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リリカルクロスSEEDStrikerS_第04話

Last-modified: 2008-06-22 (日) 11:06:15

「ふぅ・・・・・」
「全く、フリーダムがなくてもこれほどとはな」
朝日が丁度昇り始める時間にキラとシグナムは訓練場で汗を拭いていた。
お互いデバイスを展開したまま空中にいた。
「でも、やっぱり接近戦ではまだまだだよ。防御に手一杯だ」
「しかし、エールで来られると私も何度か危なかった」
キラやシグナムなどの隊長陣の訓練は個別でやることが多いのだが、やはり相手が欲しい時がある。
そんな時はお互いの時間を合わせる必要がある。
そのためこんな時間に訓練をする時だってある。
今は早朝の5時くらいだろう。
(キラくんにシグナムさんそろそろ時間なんだけどいいかな?)
なのはの念話で新人たちの訓練用の用意をすることが告げられる。
「分かった、なのは。シグナムさん、今日はありがとうございました」
「いや、私も充実した訓練だったぞ」
キラはそう答えると、シグナムは笑って言葉を返す。
(ヴィータちゃんもアリシアちゃんも終わった?)
(おう、ちょうど終わったとこだぞ~)
(うぅ、かなりハードだった)
なのははキラと少し離れた場所で訓練をしていたヴィータとアリシアにも声をかける。
新人たちよりアリシアは先の訓練に進み、ヴィータが訓練を見ているのだ。

 

「とりあえずなのは、僕は一度フリーダムの様子を見てから訓練に参加するよ」
(うん、分かった。でも、疲れてない?私1人でも大丈夫だよ?)
なのはの言葉にキラは首を横に振って答える。
「それはお互い様。なのは、昨日の夜中の件はフェイトに報告はさせてもらってるからね」
隊長職の仕事の忙しさで中々訓練が出来ない場合は、今回のような早い時間や夜中に訓練するしかないのだ。
(うぅ、バレちゃったか)
「なのはだって、新人たちもレベルが上がってきたし、1人での相手はきつくなるころなんだから無茶したらダメだよ?」
(は~い)
キラとなのはの会話を聞きながらシグナムやヴィータ、アリシアはおかしそうに笑っていた。

 

「この状態でティアナたちが合格するにはなのはに一撃加えること・・・・・かな」
キラはモニターやキーボードを動かしながら訓練の様子を伺っている。ティアナたちには悪いが、5分間避けきるのは難しいだろう。
どうやらティアナたちもそれを分かっているのか仕掛けるようだ。
「さて・・・・・どうなるかな」
キラは動き出したティアナたちを見つめた。
ウイングロードを使い、なのはに接近するスバルと狙いを定めるティアナの様子が見える。
なのははそれを冷静に対処、アクセルシューターが2人に直撃するが、ティアナのフェイク・シルエットだった。
「うん、フェイク・シルエットで他の人を作ることもうまくなってるな」
なのはの後ろにウイングロードが走り、ティアナのオプティックハイドによって姿が消えていたスバルが現れた。
そのまま拳を繰り出すが、なのははすぐに防御魔法でそれを防ぎ切る。
ティアナの援護も不発はあったが、うまくやれている。
「本命はエリオか」
モニターにはキャロに補助魔法をかけてもらっている。
どうやら機動力を引き上げる補助魔法のようだ。
確かにエリオのスピードにキャロのブーストアップ・アクセラレイションならなのはの防御魔法も打ち破れるはずだ。
2人の実力は隊に入る前から知っていた。そして、その力もここに来てメキメキと上達しているのが分かる。
「『スピーアアングリフ』」
キラとエリオのセリフが一緒に発せられる。
その瞬間、一気に突っ込んだエリオとなのはがぶつかり爆発が起きる。
煙でどうなったか分からない状態だったが・・・・・。
「よし、終了」
キラはモニターで取ったデータをすぐにシャーリーに送ったり、記録に残す作業に移った。

 

「お疲れ様」
キラはなのはたちが戻ってくるのを隊舎で待っていた。
「キラ隊長もお疲れ様です」
エリオとキャロにそう言われ、キラは優しく微笑んだ。
ティアナは黙ったままキラの顔を見ようとしていない。
そんなティアナになのはが何か言いかけたがキラがなのはの肩を掴んで首を振った。
そこに一台の黒の車がキラたちの前で止まった。その車にはフェイトとはやてが乗っていた。
「フェイトさん、八神部隊長」
「「うん」」
キャロに呼ばれ、フェイトもはやても笑いながら返事をする。
「すご~い、これフェイト隊長の車だったんですか?」
「そうだよ、地上での移動手段なんだ」
「みんな、練習の方はどないや?」
はやてに聞かれスバルは苦笑いを浮かべ、ティアナは「頑張っています」と答える。
「エリオ、キャロ。ごめんね、私は2人の隊長なのにあまり見て上げられなくて」
「あ・・・・いえ、そんな」
「大丈夫です、キラさんが良く教えてくれてますから」
「そっか、ごめんねキラ。キラは技術班にも顔出さなきゃいけないのに」
フェイトの言葉に笑いながらキラは首を横に振った。
「大丈夫だよ、気にしないで」
「4人ともいい感じで慣れてきてるよ、いつ出動があっても大丈夫」
「そうか~、それは頼もしいな~」
その言葉にはやては嬉しそうに頷いた。はやてにそう言われティアナたちは嬉しそうだ。
「2人はこれからどこかにお出かけ?」
「うん、ちょっと6番ポートまで」
「教会本部でカリムと会談や、夕方には戻るよ」
「私は昼前には戻るからお昼は皆で一緒に食べようか?」
「「「「はい」」」」

 

「聖王教会騎士団の魔導騎士で管理局本局の理事官。
カリム・グラシアさんか。私はお会いしたことないんだけど」
「あぁ、そうやったね~」
「はやてはいつから?」
フェイトに質問され、はやてはう~んと唸りながら思い出す。
「私が教会騎士団の派遣で呼ばれた時でリインが生まれたばっかの頃やからファントム事件の後やな」
「そっか」
「カリムと私は信じてるものも立場もやるべきことも全然ちゃうんやけど今回は2人の目的が一致したから」
はやては嬉しそうに語り始める。
「そもそも六課の立ち上げとか実質的な部分をやってくれたのはほとんどカリムなんよ。
キラ君の戸籍情報とかの問題もやってくれて、キラ君はその時に会っとるな~」
「そうなんだ」
「おかげで私は人材集めのほうに集中できた」
「信頼できる上司って感じ?」
「う~ん、仕事や能力は凄いんやけどあんまり上司って感じはせぇへんな。
どっちかって言うとお姉ちゃんって感じや」
嬉しそうに笑うはやての言葉にフェイトも笑う。
「まぁ、レリック事件が一段落したらちゃんと紹介するよ。
きっと気が合うよ~、フェイトちゃんもなのはちゃんも」
「うん、楽しみにしてる」

 

シグナムとの訓練の汗もついでに流すためにキラはエリオとシャワーを浴びていた。
「キラさん」
「どうしたの、エリオ」
キラは頭を洗いながらエリオの質問を聞く。
「キラさんのデバイスってフリーダムでしたよね?何で今は違うデバイスなんですか?」
「そういえばエリオに教えてた時はフリーダム使っていたね」
エリオはフェイトに保護された後、フェイトと共に顔を出すキラに興味があった。
キラが魔導師だと知ったエリオはキラに魔法を教えて欲しいと言ってきたのだ。
フェイトはまだ危ないからという理由で教えることはなかった。
しかし、真剣な顔のエリオにキラはフェイトに内緒で教えることにしたのだ。
その時に一度だけフリーダムを見せたことがあったのだ。
「フリーダム見せた時にフェイトにバレたんだっけ?」
「あの時は・・・・ごめんなさい」
「ううん、エリオの真剣なお願いを断れないさ」
フリーダムを起動させた時、フェイトに魔法を教えているのがバレてしまいキラのほうがかなり怒られてしまったのだ。
終いには泣かれてしまい、キラもエリオも平謝りをしたのを2人とも思い出したのかおかしそうに笑っていた。
「フリーダムは少し調査と改造中なんだ」
「そうだったんですか」
そんな会話をしながらシャワーを出た2人だったが、ティアナたちが着替えて来るのをかなり待った。

 

ミッドチルダ北部ベルカ自治領「聖王教会」大聖堂
『騎士カリム、騎士はやてがいらっしゃいました』
「早かったのね。私の部屋に来てもらってちょうだい」
カリムはシャッハの連絡に嬉しそうに微笑んだ。
「はい」
「それからお茶を2つ、ファーストリーフの良いところをミルクと砂糖付きでね」
「かしこまりました」
通信が切れるとカリムは書類を書いていた羽ペンを置いた。丁度その時にカリムの部屋をノックする音が聞こえてきた。
「どうぞ」
フードを取ったはやてがカリムのほうへやってくる。カリムも席を立ち、はやてに近づいた。
「カリム、久しぶりや」
「はやて、いらっしゃい」
はやての言葉にカリムは嬉しそうに笑った。
「ごめんな、すっかりご無沙汰してもうて」
窓際のテーブルではやてとカリムはお茶を飲みながら、2人は楽しそうに話し始める。
「気にしないで、部隊の方は順調みたいね。」
「カリムのお陰や。」
カリムの言葉にはやては嬉しそうに微笑むと、カリムも微笑んで返す。
「そういうことにしとくと、色々お願いもしやすいかな」
「あはは、なんや、今日の会って話そうは、お願い方面か?」
はやては微笑んだままティーカップをはやては置いた。
しかし、カリムの顔が真剣な顔なものになり、空間にモニターを開いて操作すると、部屋のカーテンが一斉に閉じられ、室内が暗くなる。
はやても何かを感じ取り、真剣な顔付きとなる。そして、6つの空間モニターが開かれはやてはそちらに目を移した。
「これガジェット・・・・新型?」
「今までのⅠ型以外に、新しいのが二種類。戦闘性能はまだ不明だけど・・・これ」
カリムがモニターを操作すると、円形のガジェットのモニターが大きくなる。
「ガジェットⅢ型は割りと大型ね」
ガジェットⅢ型と人の大きさを比べてみると、ガジェットⅢ型の方が大きいことが良く分かる。
「本局にはまだ正式には発表してないわ。監査役のクロノ提督には触りだけお伝えしたんだけど」
はやてはカリムの説明を聞きながらももう1つのモニターに視線を向ける。
「これは・・・・・」
そのモニターは四角形の銀色の立方体が写っている。それが何かはやてはすぐに予想がついた。
「昨日付けでミッドチルダに運びこまれた不審貨物」
「レリック・・・・やね?」
「その可能性は高いわ。Ⅱ型とⅢ型が発見されたのも昨日からだし」
「ガジェットたちが、レリックを見付けるまでの予想時間は?」
「調査では早ければ今日、明日・・・・・」
「そやけど・・・・おかしいな。レリックが出てくるのがちょい早いような・・・・」
そう言いながら考え込むはやての言葉にカリムも頷く。
「だから、会って話たかったの。これをどう判断すべきか、どう動くべきか。レリック事件もこのあと起こる事件も、対処を失敗するわけにはいかないもの」
カリムの真剣な顔はとても思いつめた表情をしていた。
はやてはモニターのパネルを操作し、カーテンを開いた。暗い部屋が明るくなる。
「はやて?」
「まぁ、何があってもきっと大丈夫。カリムが力を貸してくれたお陰で、部隊はもういつでも動かせる。
即戦力の隊長達はもちろん、新人フォワードたちも実戦可能。
予想外の緊急事態にもちゃんと対応できる下地ができてる。そやから、大丈夫」
はやての顔には自信の色が見えていた。仲間を信じている顔だった。
しかし、その時はすぐに訪れた・・・・・・。