C1 Ariete

carro armato da battaglia

大戦前から国産戦車を製造・運用してきたイタリア。大戦後は西側陣営として、米国製のM47や、西ドイツ製のレオ1を使用していた。
80年代前半、伊陸軍は旧式化したM47戦車の更新が迫られた。そもそも鈍重な米国戦車はイタリアの地形に合っていなかったことや、MBT開発技術の向上も合わせて図るため、1982年に国内企業へ国産戦車の開発･生産を依頼した。
OTOメララやフィアットなどを軸とした共同事業体がこれを請け負い、開発を行った。

86年に最初の試作車が完成。90年には採用が決定し94年までに300輌の調達が予定されていたが、イタリアの国家財政危機や冷戦終結による予算削減により調達計画は先送りと削減が行なわれた。結局、95年~2002年の間に200輌生産され、ガリバルディ狙撃隊旅団やアリエテ装甲旅団に配備されたようだ。エンジンや装甲の改良を施した発展型の「C2 Ariete/アリエテMkII」も配備される予定であったが、これも財政難により没にされた。

遍歴こそぐだぐだだが、総合能力は決して低くなく、2016年のNATO戦車競技会では米M1A2SEPv2チームを抑え4位にランクインしている。（なお上位3位は全部レオ2）

おひつじざ

車体は圧延防弾鋼鈑の溶接で構成されており、70年代後半に輸出目的で開発されたOF-40と類似している。全体的にカクカクしていてるが、避弾経始を考慮した傾斜が見られる。
車体・砲塔前面部には複合装甲が使用されている。イタリア独自のものであり詳細不明だが、レオ2やM1エイブラムスなどの第三世代戦車と同様の防御力だと推測されている。

主砲は艦砲でおなじみのOTOメララ社製。44口径120mm滑腔砲であり、NATO規格の120mm砲弾も問題なく使用できる。MG42/59を同軸機銃とキューポラ上に備える。ガリレオ社製TURMS-FCSとOF-40から増えたスタビライザの恩恵で高い走行射撃能力を誇るようだ。

自国製のエンジンや変速機等をパワーバックとして装備するほか、NBC防護装備やレーザー警報装置も備える。