登録日:2011-09-05 (月) 19:33:20
更新日:2024-06-09 (日) 12:22:26
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Tag: 空想科学読本 科学 ガセ? 現実 現実的過ぎる話 夢ブレイカー 幻想殺し 論文 柳田理科雄 ヲタを卒業する人の為の項目←深みにハマる場合も 腹筋崩壊兵器 ジャバ 幻想殺し 宝島社 メディアファクトリー 比喩殺し 真面目に不真面目 秀逸な挿絵 夢を壊し続けてもう十数年! オールジャンル 電車の中で読めない本 SF KADOKAWA もはやジュニア版が本編 角川つばさ文庫 YouTube 近藤ゆたか ネタが多すぎてタグに困る項目 ツッコミどころ満載 しぶとい作品 所要時間30分以上の項目 餓死・焼死・圧死が多すぎる作品 愛は地球を滅ぼす
空想科学読本とは、柳田 理科雄氏が書いた空想世界の考察本である。
その内容は「もし空想世界のあれこれを現代科学で無理矢理再現するとどうなるか」と言う小さい子供にとっては夢をぶち壊す本であるが、
ユーモア溢れる文や挿絵等から読者にウケて、ベストセラーシリーズとなった。
そもそもなんでこんなしょーもない本が世に出たのかと問えば、それは宝島社から『空想科学読本』の第一弾が世に出た1996年…
からさかのぼること1年、1995年まで遡る。
当時経営していた私塾『天下無敵塾』で教鞭を握っていた柳田は、天下無敵塾のチラシを書いていたイラストレーターのモリナガ・ヨウから
勧誘を受けて、宝島社から出た特撮のおかしな点に突っ込みを入れる本の第三弾『帰ってきた怪獣VOW』にて科学考証?コラムを執筆することとなった。
(ちなみに内容はウルトラセブン?の巨大化/ミクロ化、妖星ゴラス?、ガメラ?の体重、冷凍光線、『特捜エクシードラフト?』のバリアス7の最高速度の計五つ)
これが予想外にウケが良かったことから、明くる96年、天下無敵塾の経営に行き詰まりつつあった柳田は親友の近藤隆史(現空想科学研究所所長)から
「柳田、例の科学コラム面白かったから、今度はそれだけで1冊書いてみねーか?」と言われたのである。
経営難に苦しんでいた柳田は、塾を立て直すための一助になるんだったらとの思いで執筆を許諾。
そんなわけで書かれた『空想科学読本』は誰一人予想していなかった100万部を突破することとなったが、印税を手にする前に天下無敵塾は倒産した。あらら。
以降は宝島社で2巻まで刊行していたが、宝島社が勝手に文庫化を推し進めようとしていたため柳田との仲が険悪になり、
メディアファクトリーに近藤氏が移籍したのに伴いレーベルもメディアファクトリーに移った。
ちなみに背表紙が灰色で黒文字(初版は黒字に白文字)であれば宝島社版、カラフルな背表紙に白文字であればメディアファクトリー版である。
『空想科学読本6』以降は読者からの質問に答えるのが中心になっており、『6.5』『9』、外伝の『ミドリ』などを除けば
毎週学校などにFAX配信している「空想科学 図書館通信」を収録したものになる。
また、児童書レーベルの角川つばさ文庫からも、小学生向けの作品の考証が主に再収録された『ジュニア空想科学読本』が刊行されており、
2019年以降は本家ナンバリングとジュニア版の累計巻数が逆転するなど、
現在はどちらかといえばジュニア向けレーベルが主流になりつつある感がある。(これに関しては後述)
その他、主婦の友社から出版された『空想非科学大全』*1『空想科学「漫画」読本』『ラジオ空想科学研究所』『空想科学のツイッター』など、
『空想○○~』を冠した柳田の著作だけでも膨大な数が現在に至るまで発表されている。
中には、読本シリーズと同コンセプトの作品を手掛けた他作家と、対談形式で記された共著『空想科学論争!?』というのも。
近藤ゆたかのイラストも大半はもし使えばこうなりますと言わんばかりに
ウルトラ水流を発射したウルトラマンが強すぎる勢いが原因で転んで頭を打ったり、
ドラえもんがタケコプターを使うと体がバラバラになってタケコプターは付けている部分の皮だけが残ったりなど、
非常に現実的な描写が描かれている。
しかし、一部の検証は公式の設定を無視して研究している所も多々ある。
例えば、超常的能力や反重力などの超科学など現代科学ではないものをはないものとして取り扱う(現在は無視する場合も注釈で公式の設定にも触れた上で考察しているが)。
後述する山本弘は「いくらコンピューターの原理が分からんからと言って、でかい算盤だと仮定する奴がこの世にいるか」と語っている始末である。
更に作者自身が多忙な事もあり、とにかく誤字脱字が山の様にある(『1』では隕石が光より速く落ちてくる、というとんでもない誤表記もあった)上に、細かい設定を全く理解していないことも多い。
また、ファンタジーの知識にも疎く、「ドラゴン」と「ワイバーン」の差異がよくわからなかったこともある*2。
また、ゲームに関しては本人が超苦手らしく、初期はほとんど考察されていなかった(アクションゲームだけでなく、スパロボでも投げ出したらしいので、本当にゲーム全般が不得手である様子)。近年は、得意な人にプレイしてもらったりして検証されることも増えている。
まあ、ここら辺に関しては柳田自身の全く知らなかった作品を読者からの投稿で取り上げたり、そもそも原作未見の読者の為にはしょってる部分もあるので仕方ない。
更に、「そこに突っ込むの!?」という独創的すぎる切り口も本作の見どころである。
基本的に本作は「科学」の視点から創作物にアプローチしているが、
- 人口が半分死んだら葬式と墓参りはどうなるのか
- なぜ『007?』の悪役はあんなに007に銃弾を当てることができないのか
- サザエさんはドラ猫が咥えたような魚を一体どうするつもりなのか
- 『ラストサムライ』で主人公たちが見上げている富士山は大きすぎやしないか
- 『ウルトラマンタロウ』に出てくるZAT?のZがあらわす「Zariba」とは何なのか
- 『空手バカ一代?』に登場する由利辰郎の帽子は小さすぎないか
- 映画『あずみ』に出てくる関ヶ原の合戦?はいくらなんでも死体が多すぎではなかろうか
- 横山版三国志で徐庶?は孔明?のことを「彼に比べれば私など満月と蛍」と言ったがそれはどのくらい明るさが違うのか
- 『ハイキュー!!?』に出てくる体育館の床はキュッキュと言い過ぎではないのか
- なぜレプリカント?に人間と見分けるための目印をつけないのだろうか
- 『北斗の拳』の世界の悪者の間でなぜモヒカンが流行っているのか
- タフ?の加納はリンゴを手で潰してジュースを作っていたがどれほどの握力が必要なのか
- のび太の担任の先生はなぜあんなに何度も道端で生徒と出くわしてしまうのか(※読者からの質問)
- コナン君?は事件に遭遇し過ぎではないのか?(※読者からの質問)
などといった、はっきり言って本筋には全く関係のない部分に延々紙面を割くことも多く、読者の腹筋を粉砕してきている。
そして注釈*3ではさらにフリーダムになっており、より込み入った柳田の個人的な感想や文章に関連する友人のネタを書きこんでいることも多い。
- 怪人・怪獣のやられ方を「弱点?」と書いている書籍の例をいくつか列挙して「すると織田信長の弱点は本能寺の変なのか?」とツッコミ
- 飛行機の窓ガラス強度について検証した際に、航空会社の友人から情報を受け取っていたのだが、その友人が二度も飛行機の窓ガラスを割っていた
- 放射能火炎を吐いて戦うゴジラを眺めて応援する女性を本文で批判した後、注釈でさらにその服装にツッコミを入れる
- バイク?の速度を落とさずにその上に直立する方法を検証するためバイクに詳しい友人に聞いたら、手放しでアクセルを緩めない裏技を教えられ「普段どういう乗り方をしているんだ!?」とツッコミ
などなど。
ちなみに、上記のゴジラの圧死に関しては、実は「ゴジラの身長体重は科学的に正しい」と訂正され間違いであった事が判明した。
ティラノサウルスの推定身長体重からの計算という方式によっていたのを、ゴジラの人形を水に沈めて体積を測る*4というより正確な方式に変更したゆえのことであるのだが。
これらの間違いに関しては本人も後書きや注釈等でしばしば謝罪している。
また、完全とは言えないが増版や新装版などの機会があるたび、修正がなされたり、注釈が追加されたりすることも多い。
原文ママ。2019年現在、最新版でも修正されてない。古い版では修正されていた時期があるのだが、何故か再び誤植されている。
- サウザンドサニー号のトレーニングルームを板張りと断言
サニー号は木造船ではあるが単行本巻末資料やアニメの映像で鉄張りであることが確認できる。
- サンジ?の悪魔風脚のルビが「ディアブルジャンプ」
- シロー・アマダ?の乗機は本編主人公のアムロ・レイと同じRX-78-2ガンダム
シローが乗っていたのはRX-79[G]陸戦型ガンダムである。
RX-78と陸戦型ガンダムは非ガンダムファンが見ても一目で違いが分かる程度に外見が異なる。
- ウルトラ水流は合掌した両腕を伸ばして放つ
それはエースやタロウの「ウルトラシャワー」。
実際の放つポーズは「右腕を伸ばし指三本あわせて放つ」「掌をL字形に合わせて放つ」のどちらかで、近藤ゆたかの挿絵ではしっかり再現されている。
後の版では修正され、両方の形を検証している。
- ラミエル?を「敵ロボット」と表記
どう見ても生物ではないが実際には使徒は生命体。さすがにこれは修正された。
本文中でも「エヴァは難解な物語」「下手な事を書いたらエヴァファンに怒られそうで怖い(要約)」などと述べており、
エヴァの設定への理解度の低さは筆者もいくらか認めている。
- ゴーガ?はヤドカリの怪獣
貝獣である。後にカタツムリ?と修正。
- ラドン?は鳥類
後に翼竜?と修正。
- アイアンキング、GEAR戦士電童?は飛べない
流石に前者は考察の根幹に関わるため修正された。
- アイアンキングは欠陥だらけのポンコツロボで毎週よく勝てたものである
作中でアイアンキングがまともに敵怪獣を倒したのはたったの2回であり、
他は静弦太朗と協力して倒すか、あるいは弦太朗が操縦者を倒したり直接鞭でしばき倒して撃破している。
従って毎週勝ってなどいない。
文庫版では「相棒の助けがあったとは言え」「改良しろよ」と追記されている。
- シーゴラス?は大津波を発生させた際に伊豆から一歩も動いておらず、シーモンスに呼ばれてやっと東京湾まで泳いできた
実際には津波を起こした際には既に東京湾内に入っているとナレーションで語られている。
- シーゴラスの角を破壊するレーザーを開発したはいいが、なぜかなかなか撃たない。そうしている間に突然マットアローがやってきてシーゴラスを攻撃。全く予定にない行動である。案の定シーゴラスは怒り、シーモンスと共に大嵐を発生させる。その時になってやっと撃とうとするが、暴風によって外してしまう。慌てた隊長は「退避しろ!」と叫ぶのだった。長官が「MATは何をやっとるか!」と叱責するのだが、筆者も全く同感である。全く、何をやっとるか!
MATが開発したレーザーはシーゴラスが放電したことろを狙って撃たないと効果がないことは劇中でちゃんと説明されている。
マットアローが攻撃したのは、シーゴラスを怒らせてわざと放電させるためで、予定にないどころか作戦通り。
レーザーを外しはしたが、これは撃つ瞬間にジープが揺れたため。
文庫版では「全く予定にない行動である」の部分や「全く、何をやっとるか!」の部分が削除された。
- メガレンジャーの構成は珍しいことに男三人、女二人。戦隊ものの王道パターン(熱血、クール、デブ、ガキ、紅一点)を根底から打破している
スーパー戦隊シリーズで男三人女二人という構成は第8作『バイオマン?』から登場しており、
第21作となる『メガレンジャー?』の時点で3作に1作程度と少数派には違いないとはいえ、そこまで珍しいという程でもない程度には存在する。
また、デブと呼べそうなのはキレンジャーとイエローオウルくらいで、ガキに至っては初期メンバーに子供が含まれていた例は存在しない(高校生程度はある)。
おそらく同じ巻で検証していたガッチャマン*5との混同。文庫版では「珍しいことに」という単語が削除されている。
この検証はナンバリング3巻のものだが、続く4巻で本格的にスーパー戦隊シリーズを取り扱った際の反応を見る限り、本当にシリーズ全体に対する造詣が薄かったようである。
- メガピンクはメガブルーの、メガイエローはメガブラックの彼女だという。これではメガレッドがあまりに不憫ではないか。
あくまで好意を抱いているだけであり、本編中に恋人同士として交際しているような描写は一切ない。
- 機動戦士ガンダムに登場するスペースコロニーの外壁は30cm、薄すぎてコロニーは気圧でパンパンになる
実際の描写ではそれほど薄くはない。
一般論で考えても厚さ30cmの壁では宇宙線を防げず内部の人間は死滅する。
ザクが侵入したゲートの厚みとコロニーそのものの外壁の厚みの混同してしまった様子。
その様なシーンは実際には存在しない。
『のび太と鉄人兵団?』でタイムマシンの連続超空間移動を使ったシーンとの混同か。
- ウラヌスは地獄の神
実際はギリシャ神話の天空神。天王星のラテン語名でもあるが、冥王星(プルート)と混同した?
なおギリシャ神話に於ける本来の冥府の神はハデスである。
- 赤髪のシャンクス?は右腕を食われた
実際には左腕。
- トムさん?は軍人の陰謀により貶められ処刑されてしまった
「世界政府側の陰謀に嵌められた」という大筋は間違っていないが、
トムを貶めた主犯格のスパンダム?一味はサイファーポール?と呼ばれる諜報機関の工作員であり軍人ではない。
原作読者でもライト層には間違われがちではある。
理論上は可能だが、基本的にコーラはあくまで武装類と超人的パワーの動力源である。
エニエスロビー終盤やスリラーバーグで食事シーンはしっかり描かれているうえ、「好物はポテトとハンバーガー?」としっかり明記してある。
- 仮面ライダーのベルトの風車は全てのエネルギーを供給する
実際は変身のための起動スイッチに過ぎない。当時の児童誌や図鑑にも「体内に核エネルギー炉が存在する」と書かれている。
尤もこれは映像作品では全く描かれていない裏設定?の類であり、長谷川裕一?の『すごい科学で守ります!?』の考察でも核動力設定は無視されている。
とはいえ、意図的に書籍設定を無視している長谷川と異なり、柳田は大伴昌司の著作や仮面ライダースナックのカード記述*6などをむしろ積極的に検証に取り入れるスタンスのはずなのだが……
- タイムブルー?は宇宙人
それはタイムグリーン?。後に修正された。
未来から来たのはセル?のみ。
この二人は現代でドクター・ゲロ?が復活させたためタイムマシンには乗っていない。
- 張飛?は桃園三兄弟の中で最初に死ぬ
最初に死ぬのは次兄の関羽?。張飛は関羽の弔い合戦の最中に討たれる。
後の版では「最初に」が削除されている。
- シコルスキー?は相手をワイヤーで切り刻むのを得意とする
ワイヤーで切り刻むのはドリアン?。
シコルスキーは驚異的な指の力で切り裂く。
- セイバーの風王結界で空気密度を歪めて間合いをコントロールするには莫大な熱が必要だから、その熱で攻撃した方が早い
セイバーの約束された勝利の剣?の本領は大熱量の光線を放つ宝具なので、熱で攻撃はしている。
ただし、ここで述べている通り本来あるはずの莫大な熱は特に描写されていないなど、ツッコミの本質はおかしくない。
- 仮面ライダーシリーズの植物怪人を挙げていった際、アイビーイマジンやウツボカズラ怪人?の存在を忘れる。
エキセタムオルフェノク?は知っていたのに……。
- ウルトラマンはジラース?をウルトラパンチで倒した
確かに昔にはそういう解釈をした資料もあったが、現在では「ウルトラ霞切り」が公式名称である。
筆者はかなり古い資料を保有している様なので、それらを参照していたとすれば「勘違い」ではない。
- 超人バロム・1?にはミミゲルゲというドルゲ魔人が登場する
ヒャクメルゲ?やクチビルゲ?は登場したが、ミミゲルゲは登場していない。
ただし番組が打ち切れらなければ登場する予定ではあった。「一部だけ強化したところで役に立つのか*7」という点を言いたかったのかもしれないが…
- ドラえもんの頭よりずっと小さいタケコプターで飛ぼうとすると、タケコプターが起こした風がドラえもんの頭を直撃し、風に押さえつけられる力と飛ぼうとする力の引っ張り合いによってドラえもんの頭は引き裂かれ、やがて千切れた頭皮だけをつけたタケコプターが飛んでいくことになる
物理的な検証としては間違った事を言っている訳ではない。
だが、現在の資料ではタケコプターは反重力を発生させて飛んでおり、あの小さなプロペラが生み出す揚力で飛んでいるのではないという解説が主流になっている*8。
この考察は初期の空想科学読本で行われたものなのだが、2021年5月28日にYahoo!ニュースに投稿された記事でも全く同じ考察を行っている。
作者自身は他の題材で幾度か反重力飛行についても検証を行っており、タケコプターについても指摘があることは把握しているが、視覚的な分かりやすさ等を優先してか変えるつもりはないようである。
ちなみにかつてとある大学の入試問題にタケコプターの実現可能性を問うものが出されたことがあり、こちらは回答につき揚力飛行を前提としたものとなっている。作者はこの話を知って後の版で「筆者はこの回答で合格できるのだろうか」と注釈していた*9。
- ストライカーユニットはプロペラ推進
ストライカーユニットのプロペラは「飛行する魔法」が大気中のエーテルと干渉して視覚化したものとされており、このプロペラで推進している訳ではない。
劇中でも待機時のストライカーにはプロペラが無かったり、プロペラを横にして空中静止するなど、プロペラ飛行では説明が付かない描写がある。
但し、プロペラ飛行という誤った前提ではありつつも、筆者はストライカーの構造は高速飛行する上で理に適ったものとして高く評価している。
- コピー能力?は敵のたんぱく質を分解せずに取り込んでいる。
実際には敵そのものではなく敵の攻撃を吸い込む*10、「コピーのもと」といったアイテムもある。また、どう見てもロボット故にたんぱく質を一切持っていない相手からもコピーできる。
また、「共食いをしないとまるっきり別の生物になる」とあるが、一部の番外編を除き好きな時に外せる。
- マリオとスーパーマリオの体重差が8倍。
相似拡大ではなく、伸びるのは身長だけ。
- 栄養なんぞ要らん!と一蹴。
この後に「見た目も悪くて良いぞい!」とあるが、記載されていない。
なお、勘違いという訳ではないが、「世紀の大暴言」と紹介しているがアニカビはこれを遥かに上回る暴言・爆弾発言の宝庫である。
- いかなる場所に保存しても、反物質?は0秒で対消滅し爆発する
現代の技術では最長十数分程度だが反物質の保存は可能。
- マッハ3で飛ぶソニックブームに触れたものは一瞬で消滅する
であればマッハ7で接近する隕石?や流星が地上まで届くはずがない。後に「燃え残ったものが隕石として落ちてくる」と訂正された。
- 宇宙から落下する物体はそのエネルギーの4割が熱になって燃えたぎる
実際には、100%本体に熱が伝わることは無く、大半は空気中に光や熱になって逃げる。
この理論で計算した柳田は「スペースコロニーは地上に届く前に蕩け去る」と結論を出したが、勿論そんなわけがない。
- ミクロ化すると流体内でのブラウン運動が妨げになる
古い学説を参照した例。詳細は割愛するが、現在ではそうした現象は起きないとされている。
- 空気はガンマ線の遮蔽には何の役にも立たない
もしそうだったら今頃冷戦時の核実験の残留放射能で地球の生物がほぼ全滅している。
- 重力が遮断された場合、地上にはほんのわずかな遠心力しか働かず、大した被害は出ない
もしそうなら月に空気が残っていない筈が無い。
- 人間の10倍の大きさの巨人は、走ると1秒間に10回上下動しそのたびに重心は2mほど動く
ロケットを逆噴射でもさせない限り、自由落下より速い上下動は無理。
- バリアス7はマッハの速度を出すためにはスパイクタイヤで、道路にスパイク用の穴を開けて走行しなければならない
実際は逆で限りなく摩擦係数がゼロに近い状態でなければマッハの速度は出すことが不可能。
- 蚊?に吸血されて死んだ人はいない(と思う)。
実際にはどの生物よりも殺人をしている。ただし「血が足りなくなって死んだ」ではなく、病原菌の媒介による殺人。
- どの世帯も2人子供を産むのであれば、何世帯経っても人口は変わらない。
「オタマジャクシの内カエルになるのは5匹程度」とあるように、どんな生物でも全て成体*11になるわけではない。この記事では「大概はオタマジャクシのうちにヤゴやヘビに食べられる」とある。
人間でも全ての新生児が成人になるわけではない。食べられる事はなくても前述の蚊の他にハチやクラゲに刺されて死ぬ人、ヘビに噛まれて死ぬ人、クマに殴られて死ぬ人はいる。「動物に殺される」に限らずとも、成人する前に自動車に轢かれて死ぬ人、地震で死ぬ人、病気で死ぬ人、溺死する人、自殺?する人と多くいるため、2人しか生まないのであれば減る一方。
なお、「科学とは一人の力でなく皆の協力で発展していくもの」という信念に基づき、間違いの指摘は柳田自身も歓迎しており、
「ここがおかしいぞ柳田コラァ!」と思ったらいつでも指摘して欲しいと度々公言している。
後述の通り読本シリーズの批判本すら参考文献リストに入れている位である。
なので、科学的な部分でも各作品の設定部分でも気になるミスを発見した人はアンケート葉書などで遠慮なく指摘してみよう。
表紙は『非科学大全』や、『歴史読本』及び旧『法律読本』などの別作者の執筆した空想科学研究所関連書籍も含め
モリナガ・ヨウがフィギュアを製作したジオラマ写真(隻眼のハカセと美人の助手のアレ)だったが、『空想科学読本16』ではリニューアルされ近未来的なイラストに変更されている。
2010年代後半辺りからは原稿を再編集した角川文庫版や、電子書籍版も発売されている。
- ハイジの乗る空中ブランコはジェットコースターよりも怖い(柳田の一番の名検証であり、一時期これのコピペがチェーンメールとして出回った事もある)。
- ウルトラマンが空を飛ぶと、衝撃波で首ちょんぱし自分が死ぬ。
- 公式発表のギャオスの体重なら、体はガスで出来ている(密度が)。
- タケコプター?で飛ぼうとすると頭が破壊されて死ぬ。
- ジェット噴射で空を飛ぶアトムが後ろを振り向くと体がネジ切れて空中分解する。
- 空中で超音速戦闘機が合体すると、後ろの機体が前の機体を突き破る?
- ドリル1本で移動する地底戦車に乗り込むと、岩盤に突き刺さって機体が逆回転し、残土の中でバックもできなくなり焼け死ぬ?。
- 斜めの発射台で戦闘機を打ち上げる?と、離陸した瞬間に地面に向かって落ちる。
- ウルトラマンは地上に着地した瞬間、体の骨が砕けてクラゲみたくなる。周囲も爆撃されたかのごとく大被害。
- 高所から落下した人を腕で抱きかかえて救助しようとすると、慣性で内臓破裂を起こして死ぬ。
- 飛行するモスラ?の頭や背中に乗ると、全身が砕け散ってミンチになる。
- ゲスラ?がマッハ2で海を泳ぐとたちまちエネルギーを使い果たして餓死し、周囲の海水は煮えたぎる。
- 超音速戦闘機でSF映画みたいな急旋回を行うと、遠心力でパイロットが粉々になる?。
- 宇宙空間で戦闘機やロボットで戦闘すると、敵を爆破した瞬間破片が自機に突き刺さって死ぬ。
- 波動砲は何を発射しても衝突のエネルギーが爆発力を上回る。ガープ中将?の砲弾投げのようなもの。
- 長く見積もっても3時間で3歳児並に知能が発達した人工生命M1号?の知能指数は約90万で空想科学界最高の頭脳である?。
- 分身の術を使う忍者?は、相手の攻撃に自ら猛スピードで突っ込んでいって死にかねない。むしろそのスピードで直接相手に体当たりした方が強い。
- 大リーグボール養成ギプス?は漫画通りの形状だとまったく負荷がかからず、バネで肉を挟んで痛いだけである。
- 大沢木大鉄?がタバコでホームランを打つと、大気摩擦で生じたガンマ線で周囲数十mにいる人は即死する。
- 空想科学最強は『キン肉マン』の脇役ステカセキング?の地獄のシンフォニーではなく『天装戦隊ゴセイジャー?』に登場したパラボラアンテナとスピーカー?。
- 剣桃太郎?は富士山頂まで鉄球を運び終えた?時には間違いなく餓死している。
- 身の丈を超える大剣を振り回すと、腕と肩が遠心力で脱臼する。
- シャア?のヘルメットは無重力だと凶器と化す。
- 碇シンジ?は墓参りで遭難する。
- アクエリオン?の無限拳はただのパンチと威力が変わらない(画面通りの速度でぶっ放すと月にヒビが入り、反動で地球も大地震に見舞われる)。
- ドッジ弾平の投球が当たると東京から名古屋までぶっ飛ばされる。
- ジャイアン?の歌は、かなりの超音波である。聞き過ぎると脳が破裂する危険性あり。
- ジャンプして巨大レンガを動かすマリオは富士山より高く跳べる。
- スパイダーマン?式移動は自転車より遅い。
- キューティーハニーのキック力は192万kcal。
某プリキュア?の2580人分である - 超音速で走るエイトマンが横に曲がるには、地面にめり込むほど傾く必要がある。
- 着火魔法さえ使えれば、ナツ?は火を食べる必要なんか全く無い。火だけで満腹になるにはキャンプファイヤーを丸呑みせねばならない。
- 石田銀?の108式波動球は喰らうと単純計算で640m先まで吹っ飛ぶが、その前に直径13mの岩を破壊するほどのエネルギーをもろに受けて肉体が爆発する。
- しかし河村先輩が披露した強化型だと3.2km先まで吹っ飛ぶ。
- 翼君のシュートは自動車にはねられるより強力で、それに必要な脚力は仮面ライダークウガ?5人分。
- 実は非常に限定された状況でしか発動しないロイ・マスタング?の焔の錬金術。
- ロロノア・ゾロの顎の力はアーロン?並み。
- 桃太郎の桃を拾ったおばあさんは吉田沙保里より強い。
- 校舎の天井を蹴りで突き破ったヤンクミは、事前に天井を破壊してその穴から数百m跳躍していた。
- クロマティ高校?の生徒は数学以外とてつもなく成績がいい(可能性がある)。
- プリキュアの変身中に攻撃すると、全身が光で焼き尽くされて即死する。なお、変身者自身は金属光沢で反射できれば問題ない。
- プリキュアの靴は踵が地面に突き刺さるギミックがある。
- 鬼塚先生のデコピンを喰らうと首から上が粉々になる。
- 御坂美琴?は指一本でレールガンを発射すると車にはねられるよりでかいダメージを負う。Nゲージのレールか何かを用意すると良い。
- ガンダムがビームサーベルを抜いたら周囲数十mの木々が自然発火する。
- 巨大化して服が破けるたびにデビルマンは窒息死しかける。
- 鼻が巨大なお茶の水博士や髪が長すぎる初音ミク、体が小さすぎる目玉おやじ?などはお風呂で溺死しかねない。
- 二人で協力して放つスカイラブハリケーンは、本来の2倍…ではなく3倍の高さまで飛び上がることが出来る。
- 二重の極み?の速度はマッハ7。
- 力石徹?のパンチは140t。幕之内一歩?は1030t。高嶺竜児?は8200t。
- 冷凍光線で凍らせるには天文学的な時間がかかる。
- サテライトキャノンを撃とうとするとガンダムX?の周囲数百mの全生物がこうなる?(ただしリンク先とは違い機体内部なら無事)。
- バスなんか持たなければサーバルちゃん?は東京スカイツリーと東京タワーを積み重ねたさらに上を飛び越せる*12。
- 心音がバカでかいキングさん?はきちんと鍛えればギア2や全集中の呼吸も目じゃない。
- ヨルさん?のテニスラケットのスイング速度はマッハ20。
- フェニックス一輝?は直径70mの岩を一撃で破壊できる。(なお、この回が掲載されたYahooNewsのコメント欄は「一輝兄さんなら仕方ない」ばっかりだったそうである)
大人の漫画に出てくるような巨乳の女性が麻雀を打つと自分の手元が一切見えない*13
他多数。
- ガメラ?はジェット噴射どころか走っただけで飛べる(体重があまりに軽すぎる上、体が半球状で揚力を得やすい)。ただし回転して飛ぶと遠心力で頸が千切れて死ぬ。
- 戦闘サイボーグであることを考慮するとサイボーグ009の動力源が食品なのは安全性と変換効率の観点から合理的
- ショッカー戦闘員?は真面目に戦えば尋常じゃなく強い
- 死神博士?がイカを自らの改造ベースに使ったのは非常に科学的に納得がいく(イカの神経節は体に比べて大きく取り出しやすいため)
- バットめがけて投げられた大リーグボール1号?を無理矢理打つと打者生命が終わる
- 画面描写からデビル・リバースはケンシロウの数倍の速度で動けるため、巨体と併せて科学的に強い。つまりそれを倒したケンシロウはもっと強い
- 『タイタニック?』は1シーンを除いてすべて科学的に正しい演出
- 1998年版USAゴジラはイグアナを巨大化した生物として考えれば非常に高い完成度・再現度のデザイン(フィギュア体積から求めた推定体重とイグアナの体重算出法で求めた体重が非常に近い)
- 『マーズ・アタック!』の火星人がカントリーミュージックで爆死するのは科学的にあり得る
- 同じく『マーズ・アタック!』の火星人は武器などなくとも呼気が猛毒なので地球人を容易に滅ぼせる
- マッスル・ドッキング?の威力が10倍に増していると瞬時に見抜いたバッファローマン?は物理学の天才*14
- エドワード・エルリック?は悪趣味どころか最高レベルの美術家
- キン肉マン?や平和島静雄?が火事場のクソ力を出す度に強くなるのは理にかなっている
- ゴジラがヘドラ?を倒すために取った戦法はすべて科学的(圧迫、回転、通電、放熱による脱水)
- ウルトラマンガイア?が着地、走行する度に巻き上がる土煙の量はほぼ映像通り
- 医療用メスの切れ味と本人のダーツの実力をもってすれば、BJのメス投げは漫画の描写通りの事が可能
- ドラゴンボールの宇宙船は重力発生装置なしでも加速度で荷重特訓可能
- 魔人ブウ?を原子レベルまで破壊し尽くすのに必要な元気玉?を作るには、本当に全人類1人当たり全力疾走したくらいのエネルギーを消費する*15
- (筆者が前提を誤解している面もあるが)「体重分浮遊できる魔力」さえあれば、航空ウィッチ?はストライカーユニットの小さなプロペラでも時速数百kmで飛行できる
- 『みどりの守り神』は生物の教科書に採用すべき
- サイボーグであるフランキー?がコーラをエネルギー源としているのは科学的に(カフェインの副反応含め)正しくエネルギー効率も物凄くいい
- 三?大?鳥?はこの上なく科学的なトリオ
- 轟焦凍?の冷却と放熱は熱力学的に最高に効率が良い
- 石崎くん?が全力でボールに正面衝突すれば、コンクリートを破壊可能な日向小次郎?のシュートも止められる(ただし全身打撲で間違いなく死ぬ)
- 獣の巨人?の腕が長いのは岩投げにおいて非常に合理的
- にせウルトラマン?は本物とあまり似ていないが、劇中世界の人間相手ならこの程度でも十分騙せる
- マンガ肉の形状はじっくり焼くのに役立つ
- 男性のXY染色体の内、Y染色体を不活性化すれば女性化は可能
- ウルトラマンのウルトラ水流で超巨大真空地帯が生じて氷河期発生(空想科学読本1)
- 宇宙恐竜ゼットン?の火球で全太陽系ごと地球蒸発(空想科学読本1)*16
- スカイドン?が落下して人類滅亡(空想科学読本1)
- ガマクジラ?の超音速泳法で大陸移動が発生して日本沈没(空想科学読本2)
- 『スペクトルマン』モグネチュードンの起こしたマグニチュード20の地震で地球粉砕(空想科学読本2)
- 巨大化しすぎたゴジラに押し潰されて人類滅亡(空想非科学大全)
- エヴァンゲリオンの陽電子砲で人類滅亡(空想非科学大全)*17
- どこでもドア?を月につなげて人類滅亡(空想非科学大全)
- ヤマトが地球に落下して地底都市滅亡(空想非科学大全)
- キューティーハニーが空気からバイクを錬成して日本壊滅(空想非科学大全)
- 『帰ってきたウルトラマン』バキューモンが全宇宙の質量をはるかに上回って、ビッグクランチを引き起こし宇宙ごと滅亡(空想科学読本3)
- 銀河鉄道999?の発進で人類滅亡(空想科学読本3)
- 『キン肉マン』ステカセキング?の地獄のシンフォニーで全宇宙ごと地球粉砕(空想科学読本3)
- スーパーマンが自転を逆回転させてマグニチュード16.8のエネルギーで地球滅亡(空想科学読本3)
- 妖星ゴラス?から回避する為のロケットブースターが地球を貫通、そのまま天体が衝突して人類滅亡(空想科学読本3他)
- 『ジャイアントロボ』ギロチン大王の核爆発の放射線で人類滅亡(空想科学読本4)
- 地球を真っ二つに割ったせいで人類滅亡(空想科学漫画読本3、空想科学読本6)
- 『グレムリン』モグワイが海に落ちて人類滅亡(空想科学映画読本)
- 『フィフス・エレメント』天体衝突を止めた反動で地球が動きすぎて人類滅亡(空想科学映画読本)
- ゾンビが発生して人類滅亡(空想科学映画読本2)
- 『ドラゴンボール』の戦闘力を真面目に計算して人類滅亡(空想科学読本6)
- イザナギノミコトがイザナミノミコトを押し倒して地球滅亡(空想科学昔話読本)
- 『とある魔術の禁書目録?』一方通行?が自転エネルギーを使って瓦礫を投げて人類滅亡(空想科学読本8)
- 『宇宙戦艦ヤマト』遊星爆弾の落としすぎで地球蒸発(空想科学読本ミドリ)
- ウルトラマンが死んで気温が上がりすぎて人類滅亡(空想科学読本11)
- 『BLEACH』吉良イヅル?の「侘助」が地面に当たって月落下(空想科学読本11)
- 『NARUTO‐ナルト‐』うちはマダラ?が隕石を呼んで人類滅亡(空想科学読本12)
- 『戦国BASARA弐?』豊臣秀吉?のパンチで日本滅亡(空想科学読本13)
- 『戦姫絶唱シンフォギア?』でフィーネ?が月のかけらを地球に落として地球滅亡(空想科学読本15)
- 『仮面ライダー龍騎』ジェノサイダーがブラックホールを発生させて地球滅亡(空想科学読本15)
- エヴァンゲリオンが逆立ちして走って人類滅亡(空想科学読本15)
- 『ユンボル?』日本海を埋め立てたせいで気温が上がりすぎて人類滅亡(空想科学読本15)
- 『ジョジョリオン?』摩擦を二階から奪って人類滅亡(空想科学読本15)
- 『ドラゴンボール』月を破壊して破片が降り注ぎ人類滅亡(空想科学読本17)
- 『ドラゴンクエスト』ラナルータで昼夜を逆転させて人類滅亡(週刊ジョージア空想科学スペシャル)
- 『ワンパンマン?』サイタマ?のマジ殴りで人類滅亡(ジュニア空想科学読本8)
- 『ミラーマン』引力装置で惑星Xを破壊して破片が降り注いで人類滅亡(ジュニア空想科学読本11)
- 『ぷよぷよSUN?』サタン様?が太陽を巨大化させて人類滅亡(ジュニア空想科学読本11)
- 『BLEACH』山本元柳斎重國?の「旭日刃 残火の太刀」で人類滅亡(ジュニア空想科学読本13)
- 『機界戦隊ゼンカイジャー?』マヒルワルド?が地球から夜を消し去って人類滅亡(ジュニア空想科学読本25)
様々な物理量を統一的に調べるために、「ジャイアント馬場?に換算すると何人分の力か?」という観点から「ジャバ」という単位を作った事もある*18。
1ジャバは、質量では120kg、エネルギーでは3300J、仕事率では2.2馬力に相当する。
ちなみに…
仮面ライダーの25メートルのジャンプ力 =6ジャバ
鉄腕アトムの10万馬力 =45000ジャバ
マジンガーZの65万馬力 =29万ジャバ
レッドキング?のダイナマイト1万トン分のパンチ力 =130億ジャバ
ウルトラマンの空気中をマッハ5で飛行する力 =150億ジャバ
広島型原爆『リトルボーイ』 =195億ジャバ
ガマクジラの水中をマッハ5で泳ぐ力 =850億ジャバ
ペギラ?の東京を5秒で凍らせる冷気 =960兆ジャバ
ゼットン?の1兆度の火の玉 =140兆×1兆×1兆(140澗)ジャバ
ちなみに、柳田は『北斗の拳』(というよりはケンシロウと北斗神拳?)に対して異様なまでに好意的であり、
『らんま1/2?』の火中天津甘栗拳との対決では、水影心や万手魔音拳まで持ち出してケンシロウを勝たせようとしていた他、
自著の内の一冊で北斗神拳を「真に恐るべきは北斗神拳」「科学を超越したその強さ」とぶっちゃけてしまった。
加えて、ファンブック『北斗の拳2000』に寄稿した科学考察でも、
北斗神拳がもたらすスプラッターシーンを「科学的に十分起こりうる」、ケンシロウの戦闘力を「北斗神拳抜きでも超人的に強い」
と、言い切っている。
まあ前者に関してはちゃんと「何故実際に起こりうると言えるのか?」という理由を物凄ーく親切に解説してくれている。
さらなる余談であるが『空想科学漫画読本』にて、『マカロニほうれん荘?』の「トシちゃんが糸コンニャクのようになる場面」も取り上げた事があるのだが……
あまりにも非科学的な為に遂に匙を投げた
2013年からは全国の高校の図書館や図書室に毎週無料で配信している『空想科学 図書館通信』の原稿を元に『ジュニア版』を出版している為、
年3巻ペースで新刊が出るなど、一時から考えると刊行ペースが異常に早まっている。
だが、あまりに『ジュニア版』が好調で、出せば固定読者層が確実に買ってくれるレベルなので、
売れ筋が保証できない本家『空想科学読本』は発行元から中々企画が通らない状態にある、と担当がぶっちゃけている。
実際、最新刊の『空想科学読本17』が出たのは2016年で、6年にも渡り新刊が出ていない。
そもそも『空想科学読本』は書店のどこの棚においてもしっくりこないらしく、返品が多いので書店側も扱いに困っているらしい。
(逆にジュニア版はしっかり角川つばさ文庫に所属しているので、児童文学の所においておけば自然と売れる)
担当曰く「子供とその親、中高生の頃に図書館通信を読んでいた若者世代以外は、もう『空想科学読本』が廃刊になってると思ってる人もいる」とのこと。
2018年頃からはYouTubeで出張連載もしており、1本5分程度でサクサク楽しむことができる。
また角川文庫から廉価版が出たり、更に安価な電子書籍版が配信されたりもしている。
2022年には『シン・ウルトラマン』のあまりの完成度の高さに驚愕した柳田と近藤所長が『シンマン』で扱った題材*19に絞った特集を組んだりもしている。
その影響もあってか、遂に2022年にMFから発売された旧シリーズは(明言こそされていないが)事実上の打ち切りとなり、
KADOKAWAよりジュニア版や角川版などから再編集したリニューアル版『空想科学読本』が2022年に3巻構成で発売された。
以降もナンバリングはローマ数字となる……予定。
また、内容が内容なので批判の声もあるが……その批判を行った者のスタンスがスタンスなだけにまた別の物議を呼ぶ結果となっている。
かつて「と学会」の代表者として『トンデモ本の世界』シリーズなどを手掛け、
自身もよくアニメや特撮をネタにしたり非科学的なものにツッコミを入れたりしているSF作家の山本弘は、
当初はこれらの空想科学読本シリーズをトンデモ本として扱ったりすることもなく「野暮な本」とコメントするだけに留めて静観を保っていた。
しかしやがて計算ミスや情報ミスの多さに業を煮やして遂に我慢が出来なくなったとして、
「これだけロクな知識が無いにも関わらずこんな内容の本を手掛けているのは、単にアニメや怪獣映画をバカにして笑いものにしたいだけに違いない」と悪意的に解釈し、
『こんなにヘンだぞ!空想科学読本』という批判本をリリースした。
内容はかなり濃密なものであり、科学知識やロジックの正確さにおいてはゴジラの体重など実質的に柳田側をフルボッコにすることに一応成功している。
だが、正確性を追求するがあまり内容が専門的になりすぎていたり、ちょっとした誤字や勘違いの類も執拗に批判の的にしたり、
(執筆の動機が動機なので)柳田への個人攻撃的な姿勢を隠すことなく堂々と挑発的な文面や誹謗中傷、人格攻撃、読本不買の呼びかけを書き綴ったりしている点に難色を示す読者は少なくなく、
「いくらなんでもやり過ぎ」「いくら頭が良くてもこんなにメンドくさい人はちょっと…」「とても物の言いようが40過ぎの大人とは思えないほど幼稚」と物議をかもした。
山本いわく、「『ユダヤ人と日本人』しかり『神々の指紋』しかり、間違った知識を読者に広めた執筆者が己の非を認めて謝罪することなどまず無い。怪獣やロボットを題材にした平易な本だからといって甘く見てはいけない。間違った本を書いた著者の罪は、どんなものであれ等しく糾弾されるべきである(発言大意)」とのことだが…。
先述の通り柳田は間違いの修正にはむしろ積極的であり、大きなミスの発見がきっかけで「シリーズを絶版にして欲しい」と編集部に懇願した事もあるほどに責任を持って執筆している。
それどころか、後年の版では本書をしっかりと参考文献に入れており、さらには修正改訂において本書の記述を参考に間違いを正せたことにつき注釈で感謝の意を述べるまでに至っている。
また、柳田側を超えるために山本が新たに考案したSF考証も、高度ではあるものの結局は独自研究の域を出ていないため、更なる正確性を求めるならまた延々といたちごっこが続くだけでは?という声も挙がっている。
というか山本の記述も「上手くいけば成立する」という理屈に「本当に上手くいくか」の検証をせずに完全に推測でことを進めたり、
怪獣の適正体重の計算にいわゆる中の人であるスーツアクターを持ち出したり(その上で「ゴジラほどの生物ならその重量でもおかしくない」と推論で展開)とツッコミ所満載であるが。
特に怪獣の体重については柳田が怪獣の人形の体積から適正体重を割り出すよう考察を改めたことに対し(自身の上記推論と比較して)「重すぎるから明らかに間違い」と批判する記述までしており、
あまりにも非科学的・トンデモ記述が過ぎるため山本考察の批判の際に槍玉に挙げられることが多く、この一点をして全体的な考察としての信憑性を疑う声も少なくない。
これらのことについては、山本の公式HPにある特設ページなどで更なる言及がなされている。
後の空想科学読本の改訂版ではそれらの批判に言及した上での修正も行われているため、興味を持たれた方は一読してみることを勧める。
ちなみに山本の批判は概ね『空想科学読本』3巻目までの著作、HPの記述は4巻目(2002年発売)までの認識のみで書かれているため、
氏の言い分を現行の柳田のスタンスと同一視することはあまり推奨しない。
山本以外にも、SF畑や科学知識のある人、作品設定を厳密に考察することを旨とする人などのいわゆる識者ぶった面倒臭い方々「ガチ勢」からは、
しばしば「間違いだらけだ」と批判を受けている。
ちなみにSF界での評価についての目安としては、SFファンによる投票で毎年選考される星雲賞のノンフィクション部門には、
知名度の割に過去に一度ノミネートされたのみで受賞に至っていない。
上記の山本は作家として長編部門と短編部門を各一度受賞した他、柳田が受賞を逃した年のノンフィクション部門を「と学会」会長として受賞するなど、
と学会名義も含めて計4回受賞している。
また『読本』シリーズとしばし類似点が指摘される長谷川裕一?の『すごい科学で守ります!?』シリーズのほうが先に受賞してる。
ただしこちらは『空想科学読本』のような科学的な考証作品ではなく、日本の特撮作品(戦隊物や仮面ライダーシリーズなど)が全て同一世界観であったなら、
という設定考察本のため、方向性がまるで違うことに注意。
そもそも、『読本』シリーズを始めとする柳田の著作は、元より低年齢層や非オタク層の読者も視野に入れた、言わば「一般向け」に近い所にあるため、
長谷川や山本のSF作品とは根本的にジャンルが違う。
実際問題、山本が明らかに個人の尺度に過ぎない視点から批判を行う事はしょっちゅうであり*20、
他の著作などからも「氏が許容・追従できないもの=間違っているもの」という安直な思想が垣間見えるという意見は前々から多く挙がっている。
そのため、この件を抜きにしても氏(ならびに本書のイラスト監修で製作に加担協力した長谷川裕一*21)に対する批判は現在に至るまで少なくない。
柳田に対する批判云々はむしろ山本が起点となった諸問題の「氷山の一角」に過ぎず、
2000年代を通して氏が『アルマゲドン』や『仮面ライダー響鬼?』絡みなどインターネット上で少なからず巻き起こしたトラブルの影響などから、
小説作家としてはまだしも、「批評家」としての氏に対する評価は毀誉褒貶が激しい……どころか、『読本』の一件で大きく味噌を付けてしまい、
令和の現在となってはほぼ地に堕ちてしまっている感は否めないだろう。
山本は本格的な疑似科学批判を根付かせた人物の一人でもあり、『読本』への批判もその活動の一環として行われたものと思われるが、
それでもなお批判本などにおける氏の「人としての最低限の礼節」を欠いた物の言いようを問題視する声は多い。
対する柳田は上述通り本書の指摘を受け入れた上で考察の改訂なども精力的に行っているほか、山本の指摘に感謝の意を述べるなど山本と対になる形で紳士的・温厚に受け入れていることで、
むしろ本書の批判を通じて柳田の株が上がったというファンも増やすことになり、柳田への攻撃という点では山本の目論見は完全に失敗に終わったと言っていい。
その後、山本側はこうした論争に疲弊したためか、『空想科学読本』に対する話題は取り扱わないことを宣言したのだが、
柳田に対する攻撃的な姿勢は以降も崩すことなく*22、山本が2024年に逝去するまでついに歩み寄ることはなかった。
断っておくと本シリーズは決してフィクション作品の挙げ足とりを目的としたものではなく、読者に科学技術への興味を持ってもらう事が主な目的である。
また、現代科学の視点から空想の世界を考察してトンでもない結果が出てくるということは、
逆に言えばそれだけ作中のヒーロー達が凄い事をやっているのだということでもある。この辺りについては柳田自身も自著の後書きでその事に触れている。
また、かなり柳田も己の芸風や匙加減に悩んでいた節もあり、作風の変遷や前述のように自己の過去作に対する辛口の評価をかなりしている。
空想科学読本の歴史は柳田理科雄の苦悩と手探りの歴史でもあると言えるだろう。
最初期は悪乗りに満ちた部分があるのも事実だが、それはどちらかと言えば掲載誌のVOWの作風に合わせた結果と言えるものでむしろ周囲のオタクの重箱の隅をつついて茶化す趣味に合わせた結果の文体だったのでは?と言った指摘も。
修正やリメイクを重ねる事も多く現在、特に図書館通信以降の作風では超常的な力などに対して肯定的にワン・クッション置く言葉が増しており、良くも悪くもマイルドな気遣いにあふれたものとなっている。
(ちなみに刊行当時は今ほど文筆の仕事に慣れておらず、『空想科学読本』の初稿を担当に見せた所、「これじゃただの揚げ足取りじゃねーか!」と叩き返されたと述懐している)
高校生からの検証リクエストにしても、「可能か否か?」の質問よりも、
「ひとまず可能と仮定して、実現するとどうなってしまうのか? やる意味はあるのか?」「実際にやったらおそらくこうなると思うがどうか?」というスタンスの質問の方が鋭い視点だとして高く評価する傾向が強い。
例えばタケコプターは実際には反重力で飛んでいるという設定があるが、
裏を返せば「現代の科学では不可能なタケコプターを22世紀の未来の科学の産物である反重力が可能にした」と言う事でもある。*23
「現実の科学で不可能な事を実行できる」という事は、それらが「現実の科学を超えた存在」という何よりの証明でもあるのだ。この点については「22世紀の科学には驚くばかりだ」とある。
空想科学シリーズがキッカケで理科や科学の授業、取り上げられた多くの作品に興味を持った人も多いのではないだろうか。
つまるところ山本の批判は、スタートラインからして根本的に間違っていたと評しても過言では無いだろう。
また、柳田も上述のような様々なミスの指摘に対しては前向きな態度を見せているため、何かしら言いたいこと等があれば
山本がやらかしたように変に騒ぎ立てたりはせず、お手紙や公式サイトのフォームなどを利用して「礼節を守った上で」一言送るべきである。
上記にあるように空想科学読本の著述は公式設定ではなくあくまでも考察である。むやみやたらにファンコミュニティで持ち出すのではなく、節度をもって話すべきである。
柳田は空想科学を題材にしたラジオ番組やテレビ番組へ定期的に出演されている他、全国の学校やイベントでの講演活動や質問大会を積極的に行っている。
もし参加できる機会があれば柳田に直接質問をぶつけてみよう。またアンケート葉書や空想科学研究所公式HP、公式Twitterでも質問を受け付けている。
面白い質問なら次作で採用される……かもしれない。
その他、番外編にあたる「空想科学漫画読本」シリーズや、
- 「キン肉マン超人大全」「北斗の拳2000」「魁!!男塾である!!」「コナンドリル」など各種公式ファンブックでのコラム
- 「ゴジラVS柳田理科雄」(メディアファクトリー/2004年)
- 「イナズマイレブン?科学研究所」(ファミ通ブックス/2011年)
- 「戦国BASARA?空想科学読本」(KADOKAWA/2013年)
- 「進撃の巨人 空想科学読本」(講談社KCデラックス/2014年)
- 「ポケモン空想科学読本シリーズ」(オーバーラップ/2016年~)
- 「STAR WARS?空想科学読本」(講談社KK文庫/2017年)
- 「マーベル空想科学読本」(講談社KK文庫/2019年)
等では各作品の原作者サイドからの許諾、協力、要請を受けての研究、執筆を行っている。
また映画のパンフレットや公式ファンブックに寄稿していたりと割と各作品の製作サイドからは好意的な扱われ方をすることも多い。
(…と言う扱いであるが、柳田は研究所所長から「『銀魂?』の試写会を見に行く!? お前が行ったら着席拒否されるぞ!」と言われたことがあるとぶっちゃけている)
なお、『進撃』に関しては、まだ11巻の時点で発売されたにも拘らず、ある考察で原作の最終回をピッタリ言い当てるという奇跡を成し遂げた。
さらに『空想科学大戦!?』という『読本』シリーズをモチーフにした「科学的に正しいフィクション」では
巨人、改造人間、スーパーロボット、宇宙戦艦が数々の科学の壁にぶち当たって悪戦苦闘する姿をコメディに描きながら、
それでも命懸けで悪へ立ち向かっていく正義のヒーロー達への愛に溢れた傑作である。
端的に『読本』シリーズのスタンスを表現しているのみならず、お話としても純粋に面白いので、興味のある方はぜひ手にとって頂きたい。
2023年1月からは、これまで学校の図書館などに無料配信していた『空想科学 図書館通信』の、個人向け有料配信サービス(年額)も開始された。
なお、著者は宇宙センターのある種子島出身。地元では秀才でありあこがれの教授のいた京大を目指していたが東大にしか受からず、
結局やる気をなくして中退、塾講師に生きがいを見出し始めたあとに冒頭に至る。
『宇宙戦艦ヤマト』の大ファンであり、中高生からのリクエストへの回答を主に収録した本以外ではほぼ全巻でヤマトを検証している。
好きなキャラクターはドメル?と島?。
ドメルはその男らしい生き様やヤマトを何度も追い詰めた知略から、島はヤマトの世界を検証する上で重要な設定をさり気なく明かしてくれるからという理由である。
大のプロレス好きでもあり、上述のジャイアント馬場を始めとしてプロレスにまつわるネタも多い。
著者紹介で触れられた事もあるが本人曰く「どの時期も常に友人が多かった」との事で、友好関係が結構幅広い模様。
上記のバイクに詳しい友人の他、外科医になった後輩から実験に使うためのメスを調達してもらったり、
プロのホルン奏者(ウルトラセブンのテーマ曲の収録に関わった事があるらしい)に楽器の錆について取材するなど、時々協力を依頼している。
ご先祖には種子島版エルトゥールル号遭難事件?というべきドラメルタン号漂着事件で活躍した羽生太平がいる。
名前はこれからは科学の時代ということで付けられたとのこと。
つまり、著者の名前「柳田理科雄」は本名である。
追記・修正は科学的に検証してからお願いします。