901◆GbvohmL8bU_第49話

Last-modified: 2015-03-16 (月) 01:36:49

改造の締切まで、バランス調整やらなんやらをやっていたキラ達3名。なんとか満足のいく出来に仕上がった。
発表当日、他のチームもきっちり仕上がったのか、自信満々な表情をしている。ただ、プログラマー達は眠そうだ。
時間になり、アズラエルが入室してくると思ったが、別の人物が入室してきた。
「アズラエルは急用でこれなくなった。代わりに僕が出来栄えを確認する。
ティエリア・アーデ。フラッグの開発主任をやっている」
ティエリアは周りを見回し
「準備は出来ているな?3組とも映像をモニターに出してくれ」
それぞれのプログラマー担当が、自分達が改造したオーバーフラッグの3D画像データをモニターに出力する。
3機ともに、改造が終わっているようだ。
その他Aの機体は、大型バーニアがフライトユニットの代わりに装備され両腕部の肘付近から先に大型砲塔が一門装備されている。おそらく、
片腕ては保持が出来ないのだろう。
横幅がフラッグ(飛行形態)の4倍ほどあり、比率としては大型砲塔が2、本体1、バーニア1と、フラッグの二倍の長さの砲塔が目に付く。
その他Bの機体は追加装甲が全身に装備され、1回りポッチャリした印象だ
おそらく、人型での運用を想定しているのだろう。
その他Cもとい、キラ達は膝から下の部分にスラスターを内蔵し、一応歩ける様につま先と踵の部分がある。1番見た目に変化がない機体でもある。

 

「自由にと言ったかいがあったようだ。君達(その他A)から順番にプレゼンといこうか。用意をしてくれ」
「は、はい!」
直ぐに準備を始めるその他A、ちなみにキラたちは最後のようだ。
「では、始めます。
我々のプランはコレです」
シミュレーターが起動し、その映像がティエリア達の所に映し出された。
「あれは・・・うん、やっぱりゴットフリートと戦艦のバーニアかしら?」と、マリューが呟く。
「準備が出来ましたので始めます。
コンセプトは、モビルスーツに戦艦の火力を持たせ一撃離脱です。
ゴットフリート一門、両腕部を換装、装備し相手に防ぐ時間を与えない為に戦艦のバーニアを装備しました。
全長がかなり長くなりましたが、加速性能と火力はずば抜けてます。それではシミュレーターの映像をご覧下さい」
事前説明が終わり、宇宙ステージが映し出されている、シミュレーター上のフラッグの大型バーニアに火が灯る。
「あれだけデカいのになかなかの加速だな」
と、マードックが言う通り、通常のフラッグ以上の加速性能だ。
画面の一部に、敵戦艦のと思われるレーダー画像が映し出される。Nジャマーの影響で索敵範囲は狭い様だ。
そのレーダーに1つの光点が出現、このフラッグのものだ。
そして、レーダーに映ってから1分ほど、射程に入ったのかゴットフリートを発射したフラッグ、だが、至近弾になり命中はしていない。
照準を微調整している最中、敵艦から対空砲火が上がったが、時すでに遅く、2発目のゴットフリートが発射され命中、大破となった。
「ご覧の通り、最高速で突撃しているためザフトのレーダーでも射程に入るまで1分程度の猶予しかありません。
この時間では、対空砲火は上がってもモビルスーツの出撃は不可能でしょう。
そして成否問わず、最大3発撃ったら回避行動後離脱をします。
そのために3発分のエネルギーしか積んでません」
高速で突撃し、遠距離から砲撃、駄目なら離脱。なんとも分かり易いコンセプトである。
ティエリアの評価を聞くため、全員の視線がティエリアに集中する。
「まるでわがままな女性を口説くかのように、エレガントなコンセプトだ。
・・・だが結果は没だ。理由は、使用用途が極端過ぎる。拠点攻撃の一番槍でもいいが、運動性が皆無のため生きて帰れる保証が無い。
対艦攻撃でも相手を先に発見する必要がある。
なにより費用対効果が悪すぎる」
ティエリアの評価を聞き、「ボーナスが」やら「休暇が」など聞こえるが気のせいだろう。
「では、次だ」

 
 

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