Lnamaria-IF_赤髪のディアナ_第03話

Last-modified: 2013-10-28 (月) 01:53:34

初陣

ガシャン!ガシャン!
……MSは動いてる。歩いてるよ。だけど、すごくぎこちない。まるであたしが初めて作業用ロボット操縦した時みたいだ。

「私はマリュー・ラミアス。地球連合軍の大尉よ。あなたたち、巻き込んですまなかったわね」

そう言いながら、あたしたちをMSに押し込んだ女性――マリューさんは、あちこちいじってスクリーンを切り替えたりしてた。

「あ!サイ!トール!カズイ!」
「みんな!」

スクリーンのある部分がアップになると、みんなが写ってた。まだ避難し終わってなかったんだ!

ガガガガ!

「うわぁ!」
「下がってなさい!死にたいの!?」

突然ザフトのMSから銃撃を受けた!ユーラシアでコーディネーターだからって追われてた時の事が頭をよぎる。
このままじゃ……何か武器とかないの!?このMS!?

ザフトのMSは剣を抜くと切りつけてきた!やられるかも!?あ、マリューさんが何かボタンを押した!

ガシィーン!

衝撃はあったけど、このMSはやられていなかった!

「すごいのね!このMSの装甲!」

……安心したのは早かった。ザフトのMSは何度も剣を叩きつけてきて、とうとうこのMSは倒れてしまったのだ!
剣の先が迫ってくる!
あたしは思わず体が動いて、MSを動かしてた!
なんとかMSを剣先から逸らして相手を弾き飛ばす事に成功した。ふー。

「ちょっとあなた!?」
「ここにはまだ人が居るんです!こんなものに乗ってるんだったら何とかして下さい!」
「無茶苦茶だ!こんなOSでこれだけの機体を動かそうなんて!」

キラはキラで、勝手にこのMSのOSをチェックしはじめていた。

「まだ全て終わってないのよ。仕方ないでしょ!」

あたしは覚悟を決めた。

「どいてください!キラはOSを直せるなら直して!」
「わかった!」
「ちょ、ちょっとなにをあうぇsrdftgyふじこ」

マリューさんを力づくで持ち上げてシートの後ろに押しやると、あたしはシートに座った。
キーボードを取り出すとキラに渡した。キラはぶつぶつ言いながらすごい勢いでタイピングを始めた。

「いい感じよ!キラ!武器とかはないの?」

あたしは秒単位で良くなるMSの動きで、相手の動きを邪魔し続けることに成功していた。でも、このままじゃ埒があかない。

「武器…アーマーシュナイダー……?これだけか?頭についてる銃とナイフみたいなもんしかない!今左右の腰から出す!」

二つのナイフ……なら!目潰しは護身術の基本よね!あたしは立ち上がりかけた相手の頭目掛けて力をこめてナイフを投擲した。

ザシュー!

ナイフは見事に相手のカメラ・アイに突き立った。

「うあああああーーーー!」

あたしは一気に相手に組み付き、頭上に持ち上げて地面に思い切り叩き付けた!そして残ったナイフを腕の付け根に突き刺した………?相手がまったく動かない。もしかして、倒した、のかな?

「マリューさん、相手のMS、外側からのハッチの開け方わかります?」
「…あ、ええ、たぶん……」
「キラ、お願い!見てきて」
「わかった!」

……相手のパイロットは気絶していた。あたしたちは彼を武装解除し厳重に縛り上げた。
あたしたちはとりあえず生き残ることに成功したのだ。
……気が付いたら、マリューさんも気絶していたけど。

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