Type 89 I-Go/Chi-Ro

Last-modified: 2017-10-16 (月) 01:07:23

J26_Type_89.png

Tier 2 日本 中戦車

公式紹介ページ

スペック

車体

HP175
車体装甲厚(mm)17/15/15
最高速度(km/h)25
重量/最大積載量(t)12.7/13.0
本体価格(シルバー)350,500
修理費(シルバー)

パッケージ

Type 91
(1,240/46,500)
Type 89 I-Go/Chi-Ro
(130/3,400)
Type 89 Kou
(115/3,750)
Type 89B Chi-Ro
(235/4,430)
Type 89B Chi-Ro Otsu
(235/6,780)

詳細

パッケージ名エンジン武装履帯砲塔
出力弾種貫通力ダメージ総弾数弾代発射速度
照準時間
精度
旋回速度砲塔装甲旋回速度視認範囲HP通信範囲
Type 89 I-Go/Chi-RoType Da 100 HP5.7 cm Gun Type 90Type 89 KouType 89 Kou17590
118AP
HEAT
HE
30
55
28
75
75
95
10015
3G
20
24
2.30
0.42
4415/15/1534300
Type 89 KouType Da 100 HP5.7 cm Gun Type 97Type 89 OtsuType 89 Kou175300
118AP
HEAT
HE
30
55
28
75
75
95
10015
3G
20
24
2.30
0.41
4515/15/1534300
Type 89B Chi-RoType Da 100 HP5.7 cm Gun Type 97Type 89 OtsuType 89 Otsu200350
118AP
HEAT
HE
30
55
28
75
75
95
10015
3G
20
26.09
2.10
0.40
4515/15/1538320
Type 89B Chi-Ro OtsuMitsubishi A6120VD5.7 cm Gun Type 97Type 89 OtsuType 89 Otsu200425
120AP
HEAT
HE
30
55
28
75
75
95
10015
3G
20
26.09
2.10
0.40
4515/15/1538320

解説

  • 概要
    2016/10/06に追加された、日本Tier2中戦車。
    帝国陸軍初の国産戦車であり、日本重戦車ツリーの始まりとなる戦車である。
 
  • 火力
    • 5.7 cm Gun Type 90(九〇式五糎七戦車砲)
    • 5.7 cm Gun Type 97(九七式五糎七戦車砲)
      日本戦車ではおなじみの5.7cm砲で、九〇式の方が史実砲となっている。
      性能的には九七式の方が上だが、ほぼ誤差の範疇。
      性質はほぼ榴弾砲で、弾速に劣り弾道も放物線を描くため遠距離目標への攻撃や偏差射撃はやりにくい。
      それでも高ダメージの砲弾を分間24発、改良砲塔なら26発もの発射速度で送り込めるためDPMはとても高く、砲精度も高めのため同Tierで5.7cm砲が搭載出来るチニハ号より優れている。
      APとHEの貫通力は2しか違わないため、威力が大きく非貫通時にもダメージが見込めるHEに全弾載せ替えよう。
 
  • 装甲
    車体前面17mm、側背面15mmと非常に薄い。
    車体だけならTier2日本戦車全般似たようなものなのだが、改良砲塔まで全周15mmしかないのはこの車両くらい。
    被弾即ダメージと考えたほうがよく、Tier2軽戦車の初期装備機関砲でも簡単に穴が開く。
    HPは200と重戦車ツリーにふさわしい数値になるが、上記の通り紙装甲なので油断するとあっさり壊れる。
 
  • 機動性
    一次大戦と二次大戦の中間期の戦車だけあって、鈍足。
    自走砲に狙われるとかなり辛い。
    ただ旋回性能は悪くない。
     
  • 偵察
    視認範囲は悪くないが、初期パッケージでは無線機が通信距離が90mしかない信号旗(!)のため単独行動は禁物。
     
  • 総論
    装甲は薄く機動性も低いが、ダメージ性能に優れた砲を持つ戦車。
    そのため最前線から一歩引いた駆逐戦車的運用が望ましいが、弾が遅く山なりの弾道を描くこともあって遠距離砲戦が苦手というチグハグな面を持つ。
    このTier帯では相手戦車も小さいためさらに当てにくいが、静止目標等を狙っていくのがいいだろう。
     

史実

ルノー甲/乙型やビッカースMk.Cなどの輸入戦車の性能に満足できなかった日本陸軍は、「例え安くても旧式で未来性のない輸入戦車よりも、万難を排して国産化をするべき」として、日本初の戦車国産化に取り組む事になりました。
計画は大正15年(1926年)に開始、同時期に購入していたイギリス・ヴィッカース社のMk.C戦車や当時流行していた多砲塔戦車のインディペンデント戦車を参考に試製1号戦車の開発をスタート、年号が昭和になった昭和2年(1927年)に完成させています。
しかし、履帯の耐久性やエンジン出力などの問題で実戦には耐え得ないとして、量産化は破棄されました。
開けて昭和3年4月にさらなる国産化戦車計画を開始、やはり、スタイルをビッカースMk.Cからお手本とし、エンジンにドイツから輸入したダイムラー社製航空用水冷ガソリンエンジンを車体後部の機関室に搭載、足回りはリーフスプリングを介して転輪を懸架、車体上部には九〇式57mm戦車砲と九一式6.5mm機銃を装備する全周囲旋回砲塔を備え、同じ6.5mm機銃が車体右前部にも装備しています。 砲塔の後部に備えられた対歩兵肉薄用の機銃は、そのスタイルから日本髪になぞらえて「かんざし機銃」とも呼ばれていました。
翌年4年に大阪工廠にて試作車両が完成し、当初試作車は9.8tと軽量のため、「八九式軽戦車」として制式採用と同時に即時量産に入っています、制式採用が皇紀2589年と言うことから末尾2桁の数字を型式番号としています。
技術的に見れば、第一次大戦後の戦車に改良を施した程度でしたが、曲がりなりにも自力で開発出来た事は貴重な経験を得る事になっていました。
折からの第一次満州事変勃発で、ルノー乙型と臨時派遣独立戦車第二中隊を編成、勇躍出撃して実戦参加となりました。
ところが、初期型はガソリンタンクから気化した燃料のガス漏れが、118馬力のガソリンエンジンがバックファイアを出した際に引火して炎上する、後に火炎瓶でも炎上する危険があるとして、陸軍技術本部は本格的な国産化エンジンの開発を求めました。
昭和7年(1932年)に三菱重工が開発を手掛け、昭和9年(1934年)に完成したのが、日本初の実用戦車車載用空冷6気筒ディーゼルエンジンで、当初はカタログ値120馬力を発揮しました。
空冷化した理由は、国産不凍液の信頼性の低さもありますが、冷却機を必要としない分、構造の単純化と軽量化が見込めることがあります。
また、ディーゼルに使われる軽油は、燃料を輸入に頼る国情から将来の燃料不足を見据えていたこと、気化したとしても引火する危険性が低く、被弾時の引火・炎上の心配が不要という利点を活かし、おまけに低燃費という副次的なメリットもありました、国策として低燃費化が決定していたのでまさにうってつけだったと言えます。
ただし、空冷エンジンは出力増加するためには、エンジン自体を大型化せねばならない反面、それ程大馬力が出ないというデメリットがあるため、後の後継車は馬力を上げる為エンジンを大型化するに従い車体の大型化を余儀なくされています、後々の四式中戦車では大型化し過ぎたエンジンに対し、「四式エンジン運搬車」とも揶揄される程でした。
他国では、被弾時の耐弾性は元より、フランスやソ連が引火の危険性を避けるため、低燃費という理由でも優れていたのでイギリスがディーゼルエンジンの開発と戦車に搭載を図っていました。 アメリカは、海兵隊が海軍では燃料に軽油が使われているために兵站に有利という理由と、主要なガソリンエンジンの生産が追い付かず不足するという理由でディーゼルエンジン搭載戦車を生産していました。
昭和10年(1935年)には、このディーゼルエンジン搭載のハ九式乙型が採用となり、ガソリンエンジン搭載型は甲型と呼称するようになりました。
上海事変での実戦経験から改修を幾度か行った結果、11.8tの重量増となり戦車区分を軽戦車から中戦車に変更、「ハ九式中戦車」と制式名称も改められています。
総生産数は、甲乙共に合わせて約404両、昭和12年に勃発した日中戦争や上海事変、昭和14年から起こったノモンハン事件、更には昭和17年からの太平洋戦争初期、特にフィリピン攻略を支えた立役者として、長らく日本軍将兵達と苦楽を共にした戦車でありました。
ただし、最も多く共にしていた陸戦隊が移動や吶喊時に車体後部を荷台として利用したため、バランスが悪くなって超壕能力を著しく悪化させていたそうです。

乙型は戦闘重量13t、全長5.75m、全幅2.18m、全高2.56m、最大装甲厚17mm、主武装は九〇式57mm戦車砲と九一式6.5mm機銃を2門。 6気筒空冷ディーゼルエンジン120馬力、最大速度25km/h、最大行動距離170km。

現在、土浦にある陸上自衛隊土浦武器学校附属資料館にて、自走可能な程度にレストアされた八九式中戦車乙型が三式中戦車チヌと共に展示されていて、総合火力演習などのイベントの際に会場へ出張していたりします。

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