用語/た行

Last-modified: 2021-12-17 (金) 17:55:19

あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行~ A~

大亜連合

劣等星における中国。
作中の中国は、何故かビルマ北部、ベトナム北部、ラオス北部、朝鮮半島ほかの征服へと乗り出し東アジア大陸国家なるものを築き上げた。
だがWW3の初期、その中国の南半分が「大漢」として独立し、魔法技術を独占していた組織「崑崙方院」が大漢側についてしまったため、魔法技術の殆どを喪失する。その結果、物量で劣る大漢に対してなかなか決め手を欠いたままウン十年を過ごす。
その後、似本からやってきた愉快な殺人鬼一家が大漢と崑崙方院を滅亡に追い込み、その残りカスを併合することで作中における大亜連合が誕生した。

こういった経緯もあって現代魔法のノウハウが不足しており、戦力の多くを古式魔法に頼っている。賢者(笑)のせいじくんからは魔法後進国と露骨に馬鹿にされている。似本やUSNAといった「魔法先進国」も大差のないディストピアになっているあたり最高にアイロニカルである。
だが魔法後進国というのはあくまで現代魔法を基準とした評価でしかない。なにせ中国は仙術や法術、錬丹術、チベット仏教といったオカルト系のネタには事欠かない。落雷魔法の霹靂塔でCADの機能を破壊し、CADに頼らない古式中心で攻め立てていけば、現代魔法相手でも遅れを取らないのである。電子金蚕もまさかCADしか誤作動させられないわけではあるまいし、銀行やら交通管制システムやらをガタガタにすることも出来たはずである。似本魔法協会最深部にまで行けた鬼門遁甲なら場所さえ選べば侵入も楽勝だろう。現代魔法のノウハウが乏しいとはいえ、ぶっちゃけ洗脳魔法イビル☆アイだけあれば総理大臣の洗脳すら不可能ではない。

…などということを左遷が思いつくハズもないのはお分かりだろう。作中においては人命軽視の割に非効率な珍兵器(バンクスピンジャンプ車、ロケスク、戦ポコ、ゾンビ兵士など)ばかりを送り出し、幾度となく芝さんに踏みつけにされ続ける作中最大級のサンドバッグである。

体格

wwさんたち劣等星人の謎設定の一つ。
イラストやアニメなどでは典型的なラノベ主人公風の優男として描かれているwwさんだが、原作ではものすごく筋肉質で大柄なキャラとして周囲から見られている。これもテンプレを外すためだけに付加した意味のない設定の一つだろう。
しかし彼の身長体重は設定では175cm70kg(横浜ソーラン時点で178cm)とされており、どう考えてもイラストが正しいと思われる普通の体格なのである。
作中ではあまりに筋肉質すぎて「身長が合った制服に腕が入らない」などという描写もされるが、この体重でそこまで極端なことが発生するとは考えづらく、細身だけど肩辺りが極端に突出したEVA初号機あるいはフラジールのような体形でもしているのではないかと噂された。
軍人に混じっても「大柄な男」として描写されるが、むしろ小柄で痩せ気味だろう。ちなみに芝さんの身長が伸びた描写は横浜以降無いようである。

また、巌のような体格とされるホ文字こと十文字も186cm90kgと高校生としては比較的大柄といった程度(筋肉質で身長体重比が近い現実の著名人は某レイザーHGさん
世界的なトップモデルが裸足で逃げ出すらしいキモウトに関しても、芝さんとの身長差からしてモデル失格のチビであると言わざるをえない。左遷生はモデルの資格が顔面偏差値だけだと思ってるのだろうか。
あるいは、劣等星では寒冷化とWW3による食料事情の悪化によって全人類がダウンサイジングしているのかもしれない。全世界的に遺伝子改造バンバンやる方針らしいし。
 
作者がいつものようにこの手の知識を持たず、おまけに方向性すら定まらないままにキャラ造形を進め、評価として欲しかったであろう「中性的で優しげなイケメン」と「男性的な魅力あふれるワイルドなナイスガイ」が実際の表現に当たって合体事故を起こした結果がこの有様だと思われる。見切り発車、ダメ絶対。
逆に、これらの表記から「作者は175を大柄と感じ180以上は化物じみた巨体と感じるような身長なのではないか?」「高身長だとアバターとして自己投影できなくなるからではないか」といった、作者の体格を推測する声もある。

大漢崩壊

「追憶編」(アニメ化範囲外)の始まりで語られた四葉家による大虐殺。
発端は、台湾で行われた少年少女魔法師交流会の場で、当時12歳のオバサン・四葉真夜が魔法師製造実験の実験台として南中国こと大漢に拉致されたことである。
WW3真っ只中に、正式な軍事同盟を結んでいない国を相手に呑気に「交流会」を行い、そこに大事な跡継ぎを出しちゃった理由は不明だが、とにかくオバサンが拉致されたのである。

オバサンは3日後救出されたが、人体実験のついでにエロ同人みたいに乱暴されており、生殖機能を喪失してしまった。魔法師製造実験なのにどういう目的があって生殖機能を失わせたのかは定かでないが、とにかく乱暴されたのである。信者も「この国なら日常茶飯事だったな」とか言って納得しているのでそれでいいのである。信者に大漢(南中国)と大亜(北中国)の区別がついていない恐れがあるが。

四葉はその報復行動として、精神操作魔法を利用して同士討ちをさせたり、飛行機をビルに突っ込ませたりするなどの極めて残虐な手段をもって、無関係な者を含む4000人もの魔法師を惨殺し、大漢の魔法研究の成果を残さず全て踏みにじった。
救出作戦ならまだしも、救出した後で単なる復讐のために兵を動かして一国を滅亡させるという国際問題待ったなしの事件を引き起こした四葉にはその後制裁らしい制裁は一切下されず、むしろ十師族の中で誰も逆らえないアンタッチャブル()という評価を固めてしまった。
結果的に、似本にとってバリバリの敵国である大亜をつけあがらせる結果になっている件とか、弱ってた四葉を誰も潰しに行かなかった理由とか、そもそも国を崩壊させるには少なすぎ、誘拐の実行犯である崑崙方院だけピンポイントで潰したと言うには無駄に多すぎる4000人という数字はどこから割り出したんだとか、拉致事件現場となった台湾には別に復讐しなくていいやとなぜ思ったのかとか、考えれば考えるほど迷宮にはまりこんでいくのは仕様である。
22巻にて、殺された4000人の中には国防軍のスパイを含む似本人も大勢いたことが発覚した。

しかも4000人殺してまだ復讐し足りないとばかりに、四葉はもっと殺すための「超越者」作りに邁進するありさまである。この蛮行で四葉側にも少なからず犠牲者が出たというのに、とんだ殺人ジャンキーどもである。

 

信者の中にはアニメ化は失敗で、追憶編がアニメ化されれば評価は変わると喚いている者もいるが、むしろこれを見る限りでは誰も主人公に共感できなくなること必至である。

魔法師の生産を目的に少女を拉致するというエロゲ御用達の展開は「ある愚か者の消失」で使い回され、それ専門の人身売買組織まで登場した。この組織を運営しているのは東南アジアの犯罪組織であり、作者の国際問題への無理解が見て取れる。

第五巻で登場した一高OBの警官ふたり

西暦2095年8月14日午後、ランチを終え、レストラン街からショッピングエリアに降りるエスカレーターの前で達也君と達也妹の前に現れたチンピラを取り押さえた警察官たち。登場シーン、第五巻P.246~247

【警官のセリフ一覧】

「ええと、話を聞かせてもらいたいので署まで同行してもらえますか」

「えーっ、それとですな......」

「......司波深雪さんですよね?今年の九校戦に出ていた。本官たちは一高のOBでして......よろしければ、その、サインを」

太陽光プラント

エネルギーから資源、食糧に至るまで生み出す夢のプラントである。太陽光を利用した用語/さ行 ソイレントシステム/ソイレントグリーン」、「レプリケイター」とも噂される。
劣等星ではオーストラリアが鎖国したり、シーレーンが崩壊しているにもかかわらず、食糧不足にもならずコーヒー豆やカカオといったものまで普通に手に入るため、作者が考えた未来の技術ではなく、作者の世界設定のいいかげんさを押し付けられたプラントのほうが図らずも超技術の賜物となってしまった。
先進国が独占したため用語/A~ WW3が発生したと言っても過言ではない。
劣等星では基本他国への技術提供や人道支援などは売国行為とみなされる。確かに、技術は資産でありその扱いは慎重に行う必要はあるが、時と場合によるだろう。
なぜここまで極端から極端に走るのだろうか。
と思っていたら、なんか芝さん考案のエスケイプス()とやらを褒めるくだりで「現代産業は毎年の気象条件に、それまで以上に大きく左右されるようになった」とか言い出した。いや、寒冷化とエネルギー不足は太陽光プラントで何とかしたんじゃなかったのかよ。

卵の例え

入学編(アニメ第5話)にて、芝さんが魔法の工程数と発動時間の関係を説明するシーンのこと。
これによると、本作ではテーブルの上の卵を別のテーブルへと放物線を描いて移動させるためには
1.「加速」魔法で力を加える
2.「移動」魔法で速度を一定に保つ
3.「減速」魔法で徐々に勢いを殺す
4.「停止」魔法で完全に静止させる
という四工程が必要で、これを加速だけの一工程でやってしまうと、減速がきかずに卵は潰れてしまうとのこと。
きたうみ版の図解ページが、作中の魔法理論が破綻していることを象徴する画像として広くネット上に流通した。
物理現象を改変しているという設定の割には「加速」「減速」「停止」「移動」を全部別個の魔法として扱っている、移動中に速度を一定にする必要があるなど、ツッコミどころが多い。力と運動の関係は高校物理どころか中学の理科で教わる内容である。

このシーンはwwさんが服部くんとの模擬戦をする直前に、「戦闘で人を吹っ飛ばす場合は、中身が潰れても構わないので『加速』の一工程でおk」という魔法戦闘の定石を説明するための前フリとして説明された。
まだ本編からすれば最初の最初(ただし第5話)ともいえる場面だが、「戦闘の前に長々と無駄な解説をする」「模擬戦で人の内臓を潰そうとする無駄な残虐性」「中学生レベルの知識があれば疑問を感じる科学要素」といった今後の展開を予想させるエッセンスと、「wwさんは四工程は無理だが一工程の魔法なら誰よりも早く出せる」というさすおにを混ぜ合わせた、劣等生というものを凝縮したかのような迷シーンである。

もっとも「一般的な魔法師はゴチャゴチャ工程を踏まなければ卵一つ満足に動かせない」という劣等星での絶対的な真理だけはこれ以上ないほどに伝わってくる。
揺らすと死にかねない負傷者だとか振動感知型の爆弾だとかをそーっと動かす練習だから卵で力加減を試している、とでも解釈せざるをえないが、そんな前提は一言も作中に出てこない。ただ魔法に慣れるためだけにやってるというなら卵でやらなければならない理由などないのだが。
本当に卵を運びたいだけなら「目的地に向けて加速魔法で飛ばす」+「殻に硬化魔法かけて割れなくする」の二工程で充分では?

なお某画像掲示板にてこれがネタにされたときに最初に突っ込まれたのは「卵が放射線を描いて飛んでいく」という誤植ネタだったが、今ではそのネタのインパクトはかすんでしまっている。
 
原文引用編1 【本気で言ってる?物を移動する時のおバカな四工程】参照
 

太陽ではない。お兄様を中心に地球は回る。

電撃文庫通算3000タイトル達成を記念企画の「キミの感想が電撃文庫を飾る!オススメコメント大募集!」で最優秀賞の一つに選ばれた「karironnisi」氏の投稿コメント。
「達也」ではなく「お兄様」と呼んだうえで、何もかもがwwさんに都合の良い世界というのを認識しているあたり、劣等生の内容を額面通りに受け取り面白いと思っている生粋の信者のコメントではないだろう。

これに対して

若干突っ込みたくなるくらいオーバーな表現であるものの、いや……冗談とも言い切れないのか?
と思わせるフレーズを考えてくれました。そこまで言わせてしまうほどの「達也の凄さ」って一体?
と気になってしまう印象深さが良かったです!

というコメントを返している。
冗談と言い切れないと言っているあたり、審査員も分かっているのだろう。
劣等生の内容を的確に揶揄した優れたフレーズではあるのだが、作者の意図や信者の考える作品像とは確実にかけ離れているであろう文言を採用するという事は、編集部でも劣等生は真っ当なSFなどではなく、さすおにというネタにされる作品として売らなければならないという認識が完全に定着したようである。
斜めな見方だが、その他のフレーズも「え?そんな作品だったっけ?」と思わせるようなものも多く、内容よりも宣伝で売ろうとする現在の電撃のコンセプトそのものではないかという考えもできる。
 
画像
http://i.imgur.com/Lnep886.png

地球寒冷化

劣等星で21世紀に発生した過程。いうまでもなく、現実世界での地球温暖化に対応しており、左遷先生が気候温暖化を認めていないことを示す思想表現である。今日のように地球温暖化が環境問題とされる前は地球寒冷化が予測されてきたが、20世紀の寒冷化説を今なお信じている訳ではない。

忘れられやすいが、漫画版などで劣等星の登場人物たちが結構厚着をしているのはそのため。電撃文庫的には視覚的に面白くなくとも、左遷先生はこの辺りでは妥協しない。

超越者

原作16巻で突然出てきた概念。
現実の神学においては有限な偶然的存在を超え出た必然的存在者つまり神を〈超越者〉とよぶらしい。劣等生における超越者のことは神学を真面目に学んでいる人々にはオフレコで頼む。

これまでガタガタながらも一応積み上げてきた「劣等生の兄、優等生の妹」という、話のバックボーンになっていたはずの事柄を何もかもぶち壊してしまった、ある意味分解を超える四葉の秘伝である。
発端は前述の大漢崩壊で、世界の悪意()に曝された()真夜が身勝手にも世界の滅亡を祈ったことである。これに、四葉の絶対的な守護者を作りたいという他の四葉上層部の思惑が重なって、精神操作魔法を利用した究極の魔法師として製造されたのが他ならぬwwさんだったのである。
その上で、

  • 赤子の頃 : 戦士となるため最適な栄養を与えられた
  • 立ち上がった直後 : 最適な身体操作の訓練を開始
  • 歩けるようになった直後 : 戦闘訓練を開始
  • どんなに嫌がって泣き叫んでもその意思は無視され家族から隔離
  • 6才のとき:人造魔法師実験被験者となる。その直後、30才の脂がのった戦闘魔法師を最初から殺し合いの条件で血の海に沈めた(初の殺害)

という、よく見たら脳筋丸出しの訓練を施された結果

  • 再生と衛星が無ければ微妙な戦闘能力
  • 様々なスキルを全く活用できない知性
  • 反骨ぶって愚痴は零すが実は権力者が大好きで命令に逆らわない忠誠心
  • 他人を言い負かすだけで満足する薄っぺらな自尊心
  • 他人の承諾が無ければ動けない消極性
  • 6年鍛え上げたのに部活レベルに負ける体術

という、兵士と呼ぶには頭が悪すぎで、兵器と呼ぶにはコスパが悪すぎる、強いて言えば四葉の被害妄想をそのまま形にしたような、どうにも中途半端な殺人マッスィーンが完成したのである。

とはいえ、6才までの間泣き叫ぶほどのストレスにさらされた後、脳改造によってそのストレスすらも感じられなくされてしまったのだから、事実上芝さんの精神的成長は6歳で止められてしまったことになる。芝さんの幼稚な倫理観とストレス耐性の低さは、あらかたこれで説明が付くといえる(棒)
という事は子供が嫌いな理由の根幹は同族嫌悪にあるのではないのだろうか。
普通はこういったパターンの場合、メンタルや頭脳面も身体以上に徹底して鍛えられているといった事が多いのだが、戦闘技術しか教えてないのか、鍛えてもアレなのか、単に左遷にそういうキャラが描けないだけなのかは分からない。

芝さんに訓練が施されたのは、想定以上にヤバい物を作ってしまったことに気付いた四葉家が彼を始末しようとしたがそれが当時の当主に阻まれ、苦肉の策として「魔法が無くても自分の身を守れるようにする」「その身に宿した『世界を破壊する力』を暴走させずに済むよう強く育てる」ことを目指した、いわば温情だったらしい。
だが芝さんは先ほども言ったがメンタルや頭脳面が底辺そのものであり、四葉家のお膳立てや日本軍のバック、左遷の加護が無い場合は世界を破壊するどころか、せいぜいホコテンでマテバをぶっ放すくらいが関の山だっただろう。

調整体魔法師

遺伝子操作によって作られた魔法師の総称。
歪な技術発展を遂げている劣等星は何故か試験管ベイビーの作成技術に限って全然発展しておらず、その多くは寿命が短かったり極端に病弱だったりする。
現代魔法師が生まれだしてすぐ、実験動物みたいにモリモリ作ってサンプル取ってバンバン使い捨てまくったおかげでゲノムマップ完全解析()できたよ! やったね! だそうである。完全解析できたにも関わらず、試験管で作ると未だに高確率で残念なことになるらしく、たぶん技術的には伸びしろがほとんど残ってない設定なのだと思われる。
芝さんを守り犬死にしたバリア女やキモウト二号が該当する。また、レオの祖父が「発狂せずに天寿をまっとうした数少ない初期型成功例」である。隷属遺伝子なんか仕込まれたりしてた目潰し女の血筋も元をたどればこれ。

16巻にて、キモウトの正体が芝さんの子供を産むために改造を施された完全調整体魔法師であることが判明した。
これは改造者の芝ママが超天才()で、なおかつ「自分の胎内で改造」するというマジキチ行為ができたから実現したこととされている。
そう考えると作中のクローン技術の停滞は、芝さん以外に超越者を生み出せないようにイデア様が悪戯している結果なのだという邪推も可能だが、あくまで邪推でしかない。
似本における「調整体魔法師やその子孫」は「それ以外の魔法師」の1/4程度だとされている。が、アンチスレでは「ミサイル止め魔法発生装置の部品として過ごす奴隷たちがどっさり使い潰されているのではないか」などとたまに
ささやかれている。
22巻では、USNAの主力戦艦エンタープライズ号()の動力源として調整体魔法師の皆さんが使い潰されていることが明らかとなり、無知なポンコツリーナを驚愕させた。

直立戦車

芝さんたちに破壊されるために開発された歩く棺桶、またはブリキ缶。通称は先行者、キョンシー戦車、戦ポコなど。
チェーンソーやパイルハンマーを装備するというロマンあふれる装備なくせに「市街地において効率的に歩兵を掃討することを目的に元は東欧で開発された兵器だ」そうである、明らかに使い方を間違っている。
そしていかんせん外見が非常にださく、土木用と言われた方が納得できる。
大亜細亜連合の上陸軍が使用したがドライアイスで穴が開き、カーボンナノチューブを使った武器や刀剣類に切断され、魔法で液状化した(?)地面に沈み、お兄様にナイナイされるなどろくな目に合わなかった。
ちなみに「刀身を濡らす赤い液体は、間違いなく、操縦者の鮮血だ」とあるので人が操縦している。現代より八十年たった劣等生世界では陸上の無人兵器は実用化されていないことがわかる場面でもある。
なぜか重量が8tしかないのだが(日本の10式戦車は44t、これでも軽く諸外国は55-70tくらいある)、佐島先生は戦車ではなく軽戦車や装甲車みたいなものだからこれでいいと強弁している、ドライアイスで穴が開くのもそのせいらしい。
動力源の大半を中の人の式神魔法だか何だかに頼っているらしく、兵器としてはロマンのありすぎる人型も術の制約上仕方なくらしい。
ミキヒコが熱くその産廃っぷりを非難してくれる以上、左遷生もコレは歩くゴミだと認識しているはず。
なんでそんなもんが主戦力になってるのかって? ガチ雑魚の剣道小町先輩でも役立てるラインまで敵を弱くしないと「剣は殺しの為の道具だから殺人しても正しい」みたいな話ができないからだろう。
その脆さと軽さから、材質はプラスチックや陶器、段ボールではないかと言われている。

ディオーネー計画

22巻にて突然生えてきた計画。
魔法が平和利用できることを愚かな民衆にアピールするべく、USNA、新ソ連など各国が合同で行う一大プロジェクトで、魔法師の力で金星をテラフォーミングし、宇宙への移民を目指すというもの。
その第一歩として、各国から優秀な魔法師(1名ポンコツ)を招集して、そこに芝さんを加えた計10名がプロジェクトの中核を担う。
だが、他人の痛みには鈍感な割に自分への害意には超絶敏感な芝さんは、この計画のウラをとっくに見抜いていた。

実はテラフォーミング云々は真っ赤なウソであり、真の目的は世界的プロジェクトにかこつけて各国の魔法師を徴用して大気圏外にぶっ飛ばし、防衛力を魔法に依存している小国の力を奪い、最終的には大国がそれらの国々を取り込むこと…らしい。
この「小国」には似本も含まれ、似本は魔法師がいなくなったら弱小国に成り下がってしまうらしい。

  • USNAや新ソ連のような肥大化しまくった大国が、今更周囲の小国を武力併合したところで何のメリットがあるのか
  • そもそもそんな回りくどいことをせずとも、超大国らしく経済面や文化面で内政に干渉した方が手っ取り早いのではないか
  • 資源もなく気候も滅茶苦茶で人材も腐っている劣等似本なんて無視した方が得ではないか
  • こんな計画で揺らぐような小国(途上国)が、ただでさえCADやら遺伝子操作やらで金食い虫な上「貧乏にならない保証」が無ければ裏切るようなゴミクズ揃いの魔法師を養えるのか
  • むしろ、寄生虫がいなくなったら小国は豊かになるのではないか

と、表の目的裏の目的共にツッコミどころ満載だが、それもそのはず。この計画の裏の裏は、芝さんの魔法もさすがに大気圏外から地球に影響を及ぼすことはできないだろうという楽観的な前提(なお劇場版)の上で、芝さん一人を宇宙の果てへ追放するための計画なのである。

芝さんさえいなくなってしまえば魔法師なんて恐れるに足りないし、何より不死身の化け物を大気圏の外に追放するのは理に適っているので、不可能だという点に目をつぶれば完璧な作戦である。

計画の動向が注目()されていたが、芝さんがカウンターとしてエスケイプス()を披露したことによって、人知れず計画は頓挫してしまった模様。せいじくんの父曰く、大義名分を得るために世間の反魔法師感情を利用しただけで宇宙開拓への情熱は本物だったらしいのだが、保身第一の芝さんにはそんなもん関係なかった。

デスルーラ

芝さんが自己再生する際にワープできる能力の蔑称。芝さんの再生能力そのものを指して使われる場合もある。
なお「たぶん死にかけた上で再生してもなお詰んでいる場合には自動的に発動するのだろう」というだけであり、別に「無傷ではワープ能力を任意発動できない設定になっている」わけではない。
また、現状では実際に作中でデスルーラした描写自体は無い。が、「再生魔法で落としたCADを手の中にワープさせる」など既存の描写を総合すると「出来るはずじゃないとおかしくなる」という結論に至らざるをえない。
この手の不死キャラが登場する場合、大抵の作品ではどこかに追放するか、再生能力を逆手にとって動けない状態で封印してしまうのが常であるが、再生するたびに位置を変えられるとこれらの手段は通じなくなる。作者は、たとえ冗談であれ読者に芝さんを倒す方法を編み出して欲しくないようである。
「小学生の無敵バリアー」レベルの屁理屈で構築されている芝さんの超越者()設定であるが、再生能力に関する設定はその中でも特に顕著である。
異物の刺さった負傷者を再生した場合「え、刺さらなかったことになったの? じゃあ異物あるとツジツマ合わないからワープさせてその辺の地面に置いとくわ」と芝さんの都合に合わせて修正力さんがサービスしてくれる、という仕組みなので、デスルーラとは厳密には死因の方が芝さんから遠ざかるように修正され、そのツジツマを合わせるために世界が丸ごと一緒に動いてくれるという現象になる。

魔人執行官(デモーニック・マーシャル)

ドウルマスターズに次ぐ、2016年12月開始の新シリーズ。

これは、『魔人』の青年と、『魔女』の少女による『天使討伐』の物語。
『魔法科高校の劣等生』の佐島勤による最新刊!!
 赤い翼が羽ばたく時。今夜も、人の命が失われる――。
 天使の姿をした『天敵』が『救済』を届けるために舞い降りる。『大量殺人による人口過剰の解消』という『救済』を。
 そんな無差別で傲慢な『天使』に死の執行を以て反逆する異端者がいた。『人』は彼らを『魔人』と呼ぶ。
 ある日。『魔人』の青年が『天使』に襲われた『人』の少女を救い、『賢者』に引き合わせる。
 少女は『賢者』に与えられた目映い偶像(アイドル)の衣によって『魔女』の力を手にする。
『賢者』は『魔人』と『魔女』を助け、『魔人』は『魔女』を守護し、『魔女』は『魔人』に手を差し伸べる。
 これは『魔人』と『魔女』と『賢者』と『天使』、そして『人』の物語。

上記は電撃公式ページの作品紹介から引用したあらすじであるが、目を引くのが『』の異常な多さである。
しかも、設定レベルの事項の羅列のみでストーリーがほとんど示唆されていない。
まんたんWEBの記事では、

「魔人執行官」は、「大量殺人による人口過剰の解消」を掲げて人殺しを繰り返す化け物と、
それらを狩る新人類「フォーシアン」がいる世界を舞台にした作品。

 
とシンプルに要約されており、佐島および電撃編集の文章基準が常識とかけ離れていることをまざまざと知らしめた。
2つのあらすじを比較するとわかるが、天使とはただの殺人鬼である。人間が天使こと「NEO」になると、超能力を得るとともに殺人衝動に目覚め、人殺しを正当化するようになる。要するに人がシリアルキラーに突然変異するというイデア様もビックリの超常現象である。
人口調整というのも、基準値を超えたらその分を殺して帳尻を合わせるだけ。佐島はトマス・ロバート・マルサスの「人口論」を引用しているが、同書で論じられている内容は無差別殺人と特に関係ない。
さらに、魔人執行官の世界には「NEO」のほかに、「ワイジアン」「フォーシアン」など多数の新人類が登場し、一般にも知られているため、人口問題をテーマに持ってくる必要性が薄い。劣等生、ドウルに続いて一般人が殺されまくる展開を必ず入れようとする佐島の思考回路が心配になってくる。特に本作では、新人類出現の前に50歳以上の人間の無差別大量死が起こったという背景がわざわざ語られている。この「メガデス・メガバース・エイジ」は本編の200年以上前の出来事であり、後に「実はNEOの陰謀だった」とか言い出すわけだが絶対人口減らしたいマンが何故老い先短い老人を優先的に殺しまくらねばならないのか。
 
その他にもヒロインがアイドルの衣装を着て戦うこと、ツルッツルで毛がないワイジアンの誰得ビジュアル、23世紀が舞台のいつもの近未来世界観など、佐島らしい古臭いセンスが満載である。フォーシアンに何故かランキング制度があるなど、なろうテンプレから脱却できていない点はそのまま。
 
主人公はNEOに対する過剰な攻撃衝動を隠さないが、その本性と向き合うでもなく「賞金稼ぎの仕事」という大義名分で自分を誤魔化している。ドウル、劣等生に続いて人を殺しても平然とし、それを気持ちの悪い建前と長い言い訳で正当化するタイプの人物である。そんな屈折した主人公をなんやかんやで全肯定する妹という、またしてもどっかで見た構図の話が繰り広げられる。
強いて言えば、お兄様が何をやりたいのかがはっきりしなかったのを反省したのか、主人公のやりたいことは「衝動に任せた人殺し」の一つに絞られている。
やりたいことを絞ったらサイコキラーが残るというとんだ采配である。
 
なお、あとがきはいつもの言い訳ラッシュ。「デモーニック」はネイティブ的には「デマーニック」なんだけど響きがね、とドヤってみたり、現在のタイトルに決まるまでに苦労したことをアピールした挙句、現在のタイトルにも「伝奇小説の大御所が出してそう」「某アニメの刑事を連想させそう」と予防線を張ってみたりと、4ページの中に大量のツッコミ所が散布されている。
そこにこだわるならまず「ザ・デストロイ」をなんとかしたらどうなのか。
 
信者スレでは「デマ」という直球すぎる略称で親しまれており、ドウルなんとか同様に誰得なのか定かではないがそれでも3巻まで発売されている。もう一人の主人公と称して「半端に天使化しかけた状態で何とか正気を保っている青年」が登場するのだが、即刻アイドル魔女()に惚れる彼はクリプリの異世界同位体か何かか。
当面のボス枠キャラ撃破とそれなりの設定開陳は済んでおり、このままフェードアウトしても全然OKなのだが、左遷生本人はまだ続けたそうな様子である。

テロリスト

政治的もしくは宗教的な信条に基づき、非合法かつ暴力的な破壊活動を行う者の総称。
だが劣等生においては、芝さん一味にちょっかいをかけて叩き潰されるためだけに登場するやられ役でしかない。
あまりに頻繁にテロリストに襲撃されるため、劣等星は「一般人は全員テロリストになってる」「魔法師とテロリストしか住んでない」などと揶揄される。
魔法師側が気に入らない人間をテロリスト呼ばわりして狩ってるとか、うっかり殺しちゃった下々の者を「マスコミ対策」による後付けでテロリストだったことにしてると言う見方もできるが、さすがにそれは邪推が過ぎるだろう。

 

「やられ役」としてテロリストが登場するだけなら割とよくある話なのだが、左遷の異常性が際立っているのは彼らの尋常じゃない弱さである。攻撃の目的や手段も取って付けたような浅はかなものばかりで、直接的な武力行使しかしない。それもそのはず、原作者はゲリラ戦を「行き当たりばったり」と認識しているからである。
入学編の敵組織であるブランシュは、魔法科高校の図書室にある資料を奪うために攻撃を仕掛けた。いくら反魔法勢力とはいえ学校の資料に価値があるとは到底思えない。
九校戦編で登場したマフィア組織ノーヘッドドラゴンは、芝さんたちを襲う理由(芝さんが活躍しすぎて賭けが胴元割れしそうだから抹殺)、手段(魔法で車を飛ばしてバスにぶつける自爆テロ)ともにショボすぎたため、漢字名をもじって「無能竜」呼ばわりされることになった。動機の弱さと頭の悪さが作中でも特に酷く、wwさんを介入させずに自滅を待った方がよかったのではないかと言われる始末である。
横浜編では前二つの組織の母体である大亜連合という一国家が、何故か学生の研究論文を奪うために軍隊を差し向けている。しかもその襲撃は「技術者の拉致という本来の目的に失敗したための苦し紛れ」という意味の分からないものであり、結果はwwさんのマテバ発射を正当化するだけに終わり、視聴者は彼らのやられっぷりを死んだ目で楽しむしかなかった。
二年の九校戦では似本軍と十師族が手を結んでの人体実験が行われる。いつものテロリストはしばらくお休みで、wwさんが対処するのは内部のテロリストである。
古都内乱編では古式の「過激派」がワラワラ登場してバタバタなぎ倒される。しかもその大本の原因は黒目ジジイの詐欺行為である。
四葉継承編では「テロリスト」ではないが、四葉の身内が「邪魔者」として登場する。これについては「もうお兄様がスライム潰すの飽きた」とネタ帳でまで言われてしまっている。
十師族選定会議では会場のホテルがゾンビテロリストに襲撃された。
南海騒擾編では、似本との講和に反対する大亜の軍人が日本の人工島に対するテロを計画し、前回の反動なのか極めてスピーディーに鎮圧されている。
 
とにかく事あるごとにテロリストが登場して、それに対応するメインキャラの動きによって物語が進む。決して誰も先手を打ってテロリストを倒しには行かない。
中二病妄想の典型である「学校にテロリスト襲来」にも遥かに劣っている。そもそもその手の妄想におけるテロリストはまがりなりにも「脅威」であり、その脅威に知恵を絞って渡り合うからこそ「カッコいい」のである。まあただ単に都合の悪い物を自分もろとも吹っ飛ばしてほしいという自殺志願者もいるかもしれないが、いずれにせよ自分(wwさん)だけが安全圏にいるという歪みは消えない。

 

もっとも、登場するすべてのテロリストがみな残念なわけではない。追憶編に登場したとある一族は、身勝手な復讐のために大勢の人間を洗脳して4000人を虐殺している。しかもそいつらのルーツは「表の権力を放棄する」という名目のもと似本社会の裏に寄生し、逆らう者を惨殺して三権分立を滅茶滅茶にした最大級の国賊である。
はたしてwwさんは彼らをどう瞬殺してくれるのか、期待が高まるところである。
用語/た行 大漢崩壊参照)

電撃の最終兵器

アニメ化に際して、某アフィブログなどで使われていたキャッチフレーズの一つ。
戦場ではたった一つの兵器で戦局がひっくり返ることはあり得ず、「最終兵器」と銘打った代物が投入されるということは、それだけ色々と追い詰められている証である。
wwさんに言わせれば、戦場では到底生き残れない考え方である。

原作の単巻売上が10万を超え、アニメ前は550万部を超えるライトノベルなことから放送前の期待が高かった本作。
しかし、振り返ってみれば原作発行部数はともかく円盤売上、ゲーム売上、二次創作の数など電撃文庫の看板である「ソードアート・オンライン」に遠く及ばず、なんともいえない結果になってしまった。
もっとも電撃文庫を、場合によっては出版業界もろとも焦土にしかねないという意味では「最終兵器」であると言えなくもない。
別に「最臭兵器」でもいいかもしれないが。
なお、劣等生以後に出版されたドウルなんとかや魔人なんとかは電撃編集部からも大して期待されていないのか、新たなる最終兵器の襲名は発表されていない。

電撃文庫Fighting Climax

電撃文庫作品の人気キャラが戦い合う2D格闘ゲーム。
初代ではキモウトがプレイヤー参戦。
次作では前作でアシスト限定キャラだった芝さんがプレイヤーキャラ、
さらに兄妹揃ってサポートキャラ兼用に。なかなかできることじゃないよ。
そしてお兄様は次作の家庭用パッケージにデカく載る3名の内唯一の男性キャラという偉業を成し遂げられた。

例によって芝兄妹はちょっとだけきれいで天然になり
原作再現はするものの、開幕即死魔法をぱなしてきたり、勝つまで無限に再生してきたり、舌戦()でも論破勝利しようとまではしない。

凍結魔法

キモウト の得意魔法。固有魔法が「精神の停止」それが発展して「物理的現象の減速・停止」だから温度操作魔法が得意。
つまり、「停止」と言う言葉が掛かる事象なら何でも停止できる。ここでも、設定として有効なのは「概念」だけ、緻密な設定とは一体?

トゥマーン・ボンバ

21巻で突然クローズアップされた、ソ連製の戦略級魔法
「水を酸素と水素に分解して点火する」という単純な魔法式に自己増殖プログラムを組み合わせ、広範囲に展開したのち一斉点火し水素爆発を発生させる。相手は死ぬ。
実質芝さん専用魔法であり売りでもある分解が相手方にも出てきたのだが、そこにはなぜか触れられない。
例によって代わり映えの無い大爆発魔法と思われていたのだが、実はこの勝手に増殖していく魔法式にはシバサンの破壊が追い付かないらしく、必勝パターンである「発動前に潰す」対処法ができない。久々に登場した、「お兄様が正面切って防げない魔法」である。
なおお兄様のファッション弱点を突く以外の用途で、この回りくどい仕組み(何故か喰らった側であるシバサンが勝手に「チェイン・キャスト」と命名)がどのようなメリットになるのかは不明。
ベゾブラゾフはこれを宗谷海峡で使用した。一体、何の意味があってそんなところで戦略魔法をぶっぱなすのだろうか。
 
結局お兄様はその辺にあった水をマテバし、同程度の爆発をぶつけて吹っ飛ばすという脳筋戦法で防いだ。だがこのやり方は傍にキモウトがいると使えないため、またしても何か新しい技を作る必要が出てきた。
まずそんなもんで狙われないようにしようとか、キモウトを守ることで自分が弱体化するという矛盾を何とかしようという発想は相変わらず抜けている模様。

ドウルマスターズ

原作者・佐島勤の別作品。通称ドゥルドゥル。2014年7月~2018年2月刊行。
本作の電撃大賞投稿を機に佐島と編集部の間にコネクションが発生し、劣等生が出版される運びとなった。しかし、ドウル自体の選考結果は一次落選だったという噂もあり、「劣等生の作者だと文章でわかった」という編集部側の発言には疑わしいところがある。
超能力で巨大ロボット「タイタニック・ドウル」を操るパイロット「ドウルマスターズ」を養成する学園を舞台としたSF作品だが、一部の設定が某ロボットゲームに酷似しており、しまいには「国家解体戦争」という固有名詞をそのまま転用している。さらにロボットデザインもどっかで見たものが散見され、複数のパクリ疑惑が付きまとっている。
 
 相変わらず説明で水増しされた目が滑る文章、横浜に対する謎のヘイト、ザルすぎるテロリスト、佐島式HEAT弾を筆頭とするトンデモガジェットなど、劣等生にある要素の片鱗がそこかしこに含まれている。
 既存のロボット作品に喧嘩を売り、それらの作品にないリアリティを追求した結果、戦闘シーンはバーニアを吹かす以外の描写が頭に残らない。なぜなら、残りの文章はロボットの名前や固有装備名と、それらの設定の説明文で埋め尽くされているからである。
 劣等生の駄目なところはほぼ引き継いでいる一方で、俺TUEEE要素は微塵もなく、そのくせ劇的な逆転劇も描かれないので、「主人公が最初のピンチに類稀な能力が覚醒する、非常にすばらしい御都合主義」に加え、「強い機体に乗った強いパイロットが淡々と勝つ」という、ある意味現実的だがどこを楽しめばいいのか分からないような代物になった。一次落ちも当然の出来というのが大方の感想である。
 1巻こそパクリ疑惑で炎上して話題にもなったが、パクリ疑惑が沈静化(?)した2巻に至っては発売されて暫くはどこにもレビューが付かなかった。やっと付いたレビューも挿絵以外褒めているものが皆無と散々なものだが炎上すらしないという虚しい結果に終わった。

 極め付けには、劣等生(厳密にはwwさん)のファンにすら「こんなんいいから早く劣等生書け(要約)」「世界中からドウルの記憶を消し去る魔法が欲しい」と完全に見捨てられており、もはや誰が支持しているのかすらわからない状況である。
 しかも劣等生のつまらなさの原因まで何故か責任転嫁されている有様である。この作品の問題点は基本的に劣等生にも継承された要素なのだが、信者はそのへんをナイナイしている模様。

 2巻以後は忘れた頃に次巻が出る不定期っぷりだが、これについて佐島はもはやお家芸となった返信・言い訳体質を発動させ、構想当初のアイデアに拘った結果発生した設定の掘り下げ(矛盾が解消したとは言ってない)に苦労し執筆期間が長引いてしまったことを自らバラしている。
 3巻は「味方キャラに初の戦死者が出ることを売り文句にする(ちなみに戦死者はマユリ)」「主人公機に乗らなきゃ勝てないと嘆く主人公」「軍の戦略会議がエースパイロット10人の合議制というどっかで見た設定なうえ、その会議の席でヒロインが私怨丸出しの提案をする」など相変わらずの佐島節であった。
 そして4巻で主人公が敵の捕虜になって「続く」かーらーのー1年半放置を経て、5巻で打ち切り完結。なろう産には作品を放り出す者も少なくないため、形はどうあれ左遷が「完結作品持ち作家」となったことは信者的には喜ばしいらしい。
 まぁ本気で不良債権になると未完だろうが作者が続き書きたがろうがバッサリ出版されなくなるのがラノベ界隈なので、最終巻出せたこと自体は喜んでいいんじゃないですかね。魔人執行官の方は明確には完結してないけど次巻出るかだいぶ怪しいわけだし。
 余談だが、Wikipediaの本作品のページは完結して半年近くも更新されていなかったり記述が欠けていたりする。

テンプレその2 【番外編:熱で装甲を溶かす佐島式成形炸薬弾】 参照

どこでも使えそうな迷言?

・悪女的チキンラン
・あのレベルの悩みなら自分は卒業済みです
・甘えるな!
・あれが本当の戦場なら「次」なんてないんだぞ
・お言葉を返すようですが○○
・叔母上の口ぶりから察するに○○
・「御・曹・司!」「御・曹・司!」
・ご都合主義
・さすがは○○です
・◇◇(正確には○○)
・祈るが良い。せめて、○○で済むように
・※ただし芝さんを除く
・チョッと
・なかなかできないよ
・なぜそれを!情報統制されているのに!
・ならばよし!
・僕は自由だぁ!
・プハッ!
・フリーセックス(誤用)
・マッチョ女
・○○することはあるまい。さもなくば、○○が悪かったというだけだ
・〇〇では評価されない項目ですからね
・○○なのはオフレコで頼む
・もう一度、あえて言おう。○○、お前は阿呆だ
・○○のアンタに言われたくない!
・情事が目的では無いだろう
・どちらかと言えば性欲の対象としてですね
・僕は○○ちゃん、良いと思うけど
・俺と○○の日常を損なおうとする者はすべて駆除します
・いえ、消滅しました

ドライアイス弾

七草真由美がバカの一つ覚えで使用する弾丸。魔法名「魔弾の射手」だが、まず呼ばれる事はない。
 大気中に0.03%しか存在しない二酸化炭素をそこら中からひたすらかき集めて弾丸状のドライアイスに加工し、凍結時に奪った熱エネルギーを運動エネルギーに変換して発射するとかいう魔法らしい。まーた無駄にまどろっこしいことを。この無駄なプロセスは気体の濃度を常に一定に保ち続けるという「世界の修正力」の働きを前提とした非常に不安定なものである。そのうちイデア様が過労死するぞ。
 気温から運動エネルギーを取り出せるならタービン回し放題なので、ピストン核融合発電なんて最初から要らないのはオフレコで頼む。
 ドライアイス弾を敵前で気化させて衝撃波と酸欠の合わせ技を狙う上位技も後に登場するが、もう初手から敵の顔あたりに二酸化炭素収束すればいいのではなかろうか。そして普段のドライアイス弾は撃ち終わっても昇華させないよう頑張って維持してたんですかね…
実は 熱力学の第2法則 をすっ飛ばしているすごい魔法なのだ!(棒)
 作中の描写では高速で撃ち出されながらも、いわゆる音速の壁と呼ばれる空気抵抗や熱に耐え、対戦車ライフルに耐久する直立戦車の装甲すら貫通できるようだが、当然ドライアイスにはそんな硬度も靱性も無いし密度の低さから精度もさして期待できない。
もし素材にかかわらず貫徹力が確保できるのならその辺の小石でも使用した方がよほど効率的であろう。既存の2chコピペになぞらえて「一方ロシアは小石を拾った」とか揶揄されたりもする。
 余談だが、ストーン・シャワーなる石ぶつけ魔法も登場はする。森崎以下のかませっぷりを記録する、過去最愚のかませオブかませキャラが使う必殺技として、だが。左遷生、使用者をアホにしても石がドライアイスより強いのは覆らないんですよ。
 
 何度も読者にツッコまれたためか公式ツイッターも言い訳を試みていたようだが、曰く「超音速で全く同じ箇所に何発も当てればドライアイスでも直立戦車の装甲を抜くことは可能という事にしてくれ」と匙を投げた模様。あの世界の装甲は発泡スチロールか何かか。
 
【超理論的な魔法の具体例2・なぜドライアイスがここまで優遇されるのか】
【2012年11月28日 ドライアイスで[直立戦車」の装甲を撃ち抜く苦しい言い訳】 参照
公式ツイートは2chアンチスレでは 魔法科高校の劣等生はオール電波な十氏族が支配する糞アニメ66の626 で初リンク
熱力学の第2法則のリンク先は Wikipedia 熱力学の第2法則
参考 J Simplicity(ジェイシンプリシティ)の熱力学第2法則
 

トライデント

芝さんが使用する分解魔法のひとつ、およびそれを使用するための拳銃型CAD。単にトライデントと言った場合、後者を指す場合が多い。
トーラス・シルバーが開発したプレミアモデルCAD「シルバー・ホーン」に、さらにフルチューニングを施した一点モノ…要するに自作自演で用意したチートアイテムであり、我らが芝さんのメインアーム。
飽きたオモチャはたとえ人間であろうと簡単にポイするwwさんがそれなりに愛着を抱いているアイテムであり、新必殺技のバリオン・ランスにも銃剣状のパーツを着けて利用されている。ハンドガンに銃剣…?

このシルバー・ホーンなるCADは主に警察関係者の間で絶大な人気を誇り、普通に市販されていながらテンバイヤーの暗躍によりプレミア付きで取引されているほどであるというが、作中には芝さん以外にシルバーモデルを使う者がおらず、食いついてきたのも現状あーちゃんくらいなのでいまいち凄さが伝わらない。

挿絵、コミカライズ、ゲーム等各メディアで芝さんが描かれる際、手にしていることも多く、絵のダサさを引き上げるのに一役買っている。特にアーマースーツ/ムーバルスーツとのミスマッチ感は、衣装自体のデザインの問題を差し置いてもかなりのもの。
そもそも「弾が出るわけではない」というCADと魔法の設定上、CADを銃の形にする意味はない。この「武器ではなくデジタルガジェットのようなもの」という佐島の設定をデザイナーにダメ出ししてまで忠実に具現化させた結果、薄く引き伸ばしたコルト・ガバメントもどきが出来上がったのである。
妙に平べったく細長い形状で、銃口に当たる部分もスリットが入っているだけ。使用に充電が必要で、拳銃でいう撃針部分にタッチパネルがついているため、使い方も拳銃とはかなり異なるはずだが、芝さんは銃身の長いこの装置をショルダーホルスターに収め「抜き撃ちしやすい」と言うなど、初めてモデルガンを手にした中学生のような感覚で扱っている。
なおトライデント(三又の槍)とは言うが、何が「三つ」あるのかは不明。
ちょっとだけ本気出すモードの芝さんは二丁拳銃よろしくドヤ顔ダブルトライデント状態だが、風評被害筆頭ことシヴァ神の持っている三叉戟は一般的には一本だけ(むしろ、たくさん生えている手に太鼓とか蛇とかいろいろ一個ずつ持ってるくらいが標準)。「神の左手」「悪魔の右手」というアダ名が既にヒンドゥー教文化圏的な諸々を無視しているわけだが、左右のCADに別の名前を付ける程度のこだわりすら無いという左遷生の中途半端さもまた失笑モノである。
芝さん専用謎原理魔法こと分解と再生の補助プログラムはどうやって作ったのかって? 知らんな!

取り巻き

権力者のご機嫌を取って、地位や利益を得ようと纏わり付いている人。
一般的な漫画やアニメではクラスの嫌な奴ポジションの奴が2~3人くらい侍らせていて、主人公側に嫌がらせをしたりする三下として描かれる。主な役目は視聴者のヘイト稼ぎ要因だが、まれに憎めないネタキャラとして愛される場合もある。

アンチスレでは、エリカス・レオ・ミキヒコ・オッパイメガネに代表される芝さんの「ご学友」の皆様を指す。文脈によっては目潰し女、バス女、こけし、杉田、ポンコツなどを含む場合もある。
彼らは他の有象無象と違い、お兄様の価値を認めていち早くその軍門に下った劣等生基準において「賢い」者達であり、逆に彼らに反目する者はこれまた酷い目にあわされる。
特典として、大してすごくもない有象無象でしかないこいつらも「世間に評価されない天才」ぶることができる。

気難しく器が小さい芝さんの取り巻きに収まるというのはなかなかできることではなく、

  • 芝さんにメリットをもたらす可能性のある、それなりの魔法名家の出身である
  • 芝さんを脅かす恐れのあるような向上心や野心を持ち合わせていない
    • 会長やホ文字のように何の疑問も持たずに本家の言いなりになっていたり、エリカスやレオのようにそもそも意識が低すぎて自分より上を見ようとしない、芝の言うところの「身の程を知っていて賢い」人格の持ち主であったりすると尚良い。当然、芝さん以外で「無駄な努力」を重ねる身の程知らずのことを嘲笑うことも必要
  • 普段は芝さんの手を煩わせないために教養や戦闘能力を身につけている必要があるが、芝さんの求めに応じて申し訳程度にピンチになったり、馬鹿になりきって芝さんの自尊心を刺激する高度なSETTAI能力を持っている

こういった条件を満たし、なおかつ

  • 芝兄妹は薄情なのでいざという時は助けてくれない
  • 他の取り巻き共は各々が打算でしかつながっていないので互いを信用できない
  • 芝一派以外の常識的な判断能力の持ち主からは普通に忌み嫌われる(芝一派の言う「打算」は、他人から嫌われることをリスクとして数えておらず、初歩的な計算ミスをしている)

と言った過酷な状況に追い込まれる、案外大変な仕事である。

感情が無くてキモウト以外どうでもいい芝さんは彼らのことを「害がないからそばに置いてやってるだけ。積極的に守る気は無い」(要約)と言い切り、一方取り巻き側も
 
 エリカス:中身がコンプレックスの塊なため、特技の殺人技を高く評価するお兄様周辺は居心地が良い
 レオ:エリカスほど腐ってはいないが、芝さん周辺が安泰だと悟るや思考を放棄、座右の銘は付和雷同か
 オッパイメガネ:そこそこ常識人だが、ザコにしては破格の立ち位置を守るべく沈黙を選ぶ程度には生き汚い
 ミキヒコ:操縦しやすい割に優秀というカモであるが、互恵関係でもありズブズブに癒着し合う結果に
 
と、見事なまでに割り切った関係である。
割と優秀なはずのモブ崎すら見下す一科生取り巻きが、二科生取り巻きをどう見ているかは推して知るべし。
「劣等生ってプライベートで仲がよさそうなキャラが一人もいない」「下手したらお互いの名前がLI〇Eに無い可能性もある」と、徹底的にドライでビジネスライクにくっついている彼らの関係性は、ものすごく嫌な方面でのリアリティを演出できていると左遷の表現力を絶賛する声も多い(深雪主観)。

努力

芝さんだけが持つ最強の防御魔法。攻撃にも転用できる。
劣等星において、芝さんに徹底的にいいことが起こるのは芝さんが「誰よりも努力している(深雪主観)」結果であり、それに疑問を抱く者や逆らう者は「努力を否定する怠け者」であり、イデア様の采配により不幸のどん底に落ちる。
芝さんだけでなくなろうの主人公はかなりの割合で持っており、むしろクソみたいな妄想小説ほど努力設定だけはご立派になるという傾向がある。
そういう手合いは活躍の大半が貰い物の力なのにそれをどうこうする方面の努力描写はなく、普通なら誰でもやっている、もしくはやる意味が無い行動を努力と言い張るとのこと。どっかで聞いた話である。同時に他人の苦労は無駄な努力として嘲笑するダブスタ思考も持ち、また他人の努力が実を結びそうならその成果を眼前で掻っ攫っていくことも忘れない。
積極的に行動しようという態度ではなく、単に苦痛を受けたり時間を費やせば努力だというパターンも多い。
しまいには、主人公が「努力が確実に実を結ぶスキル」「努力した分だけ見返りを得られるスキル」といったものを持っているというねじれた設定をわざわざ作り、その主人公の人生がイージーモードではないという免罪符とチートスキルを両立させようとしている作品も見られ、それらは「努力チート」なる気持ち悪い造語で呼ばれている。
 
我らがシバさんの「努力」は、研究やまゆたんカンフーに割いている時間は一つあたり部活の活動量以下で、祈ってもらって超越者としての能力を持ち、自慢のサイオン量も父親のお陰で、知識自体も勉強じゃなくアカレコからのカンニングで、手元の玩具も自己開発というより財力やら設備、人員をお膳立てされた状況で行われている。
唯一実家の力を借りていない体術は部活レベルに負けるのだから話にならない。
親のすねをかじり倒してる穀潰しと言われないための言い訳作りと、自分の苦労をひけらかして賞賛を得る事に奔走しているにすぎない。

芝さんの努力は終始「言い訳のための努力」に終始している。
身も蓋もないことを言うとチート野郎と言われないために予防線を張るのと、弱者や敗者を見下しても批判されない体のいい名分が欲しいだけである。結局のところ彼らの主張する努力とはマウンティングのための道具の一つなのである。
これは、左遷が努力を「つまらない」「苦しく、辛いだけのもの」としかとらえられないために、「それに耐える俺KAKEEE」というアクセサリーの一種にしかできない為であると考えられる。

トンデモガジェット集

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