新機動戦記ガンダム A's Destiny_プロローグ

Last-modified: 2007-11-14 (水) 23:55:42
 

 戦争が終わり、兵器も兵士も必要の無くなった世界。それは誰もが望んだ世界だろう。
 この世界では戦争が終結し、平和が訪れていた。

 

 戦争が終結した後、ガンダムを狙い暗躍した組織「PPP」をも滅ぼした今、
平和の為に戦ったガンダムはその役目を終えていた。

 

「平和が続くならガンダムはいらない……か」
 ガンダムサンドロックのパイロット、カトルが言う。

 

 平和が続く世界に兵器であるガンダムは不要。
 そう判断した少年達は先の戦争で自分達と共に戦い、
戦争を終結へと導いたガンダムを太陽へ飛ばそうとしていた。
 ただ一機、五飛のナタクを除いて……

 
 

 ウイングガンダムのパイロット、ヒイロ・ユイはガンダムを太陽に向けて発進させた後、
プリベンターの一員として独自にバートン財団の調査を進め、
リリーナがさらわれたことを知り、L3へ向かっていた。

 

 だがコロニーへ潜入しようとするシャトルを見逃す訳もなく、
バートン財団のMSに追われるハメになっていた。
 ガンダムさえ、MSさえあればこの程度の敵機など軽く破壊できるというのに。
 シャトルを操縦するデュオは焦っていた。
 おそらくヒイロも内心では焦りを感じているのだろう。
 デュオがそう思った矢先
「お前の腕を当てにしている」
 ヒイロが呟く。
 ヒイロは完全にデュオを信用しているのだ。尚更落とされる訳にはいかないだろう。
 デュオは迫りくるMSを振り切りながら叫ぶ。
「しつこいんだよぉーっ!!」

 

 刹那。

 

 二人の乗るシャトルは光に包まれる。
(……被弾したのか……?いや……)
 敵のライフルに当たったにしては爆発音も痛みも感じない。
 むしろ心地いいくらいだ。

 

 そして次の瞬間、デュオ・マックスウェルとヒイロ・ユイの姿はこの世界から消えていた……

 
 
 

 CE(コズミック・イラ)

 

 この世界ではやはり戦争が続いていた。
 宇宙空間で運命の名を冠するMS、デスティニーを駆るシン・アスカと
正義の名を冠するMSを駆るアスランは激しい戦闘を繰り広げていた。

 

「もうお前も、過去に捕われたまま戦うのはやめろ!」
 アスランの言葉に一瞬シンの動きは止まる。
「そんなことをしても、何も戻りはしない!」
「な、何を!」
「なのに未来まで壊すつもりか、お前は!お前が欲しかったのは、本当にそんな力か!?」
 シンはアスランの言葉に過去の出来事を思い出す。
(お兄ちゃん!)
(敵って、誰だよ……)
(それは弱さだ。それでは何も守れない)

 

「だけど…だけどーっ!」
 暴走したシンはアスランと共にルナまで撃墜しようとする。
 が、次の瞬間シンのデスティニーは撃墜されていた。
 SEEDを覚醒させたアスランによって……。

 
 
 

(俺は……死ぬのか……)

 

 シンは薄れて行く意識の中でそう呟く。
「シン!……シンーッ!」
 インパルスに乗ったルナの声が聞こえる。
(ルナの声…?でも…もう何も見えない……)
 シンは死を覚悟した。何も見えない。光が眩しすぎる……。だが不思議と痛みは感じなかった。
(……光が、拡がっていく……)
 そして、シン・アスカとデスティニーはこの世界から姿を消した。

 
 
 

 時空間航行艦アースラ

 

「クロノ君、また時空に歪みができてるよ!」
「またか……。場所は?」
「なのはちゃん達のいる世界だよ」
「やっぱりか……」
 このところ時空の歪みが発生し、現場に駆け付けると
大量の傀儡兵が出現するという事件が多発していたのだ。
 恐らくこの世界のどこかにその原因となるロストロギアがあるのだろう。
 もしくは何者かの意図によるものか……。

 

「なのは、フェイト。また時空に歪みが生じている。すぐに現場に向かってくれ」
 クロノは時空管理局の嘱託魔導師であるなのは、フェイトに伝える。
 彼女達は9歳という若さで闇の書事件を解決に導いた時空管理局のエースである。

 

「「了解!」」
 なのはとフェイトの声がアースラに響く。もちろん彼女達の答えはYESだ。

 

 そして彼女達はこの後、運命的な出会いを果たすこととなる……。