901◆GbvohmL8bU_第19話

Last-modified: 2014-08-03 (日) 04:24:47

その頃のプラント

 

演説を行ったシーゲル・クラインが休んでいる。
そこへパトリック・ザラが入室してきた。

 

「ふう・・・パトリックよ、アレでよかったのか?あそこまで不安を煽らなくてもよかったと思うのだが・・・」
「なにを言う、まだまだ足りないぐらいだ。
妻を殺された恨み、プラントを我々の大地として認めるまでナチュラル共と戦い続ける」
「そうは言ってもなパトリックよ、ニュートロンジャマーでは人は殺せんよ
工場の稼働率を落とさせ戦況を有利にさせるのが目的だっただろう。それはわかっておろう?」
「むぅ・・・戦争を続けるには金も資源もかかるからな・・・コレでナチュラル共が停戦を受け入れてくれれば問題はない」

 

このような会話がなされた数日後ある意味凶報が届いた。
最高評議会が開かれ、議論している最中に扉が開かれ秘書が一人、部屋に入ってきた。
「会議中に失礼します。緊急の情報が届いたので報告です。」
現在会議中の地球侵攻作戦。これを一時止めるのか全員が議長に注目した。
「現在の議題を一時中断し報告を聞こう。」
「ハ!報告いたします!
地球監視班から昨日は暗かった都市が明るくなった。と報告を受けました。
理由を調べたところ、この衛星の仕業と確認いたしました。映像を出します」
その画像は金色の大きなパラボラアンテナであった。
地球に向いている小さいパラボラアンテナからレーザーを地球に照射している映像もでている。
「解析班が調べたところ、この衛星でエネルギーを作りレーザーで位置を特定し、マイクロウェーブで地上にエネルギーを送っていると思われます。
実際にレーザーを地上に向け照射しているのも確認いたしました。こちらがその資料になります」

 

書類を評議委員に渡し、秘書は部屋から退出する。しばしの間書類をめくる音だけが響いていた。

 
 

「ナチュラルがこのようなものを用意していたとは・・・」
「ですが、原発より発電量は少ないみたいですね。実際に都市部の光量は減っていますから不便でしょうね」
「・・・死者数が数百万・・・確認できただけでこの数だから実際はもっといるでしょう。追撃は必要ない」
「血のバレンタインの報復だ。全てはナチュラルが悪い」
「これ以上の追い打ちは必要なのか?」
などなど、意見がでている。

 

「では、今回の件だが決議を取る。この発電衛星すべてを破壊するか否か。」
・・・
「賛成6、反対6、同数か・・・
今回の件は議長権限で対案を取る。衛星を1つ破壊し、降伏勧告を出そう。それでどうかな?」
周囲を確認し全員が肯定しているのを確認した。
「では破壊作戦を行う、パトリックよ、どのくらいの部隊が必要だ?」
「発電衛星だけだ。1部隊でいいだろう。それなら本国防衛隊からすぐにでも捻出できる」
「わかった、そうしてくれ。本日はこれで解散とする」

 
 

【次】 【一覧に戻る】 【次】