STB-1

Last-modified: 2018-09-05 (水) 11:45:31

STB-1.png

Tier 10 日本 中戦車

公式紹介ページ

スペック

車体

HP1,950
車体装甲厚(mm)110/35/25
最高速度(km/h)53
重量(初期/最終)(t)37,03/40,0
本体価格(シルバー)6,100,000
修理費(シルバー)約28,000

戦車パッケージ

パッケージ名
(必要経験値/購入シルバー)
STB-1
(255,000/6,100,000)

詳細

パッケージ名エンジン武装履帯砲塔
出力弾種貫通力ダメージ総弾数弾代発射速度
照準時間
精度
旋回速度砲塔装甲旋回速度視認範囲HP通信範囲
STB-1Mitsubishi 10ZF21WT105 mm Rifled GunSTB-1STB-11,950750
750APCR
HEAT
HE
258
330
53
390
390
480
501,200
4,800
880
6.6
2.30
0.36
52132/132/3742410

解説

史実

STB-1は、陸上自衛隊の戦後2番目の国産戦車、74式戦車の開発母体として試作されました。
1964年から研究が開始され、1965年から部分試作を始め、1966年に試験用車体ST-Tでのテストが開始されました。
1968年に一次試作車STB-1、1970年に二次試作車STB-2が完成。更にSTB-3からSTB-6まで4両を試作して整備性・信頼性向上と生産コスト軽減を行った後、1974年9月5日(15日とも?)に74式戦車(74TK)として制式化されました。 
開発時に、時の防衛庁長官だった山中貞則防衛庁長官から、名称を山中式戦車にしてくれと言われたらしいのですが、前例もない上に氏が開発と無縁だったので、この無茶な要求には防衛庁で却下したという逸話があります。

製作は主砲が日本製鋼所、それ以外が三菱重工で作られ、まず開発されたST-Tは試験車体で、箱形上部構造物が載っていました。
エンジンは1956年、油気圧懸架装置は1961年から基礎研究を始めていたため、1966年には早くも完成して試験を開始しました。
油気圧懸架装置のテストでは配管からの油漏れに悩まされ、初テストで両方の油圧が抜けて、車体が地面についてしまうという様なトラブルもありましたが、改良を繰り返して解決しました、ですが、その後もよく片方だけが抜けて傾いて走ることも多かったそうです。
油気圧懸架装置の採用は、山がちな国内事情を踏まえて、左右双方の転輪を前後独立して上下出来るのが特徴で、前屈姿勢での稜線射撃等や傾斜地で横向きでも片方の転輪を下げる事で水平を保てることが出来るので、有利になると考えられていました。
1967年から10ZF空冷2ストロークV10ディーゼルエンジンの試験を開始、後に105mm戦車砲を突撃砲形式で搭載し、射撃試験が行われました。 エンジンは720馬力、最高速度53km/hを発揮します、エンジン回転数は2,200rpmからレッドゾーンになっています。
主砲には英国ロイヤル・オードナンス社の51口径105mmライフル砲L7A1を日本製鋼所がライセンス生産した物を装備しています。

一次試作車として、STB-1を開発しましたが、外見はほぼ74式戦車そっくりでした。
砲塔制御やFCS(火器管制装置)に必要な電力を供給するため、砲塔後面の雑具箱のような形状のケースにAPU(補助動力装置)が収納されていて、右後面から排気管が突き出しています。
砲制御装置の試験中にパワーアンプがオーバーヒートを多発したため、ドライアイスで冷やしながらテストを行う羽目になりました、これは、ダイオード強化やフレオン充填により解決に至りました。
M2重機関銃はMBT70に倣って遠隔操作式とし、砲塔後部中央に搭載しました。
MBT70とは、1960年代にアメリカと西ドイツがタッグを組み、M60系列の後継として「夢の無敵戦車」のコンセプトの元に開発されましたが、運用面での考えの違いから意見が合わずに没案となり、それぞれM1エイブラムス戦車とレオパルド2を作るに至りました。
設計段階で寸法をアメリカのインチ・フィート法か西ドイツのメートル法にするかで揉めたり、色々と盛り込み過ぎて複雑化した弊害が顕著化して信頼性低下につながった結果ポンコツ化したり、コスト高で「あの」マクナマラ長官の合理化主義に反するとされたり等、失敗が確約するべくして提案されたとも言われていました。(米マクナマラ国防長官は元自動車メーカー出身で、空海軍の戦闘機を一緒の機種にしたら経費が安くなる!と言って、空母への着艦距離が足りないならオプション装備でなんとかしろと無茶を宣い、後に空軍でしか採用されず、最終的に電子戦機としか使い道のないF-111戦闘爆撃機を作らせた張本人だったりします。)

三菱重工の技術者が1971年のイギリス陸軍兵器展示会で入手した情報を元に、ディール社製のレオパルド1用組み立て式履帯をテストすることになり、起動輪の歯形を修正して装着、富士演習場で走行試験を行っています。
三菱重工側では転輪の数が少ないのでレオパルド1よりも転輪1つ分あたりの荷重が大きく、履帯ピンを補強するよう依頼しましたが、ディール社はSTBの車重がレオパルド1より軽いから大丈夫だろうと、補強無しでそのまま持ってきたため、走行試験中に履帯ピンに亀裂が入ってしまい、採用されませんでした。
国産の履帯でも履帯ピンに疲労破壊が発生したため、素材をクロム・モリブデン鋼から滲炭鋼を経てニッケル・クロム・モリブデン鋼に変更して解決しました。

ゲーム中に登場するのは、このSTB-1となります。

続くSTB-2では、リモコン式機銃の遠隔操作装置や、グランド・ブレーキに不具合が発生、これの解決に奔走し、STB3~6の細かな改良を経て、74式戦車として正式化に至りました。

とにかく、車体をコンパクトにして低車高に押さえたために、戦闘室が狭く、米軍が試作車に試乗した際に「砲手はどこに座るのか?」という問いに、技術者から「(車長席にいる)あなたの足の間ですが?」と答えるほどで、車長に何かあれば砲手は外に出られなくなるそうです。
操縦席にはバイクの様なバーハンドルになっていて、トランスミッションはセミオートマチックトランスミッションの2ペダル式を採用、操縦席もコンパクトで、エンジン音より履帯の音がダイレクトに響くので、ヘッドセットとのやり取りも合わさり、聞こえにくい為にエンジン音を頼りに操縦する場合過回転に注意しないとあっという間にオーバーヒートしてしまうそうです。
また、使用砲弾は105mmL7戦車砲のライセンス生産で高速徹甲弾(APDS)と粘着榴弾(HEP)が採用時から使用されており、粘着榴弾は訓練時に跳弾した際の後処理が非常に面倒な為、停弾堤(バックストップ)を随所整備する必要があり、また、弾速が遅い事もあって隊員から嫌われていました。 「こんなもの海に捨ててしまえ」とぼやく隊員もいたとか。
対戦車榴弾(HEAT-MP:91式105mm多目的対戦車榴弾)が装備されるようになったのは、つい最近の平成4年の事で、90式戦車と並行して配備されるまで、粘着榴弾が使用されていました。
また、徹甲弾もAPFSDS(93式105mm装弾筒付翼安定徹甲弾)に替えられています。
訓練用砲弾をテスト開始するのが、平成10年頃にやっとというので、粘着榴弾使用時に不満を持っていた隊員達に「そのうち完成して回って来るよ」と、言われていたのが今やっとかと思ったことでしょう。
訓練用徹甲弾に00式105mm戦車砲用演習弾と、空砲射撃用の77式105mm戦車砲空包が用意されています。

それでも、74式戦車は傑作戦車とも呼ばれ、戦車の射撃同士で撃ち合う設計思想で作られた戦車の中では、一番最後に作られたのが74式戦車であると言えます。 1974年から平成元年までの15年間に873両が配備されていました。
現在、最新の10式戦車の配備と共に退役/交代が進んでいますが、未だ一部の部隊で使用されています、近代改修をして延命措置を図ろうと74式改も作られていますが、コストがかかるので4両がロールアウトしただけに終わっています。

また、1.5Km先でも本が読めるとされるアクティブ投光器を生かして、雲仙普賢岳噴火での夜間の火砕流発生警戒を目的とした、災害派遣の実績を持つ稀有な戦車でもあります。

上富良野の駐屯地では基地内に進入する熊害対策に夜通し走って、その騒音を利用して熊よけを講じたそうですが、1日に1両ずつの分解整備(C整備:エンジンオーバーホールなどを要する)が必要となり、連日の作業に整備部が音を上げてしまったという逸話もあります。(その後、直管マフラーにした大型車と交代で走らせていました。)

派生型として、87式自走対空砲があり、74式戦車に随伴して対空防御を担当するのが任務となります。
車体を共用しているので、こちらも姿勢制御が可能です。
西ドイツのゲパルトをお手本にしていますが、約16億円と高価な為に年間2両というペースでしか配備されていませんでした。
射程が3,000mもあるので、安全を確保した上で海に向かって訓練をしています、車両のスペックが全て機密扱いで、訓練時はシートを広げて薬莢を全て回収する決まりとなっていて、装弾数を知られないようにしているそうですが、ある時、撃ち殻がシートの外に転がり出て、訓練参加者全員が訓練を中止して捜し回った事もあったとか。

その容貌から、一部のマニアや隊員の間では「ガンタンク」とも揶揄されているらしいです…。

STBは74式戦車試作型として、本車は土浦武器学校附属資料館に展示されています。

コメント

  • 最高レベルのDPM、俯角、機動性により攻撃機会を作りやすいが、最低レベルの精度、照準速度、レティクル拡散率、貫通力によって決定率が他のTier10中戦車に比べて低いため如何にして決定率を上げてDPMを生かすかが重要になってくる。使いやすくはあるのだが結果が出るかどうかは別のため上級者向けの戦車と言えるかもしれない -- 2015-03-28 (土) 12:37:44
    • 使いやすいけど使いづらい。乗ってて楽しいけど楽しくない。バランスって大事だな -- 2015-05-11 (月) 12:20:32
  • スティービーワンダー..... -- 2015-11-27 (金) 07:38:06
    • ↑S(エス)T(ティー)B(ビー)-1(ワン) →STB-1ダー→スティービーワンダー.......w -- 2015-11-27 (金) 07:39:54
      • よそのwikiやらでさんざん既出のネタを今更… -- 2015-11-27 (金) 12:25:51