円盤特典編

Last-modified: 2021-08-10 (火) 07:25:54

BD/DVD特典 魔法科高校の劣等生 GUIDE BOOK 教えて!佐島先生!のQ&A集です
視聴者?から来た質問に対して相変わらずの長文解答。先生…簡潔にお願いしますよ?
原作でも公開されていない設定など、ここで公開する必要があるのか?…と信者も疑問視


特典試し読み ブックレット小説 ドリームゲーム


【入学編1 特別編 質問1】

Q.第1話の九重八雲の寺でのシーン。深雪が魔法で達也と自分の服の汚れを取り除いていましたが、これは何系統の魔法でどのような物理的現象によって汚れを除去しているのですか?
 
A.まず申し上げておかなければならないのは、四系統八種の魔法が物理現象を忠実に再現するものではなく、象徴的に改変するものだということです。ですからこのシーンでも物理現象の持つ意味を利用して、それと意味的に近い現象を起こすことで汚れを除去しています。
このとき使われた魔法系統は収束、吸収、発散です。まず物質の分布に干渉する収束系統で服の生地に土や埃が分布しない状態を作り出します。次に化学反応に干渉する吸収系統で生地に染み込んだ汗や皮脂と結び付いた汚れを分離します。それから相転移に干渉する発散系統で分離した汚れ成分を気体にして生地の外に飛ばしています。

【入学編1 特別編 質問2 摩利は料理上手? 普通の人は包丁を使ってる跡なんて出来ませんよ?】

Q.第2話の生徒会室で昼食を食べるシーン。指を怪我しているあたり、摩利はあまり料理が得意ではないようですが、なぜこの日、摩利はお弁当を作ってきたのですか?
 
A.このシーン、誤解をなさっている方が多いと思いますが、摩利は料理が得意です。調理中は包丁で指を切ったりしません。彼女が苦手なのは掃除と片付けで、指に貼られていた絆創膏は多分調理器具の後片付けの時にうっかり怪我をしてしまったのでしょう。達也が「手を見れば分かる」と言っていたのは包丁を日常的に使っている跡やフライパンの油が飛んだ跡が残っていたからです。
結論を申しましますと、料理が得意な彼女はいつもお弁当です。

原文引用編1 【食事風景 この文から『摩利は料理が得意です』という事を読み取れという無茶ぶり、アニメスタッフはエスパーではない】 参照

【入学編1 特別編 質問3】

Q.魔法が21世紀初頭に現実の技術として体系化されたとありますが、当時の魔法と達也たちの時代とではどういった違いがあるのでしょうか?また人類で最初に使用された魔法はどのような魔法でしょうか?
 
A.超能力が魔法として体系化された当初はCADの性能も低く、起動式のノウハウも未熟だったため、一人の魔法師が扱える魔法の種類も少なく、魔法の発動にも達也たちの時代より長い時間と多くのサイオンを必要としていました。そのため当時は保有するサイオン量も魔法師の能力を測る重要なファクターでした。
 実験室で最初に開発された魔法は「物を動かす」という単純な念動力を魔法に置き換える移動系魔法でした。しかし社会的に意味を持つという意味で最初に実用化された摩法は、核分裂反応を停止させる放出系魔法です。

【九校戦編1 特別編 質問3】

Q.エリカと幹比古が幼馴染とありますが、千葉家と吉田家の関係はどういったものなのでしょうか?また二人の昔のエピソードがあれば教えてください
 
A.千葉家と吉田家はエリカや幹比古の祖父の代からの付き合いです。
 千葉家はエリカの祖父が魔法剣技〈剣術〉体系化し、父親がそれを広めました。千葉家が今の家に住み始めたのは剣術道場を始めてからで、それまでは吉田家の近所でした。
 といっても、子供の頃から付き合いがあったわけではありません。吉田家と千葉家の付き合いは、エリカの祖父が吉田家の魔法を学ぶ為にその門を叩いたことから始まりました。
 その当時はまた魔法研究が進んでおらず、古式魔法の方が新しい魔法、達也たちの時代で言う現代魔法より優れていました。自己加速術式を伝える法術剣士の家系出身であるエリカの祖父は、家伝の剣術を魔法戦闘技術として進化させる為に、古式魔法の伝承者であることを世間に明かしていた吉田家の教えを請うたのです。
 後にエリカの祖父は吉田一門と別れ、色々な所で修行を積み魔法剣技〈剣術〉を体系化させました。しかし彼は吉田一門と喧嘩別れしたのではなく、最初の師である吉田家に対する敬意と恩義を死ぬまで忘れませんでした。現代魔法の発達により古式魔法を学ぶ者が減少した時期があり、その時に吉田家は没落し掛かりましたが、〈剣術〉の創始者として名声を確立していたエリカの祖父が恩返しに援助したこともあります。そうした経緯で千葉家と吉田家はお互いの家を行き来する関係になりました。
エリカはとある事情から学校以外で家の外に出ることを許されていませんが、幹比古が初めて千葉家を訪れた時に同い年のエリカと会って、それ以降の付き合いになっています。
 出会った当初は、幹比古がエリカのことを気に掛けて色々構おうとしたのをエリカが鬱陶しがって邪険にしていた、という今と反対の関係でした。

【九校戦編1 特別編 質問6】

Q.牛山と達也の出会いや二人で開発をするようになった経緯などあれば教えてください
 
A. 達也は現独立魔法大隊の真田と知り合ったことで、父親の思惑から外れて自分のアイデアで新しいCADを開発しようと思い立ちました。しかし当時の彼にはハードウェアの知識がありません。そこで本社の人事管理システムをハッキングして、ハードウェア開発の高い実力を持ちながらFLTの中で冷遇されている人材を慎重に探しました。そうして見つけたのが牛山です。
 しかし、見つけてすぐに牛山と接触したわけではありません。何といっても達也はまだ無名の中学生でしかありませんでしたから直接会いに行っても相手にされるはずもありませんでした。
 そこで色々と後ろめたいことのある父親を脅して開発第三課に研修という名目で潜り込み、ループキャストシステム用CADの企画書をわざわざ紙に出力してこっそり牛山のデスクに紛れ込ませるという裏工作を行いました。それまで重役の息子の道楽としてしか達也のことを見ていなかった牛山が、その企画書を見て仰天し達也に「自分で考えたのか」と詰め寄ったのが達也と牛山の、本当の意味での出会いです。

【九校戦編2 特別編 質問4】

Q.幹比古が魔法力を失うきっかけとなった一年前の事故について教えてください
 
A.2094年8月17日、旧暦2094年7月7日の太陰暦七夕の日、吉田家では年一回の重要な魔法儀式が行われていました。広域気象操作が可能な神霊――大規模独立情報体を喚起する(呼び出して活性化する)技を競う儀式です。
 この儀式で幹比古の兄の元比古は大気流動の大規模独立情報体「風神」の喚起に成功。対抗心を燃やした幹比古は制止する周囲の声を聞かず、吉田家の最終目標である水の大循環の独立情報体《竜神》の喚起に挑むがこれに失敗。相思の枯渇を起こして気を失ってしまいます。
 それ以来、幹比古は、自分の魔法発動が遅くなっているという感覚に取り付かれて魔法が上手く使えなくなるのですが、実際には速度低下の事実はありません。これは幹比古の感覚が加速した為の錯覚です。幹比古は《竜神》との接触時、向こう側からの干渉で無理やり魔法演算を加速させられた時の感覚を引きずっていたのです。幹比古のスランプの原因は、竜神との接触体験にとりつかれていたせいなのでした。
 達也によって、CADを利用したより高速な現代魔法の原理に基づく古式魔法の術式を使用する機会を与えられたことにより、幹比古は発動速度との感覚のずれを克服しスランプを脱却しました。今では、自分が何故スランプだったのかその理由を自覚しています。

【九校戦編2 特別編 質問6】

Q.服部と桐原は仲が良いようですが、何かエピソードなどありましたら教えてください
 
A.二人とも徹底した実力主義ですから、入学当時からお互いを認め合っていました。しかし服部と桐原が本格的に仲良くなったのは、二人が一年生の10月に〈正式な試合〉をしてからです。
 生徒会長になった真由美から副会長に指名された服部は、その当時とても張り切っていました。風紀委員を差し置いて校内を積極的に巡回していた程です。その得意げな態度を目にして、桐原は服部に挑戦状を叩きつけたのです。そんなに偉そうに振舞う実力があるなら見せてみろ、と。
 結果は服部の辛勝でした。二人とも入院しなければならないほどの重症は無かったものの、顔も体も痣だらけで酷い有様になっていました。それを黙って見ていた真由美も摩利も大概ですが。しかしその結果、桐原は服部にとって本音も見せられるし弱音も吐ける、数少ない友人の一人になりました。拳が育んだ友情ということですね。

【九校戦編3 特別編 質問2】

Q.中華街で無頭竜が九校戦の勝敗で賭けを行っていますが、この賭けにはどのような客が参加しているのでしょうか?
 
A.友好的な多国籍犯罪組織、非合法性の強い傭兵団、兵器ブローカーといった、「ソーサリー・ブースター」のお得意様です。
 なお賭は胴元がオッズを決めて客の相手サイドとして参加するイレギュラーなブックメーカー方式で行われました。無頭竜はお得意様の接待と銘打ち、大本命の一高に高いオッズを示して掛け金を集中させ、三高に優勝させることによって利益を得ると共にいかさまを疑われないよう勝ち過ぎを回避する、という商売を目論んでいました。

【九校戦編3 特別編 質問3】

Q.『氷炎地獄』『フォノンメーザー』『ニブルヘイム』はA級魔法師にしか公開されていないそうですが、公開の基準はどのようなものでしょうか?また、ライセンスはいつから取れるのでしょうか?
 
A.まず押さえておかなければならないのは、A級ライセンスを持たない魔法師がこれらの魔法を使っても法令違反にはならず、私的にもペナルティを受けることはないということです。現代魔法の特徴として、発動しようとする魔法に対してキャパシティと干渉力のどちらか一方でも不足していると魔法は全く発動しません。魔法力が足りなくて魔法が暴走するということは無いのです。
 魔法の制御は起動式によって発動時点で魔法が終了するまでの事象改変が決定されていますので、コントロール力という意味でも魔法力が不足して魔法が暴走することはありません。魔法の暴走は、その魔法を発動できる魔法師が変数の設定を失敗したときに起こります。例えば深雪の冷却魔法の暴走は、座標や強度の変数を設定せずに魔法を発動してしまった為に起こる現象です。それ故、魔法力が不足しているライセンス未取得者に高レベルの魔法を禁止する理由はありません。単に「使えない」という結果が待っているだけですから。
 『氷炎地獄』などの高等魔法がA級魔法師にしか公開されていないのは、単に国際魔法協会でそう決められているからです。A級ライセンスに伴う特権の一つとして、これらの魔法の起動式が魔法協会と魔法大学から無償で提供されています。ですから、A級魔法師でなくても『氷炎地獄』や『フォノンメーザー』の起動式を入手するのは可能です。魔法協会と魔法大学以外の私的な魔法研究機関に行けば、非公開の全ての起動式が手に入るというわけにはいきませんが、一つ二つの非公開になっている高等魔法の起動式は有償で手に入れられます。
 また、A級魔法師にしか公開されていないというのも完全に正確ではありません。A級ライセンス試験の課題魔法に選ばれた高等魔法は、受験者に対して魔法協会を通じ事前に起動式が配布されます。配布する際に守秘義務が課せられますが、起動式はデータですから違反してリークしても事実上ばれることはありません。実際にリークされることはほとんどありませんが。
 魔法師のライセンス試験は満18歳以上で受験できます。受験できるのはC級以下で、A級を受験する為にはB級のライセンスが、B級を受験する為にはC級のライセンスが必要になります。ライセンスの取得には、試験に合格後1年間の実務経験が必要になります。この実務経験は、証明書にC級以上かつそのライセンス以上のランクの魔法師が署名することにより認められます。例えばB級ライセンスの実務経験の証明書にはB級またはA級の魔法師のサインが必要です。ここで不正を行うと、それが発覚した場合、署名した魔法師のライセンスまで一緒に取り消しになります。ほとんどの魔法師は、魔法大学やそれに準じる高等魔法教育機関卒業時にライセンス試験を受けます。

【九校戦編3 特別編 質問6 3Mさんと風紀委員長のどうでもいい馴れ初め】

Q.エリカの兄・修次と摩利は交際関係にあるようですが、なれそめを教えて下さい
 
A.二人のなれそめは千葉道場に摩利が入門したところから始まりました。と言っても、摩利も最初から千葉本家の道場に通っていたのではありません。中学二年生の時、地元の警察署の中にある千葉道場に入門した摩利はめきめきと上達し、第一高校入学を機に本家道場へ推薦されました。
 摩利は確かにこの当時から優れたセンスを示していましたが、実力的には本家道場のトップクラスに到底及ばず、年下のエリカにも惨敗して、本家入門早々すっかり落ち込んでいました。その摩利を辛抱強く励まし、指導したのが修次です。皮肉なことに、修次と摩利の仲を取り持ったのは、摩利に敗北の苦汁をなめさせたエリカだったと言えるかもしれません。

【横浜騒乱編2 特別編 質問7】

Q.大亜連合が論文コンペの会場に突入したため、 吉祥寺が発表する機会は失われてしまいましたが、彼はどんな発表をする予定だったのでしょうか?
 
A.吉祥寺の発表テーマは「基本コード魔法の重複限界」でした。基本コードを用いた魔法は物質を一時的に熱や圧力が作用した状態に改変するのではなく、熱や圧力を直接発生させると予想されています。事象改変は単純に「熱を加えること」「圧力を加えること」で同じ対象に繰り返し行使しても重ね掛けによる必要干渉力の増大は発生しませんし、状態の変化を定義するものではありませんから、効果は無限に累積していきます。
 吉祥寺は加重系基本コードを用いた魔法を重複発動し続けることにより金属酸素を作り出す実験で、基本コード魔法に理論的な重複限界が無いことを示そうとしました。

【横浜騒乱編2 特別編 質問9】

Q.藤林と小野遥はそれぞれの異名をお互い知っていましたが、二人は魔法師の世界ではどの程度有名人なのでしょうか?
 
A.藤林響子はかなりの有名人です。第二高校は九校戦に一度だけ優勝したことがあるのですが、彼女はその時の立役者です。真由美や摩利のような派手な活躍はありませんでしたが、同世代の魔法師の間では忘れられないヒロインとなっています。また、日本魔法界の長老・九島烈の孫であり、古式魔法の名門・藤林家の長女として魔法師社交界でも名花扱いされています。
 「電子の魔女(エレクトロン・ソーサリス)」の異名も有名ですが、それは電子を操る放出系魔法の名手としての側面が良く知られているだけで、その名が天才ハッカーの異名でもあることを知っているのは、諜報の世界に身を置く者にほぼ限られています。
 一方の小野遥はほとんど知られていません。正体不明の凄腕女スパイ「ミズ・ファントム」の名は諜報の世界で知らぬ者は無いというほど有名ですが、「ミズ・ファントム」の正体が小野遥であるということを知っているのは本当に一握りの人間だけです。藤林はハッキングスキルを駆使して遥の正体を突き止めましたが、最終的な特定には九重八雲を訪ねる必要がありました。

【横浜騒乱編3 特別編 質問3】

Q.深雪が達也に科している魔法力の封印と解放について詳しく教えてください
 
A.達也と深雪の双方に掛けられた精神干渉系魔法で、深雪の魔法制御力を使って達也の魔法演算領域の機能を部分的にブロックしています。
 元々は西暦2092年8月の沖縄戦(原作八巻「追憶編」、アニメの一話冒頭)の後、二人の母親である深夜が編み出し行使した魔法です。深夜はまず、達也の魔法演算領域に深雪の魔法制御力を受け入れる一種のバックドアを作りました。そして今度は、深雪の魔法を制御する能力を使って達也の分解魔法に制限を掛けました。この所為で達也は「マテリアル・バースト」を自由に使えず、深雪は自分の魔法を制御しきれずに暴走させてしまうようになりました。
 深夜の死後、このシステムは四葉の分家当主に引き継がれましたが、分家の魔法ではこの仕組みを継続的に維持することはできず、深雪が自分で自分に魔法を掛けるような形式に変更せざるを得ませんでした。その魔法の性質上、深雪に解除の鍵を持たせる必要があったのです。それが「達也の額に深雪が唇で触れる」という動作でした。
 ですから、封印の解除は達也の魔法力の全解放であるのと同時に、深雪が本来の魔法制御力を取り戻すことでもあります。

【横浜騒乱編3 特別編 質問5】

Q.第26話で深雪たちが陳祥山の『鬼門遁甲』を打ち破った具体的な方法を教えてください
 
A.陳祥山の目的を魔法協会の機密データと予想した深雪は、機密データをコピー可能な端末が置かれた閲覧室で待ち伏せることにしました。しかしいくら監視モニターを切り替えてみても怪しい人影を発見できません。相手を認識しようとすると、その意識を逸らされる魔法が使われていると考えた深雪は、美月に閲覧室に接近する霊子光を見張らせました。
 精神に働き掛ける魔法も想子を媒体にしています。霊子光は他者の精神に影響を与えますが、意識を操作する魔法とは無関係です。従って霊子光だけを見ていれば、意識を別方向に誘導されることはありません。そして深雪は接近するスパイに注意するのではなく、美月の指示に従って閲覧室の扉が開くのを待っていました。
 もし深雪がドアを見張っていただけなら、ドアが開いて陳祥山が入ってきた途端、「鬼門遁甲」の術中にはまって彼の姿を見失っていたでしょう。ですが美月の指示によって、部屋に入ってくるタイミングに合わせて目を向けることにより、陳祥山の姿を認識することができました。鬼門遁甲は認識の方向をずらす術ですので「何時、何処にいるか」を探している相手には有効ですが、「今、そこにいる」と確信して目を向けられると通用しなくなるのです。