モーティマー・オムラ

Last-modified: 2023-04-15 (土) 14:21:43

◆忍◆ ニンジャ名鑑#(未掲載) 【モーティマー・オムラ】 ◆殺◆

登場エピソード

 

「モーターヤッター!科学の勝利だ!」
「凄くて強い!だから凄い。だから売れる。だからオムラは大きく、凄くなる。運用?ニンジャを集めてサイバネ化すればいいだろう。何をバカな……リスクの話ばっかりしやがって。お前はセプクだ!今すぐだ!」


人物

  • 暗黒メガコーポ、オムラ・インダストリの現代表取締役社長。47歳「ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ」時)。
  • 「ニンジャ」「ロボット」「質量」「強さ」といったものに取り憑かれており、これらを複合した「モーター理念」なる思想を提唱している。
     
  • 彼を一言で表すなら「大人子供」。稚気じみた浪漫にこだわり、それ以外のほぼすべてを顧みず、権力だけは握ってしまった、とっても残念な人間である。
    • 実父であるアルベルト会長とその直属ニンジャ・オメガには複雑な思いを抱いているようで、それが暴走の原動力となっているのかもしれない。
  • しかし、その行き着くところまで行っちゃったポリシーでモーターツヨシの開発にまで至ってしまった生き様と彼が提唱するモーター理念に、却って共感を覚えるヘッズも少なくない節がある。
    • 実際、メカを愛するヘッズの間ではモーター理念に基づいたロボットが登場すると「モーターヤッター!」「モーターバンザイ!」などのチャントが飛び交い、作中での不遇とは裏腹に喜ばれている場合も多い。やはり日本人はロボットから離れることができないのか?
      • 勿論、モーターシリーズが基本ポンコツなのは暗黙の了解とした上で、だが。
    • 神話モンスターめいた外部推進機構「MAAA(モーター・アブナイ・アットー・アグリゲイト)システム」の登場に及んでは、多くのヘッズも従来の姿勢を一転「モーターヤッター!」の大合唱である。

経営手腕

  • ほぼ考えうる最悪の経営者であり、彼が社長になってからは会社の資金繰りの悪化や人材の流出が深刻化の一途を辿っている。
  • 特に人事面で数々のヤバイ級ミスをしでかし、アルベルト会長からも「(オムラを)お前に任せれば1年持たぬ」と断言された。以下、その代表的事例。
  • そのくせ「すごいメカを作ってV字回復」と巨費を投じて打ち出したモーターシリーズはその悉くが問題を抱えている有様。モーターツヨシに至っては、もはや肉体の大半を重サイバネ化したニンジャでもなければ運用不可能な代物であった。
     
  • 開発を打ち切ってしまったモーターチビが後のエピソードでも非常に有用に使われていたり、ピグマリオン・コシモト兄弟カンパニーとの提携で生まれた商品であるネコネコカワイイが小さな女の子にまで熱狂的な人気を博していることなどを鑑みると、モーティマーの判断がいかに愚かであったかは窺い知れるだろう。
  • 挙句、配下企業も同然であったオナタカミ社にはモータードクロの開発チーム人員をヘッドハントされ、より兵器として洗練されたドラグーンの開発と量産化を許してしまう始末。
  • 旧オムラ幹部でありオムラ倒産後に残党をまとめ上げたタイサ・ルニヨシからも、「モーティマーはオムラ直系の血筋を持ちながら、モーターイズム体現に際し、あまりに人格的資質を欠いた!」と評されてしまっている。
    • もっとも、タイサ自身かなりアレな人物なのでその点割引いて考えるべきかもしれない。
  • せめて開発部長とかのポジションならばいい仕事をしたのかもしれないが……彼の社長就任に反対する役員はいなかったのだろうか?
     
  • 実際無能な上に暴君であるため人望も皆無かと思われたが、湯水のように資産を投入して物凄いイディオット兵器を好き放題に造らせていたからか、末期まで残っていた技術者たちは割と彼を支持していた様子。
    • 第2部終盤では、会社の社会的生命にとどめを刺したモーターツヨシの大狼藉に、社長と共に大喜びするスタッフの姿が描かれた。

外見

  • 大柄で目が小さい。頻繁に「フットボール選手並みにがっしりと大きな体格」「アメフト選手じみた巨体」などと形容される。
    • モーターツヨシに接続したネブカドネザルを見てつぶらな瞳を輝かせ紅潮した顔で喜ぶ様は、まるで子供のような無邪気さと不安定さを備える。だが47歳、そして社長だ。
  • 宇宙服めいた無骨な白いパワードスーツを着用している。どうやら普段からこの格好で仕事をしているらしい。
    • なお、このパワードスーツには腕から銃弾を射出する機能がある。

元ネタ・考察

  • モーティマーの名前の綴りは"I'm motor"のアナグラム、"Motimor"と考えられる。まさにモーター理念の体現者たる名前である。
    • なお、モーティマーという名は英語圏に実在するが、本来はファミリーネームに使われるものである。
    • 世界的著名ネズミ、ミッキー・マウス=サンに当初付けられようとしていた名前でもある。のちにミッキー・マウス=サンのライバルキャラの一人としてモーティマー・マウス=サンという金持ちのいけすかないナルシストネズミキャラの名前になった。

ストーリー中での活躍、もといバカ社長の勤務記録

「モーターネタバレヤッター!」(クリックして表示)
  • 「ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ」で初登場。強行手段を反対するアルベルト会長に目に物見せるべく反オムラ会合現場に総兵力を送り込むも、制圧に失敗したばかりか、逆に手薄になった心臓部である第3コンビナートをイッキ・ウチコワシに制圧されてしまう。
  • この報を受けたアルベルト会長はその場でショック死、さらに株価が崖際めいて下落。沈黙を続けるオメガに泣きながら拳を叩きつけ、現実を呪うのであった。
  • 「弱ってきたらさらに棒で叩く」とはこの事である。ナムサン!
     
  • 第2部最終章「キョート・ヘル・オン・アース」で久々に登場し、社運を賭けた新兵器「MAAA」を搭載したモーターツヨシをキョート・リパブリックへ送り出すが目標は達成できず、代わりにザイバツからの突発的なオッファーを受諾。性能を誇示しようとする。
  • ツヨシの性能に興奮極まり、完全に暴走した彼は、ザイバツの情報支援を当てにして共和国空軍相手に大立ち回りをさせるが、それはガイオン・カタストロフの責任の一切をオムラに押し付けようとするヴィジランスの策略であった。
書籍版ネタバレ
  • 書籍版では、ザイバツと共に共和国防衛軍への攻撃と元老院の制圧を行い、その事実をザイバツの力で隠蔽し、表向きは『武装蜂起した共和国防衛軍をオムラが粉砕してキョートを救った』という筋書きにすることでオムラはV字回復を成し遂げる……という作戦がザイバツとの密約で取り決められていた模様。
    • 重ねて言うが、これはヴィジランスの罠でありザイバツにこの計画を遂行する気はない。
  • しかし、オムラのV字回復を信じるモーティマーは、今後のザイバツとの交渉で有利に立つため、ネブカドネザルの、ひいてはオムラの力を誇示すべくガイオン地表にいるニンジャ(ザイバツ・ニンジャ含む)の排除まで命令してしまう。
  • そしてこの命令が書籍版におけるネブカドネザルの暴走に繋がることとなった。
  • 最終的にモーターツヨシはネブカドネザルもろとも破壊され、オムラ・キョート支社も喪失。さらに自分がいる本社にもオナタカミ社のドラグーン部隊が突入してくる四面楚歌の状況に追い込まれる。
  • オメガに守られて脱出には成功したものの、オムラは倒産し、オナタカミ社に事実上吸収されてしまった。もはや彼の帰る場所はどこにもなかった……。
 
「なぜ僕がこんな!何も悪い事はしていないぞ!」
  • それから数ヶ月を経て、第3部「モータードリヴン・ブルース」にて再登場。オメガの「サービス」と「サービスのサービス」によってかろうじて命を拾うも、何もかも失った彼に寄り添う者は誰もいなかった。
  • ヨタモノに身ぐるみを剥がされて身も心もボロボロになり、重金属酸性雨の中で死を待つばかりだった彼に手を差し伸べたのは、居酒屋を営む妙齢の女性・アサガオだった。
  • 彼女の下で最下層の労働者として人生をやり直したモーティマーだったが、その現状に鬱屈がたまるばかり。アサガオの金をたかりに来た彼女の伯父を瀕死の重傷に追い込んだせいでデッカーに追われると思い込んだ彼は、逃げ出した先の河川敷で、自身のモーター理念を形にしたモータースゴサの暴虐を目の当たりにし……。

「簡単なんだネブカドネザル。お前どう思ったあの時。父さん労働者は蟻なんだ父さん……」

  • 今までの自分をようやく反省したモーティマーは、涙ながらに再びアサガオの店を訪ねる。彼女に促され食したカレーライス。オムラ・インダストリ、己の境遇、モーター理念。モーティマーは様々な感情がないまぜになったまま、PVCテープで補修したツギハギのパワードスーツを身に纏い、オムラ残党が居を構えるリタンダント施設へ赴くのだった。

「オムラは!終わったんだァー!ウオオーッ!」

  • ニンジャスレイヤーを爆発四散寸前にまで追い詰めたモーターガッタイへ果敢にタックルを仕掛けるも、あえなく返り討ちに。が、その少しの時間稼ぎがニンジャスレイヤーに回復のチャンスを与え、オムラ残党の野望を見事打ち砕いた。
  • 自らの業を一応の形で清算したモーティマーは、今度こそ新しい人生を歩み始めたのだった。
     
  • そして第3部最終章「ニンジャスレイヤー:ネヴァーダイズ」に、彼と思われる肉体労働者が再登場。オムラの遺産であるモーターオムラキョウリョク・カンケイの最後のイクサを見届ける。
  • 彼はオムラが終わったと信じていた。だが終わりではなかった。爆炎から脱出して旋回するアーマードレスの三点ブースターがオーボンの夜の空にほんの一瞬ハナビじみたオムラ紋を刻んだのを見た時、彼は、一筋の涙を流した。

一言コメント

「オムラは!コメントしたんだァー!ウオオーッ!」
  • アガサ・クリスティの小説に、「モーティマー」がファーストネームとして使われてるのがいくつかあった。19世紀の英国ではめずらしくなかったのかも。 -- 2019-11-13 (水) 10:23:49
  • ↑↑調べてみたがエド・トクガワは奥ゆかしいエピソードが多かったが、実は側室持ちまくってじいさんになっても子供作りまくってたのを知って驚きw -- 2019-12-17 (火) 06:52:06
  • 私はヘッズですらないが涙した。これは美しい。モーター凄い。 -- 2020-02-13 (木) 18:40:47
  • 今のモーティマー=サンは若いころ(実際良い年)までヤンキャしてたが、今はくたびれたお父さんめいたキャラなのかな・・・? -- 2020-02-25 (火) 05:49:05
  • オイオイオイ、面白くならなってきたぞモーティマー=サン!!! -- 2021-02-17 (水) 22:36:52
  • ↑4 神君エド=サンは身内ホント薄いから……(同父母(嫡流)の弟妹なし、異母兄弟も実在怪しいとか本当に兄弟か怪しいとか出家してるとか)外交・統治定番の「身内入れて乗っ取り」にも後継者候補(のスペア)にもとにかく子供がいるという -- 2021-05-22 (土) 03:59:27
  • 時代の変化に適応してたオナタカミが潰れてこいつがやりたい放題やってたオムラが復活するんだからヤンナルネ。 -- 2021-11-16 (火) 07:55:41
  • 幼きオムラセンシを気遣い、大危険を恐れず理性にハンドルされた行動! -- 2022-04-28 (木) 03:57:51
  • 3部の時点で50近いおっさんだけど、腹が出てるだらしない肥満社長って訳じゃなく、ガタイに恵まれた立派な体格なのがそこらのよくある悪徳企業のボスとは違うところだな。 -- 2022-04-28 (木) 12:30:53
  • 放り出された後もこの手の元金持ちキャラにありがちな食事に対する文句を言ってる描写が無いのであんまり食事の質には興味がないタイプなのかな?ガツガツ食わないで社長の頃から(ムダに)行動力だけはあったと考えると極端に不健康な体型じゃないのは納得という気もする。 -- 2023-04-15 (土) 14:21:42