Sentinel AC IV Experimental

Tier 6 イギリス中戦車

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史実

ACはAustralian Cruiserの略でオーストラリアの国産巡航戦車、別名センチネル（Sentinel）として作られました。
対日戦に加えて日本によるオーストラリア侵攻まで囁かれるようになった1940年7月、オーストラリア国防省は本格的な機甲部隊を揃える計画を立案しました。 ただし、黄作戦で多くの被害を被ったイギリス戦車では能力不足で、自国増産に集中する為、オーストラリアに戦車を回す余裕も無いと考え、戦車を自国産化することにして1940年11月に陸軍に設計部を立ち上げ、戦車の量産計画を立て始めました。
要求は重量16～20ロングトン、主砲は2ポンド砲、最大装甲厚50mm、航続距離150マイル、乗員4～5名で、必要数は2,000両と見積もり、1941年7月から週産70両を目標としていました。
オーストラリア国防省はイギリスに設計者の派遣を依頼し、ワトソン大佐がアメリカでM3中戦車の設計を見学して1940年12月に到着、早速設計に入っています。

1942年8月に完成したAC Iの主砲を25ポンド砲に換装したのがAC IIIで、ターレットリング径を54インチから64インチに拡大、防楯も新型に変更し、車体機銃（と車体銃手）は外して弾薬スペースを増やしています。
エンジンはクランクケースを共通にした新型に変更し、小型化した分を燃料タンクに充てています。
全長20フィート9インチ、全幅9フィート1インチ、全高8フィート5インチ、戦闘重量62,720ポンド。
主砲は25ポンド砲、副武装は.303ヴィッカーズ機銃1丁。装甲厚65-25mm。
エンジンはエンジンを三つ葉のクローバー状に連結したペリエール－キャデラック・トリプル・エンジン（クランクケース共通。397馬力）、最大速度路上30マイル、路外20マイル、航続距離229マイルを発揮しました。
乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。
1943年2月に試作車が完成してテストに入り、5月から生産する予定だったのですが、アメリカからのシャーマンやパーシング等がレンドリースでイギリスより貸与として十分な数が来ており、なかなか良い結果の出ないオーストラリアにおける巡航戦車開発計画が必要なくなると言う判断の下に中止されたため、AC Iの生産が打ち切られそうになっていてACシリーズの必要性も乏しいとみられ、量産されずに終わっています。

試作車は1943年3月に火力の更なる増強を求めて17ポンド砲に換装を計画しますが、砲塔の耐久性をテストする為に、主砲に25ポンド砲を並列連装としている物が作られました、現物の17ポンド砲を搭載する準備が出来なかったので、同等の後座力(射撃の反動に掛かる力)を求めた結果、25ポンド砲が2門が丁度良かったそうです。
また、サスペンションをトーションバーに変更する計画があり、ACシリーズの車体を使った試験車両1両が製作されました。

AC IIIで25ポンド砲連装搭載を試した結果、17ポンド砲でも行けそうだったため、AC IVとして試作車が開発されました。
発射反動は25ポンド砲2門斉射の方が17ポンド砲より20%多く、17ポンド砲に換装して射撃しても車体や砲塔に特に支障は無かったと言われています。
1943年末にはテストを終えたのですが、ACIIIと同じく量産されませんでした。
ゲームに登場するのは、副武装は.303ヴィッカーズ水冷機銃と単装の17ポンド砲を装備したものですが、ケアンズにある オーストラリア機甲砲兵博物館 ("Australian Armour & Artillery Museum") に収蔵されているものは、機銃が取り外されてその穴が埋められた独特のカバーを残すのみになっています。

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