。
- 実際キョート到着時の共和国防衛軍による予想速度が少なくともマッハ20(≒時速2万5千㎞)であり、水平飛行でコレとなると本当にとんでもないシロモノ。
- 電磁カタパルトで瞬間的にマッハ20に加速・射出され、燃料切れしたブースターは次々パージしながら飛行継続……と、まさしく火星まで飛んでいくと言ってもおかしくないような機構である。モーターヤッター!
- しかしその性能・サイズ故に質量も当然ながら巨大。キョート市街地で切り離した際には、パージしたMAAAが多数の暴徒を巻き込みながら五重塔を破壊し、アンダーガイオンにまで食い込むという甚大な被害を及ぼした。
ゼンメツ・アクション・モード
- モータードクロにも搭載されていた対ニンジャ戦形態はネブカドネザルにも導入されていた。
- この形態になると、モーターツヨシに格納されていた武装のほぼ全てを展開・露出させることが可能となり、嵐のような爆撃を広範囲に叩き込み全てを殲滅する。
ストーリー中での活躍
- 「ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ」にて初登場。反オムラ企業の会合を制圧するべく、モーティマーが送り込んだ。
- 「決戦ニンジャ」の名に恥じぬ猛烈なイクサでドラゴンベインとフェイタルを瀕死に追い込み、ニンジャスレイヤーにすら重傷を負わせるが、フーリンカザンに基づいた攻めでモーターツヨシを破壊される。
- しかし爆散寸前にツヨシをパージし、ジェットパックによって戦線離脱。ニンジャスレイヤーがブラックヘイズの追撃を優先していたとはいえ、ほぼオールスターに近い面子を相手にしながら無事生還を果たすワザマエを見せた。
- が、社長(47)には敗戦の責任を押し付けられる。不憫!
- 社長の指示が的確であれば、あるいは指揮系統が混乱していなければ着陸前の砲撃でさらなる戦果を出せていたかもしれないというのに。
- 社長の指示が的確であれば、あるいは指揮系統が混乱していなければ着陸前の砲撃でさらなる戦果を出せていたかもしれないというのに。
- 第2部最終章「キョート・ヘル・オン・アース」では新装備・MAAAを引っ提げ、ザイバツへのプレゼンテーション任務のためキョートへ発進する。ちなみに作戦目標は「ニンジャスレイヤーの抹殺」及び「たくさん殺してたくさん壊す」こと。
- キョート到達後、ザイバツより共和国空軍の排除がオムラに依頼される。これはガイオン・カタストロフに関する全ての罪をオムラになすりつけるザイバツの罠だったのだが、暴走する社長(47)は二つ返事で快諾してしまい……。
- 書籍版によると、ザイバツと共に共和国防衛軍への攻撃と元老院の制圧を行い、その事実をザイバツの力で隠蔽し、表向きは「武装蜂起した共和国防衛軍をオムラが粉砕してキョートを救った」という筋書きにする、という旨の作戦がザイバツとの密約で取り決められていた模様。
- 当然ながらザイバツはこの計画を遂行するつもりはなく、良いようにオムラを利用しただけである。
- 壮絶なドッグファイトの果てに空軍機を粗方排除した後の展開は、Twitter連載版と物理書籍版では大きく異なる。
- オムラキョート社にてデスドレインとアズールに遭遇、そのま交戦する。
- 度重なる攻撃を加えるも、ガイオン広域を食い荒らし力を増したデスドレインには一歩及ばず、関節部から直接アンコクトンを注ぎ込まれてしまう。
- 最後はモーターツヨシを切り離して離脱したところを、アズールの狼に肉体を食い破られ爆発四散。ハイクはおろか「サヨナラ!」さえ言えずに終わった。交戦前に弾薬や燃料の大半を消耗していたこともあり、如何せん分が悪すぎた戦いだった。
- 彼の死の少し前、オムラ本社はイッキ・ウチコワシによって陥落。ネブカドネザルの最期……それはモーター理念、そしてオムラ・インダストリの最期でもあった。
ガイオン……ショウジャの……鐘の声……ショッギョ・ムッジョの……響きあり。
- 滅びゆくモーター理念とネブカドネザルに手向けられたのは、日本人の精神性を体現すると言われる「平家物語」の序文であった。
- ああ、ナムアミダブツ! 分かりきっていたことではあったが、やはりモーター理念の熱狂の果てにあったのはショッギョ・ムッジョだったのだ。
- 連載版に増して大雑把なモーティマーの指示により、アッパーガイオンにてヨゴレニンジャ集団及びアコライトと連戦。これらを圧倒するが、アコライトがアンダーガイオンに逃れたため補給行為を優先しキョート支社へ一時帰還する。
- 連載時とは異なり、弾薬・エネルギー補給を終えた後に、支社を襲撃するデスドレインを迎撃する形となる。だがイクサの大勢は変わらず、ついに背中に取り付いたデスドレインは容赦なくアンコクトンを流し込み、ネブカドネザルに邪悪に囁きかけるのだった。
- 流し込まれたアンコクトンによって改造脳に変調をきたした彼は、デスドレインの囁きに操られるように、デスドレインを背負ったままキョート城へと飛行突入していき……。
- Twitter連載版と大きく異なる彼の動向の変化は、書籍版「キョート・ヘル・オン・アース」加筆の目玉だ。未読の方は、ここで簡単に詳細を知ってしまわずにぜひ書籍版を読もう。
一言コメント
- どちらかと言えばカタツキ・クランよりもニトロ・クランの方が近しい(今回のコラボ的に)が、忍殺に猥褻は一切ない。いいね? -- 2020-07-18 (土) 17:43:11
- ロマンの塊みたいな存在なのにデスドレインにヤられるなんて…グラマスの一人討ち取って欲しかった…ケイビインさんあたり…ショッギョムッジョ -- 2021-09-28 (火) 09:05:04
- 95%もサイバネ化したらニンジャもモータルも関係ないのでは?ニュービー・ヘッズは訝しんだ -- 2022-03-16 (水) 08:37:01
- ↑実際のところ、肉体的には関係ないかもしれない。しかし、ニンジャソウル…半神的存在と例えられるニンジャの本質はソウルにあるんだ…俺は詳しいから分かる。 -- 2022-03-16 (水) 08:58:46
- 医療用サイバネと違って戦闘用サイバネは心身に負担がかかり、ニンジャ向け高性能サイバネの負担は更に大きいという話なのでモータルをネブガドネザル並みに改造する事は出来ないと考えられる。 -- 2022-03-16 (水) 09:04:50
- 加えて言うならニンジャとモータルではニューロンの速度が違いすぎるので、仮に負担を軽減して肉体改造出来たとしても反射速度や判断力の面で戦闘力に大きく差が出てしまうでしょうネー。コンピューターの頭脳を持つウキヨならばあるいは…とも思いますが、ウキヨをそこまで改造しちゃうと自我がそっちに引っ張られちゃって完全なロボット化しちゃいそうな気もするし、ウーム -- 2022-03-16 (水) 18:03:17
- そもそもモータルではここまでのサイバネ手術に耐えられないということもありそうですね。 -- 2022-07-12 (火) 22:25:56
- 「あなた方のアイサツは省略します」は、一方的なアイサツでありシツレイだと思っていたが、あれは既に乱戦となっている状態に途中参戦であり、寧ろアイサツはしなくてもシツレイではないにも関わらずアイサツし、しかも既に殺し合い中である相手方がわざわざ手を止めて返さなくて良いように申し添えたという奥ゆかしさだった模様。流石はオムラ最高傑作だぜ! -- 2022-11-21 (月) 14:43:07
- まさかMAAAシステムの元ネタが帰って来るなんてなぁ… -- 2022-12-09 (金) 13:23:53
- ちょい役だったとはいえコミック版のシージ~で出番が増えたけどACというかミーティアめいた重装備で心がキュンキュンするけどあれ毎回描くの…ヤンナルネ… -- 2023-04-27 (木) 11:49:33