Lnamaria-IF_赤き月の鷹_第08話

Last-modified: 2022-06-16 (木) 17:40:19

第8話『オーブ沖海戦』

ミネルバは左を突破するらしい。

「シン! 左側に敵を追い込んで!」
「了解!」

あたしたちが突っ込むと敵MSは鳥が逃げるように散開する!

一機、二機! シンが射撃で落とす!

「逝けーーー!」

左に回りこみドラウプニル4連装ビームガンを両手から連射する!
シンに追われて逃げた敵に面白いように当たる! 撃たれて動きが鈍った敵をスレイヤーウィップで止めを刺していく!

ミネルバに被弾!?

「く、こんなことで……やられてたまるもんですかーッ!」

敵の密集した所へ所へと突っ込み、後ろを見せる敵をスレイヤーウィップでなぎ倒す!

確かに半端じゃない数だけど! それだけ逃げる場所がないって事よ!
敵に密着すれば、他の敵はあたしを撃てない! そう割り切って突っ込み、ドラウプニルを叩き込む!

左前方から何かが発進し、近づいてくる! あれは!大型のMA! あんなのがミネルバに取り付いたら終わりだ!

迎撃に向かおうとすると通信が入った。

『タンホイザーで敵大型MAと共に左前方の艦隊を薙ぎ払います! 気をつけて!』

あわてて射線から離れる!

敵大型MAは、前傾姿勢を取ると何か力場を発生した!?

タンホイザーの光が射線上の物体を包んで行く!
閃光が晴れた時――

「あぁ……! タンホイザーを、そんな……跳ね返した?」

若干沈んだ艦はあったものの、敵大型MAから後ろの艦隊はまったく無傷だった。

「シン! あいつをやらないと!」
「わかってる!」
「一部分でいい! 敵MAの対空防御に穴を開けて!そこから突っ込む!」
「了解!」

シンが突っ込む!敵MAの主砲らしきものと赤熱したクローがシンの方を向き、前傾して力場を張りながら攻撃する!
チャーンス! シールドを構え、テンペストを抜きながら上空から高速で降下し、敵MAの懐に入る!
テンペストは敵MAの分厚い装甲を容易く切り裂いていく!
――敵大型MAは落ちて行き海上で爆散した!

「シン! 次は艦隊をやるわ! 援護して!」
「了解!」

敵の艦に次々に取り付くと、あたしはブリッジを、砲塔を潰して行く!

「空母が沈めば!」

あたしは空母に取り付いた!ブリッジを切り裂くと、甲板にテンペストを突き刺し、切り裂く!
もう一隻! 次の空母に取り付き、切り裂く! 空母はグズグズと沈んで行く!

……そして、気がつくと敵全軍は撤退して行った!

……もう、これ以上の追撃はないかな?
あたしたちは帰艦した。


「ルナー!」

コクピットで休んでいると、ヴィーノが声をかけて来た。降りよっか。

「ん? あらら」

床に降りると私はへたりこんでしまった。

「あはは、よくやったな、ルナ!」
「お疲れさん」
「すげーな、おい」
「聞いたぜーこのー。すっげー活躍だったんだって?」
「いやーほんとよくやってくれたー」
「へへ、ありがと」

「さあ! ほらもうお前ら! いい加減仕事に戻れ。カーペンタリアまではまだあるんだぞ。パイロットも休ませてやらなきゃ」

エイブズさんが言うと、メカニックの人たちは散って行った。

「ほんと、今日はよくやったよ。スーパーエース級じゃないか」
「ありがと、ショーン。自分でも、ここまでやれるとは思わなかったわ。まぁシンが援護してくれてたから落ち着いて攻撃もできたし」
「なんにせよお前が艦を守った。生きているということはそれだけで価値がある。明日があるということだからだ」
「……ん。ふふ。ありがと、レイ」
「さあ、休憩しようぜ。じゃないといざって時動けないからな!」

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