CCA-Seed_◆wjA9YKZn62 氏_第2話

Last-modified: 2012-09-12 (水) 15:58:47
 
 

~ヘリオポリス周辺~
ザフト軍宇宙戦闘艦ヴェサリウス

 

ザフト軍は中立コロニーであるヘリオポリス内で地球軍が極秘裏に
新型MSの開発を行っていたという情報をキャッチしていた。

 

Gタイプの新型MSの性能を当初プラント側は軽視していた。
MSにおける開発技術、操縦技術はザフトよりも劣るであろうと。

 

しかし、転移者であるシャア・アズナブルは開発ルートやコンセプトを調べあげ、
シャアは自ら持ち込んだものと同様の技術で作られた機体であると確信すると、
議会へGは今後ザフトにとって脅威となる事を告げ今回のG強奪作戦を提案した。

 

そして今回、ザフト軍でも指折りの実力者であるラウ・ル・クルーゼ率いる部隊がG強奪作戦を行う。
ヴェサリウス、ガモフの両艦にて作戦に当たる為に待機しているが開始の合図を今や遅しと待っていた。

 

「そう難しい顔をするな、アデス。」
「はっ。いえしかし、評議会からの返答を待ってからでも遅くはないので…」
「遅いな。私の勘がそう告げている。
ここで見過ごさばその代価、いずれ我らの命で支払わねばならなくなるぞ。
地球軍の新型機動兵器、あそこから運び出される前に奪取する。」

 

クルーゼ隊隊長のラウ・ル・クルーゼは評議会から作戦開始の合図を待っていたが、
落ち着いた表情を崩さないまま痺れを切らしていた。
ヴェサリウスの艦長フレドリック・アデスはクルーゼの言葉に
評議会からの連絡を待つべきと考えていたがクルーゼの言う感がそれではまずいと警告していた。

 

「それにシャア・アズナブルからの例の贈り物も試したい所だしな…。」

 

クルーゼは独り言のように呟くとニヤリと笑いその仮面の下からでも分かるような、
まるでこれから始まる戦いを心待ちにしているようだった。

 
 
 

~宇宙空間~
ラー・カイラム艦内

 

「そうか…アストナージだけじゃなくケーラやハサウェイ…それにチェーンまでも…。くそっ…」
「大尉…チェーン・アギ准尉は特にお気の毒でした…。」

 

メカニック担当のアンナ・ハンナからネオ・ジオンとの戦いの戦死者を聞かされ、
ショックは隠せなかった。
それの表情を見たアンナはアムロを慰めるように気遣う言葉をかけていた。

 

「いや…ありがとうアンナ。
これが戦争という物なのだから仕方ないのかもしれないな…
戦場には常に死と隣り合わせだという事か…」
「……。」
「…っと。少し残酷というか冷めてしまっているな俺は…。
とにかくありがとう。
君も辛いのによく伝えに来てくれた…
なんだか疲れているみたいだ…俺は少し部屋へ戻っているよ。」

 

アムロはアンナに礼を言うと、自室に戻っていった。
愛する人や親しい仲間を失ったというのに何故か冷静でいた。
アムロは戦争だからと言い聞かせている自分自身を改めて怖くも感じていた。

 
 
 

~中立コロニー・ヘリオポリス~
モルゲンレーテ工場区内

 

「おい!!ベアード、まずいぞ!ザフトが侵入したらしい!」
「そんな!?ここはコロニーですよ!?しかも中立国!!ザフトはこんな所で戦争する気ですか!?」

 

ムゥはヘリオポリスのMS開発基地に向かう途中で爆発音に気付き、通信で情報をキャッチしていた。

 

「戦争どころかあいつら新型Gを5機ふんだくるつもりらしい!!
ヤツらセクターSの37工場区に侵入したようだ!マーカス達も全滅だ!」
「!?」

 

連合軍の新型MSは全部で7機ありムゥとベアードのMSは
別の工場区にある為に強奪の危機は免れたが先に侵入を許した工場区はザフトにほぼ制圧され、
ムゥとベアード以外のGのパイロット達は射殺された。

 

「くそっ…他の工場区はどの道もう駄目だ!俺達は39工場区へ行くぞ、
Gが動いたら2機もヤバイだろ!?戦闘になったら破壊も止む無しだ!」
「了解しました!」

 

ムゥ達はこれ以上の被害を出さない為に乗っているジープを走らせ、
逃げ惑う作業員を退かすようにエンジンをふかし向かって行った。

 
 
 

~モルゲンレーテ・セクターS37工場区~

 

「キャリブレーション取りつつ、ゼロ・モーメント・ポイント及びCPGを再設定…
チッ!なら疑似皮質の分子イオンポンプに制御モジュール直結!
ニュートラルリンケージ・ネットワーク、再構築!
メタ運動野パラメータ更新!
フィードフォワード制御再起動、伝達関数!
コリオリ偏差修正!
運動ルーチン接続!
システム、オンライン!ブートストラップ起動!」

 

工場内で遭遇した連合軍のマリュー・ラミアス大尉によって
避難の為にコックピットに偶然乗ってしまった少年キラ・ヤマトだったが、
戦闘は多くの民間人達やカトーゼミの友人らが逃げ惑う場所だった。
ジンの猛攻に耐えていたラミアスが操縦するストライクだったが、
防戦一方となりとうとうゼミの仲間に危険が及ぶ。
そしてキラは横から操縦桿を手にし、ジンへ体当たりをして突き飛ばす。
キラはストライクガンダムが不完全なままである事に気付きラミアスをどかし操縦席に座る。
そしてザフト軍のミゲル・アイマンが駆るMSジンの攻撃を受けながらもOSの書き換えをし、応戦する。

 

「!!なんなんだあいつ…急に動きが…!?」

 

ミゲルは動きが突然変わり、吹き飛ばされ重斬刀を収め、
マシンガンを手にするとストライクへ再び攻撃を開始する。

 

「うっ!」

 

ストライクはジンの攻撃を受けるもバーニアを全開にふかし上空へジャンプする。

 

「…武器…っ!
後はアーマーシュナイダー…?これだけかっ!」

 

キラは空中でジンの攻撃を回避しつつキーボードを操作しジンに対抗すべく、
ストライクの武器を選択する。

 

「くっそー!チョロチョロと!」
「こんなところでっ!やめろっー!!」

 

ストライクとジンは着地しすかさず、
ストライクは両腰から飛び出したアーマーシュナイダーを手にジンへ突貫する。
ジンは向かってくるストライクへマシンガンを放つがことごとくかわされとうとう接近を許し、
肩口と首にアーマーシュナイダーが突き刺さる。

 

「くそっ!ハイドロ応答無し…多元駆動システム停止!!ええーい!」

 

ミゲルは各部損傷箇所をチェックしここまでと判断すると、
コックピットの自爆装置をさせハッチを開き脱出をする。

 

「あっ!まずいわ!ジンから離れて!」
「えぇ?」
「うわぁぁぁぁぁ!」

 

ラミアスがジンからパイロットが脱出したのを確認し、
自爆をすると気付いたが一歩遅く辺りは激しい爆発が起きストライクも巻き込まれた。

 
 
 

~ヘリオポリス周辺周辺宙域~
ラー・カイラム艦内
「艦長!!大変です!」
「何だ!?」

 

ラー・カイラムはようやく宇宙空間からコロニーを発見したが、ウォレスは慌てた様子で報告する。

 

「コロニーにて戦闘行為らしき反応!機影も発見しました!」
「何!?モニター出るか!?」
「はい!」

 

ブライトの指示により映し出された映像は違和感があった。

 

「…?あの機体は何だ?ザク…か?」
「識別信号が一致しません!それに小型の航宙機が次々と撃破され、戦艦らしき反応が消えました。」
「何だ…どれも見た事が無いぞ?」

 

ブライトやクルーの反応は当然であった。
ラー・カイラムが到着した場所はまさしく今、戦闘が行われているヘリオポリスだった。
MSの識別信号が一致しないのは当然であった。

 

「コロニー内からも熱源反応、内部でも戦闘です!」
「バカな…!!コロニーの中で戦闘行為など!」

 

ブライトはウォレスから次々と来る報告に頭を巡らせる。

 

「ウォレス。オープン回線だ。
それとアムロに出撃準備を急がせてくれ。」
「了解しました。」

 

ブライトは戦闘行為がお互い所属不明の為、状況を確認するために回線を繋ぐ。

 

「こちら地球連邦軍外郭新興部隊ロンド・ベル隊、司令ブライト・ノア大佐である。
コロニー内の及びコロニー周辺の戦闘は非常に危険である。
直ちに武装解除し戦闘を中止せよ。」

 

ブライトはまず様子見の為に両軍を刺激しないように通信を行った。

 

「クルーゼ隊長、オープン回線です。
どうやら所属不明艦のようですが戦闘を中止せよと…。」
「…連邦軍といったな?…ふふふ面白い!戦いはこうでなくてはな…私のMS、
後はジンと特種MS部隊をすべて出せ。
ヤツらはナチュラル…我々の敵だ!」

 

クルーゼはこの展開を望んでいたのか、不敵に笑いラー・カイラムを新たな攻撃対象とした。

 

「艦長!向こうの戦艦より打電です。
『これより貴艦を敵と見なし攻撃を開始する』です!」
「何んだと!?…ちっ!仕方ない…νガンダムを出撃させろ!」

 

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