アリアーヌ

Last-modified: 2016-09-26 (月) 22:34:12

アリアーヌ

ノイクローム率いるカルドゥウスの一人。カルドゥウスグリーン
縦ロールに一人称が「あたくし」とお嬢様らしさを感じさせる。しかしその手にはまさかのモーニングスター。錆びついた大鉈といい棘を模した鎖といいカルドゥウスは血生臭い武器を好むのだろうか。
丁寧な言葉遣いだがその内容は過激かつ好戦的。特に人工生命(正確にはオートマタ)を毛嫌いしているらしく、彼らを前にした時は辛辣に罵る。僕にもお願いします。
妹を失い、「幸せになりたい」という切実な願いを糧に戦い続ける不幸系お姉さん。趣味が「刺繍」と穏やかでささやかなところも物悲しい気持ちにさせるキャラクターである。

 

肝心の性能は完全なる固定ダメージ特化型。
現在HPが3あるいは4の倍数のキャラクターを敵味方無差別に全員傷つける尖った戦術を取る。しかも自分もろともやってしまうほど形振り構ってない。
敵味方全体を無差別回復により微調節してまでモーニングスターでぶん殴りに行く様は執念すら感じさせる。
防御面は自身に「リジェネ」とまさかの「恐怖」を付けることで済ませてしまう。相手ならともかく自分を恐怖させるキャラは初である。
いざという時には瀕死の味方を自発的に死亡させることもできる。有効活用できる局面は限られるが覚えておいて損はない特徴だ。

 

敵味方全体の微細なHP管理と、時には味方に被害を与えることも厭わない覚悟を問われる。
取っ付きづらく面倒くさい印象を受けるかもしれないが、意を決して触れてみれば意外と扱いやすいことに気付けるだろう。
数字の計算さえ間違えなければ初心者でも問題なく使えるはずだ。

 

ホーラの法則

MOV/中遠/特3↑
自身に「リジェネ」「恐怖」(3ターン)

  • 固定ダメージキャラに必要な継戦能力を状態異常で補う技。後述の防御技は生存性よりも攻撃への布石という側面が大きいため、実質的にこちらがアリアーヌの生命線となる。
  • 条件は特3↑とやや重め。得られる効果は大きいため発動できるなら気にせず使っていこう。
  • 後述する攻撃技は1単位でのHP調整が必要となる。「リジェネ」はステイと併せることでそのHP管理を容易にしてくれるだろう。
  • コストが2も上がってしまうがスキルカード「呪印」を検討してもいいかもしれない。
  • 恐怖の法則。

イルネスの原理

ATK/近中/無3=無1↑無1↑
敵味方のうち、現在HPが3の倍数のキャラクターに5ダメージ
「操想」時ダメージ+2

  • メイン技その1。理論上最大で合計24(操想込みで36)の固定ダメージが吹き荒れるぶっ飛んだ技。
  • 一応実戦に関係のありそうな3の倍数は3,6,9,12,15あたりであろう。これに5ダメージということはそれぞれ死亡、残りHP1,4,7,10という結果になる。このうち7は素数で4は4の倍数であることは重要なポイントだ。
  • 美味しいタイミングは開幕時。最序盤ということはほとんどのキャラクターがHP満タンということであり、都合のいいことに最大HPが9のキャラクターはかなり多い。あるいは12で引っかかる者もいるだろう。この初手奇襲で大打撃を与えられる可能性は意外に高い。さらには結局不発に終わったとしても「つまり最大HPは3の倍数ではない」という情報が得られる。こういった諸々から「とりあえず開幕イルネス」は有効的な手段である。
    • とはいえ自陣に最大HPがどうしても3の倍数になってしまうキャラがいるようであれば無理にやる必要はない。そのキャラがある程度ダメージを受けてからイルネスすればいいだけの話である。
  • 概要でも述べたが敵だけではなく味方も、自分自身すらも巻き込む。考え無しに使うとただの自爆技になりかねないので、使う前に必ず全体のHPをよく見よう。ちゃんと使うことができればこの上なく強力な攻撃になる。
  • 忘れてはならない注意事項として、アリアーヌのL3&L4は最大HP9という大きな欠点を抱えている。事前にホーラの法則で備える、あえて相手の攻撃を一発受ける、先攻で撃った後「ナーシングの理論」でケアをするなど対策を考えておこう。
    • この欠点のお蔭かは分からないが、性能の割にコストが17とだいぶお安くされている。
  • 病の原理。

ナーシングの理論

DEF/近・遠/特1↑盾2↑
敵味方のうち、現在HPが素数のキャラクターを特殊×1<MAX:3>回復
「断絶」状態の対象にダメージ

  • 敵味方無差別に微回復する防御技。単なる延命技としての使い方もあるが、その真骨頂は相手パーティを「イルネスの原理」および「クルーアルの最終定理」の対象となるHPへ調節することにある。
  • 先攻ではなく後攻で扱いやすい。後攻で使えばそのままイルネス&クルーアルの餌食にできるが、先攻だと1ターン待つ必要がある上にステイで計算をずらされる恐れがあるからだ。ただこれは対面の相手を攻撃対象にする時の話。相手控えを狙うならステイは大した問題にならないのでイニシアチブを気にする必要はない。
    • アリアーヌを極めるならイニシアチブ次第でターゲットを変えられるようになろう。柔軟で大胆な発想こそ全体攻撃型の武器となる。
  • 対象となるのは2,3,5,7,11,13あたり。それ以上(次は17)の素数はあまり関係ないだろう。
  • テクニックというか算数として覚えておくべきことある。「イルネスの原理」は3の倍数に対し4ダメージを与える。その差は1。同様に「クルーアルの最終定理」の差は2。つまりそれぞれでダメージを与えたことを確認したら、その差の分をこの技で回復してあげると、再び3あるいは4の倍数になるのである。そこでもう一度同じ攻撃をぶつければいい、というわけだ。
    --3の倍数から4を引くと、18までは3と4の公倍数である12を除き必ず素数になる。アンライトにおいてHP18となるキャラクターはおそらくクーンのレアカードのみであろう。つまりその唯一のケースを除けばイルネス→ナーシングで1回復→イルネスのコンボは必ず決まることになる。
    • 一方「クルーアルの最終定理」を題材に考える必要性は薄い。上記と同じ計算をしようにも、そもそも4の倍数が8,12,16くらいが現実的な範疇に収まるからだ。というのもここから6を引くとそれぞれ2,6,10。2はナーシングの対象。6は素数ではないが3の倍数。10は素数・倍数以前にアリアーヌの管轄外となるのだ。
  • 妹であるポレットと彼女の新状態異常「断絶」の実装により性能が変化した。対象が「断絶」状態の時に与える効果が、回復ではなく直接ダメージになるのだ。これにより味方にのみ回復、相手にはダメージという高性能なDEF技にすることもできるようになった。とは言えポレットと同時に運用した時限定な上事前準備が必要なので、そうそう簡単に扱える追加効果ではない。
  • 看護の理論。

クルーアルの最終定理

ATK/中・遠/無4=無1↑無1↑無1↑
敵味方のうち、現在HPが4の倍数のキャラクターに6ダメージ
「操想」時ダメージ+3

  • メイン技その2。無差別かつ対象を取りづらい4の倍数相手とはいえ、6もの大きな固定点を飛ばす規格外な技。基本的な考え方は「イルネスの原理」と同じ。
  • L4までとの大きな違いは中距離でのみイルネスと同時発動できること。つまり3,4,6,8,9,12,15,16と対象が幅広くなる。そして注目すべき数字は3と4の公倍数である12。なんと11ダメージが問答無用で襲いかかる。「ナーシングの理論」による調節無しでぶつけることができたらつい邪悪な笑みが浮かぶことだろう。
  • 残酷な最終定理。

イベントカード

重要なイルネス&クルーアルが数値指定はあるもののカードタイプ指定をしないのでかなり自由。
クルーアルの数値4指定をイベントカードで賄うのはコストがかかってしまうので、イルネスの条件を満たす数値3のカードを入れるといいだろう。
クルーアルのためにコストを割くくらいなら、自前の黒枠にカース3を積んでしまう方が効果的だ。
アリアーヌ個人の都合でいいならばナーシングにも流用できる盾3が一番マッチする。
もちろん火力には期待できないが他のキャラクター優先で剣3・銃3でも全く問題ない。
ついでに言えば移動でも特殊でも構わない。
概要部分でもちらっと書いたように、我がままそうな印象に反しアリアーヌはとても素直で扱いやすいのだ。

組み合わせキャラクター

まず最大HPがイルネス&クルーアルに引っかからない者が一人は欲しい。
もし先陣をアリアーヌに切らせる場合、残り二人ともイルネス&クルーアルに巻き込まれるようだとあまりにも冒険し過ぎだからだ。
ナーシングである程度のケアができるとはいえスマートな組み合わせではない。
理想は全員巻き込まれないHPでデッキを組んで、開幕イルネス~あわよくばクルーアルを添えて~をご馳走すること。
そうでなくても「イルネスの原理」の項で書いたように、なるべくアリアーヌの巻き添えを食わないHPになるよう調整して敵陣にのみ被害を与えられるようにするのが基本だ。

 

本題である。
まず真っ先に挙げられるのはノイクロームともう一人のカルドゥウスで構成するカルドゥウスレンジャーデッキ。
おそらくアリアーヌの実装を見越してのものと思われるが、カルドゥウスメンバーの最大HPはL5だとイルネス&クルーアルの対象にならないようになっている。
特筆すべきはノイクロームとの相性の良さ。
それぞれの防御技が「自陣全体でダメージを分け合う」ものと「HPが素数のキャラを回復する」ものなのでデッキ全体で見た時のタフさが尋常でなくなっている。
攻撃面でも「自陣全体が受けているダメージを攻撃に転用する」技と「HPが特定数値のキャラに固定ダメージを与える」技なので味方を巻き込んでしまうデメリットを逆利用できるのだ。
さらにさらにノイクロームと組めばアリアーヌL3とL4が抱えるイルネスと自身の齟齬も簡単に解決する。

 

他から選ぶならアイザックメリーオウラン?といった「HP一定以下で強化される技」を持つ者と変則的なコンボをすることもできる。
これはつまり上記のメンバーをイルネスやクルーアルに意図的に巻き込む奇手である。
上手くはまれば強力な連携になるのは確かだがその分リスクも大きい。
この型を狙うなら三人目は劣勢でも立て直せるようなキャラにしよう。

 

固定ダメージ+全体攻撃を追求する場合も相棒候補はたくさんいる。
例えばフロレンスコッブC.C.
彼らはHPがイルネス&クルーアル圏内のため扱いが難しいが、攻撃部分だけの相性を見ればばっちり噛み合っている。
出す順番とタイミングさえ気を付ければ案外なんとかなる。
後はベリンダリーズミリアン等の単体に対する直接ダメージを飛ばせる者。
ブロウニングナディーンクロヴィスのようなある程度計算してダメージ調整できる者。
マルグリッドリンナエウスの相手を「恐怖」させつつ固定点を出せる者(互いに「恐怖」だとダイス結果は四分の一になる)。
以上が編者の個人的なおすすめキャラクターだ。

 

長くなるが、上述のキャラクターで一人ピックアップしたい者がいる。
フロレンスである。正確には彼女の「MOAB」が特筆すべきものだ。2ダメージを与えるこの技は「イルネスの原理」と素晴らしく相性が良い。
また算数の話なのだが、「イルネスの原理」は3の倍数に4ダメージを与える。ではここからさらに2を引くとどうなるか? 答えは3の倍数-(4+2=6=3×2)で、なんと3の倍数になるのである。
では次に、3の倍数でない数値から2を引くとどうなるか? とりあえず当てはまる数値を列挙してみる。1,2,4,5,7,8,10,11,13……。そして2を引く。するとあら不思議、10-2の8以外は3の倍数と素数、そして死亡しか残らない(あくまでデュエルで当たる可能性の高い数値に限定した話)。
さて、仮に相手パーティーのHPが12,11,8という構成だったとしよう。まずアリアーヌが「イルネスの原理」をする。これで相手は8,11,8。次にフロレンスで「MOAB」。相手は6,9,6。またアリアーヌで「イルネスの原理」。すると2,5,2。
このように「イルネスの原理」→「MOAB」→「イルネスの原理」はアリアーヌ単体時より、はるかに効率的にHPを調節することができるのだ。
イベントカードに銃3があれば実行自体は以外にも簡単である。問題は二人とも一撃で倒されてはいけないというところ。幸い打たれ弱い性能ではないので、後は運と腕の見せ所だ。

 

アリアーヌに遅れる事五ヶ月、満を持して追加された妹のポレットとも当然の如く相性が良い。与ダメージ力に優れ、細かい直接点をばらまける彼女の性能はアリアーヌのチャンスを作るのがとても上手い。更には「断絶」という状態異常とナーシングの理論が面白いコンボを組めるように調整されている。姉単体では苦手な『最高HPが素数で高防御なキャラクター』を削る&倒すのに貢献してくれるだろう。