DEMONBANE-SEED_小ネタ_03

Last-modified: 2013-12-22 (日) 20:55:55

シン「…くそっ!」

???「どうしたんだい?荒れてるねえ?」

シン「うわっ!またアンタかよ!どうしてここにいるんだよ…早く出て行けよ」

ナイア「そんなに邪険に扱わなくてもいいじゃないか。どうしたんだい?何があったのか話してごらん?」

シン「…アンタには関係ないだろ」

ナイア「関係なくはないさ?」

シン「どうしてだよ」

ナイア「君が心配だからさ」

シン「…意味が分からない」

ナイア「分からなくてもいいさ。さ、話すだけ話してごらん?そうすれば気が楽になるよ?」

シン「…ステラが…連合の軍人だった」

ナイア「ふ~ん…でも、それだけじゃないんでしょう?」

シン「…エクステンデッドだったんだ。俺は…このままじゃ…」

ナイア「どうしたいんだい?君はどうしたいんだい?」

シン「…ステラを…助けたい…それだけだよ…」

ナイア「じゃあ、そうすればいいじゃないか?」

シン「簡単に言うなよ!」

ナイア「簡単さ。人は己が本当に欲することをすればいいのさ。違うかい?」

シン「……」

ナイア「もう、分かっているんだろう?どうすればいいか?さあ、彼女のところへ行くんだ。そうだね…連合軍、ネオ・ロアノークの部隊はここのポイントにいるそうだよ」


シン「アンタは…誰なんだ?」

ナイア「ただの道化師さ」







シン「おやすみ…ステラ。もう誰も君を傷つけたりはしないよ」

ナイア「おやおや、これはまた落ち込んでいるじゃないか。どうしたんだい?」

シン「アンタが!…俺は…ステラを…死なせた」

ナイア「君が殺したわけじゃないだろう?」

シン「同じだ!」

ナイア「じゃあ、彼女がバラバラにされてホルマリン漬けにされるほうがよかったかい?」

シン「それなら、それならどうすればよかったんだよ!」

ナイア「君は正しいことをしたんだ。問題は、正しいことをしてもそれを壊す悪いヤツラがいることなんだよ」

シン「……悪いヤツ?」

ナイア「例えば…ネオ・ロアノーク?」

シン「!」

ナイア「例えば…フリーダムのパイロット?そう…前大戦の英雄、キラ・ヤマトだっけ?」

シン「!   あいつが…ステラを……!」

ナイア「それでいいんだ…憎しみを抑える必要はない…強くなればいいんだよ。君は強くなってもいいんだ」

シン「…アンタ、俺に何をさせたいんだ?」

ナイア「言っただろう?君が心配なだけさ」







シン「アスラン…メイリン!…どうしてだよ!」

ナイア「よくやったね、シン君。見事に裏切り者をやっつけたじゃないか」

シン「…アスランは裏切り者だったけど…悪人じゃなかった…メイリンは…何も関係なかった!」

ナイア「じゃあ、あのまま逃がすべきだった?アスランはフェイスだったんだよ?彼はザフトに大損害を与えかねない情報を大量にもっていたんだ」

シン「けど…殺さなくてもよかったはずだ!」

ナイア「どうして?」

シン「…?」

ナイア「彼は君と君の仲間の気持ちを踏みにじったんだ。そもそも…彼が裏切らなければ、メイリンも死ななかったんだよ?」

シン「…」

ナイア「いいかい?シン君。『殺しちゃってもよかったんだよ』。メイリンだって、君達を裏切った点では同じなんだ」

シン「…そう…なのか?」

ナイア「そうだよ…シン君。それに、もしも世界中の人間が君を責めても、僕は君を守るよ。いや…この宇宙を相手にしてもいいよ」

シン「はっ…宇宙スケールの話か。誰だよ、アンタ」

ナイア「だから言っただろう?ただの道化師さ」







シン「もう…何がなんだかわからないな」

ナイア「今度はなんだい?お姉さんに教えてごらん?」

シン「何時からお姉さんになったんだよ」

ナイア「お姉さんでもいいじゃないか…ほらほら、お姉さんの胸にギューッっと」

シン「わっぷ、わあ!や…やめろよ…」

ナイア「ほらほら、僕に甘えていいんだよ」

シン「や、やめろって…はっ…ナイアさん、あったかいな」

ナイア「冷たいと思った?」

シン「そうじゃないけど…人の肌が暖かいなんてこと、久々に思い出したよ…」

ナイア「神様はね、一生懸命頑張る男の子をあっためる為に女の子をあったかく作ったんだよ」

シン「う…うぁあああああああああああああ!俺…俺…!」





シン「フリーダムのパイロットも…アスランも…アークエンジェルも健在だった。ジブリールもオーブのせいで取り逃がしたし」

ナイア「何が憎くて…何が起こっているのか…何時、自分の憎しみが終わるのか、分からない?」

シン「…ああ」

ナイア「いいんだよ、憎しみは尽きることはない。それどころか、人々はそれを封じ込めようとする。

    解き放てばいいんだよ。それでいいんだ」

シン「…やってみるよ。悪い奴を、倒すよ。それが…必要なんだな…」

ナイア「君は…強くなったね」

シン「…分からない。強くなったのか、疲れちまったのか。…なあ、結局アンタは誰なんだ?」

ナイア「言ったでしょう?君が心配なだけさ」







ルナ「ねえ…なんか最近のシン、おかしくない?」

ディーノ「ああ…この前みんな仮眠に入ったころに、主任に起こされて急遽MSの整備やろうとしたんだよ」

ヨウラン「そしたらさ、シンがデスティニーのシートに座ってぶつぶつ呟いてたんだよ。…戦場ストレスかな?」

ルナ「え、そうじゃないよ。なんか妙に健康そうな顔してたの」

ディーノ「へえ?」

アビー「この前、廊下で訓練終えたシンとすれ違ったんですけど…何か、妙にツヤツヤした顔してたんですよね?」

ルナ「そう!艦内食、戦闘の激化でますます薄味になってるのに、シン、結構健康な顔してたのよ!あいつ…フェイスだから食事もこっそり優遇されてるんじゃないの?」


ディーノ「でも…そうかなあ。シンが健康、か…どうもそうは思えないんだけどなあ…シートに座ってたシンの顔、陰が差してたもん」

ヨウラン「確か…デスティニーのロールアウトが決まったころからだよなあ?」

アビー「…そういえば」

ルナ「?」

アビー「シン、戦闘中誰かの名前を呟いてた気がします」

ルナ「…それ、ステラって名前じゃない?」

アビー「いえ…たしか…ナ…ナ…ナイア…だったかな…というか…もう一人…女性の声が…女性かなあ…しわがれた男性のようにも…そもそも、あれって人間の声だったかしら…」


ルナ「……」

ディーノ「それって…」

ヨウラン「…幽霊…ってやつじゃないの?」

アビー「え…ま、まっさか~…なしなし!今の話なしですからね!」







ディーノ「幽霊ねえ…そういえば、一つ変な話があるなあ」



ナイア「シン君…ごめんね」

シン「ナイアさん…?」



ディーノ「デスティニーのメインモノアイ、二つしかないのに、三つあるように見えたんだよな」

ヨウラン「あ、それなら俺も主任からそんな話聞いたことがある!」



ナイア「僕はね、父上の為にやることがあるから、行かなくちゃならないんだ」

シン「…!やだよ!行かないでくれよ!」



ヨウラン「ほら、デスティニーのシステム起動させるとき、六行の現在のシステムを表示することあるじゃん!

      あのメッセージがね、全く別の言葉でびっしり埋め尽くされてたんだよ!」



ナイア「大丈夫…君ならもう大丈夫。それにね、僕はずっと君の側についている、いや、ずっと前から側にいたんだ」

シン「でも…でも!」



ヨウラン「たしか…Nで始まる言葉と…Cから始まる言葉だったと思うんだけどなあ…」



ナイア「大丈夫…僕の苛烈なまでの愛情と憎悪が、君を守り続けるさ」

シン「ナイアさん…」

ナイア「さぁ…さよならだ。大丈夫、これで全ての戦いは終わる。君の双肩にかかっている。これが終われば、戦いのない世界になるさ」

シン「ナイア…さん…俺…多分アンタがいないと戦えなかったよ…ありがとう…バイバイ」

ナイア『そうさ…シン君。僕はね、ず~っとここにいるんだよ?ず~っとだ。じゃあね、僕の騎士さん』

シン「ナイア…さん…さよなら…」



アビー「でも…確かに色々あるけど…戦場で鬼面で戦うデスティニーもシンも、凄く恐ろしいけど…

    なにか…デスティニーに意志がある…そういう風に思うときも…あるんですよね…どうしてかわかりませんけど…」







アスラン「この…バカ野郎!」

シン「ぐあ!…アスラン!よくも…よくも…!」

アスラン「デスティニーの…ヘッドパーツが!?…モノアイが三つに増えた!?」

シン「よくも…そうか…アンタもアイツの仲間だったのか…ステラも…ハイネも…メイリンも…父さんも…母さんも…マユも!」

アスラン「自壊している!?シン!早く脱出しろ!」

シン「デスティニー!動けよ!動けよ動けよ!アイツを壊すんだ!お前が動かなきゃ壊せないんだよ!壊すんだよ!みんな壊すんだよ!」



Gunnery

United

Nu(CHAOS)-

Duetrion

Advanced

Maneuver System



メイリン「デスティニー…再起動!?」



G(CHAOS)y

United

N(CHAOS)r-

D(CHAOS)ion

Advanced

M(CHAOS)er System



シン「はは…あはははははは!見ろ、アスラン!まだ立てるぞ!まだデスティニーは立っているぞ!」

アスラン「…違う。デスティニーが崩壊して…内側から…これは…お前は…」



N(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)

y(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)

a(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)

r(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)

l(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)

t(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)

h(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)

o(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)

t(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)

e(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)

p(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)(CHAOS)



シン「これが…俺の運命だ、アスラン・ザラ!貴様を滅ぼすという運命のなあ!」

ナイ「そう…運命という炎に、憎悪という名の油を今、ネメシスが注ぎ込んだのだ」

ナイア「あっはっはっは。踊れ踊れ道化師よ。観客が満足するまで踊りたまえ」

シンのようなナイのようなナイアのような声「はは…ははははははは!あ~っはっはっはっは!」



アスラン「…これが…お前の…望みか…?…これが…お前が神に望んだ力…か?」







シン「どこ…だろ…ここ…赤い月が三つ…空を廻って…黒い空が…落ちてきて…」

ナイアラトホテップ「シン君…君もようやくここへ来たんだね?」

シン「…ナイア…さん…あのとき…デスティニーが壊れて…歯車が…溢れて…

   箱が開いて、開いて、開いて、閉じて、曲がって、歪んで、開いて、壊れて、開いて…」

ナイアラトホテップ「そして…開いて閉じて、剣になった。違うかい?」

シン「うん…そして、剣と剣が交わりあって、壊れて…」

ナイアラトホテップ「世界が開いて、壊れて、歪んで、ここにたどり着いたんだろう?」

シン「ああ…なんだろう…ここは…どこだろう?」

ナイアラトホテップ「ここはね、神様の世界なんだ。君の御蔭で、悪い神様は消え去ったんだ。ありがとうシン君」

シン「そう…か。ああ…ここは…少しだけ…寒いなあ…そして…淋しいなあ…ナイアさんは暖かいけど…」

ナイアラトホテップ「そうかい?それじゃあ、君が望む世界にしよう。それが神様から君へのご褒美だ。それならもう寂しくないだろう?」







「ほらほら、お兄ちゃん、朝だよ」

シン「う…ううん…」

マユ「おはよう、お兄ちゃん」

ステラ「おはよう、お兄ちゃん」

アスラン「おはよう、お兄ちゃん」

ナイア「おはよう、お兄ちゃん」

シン「ああ、みんなおはよう。ルナは?」

ステラ「あそこ」

シン「あはは、また首を吊っちゃったか。でも丁度いいや。ゴハンにしよう」



レイ「蛇がアダムをそそのかしました」

タリア「蛇がイヴに絡みつきました」

デュランダル「どうかその蛇を縊り殺していただきたい」

シン「はい」



メイリン「神様を人は裏切りました」

ディーノ「人は神様の所有物に手を加えました」

ヨウラン「だから神様はお怒りになりました」

アビー「だから神様はお目覚めになりました」



シン「これはなに?」

キラ「貴様のMSの臓物だ」

シン「MSって何?」

ラスク「お前の臓物だ」

シン「そうですか。では」



シン「蛇を探しています。でもそれは、何か大切なものだった気がします」

アウル「そうですか。それはきっと海の底で見つからないことでしょう」

スティング「でも、それはきっと、恐竜が飲み込んでしまったことでしょう」



シン「おかしいなあ。どこまで行っても見つからない」

ナイアラトホテップ「君はそれを以前もっていたのかい?」

シン「知らない」

ナイアラトホテップ「じゃあ、見つからないよ。さあ、行こうか」

シン「どこへ?」

ナイアラトホテップ「我が家へ…どうしたんだい?」

シン「え?」

ナイアラトホテップ「君、泣いているよ?」

シン「あれ…?そうか…泣いているのか…そうか…何か…大切なものを…なくしてしまったような…でも…それは…」

ナイアラトホテップ「…ダメじゃないか、シン君。君は僕とずっと一緒に暮らすんだ」

シン「うん…うん…そうだね…そうだね…でも…なにか…大切な…確かなくしたものは…思い出した…

   確か…シン…アスカとかいう…名前だったと…思うんだけど…おかしいな、俺はここにいるのに…おかしいな…」



  俺はこの空っぽの自分にすがって生きる

→ 自分すらも尽き果てた



END



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