FateDestiny_第04話

Last-modified: 2007-11-18 (日) 15:54:49

JPジョーンズ、ブリッジ。
「やはり来ましたか。」
レーダーに捕え、モニターに映るミネルバを眺めながるリー。
「あぁ、ザフトもそう寝惚けちゃいないと言うことだ。」
人呼吸置き、ネオは指揮を取り始めた。
「ここで一気に叩くぞ。
総員戦闘配備、パイロットはブリーフィングルームへ。」

ミネルバ。
「向こうも、よもやデブリの中に入ろうとはしないだろうけど…危険な宙域での戦闘になるわ。
シン、フェイト、ルナマリアの三人で先制します!」タリアがブリッジの扉のスライドする音に振り向けば、デュランダルとカガリ、アレックスだった。
「議長…。」
「いいかな?艦長…、私はオーブの方々にもブリッジに入って頂きたいと思うのだが…。」
他国の代表をブリッジに入れるなど前代未聞だろう。ミネルバも一応は最新艦なのだから、あまり見せられない部分もあったりするのだが…。
「え…あの…それは…。」
口ごもり、戸惑うタリアの様子を気遣うでもなく、淡々と続け行くデュランダル。
「君も知っての通り、代表は先の大戦で艦の指揮もとり、数多くの戦闘を経験されてきた方だ。
そうした視点から、この艦の戦いを見てもらおうと思ってね。」
デュランダルの言葉はともかく、どうみてもカガリの方は乗り気ではなく、それにどころか、不機嫌そうにも見える。
「分かりました、議長がそうお望みなのでしたら…。」
「ありがとう、タリア。」
それを川切りに、アレックスを挟み、それぞれデュランダル、カガリも席に着いた。
「ブリッジ遮蔽!対艦、対モビルスーツ戦闘、用意!!」

「あの新型艦だって?」
パイロットスーツに着替ながら、アウルがスティングに話しかけた。
「来るのはあの合体野郎かな?」
「だったら、今度こそバラバラか、生け獲るか…。」
「バラバラ…だね。」
着替を終えたナノハが言う。
「へぇ~、ナノハ、ヤル気だな…。ま、どっちにしろ、面白いことになりそうだ。
なぁステラ?」
スティングがステラに話題を振るが首を傾げるだけだった。

カオス、ガイア、アビス、エクシードが艦から発進していくのを確認。
ネオは次の指示を出す。
「アンカー撃て!同時に機関停止。デコイ発射!タイミングを誤るなよ!」
JPジョーンズはネオの指示通り、目前の小惑星にアンカーを打ち込み、上昇回転を開始した。

『ルナマリア・ホーク、ザクウォーリア発進スタンバイ!
全システムオンライン。
発進シークエンスを開始します。』
メイリンのオペレーションで準備が進められ、ハンガーからカタパルトへとセットされるザク。
同時進行で中央カタパルトのインパルス、左舷のカタパルトのバルディッシュも発進シークエンスが開始された。
『バルディッシュ発進スタンバイ、全システムオンライン、プラズマスマッシャーを装備します。』
バルディッシュの背部のラックに装備される長射程高エネルギービーム砲。
威力はケルベロス一門よりも若干劣る。
『インパルス、発進スタンバイ。モジュールはブラストを選択。
シルエットハンガー三号を解放します。
コアスプレンダー全システムオンライン、発進どうぞ!
続いて、ガナーザクウォーリア、バルディッシュ発進、どうぞ。』
左右のカタパルト、そして中央カタパルトから三機が発進した。

三機の発進をブリッジのモニターで見送りながら、不意にデュランダルが口を開いた。
「ボギーワンか…、本当の名前は何と言うのだろうねぇ…あの艦の…。」
「はっ?」
アレックスは唐突なデュランダルの言葉を疑問に思いながら、聞き返す。
「名は、その存在を示すものだ…。ならばもし…、それが偽りだったとしたら?」
座席を少しだけアレックスの方へと向け、口許に笑みを浮かべ続けた。
「それが偽りだとしたら、それはその存在をも偽り…ということになるのかな?」
ブリッジのクルーは聞耳をたてながらも警戒を怠らない。
「アレックス君…いや、アスラン・ザラ君…。」
アレックス・ディノ、いや、アスラン・ザラの深緑の眼が驚愕に見開かれた。

「あんまり成績よくないんだけどね…デブリ戦…。」
「わ、私も…。」
ボキーワンに接近しながら、ルナマリア、フェイトが言う。
「向こうだって、もうこっちを捕えてる筈だ。油断するな。」
いつになく真剣なシンに違和感を覚えるルナマリアが愚痴った。
「レイみたいな口聞かないでよ、調子狂うわ…。」

ミネルバブリッジ。
「敵艦に依然、変化はありません。速度もそのままです。」
「よし、ランチャー1、ランチャー6、一番から四番、ディスパール装填。
シウス、トリスタン起動。今度こそ仕留めるぞ!」
戦闘準備を着々と進めていくアーサーを初めとする他クルー。
そして、それとは別に、デュランダルがアレックスをアスランと呼んだことで、タリアから向けられる視線。
密かに聞耳を立てるメイリンと、デュランダル、アスラン、カガリ、三人の間に流れる沈黙。
「ぎ、議長…それは…。」
カガリが慌てて取り繕おうとするが、上手い言葉が出てこなかった。

宙域を飛行するブラストインパルス、赤いザクウォーリア、バルディッシュとゲイツR二機の五機。
付近に漂う基地の残骸。

「ご心配には及びませんよ…、アスハ代表。私は何も、彼を咎めようと言うのではない。
全ては私も承知済みです。カナーバ前議長が彼等にとった措置のこともね。」
ただ、と続けるデュランダル。
「どうせ話すのなら、本当の君と話がしたいのだよ。
アスラン君…。」
アスランはデュランダルの目から視線をそらし、うつ向く。
「それだけの事だ…。」
相変わらず口許に浮かべた笑みを崩さずデュランダルは付け加えた。

ボギーワンを追う五機のモビルスーツ。
レーダーに捕えているボギーワンは今だ進路も変えず、特に戦闘体勢に入っている様には見受けられない。
「(おかしい、何でまだ何も…。)」
シンが丁度そんなことを思った瞬間だった。

ミネルバのブリッジでもシンが思っている疑問と同じことを考えていた。
「今だ進路も変えないとは…どういうつもりだ?」
クルーたちがざわつきはじめ、そして一早く、ボギーワンの狙いに気付いたのはアスランだった。
「デコイだ!!」

同時
「よぉーし、行くぜ!!」
「オーケー!」
「…了解…。」
「うん…。」
スティングの合図で基地の残骸の影から一斉に飛び出す四機が四方向に散る。
カオスが機動兵装ポッドを分離、その間にアビスのバラエーナ、カリドゥスが五機を襲う。
奇襲に慌てて回避行動に移る五人、しかし、アビスの砲撃は回避させる為に放たれたもので、五機が散開。
一機ずつになったところで、ゲイツRの一機をカオスの機動兵装ポッドによるビーム砲で爆破させ、爆光が残り四人の視界に入った。「ショーン!!」
ルナマリアが声をあげる。
バルディッシュのコクピット内で表情を悲痛に歪めるフェイト。
決して親しいわけではなかったが、目の前で死ぬっというのは未だになれない。
「でも!!」
一人でも多くの人を守るために、ザフトに入隊した。自分にはやれるだけの力が、今はある。
あの時のように無力ではない。
「散開して各個に応戦!!」
シンからの通信。
「やるんだ!」
フェイトはハンドルを握る手に力を込めた。

前包囲36度どから二機の機動兵装ポッドによって代わる代わる放たれるビームをかわすシン。
「くそっ!待ち伏せか!?」
ボギーワンの動きを確認するためレーダーを確認。
「ッ!?ボギーワンが…」
レーダーがサーチ、捕えていたはずのボギーワンの機影が消えた。

「ボギーワン、ロスト。」
「何ぃ?」
クルーの声に驚愕するアーサー。
「ショーン機もシグナルロストです。」
CIC、メイリンが報告、さらに続ける。
「イエロー62βに熱紋4…これは…カオス、ガイア、アビス、アンノウン一機です!!」
「索敵急いで!ボギーワンを早く!」
慌ただしく作業に移るブリッジにタリアの声が響いた。

「ダガー隊発進!機関始動!!ミサイル発射管、五番から八番を発射。主砲照準、敵戦艦!」
ミネルバの背後に突如として現れるボギーワンことJPジョーンズ。
そして艦から発進するダガーL(キャノン砲装備)が二機発進した。

「ブルー18、マーク9、チャーリーに熱紋!ボギーワンです!距離、500。
さらにモビルスーツ2!」
次々と報告される状況に驚かされるばかりだ。
「後ろ…。」
タリアはそう呟く。
背後から狙い撃たれるであろうボギーワンからの主砲とミサイルに備え、指示を出す。
「アンチビーム爆雷発射、面舵30、トリスタン照準」
「駄目です、オレンジ22デルタにモビルスーツ。」タリアはすぐに別案で対処。
「機関最大、右舷の小惑星を盾に回りこんで!!」

ミサイルの追撃を小惑星を利用し、迎撃しつつ回避するミネルバ。
ミサイルは小惑星の凹凸に着弾、表面を砕き、破片が飛び散って行く。
船体を激しい衝撃が駆け抜け、悲鳴をあげるミネルバブリッジのクルー。
「メイリン、シンたちを戻して!残りの機体も発進準備を!
マリク!小惑星表面の隆形をうまく使って、直撃を回避!
アーサー、迎撃!」
「ランチャー5、ランチャー10、ってぇー!!」

ガイアによる背部突撃ビーム砲をかわすルナマリア、操るザク。カオスの追撃を受けるブラストインパルス。
そして、エクシード、アビスから放たれるビームの嵐をビームシールドで防ぎ、かいくぐるバルディッシュ。
「もらい!」
アウルはそう呟くとシールド内部六発のビームを一斉に放ち、物陰に身を隠していたゲイツRを破壊する。
「ゲイル!!」
ルナマリアが叫ぶのがスピーカー越しに聞こえる。
「この、よくも!!」
バルディッシュ、両肩部のアークセイバーを引き抜くと、フェイトは投剣させ。
金色の刃が回転、弧を描きながらエクシードへと向かって行き、その間に、背部にマウントしてあるプラズスマッシャーの砲口をアビスへと向ける。
「あたれ!」
溢れ出す緋色の光が紫電を伴いながらアビスへと一直線に向かって行く。
しかし、エクシードは容易にビームブーメランを撃ち落とし、アビスはそれを難無く回避、代わりにカリドゥス、バラエーナを見舞う。

『あっと言う間に二機も!?』
ルナマリアからの通信を聞きながら、カオスから放たれる三方向からのビームをかわすインパルス。
電子音をたてミネルバからテキストオンリーで通信がはいる。
『不味いよ、シン。ミネルバが…。くっ!』
バルディッシュの機体を降下。
エクシードの腹装砲にして最大の破壊力を持つ、エクセリオンバスターの奔流が放たれたのを回避しながらフェイトが焦りを含む声で言った。

『私達、まんまと嵌ったってわけ?』
ガイアの斬撃をかわし、位置の入れ違いを見計らい、オルトロスを放つザク。
「あぁ、そういうことだね、でもこれじゃ、戻れったって!」
執拗に続くカオスの攻撃をかわすシン。
「フェイトは!?」
『こっちも、ちょっときついかな。』
エクシードの際どい狙いの射撃をかわし、フェイトは通信をシンに返した。

「ライトハルド、撃てぇ!!」
二機のモビルスーツ、そしてボギーワンからの追撃をうけるミネルバ。
船体側面から放たれるミサイルがモビルスーツに向かうも、途中に浮遊している小惑星の残骸に阻まれ、当たらない。
「後ろを取られたままじゃ何も出来ないわ!回り込めないの?」
操舵士、マリクはタリアに答える。
「無理です、回避だけで今は!!」
混乱するブリッジの中、一人、悔しそうに拳を握るアスラン。
「レイのザクを!」
一人の士官が提案するも
「これでは発進進路もとれないわ!」
その案はとおらない。

宙域の建造物の上に着地、オルトロスを構えるザク。
そして、同様の建物を四足で破壊しながらガイアのモビルアーマー形態がザクに接近する。放たれる砲火を跳躍し、ガイアは回避。
建造物が爆光に包まれ、その破片を巻き散らす。
「なんなのよ、あんたたちは!!
このドロボーがぁあ!!」
もう一度放たれる砲火をガイアは一瞬降下してかわし、そして再度跳躍。
「落とす!!」
声とともに、ステラはガイアにビームライフル、突撃ビーム砲を連射させ、ザクに突攻を仕掛ける。
ルナマリアはザクの背面スラスターを噴かし、全速力を持ってガイアから距離をとる。
ガイアにより幾重にも放たれるビームの閃光がザクを捕えきれず建造物を次々と破損させ、破片を巻き散らす。
シャフトを伝い、四足で駆け、ザクを追撃するガイア。
一方、カオス、アビス、エクシードを相手に苦戦を強いられるインパルスとバルディッシュ。
「回り込め、アウル!俺たちがやつらを焙りだしてやる、ナノハは出てきた奴らを一掃しろ!
今度こそ首をもらおうぜ!」
廃棄された港へと入っていくインパルス、バルディッシュを追撃するカオス。
「僕は別に…いらないけどねぇ!!」
アビスは反対方向へと回り込む。
「…、了解!スティング!!」
エクシードは両翼十枚の翼を勢いよくスライド、展開し、目標の場所へと向かった。

「くっ、これじゃ位置が…。」
狭い空間、すぐ横は壁で回避行動をとれそうな場所もない。挟まれれば確実に撃墜は必死だ。
『シン、あのアンノウンは私が押さえる!』
通信モニターにフェイトが写る。
「でも、大丈夫か?」
大火力を持つモビルスーツ。そして、それだけの火力を持っていながらも、悪くない命中制度。
逆に何度もヒヤッとさせられる瞬間が何度かあった。
色は違えど、自分の家族を奪ったフリーダムを連想させるシルエットに不吉感を拭えないシン。
『大丈夫だよ、シン。』
レーダーに映るエクシードの機影を確認しながらフェイトが言う。
『あんまり連射をしてこないところを見ると、あれはパワーに不安があるんだと思う。』
「…あぁ…確に…。」
『二丁のライフルに、三門の大砲撃。あれだけの武装をしているせいか、ブースト性能も高くない。
ブラストインパルスでは捕えきれなくても、フォースインパルスか、私のバルディッシュなら…。』
「わかった、フェイト…。あいつはまかせる。
あとの二機は俺が引き受けるから…」
そう言ってフェイトからの通信を切るシン。
『シン!フェイト!』
ルナマリアから通信がはいる。
直後、ガラスを突き破り、赤いザクがインパルスとバルディッシュの間に降ってきた。
シンとフェイトは瞬時にフットレバーとスラスターレバーを操り、方向調整。
追撃を仕掛けようとやって来るガイアをブラストインパルスの高エネルギー長射程ビーム砲二門で狙い撃ち、牽制する。
そして、そのガイアの後方で今まさに両翼のバインダーから展開される二門の砲を放とうとしているエクシードをバルディッシュの高エネルギー長射程ビーム砲で牽制。
ザクによって開けられた穴から飛び出すバルディッシュは一直線にエクシードへと向かって行く。
「はぁぁああ!!」
背面腰部に折り畳まれ、マウント去れている斧を構えると、刃の部分が180度展開され、ビーム刃が飛び出し、槍へと姿を変えた。
「ッ!?」
ナノハはエクシードを後退させつつ、バルディッシュにより放たれる突きをかわす。
「それで避けたつもり!?」
矛先のビーム刃が消え、斧を形成していた実体部が90度倒れる。
ビーム刃が飛び出し、鎌に姿を変え、そしてそのまま横薙を見舞うのと同時、エクシードの腹装砲、エクセリオンバスターが放たれた。

モビルスーツ二機、そしてボギーワンからの追撃をうけ、瀬戸際で攻防を続けるミネルバ。
ブリッジ内を揺るがす振動に、うめき声が溢れる。
「これでは、こちらの火機の半分も…」
使えていない。
今は回避、迎撃で手一杯。
「浮遊した岩に邪魔されて、こちらの砲も届きません!」
歯を悔い縛るアスラン、カガリ。
「ミサイル接近!数、6!」
アスランは瞬時にレーダーへと目を向ける。
「迎撃!」
タリアからの指示が出る。
(直撃コースじゃない…。)
疑念を抱いたアスランは周辺を写すモニターに視線を走らせた。
今、ミネルバを小惑星の表面にそって航行している。ミサイルが外れれば小惑星の表面が砕かれ…。
「不味い!!船を小惑星から離してください!!」
その声にタリアがアスランへと向き直った直後、さらに大きな揺れが船体を襲った。
次々とミネルバをそれ、小惑星に着弾していくミサイル。
砕かれた岩がミネルバを直撃。右舷の砲塔をいくつか破壊し、進路を塞いで行く。
右舷を守るため、指示を出すが、第二波のミサイルにより、倍の量の岩が降り注ぐ。
「4番、5番スラスター破損!艦長、これでは身動きが…。」
「進路、塞がれます!」
「さらにモビルアーマー、接近!」
報告される状況がどれもこちらを追い詰めて行く。
そして、ついにミネルバは足を止めた。
こうじた策はレイのブレイズザクファントムを出す事だった。
「インパルス、バルディッシュ、ザクは?」
「インパルス、バルディッシュ、ザクは、以前カオス、ガイア、アビス、アンノウンと交戦中です。
バルディッシュ、被弾あり!」

カオス、アビスに翻弄されつつも必死に応戦するブラストインパルス。ガイアとの交戦で手一杯のザク。
それから、エクシードの腹装砲により右腕と近接様の武器を失ったバルディッシュと、バルディッシュの斬撃により、同じく右腕とライフル一丁を失ったエクシード。
モニター上で激しく入り乱れる七機。
アスラン、カガリの目に一機のモビルスーツの姿が目にとまる。
「アスラン…あれって…。」
「あぁ…フリーダムに似ているな…。」
赤い翼をもつモビルスーツを見て、アスランはそれしか言えなかった。

「この艦にはもう、モビルスーツはないのか?」
しびれを切らしたデュランダルが声をあげた。
「パイロットが居ません!」
それに対し、少し苛立った調子で応えるタリアの言葉聞き、口を開き、思い直したように閉じるアスラン。
そして、そんな様子を不適な笑みを浮かべ見つめるデュランダルだった。

一方、レイの操るザクはカタパルトは使わず、自力で発進する。
(ミネルバには、ギルが乗ってるんだ…。
絶対にやらせるものか!!)
胸の内で決意し、ザクは迎撃へと向かった。

「クソッ!!ミネルバが!!」
焦るシン。建造物の陰を使い、四機から距離をとっていたインパルスとザク。
『戻らないとやられちゃうわよ!!』
ルナマリアが分かりきった事を言うので、シンが余計に苛立つ。
「分かってる!!」
陰を抜けきったところでインパルスが後退。ザクもそれに習う。
直後に降り注ぐビームの嵐。
『今は何を言っても仕方ないよ!ルナ、目の前の敵を何とかしないと!』
放たれる四の奔流、サイドステップでかわし、レールガンを放つバルディッシュ。
エクシードは降下して、レールガンをかわし、背部両翼バインダーに収納されているディバインバスターEXを展開。
放つ。

背部大型レールガン、デリュージー二門、そして、ケルベロス二門の一斉射撃。
四の光線がカオス、ガイア、アビスの三機を退け、そしてそのまま破棄された港を破壊した。

「右舷のスラスターはいくつ生きてるんです?」
痺を切らしたアスランがタリアに聞く。
「6機よ!でも、そんなのでのこのこ出ていっても、またいい的になるだけだわ。」
「同時に、右舷の砲を一斉に撃つんです!小惑星に向けて!爆発で一気に船体を押し出すんですよ!回りの岩も一緒に…。」
そんなリスクのあるアスランの策に反対を示す者もいたが、動けないままではただの的にしかならない。
デュランダルの一押しもあって、実行することになった。