シンとヤマトの神隠しPRIDE?をかけて 中編

Last-modified: 2007-11-19 (月) 14:17:41

戦いの果てに散りゆくものは…

「珍しいね、はやて部隊長が早朝訓練に参加するだなんて…。」
とキラ、口の端を不自然につり上げた笑顔で言った。
「たまにはうちも体を動かそう思うてなぁ~、今日は模擬戦に付き合うわ。」
腕を胸の前で組、さらに付け加える。
「まぁ、さすがに?デスクワークしかでけへん上司とか、SSランク魔導士は嘘やとか思われたくないからなぁ?キ・ラ・くん?」
んふふと、いつもはくりっとした目を細め、浮かべる笑みは口が三日月形に割れていた。
「それはまた…でも、大丈夫なの?
リィンちゃんがいないみたいなんだけど?
まぁ、SSランクなんだから?
合体しないと範囲コントロール出来ないなんて事ないよねぇ?
何なら、僕が合体してあげますけど?」
「遠慮しとくわぁ~。」
青筋をたて、半笑いで返すはやて。
「頼まれたってしてあげないけどね。
あはははははははは…。」
「んふふふふふふふふ…。」
「うわぁ~、火花全開だよ、楽しみだね?ティア?」
「そう?私は何か怖くなってきたわ。」
同意するようにティアの背に隠れるキャロとフリード。
「今日はいい模擬戦日和ですね、隊長。」
「うん、そう思ってね、今日の訓練はスバルたちじゃなくてレイくんたちの相手をしようと思ってるんだよ?」
「どういう風の吹き回しですか?」
「別にぃ。もちろん?
人が真剣に抱き締めて慰めてるときに、何か別の感触を楽しんでたからとか、そんな理由じゃないからね?」
「そんなこと、身に覚えがありませんね?キラさん、なのは隊長はすでに錯乱しています。」
「レイくん…頭…冷やそっか?
今日は特別にリミッター外してきたんだぁ。
あれぇ、怖じ気付いちゃったかな?にぱー。」
「望むところだ、俺があなたの頭を冷やしてあげますよ。」

「すごい、こっちも火花全開だよ!ティア!!」
「分かったからあんたはだまってなさい。」

「アスラン、今日は久しぶりに君と模擬戦をしようと思ってるんだ。」
フェイトが厳しい表情をしながら言う。
「…俺も丁度…そう思ってたところだ。」
同様にアスランも答えた。
「君が私の事を弱いと思うのなら…身をもって教えてあげるよ。」
「…??それでもいいさ、こっちも君の発言を撤回してもらう!」
「…??さぁ、始めようか?」

『フィールドの設定及び、戦闘形式の説明を開始します。周辺状況は市街地を舞台とします。
高層ビルなどの位置に注意して戦闘を行ってください。
戦闘形式は五対五。
男性フォワード陣、キラ・ヤマト、アスラン・ザラ、シン・アスカ、レイ・ザ・バレル、エリオ・モンディアルの五名を確認。
女性フォワード陣、八神はやて、高町なのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、シグナム、ヴィータの五名を確認しました。
チーム戦になりますので、それを忘れないように。』
メイリンからの通信が途絶える同時、何もなかった平地に市街地が出来上がる。
そして十人が一斉にデバイスを起動させ、バリアジャケットを装着。
十の光が瞬き、最初に光の中から現れたのは八神はやて、合計六枚の漆黒の翼を広げ、純白の環状魔法陣を発生させる。
広域型をいかし、一気に蹴りをつけるつもりだ。
「させるかぁ!」
『サーベルモード』
蒼い魔力刃を手に、切りかかるキラ。
「主には指一本触れさせん!!」
横薙一閃、シグナムのレヴァンティンが走る。
「させるかよ!!デスティニー」
『ケルベロス』
ズオッと太い奔流がシグナムとキラの間を走り、シグナムのキラへの攻撃を阻む。
「あんたは俺が撃つんだ!今日、ここでぇ!!」
「奇遇だな、私も今日、ここで、お前を殺す。」
「ちょっwww」