R-18_Abe-Seed_安部高和_01

Last-modified: 2007-11-06 (火) 21:29:33

――CE70

 

なんやかんやで資源衛星ヘリオポリスはザフトによる襲撃を受けていた。
「・・・!?このバイブレーション・・・・・・股間にクるじゃないの」
つなぎを着た男性――阿部はハッテンパークのベンチから立ち上がり、シェルターへ向かった。

 

「あなたは!?あなたも早くシェルターに!」
しばらく彷徨い歩いていると、金髪の少女を連れた少年に出会った。
――あどけなさを残した、無垢な顔立ち。
――まだ穢れを知らない、ピンク色のアナル。
「キミはなかなか・・・やらないか?」
「何を言ってるんです!早く避難しないと!」
「あっちのシェルターに行くのかい?もう遅い。俺がみんな食っちまった」
「おまえ、何を言ってるんだ!今がどういう時か――」
「うるさい黙れ喋るな女」
「・・・・・・」
「僕達はもう行きます!あなたも早く避難を!」
「ほう?俺の尻の穴に避難しようっていうのかい?」
「は・・・?」
「あんな奴に構うな!早く行くぞ」
「喋んなっつったろクソ女頃すぞ」
「・・・・・・」
「と、とにかく!あなたもどこかのシェルターに行ってください!」
「・・・市ね変態」
そう言い残し、二人は走り去っていった。
「・・・まいったな、俺の暴君が暴れ出しそうだ」
少年――キラの尻を見て股間を膨らましつつ、阿部はあてもなく歩き出した。

 

「・・・・・・ここは?」
幾多のシェルターで男を食いつつ彷徨い、阿部が辿り着いたのは巨大な倉庫。
中は薄暗く、阿部はしばらくの間ここでの性交を妄想していた。相手はもちろん、
先程出会った美少年。
「ンフフフフフフ・・・」
妄想。股間の暴君は服を破らんばかりに猛っている。
腸内に2リットルの小便が注ぎ込まれた辺りで、阿部はあるモノに気付いた。
倉庫の中央で、マグロのように横たわる人型のロボット。
「これは・・・。とぅあ!」
ひとっとびでコクピットハッチに飛び乗ると、阿部は慣れた手つきでハッチを開けた。
「これはモビルスーツ・・・おや?」
コクピット内に放置された冊子。それを拾い、ぱらぱらとページをめくった。
「ふむ、ふむ・・・わかった」
ファミコンの説明書でも読むかのような手軽さで内容全てを理解した阿部は、
シートに座り込んだ。
「良い男に不可能はないのさ」
難なくMSを立ち上がらせる阿部。倉庫を突き破り、全身が露になる。

 

――GAT110105 インモラルガンダム。幻の六体目のガンダムが、
今ここに立ち上がった。
「おもしろい・・・やってやろうじゃないの」

 

コロニー内は、見るも無残な状態になっていた。
「こりゃ酷いねぇ」
まるで巨大なハリケーンにでも遭ったかのように、
建物や木々は例外なく破壊されていた。
――ジョンと交わった、あのホテル。
――ボブと交わった、あの遊園地。
――ジャッキーと交わった、あの小学校。
その全てが、屍となって阿部の眼下に転がっていた。
「まったく、どこの誰かは知らないけど――」
そう口にした瞬間、また一つのメモリアルプレイスが破壊された。
――そこは、阿部が幼少の頃より愛用していた、ハッテン公園の
公衆トイレだった。
「な、何をするだぁーッ!許さんッ!!」
バーニアを思いっきり吹かし、阿部は機体をそのMSに向かわせた。

 

ZGMF-1017 ジン
ザフトの量産MSであり、MSを持たない連合にとっては死神のような
機械人形。
ジンはマシンガンをばら撒き、白いMSと交戦していた。
「くっ、こいつ!なんて装甲だ!」
対するMSはGと呼ばれるMS、ストライク。
まともな武器を持たず、動きもデタラメなそのMSを相手に、
しかしミゲルは苦戦を強いられていた。
何しろ攻撃が全く効かないのだ。黄昏の魔弾と称された彼も、
冗談みたいな装甲を持つそのMS相手に、決定打を打てずに
手を焼いていた。
「ちっ、ならば・・・」
マシンガンを捨て、重斬刀を引き抜く。マシンガンよりも数倍の威力のある
これならば、あの冗談装甲を断ち斬る事が出来ると考えて。
そしてストライクに突進しようとした矢先、レーダーに新たな反応が
生まれた。
「なっ!?もう一機!?」
慌ててモノアイをその方向に向ける。
――それは、情報には無かった六体目のG。
肉色のその機体は、猛スピードでこちらに向かってきていた。
「乗っているのは誰だ?・・・おい、応答しろ!ラスティか!?」
肉色のG――インモラルガンダムへ通信を開く。
しかし返ってきた声は同僚のものではなく、どうやったのかは分からないが
一方的に映し出されたモニターの男は軍の者でもなかった。
「俺の名は阿部高和。・・・おまえに淫夢を見せるモノだ!」
にやりと歪むその口元に、ミゲルは何故か貞操の危機を感じた。

 

「この野郎・・・ふざけた事を!」
標的を新たなG――インモラルに変え、ミゲルはがむしゃらに突っ込んだ。
――このMSは、やばい。
歴戦の勇士ミゲル・アイマンの研ぎ澄まされた勘が、彼にそう警告していた。
止まらない悪寒。よだつ身の毛。
――あのMSは、自分の中の大切なナニかを奪い去る。
半ばヤケクソ気味に、ミゲルはインモラルに特攻した。
そうでもしなければ、彼のプレッシャーに押しつぶされてしまうから――

 

「いいねぇ、その声その表情。燃えるじゃないの」
ぺろりと唇を舐め、ジンを迎え撃つ阿部。
いくらPS装甲とはいえ、あの勢いで刀を振り下ろされたらひとたまりもないだろう。
「どぉれ、いっちょ揉んでやるか!」
高速で突っ込んでくるジン。1秒にも満たない距離にあるジンは、
インモラルを断ち斬らんと重斬刀を振り上げている。
「もらったぁ!!」
「っそぉぉぉぉい!!」
振り下ろされる刀。肉色のMSは、その軌跡にそって
左右対称とも呼べるような形に両断された。
「やった!」
そして爆散するインモラル。跡形も無くあっけなく、未知の恐怖は
自分の前から消え去った。やった、勝ったんだ。俺は生き残ったんだ。

 

――そう確信したミゲルだったが、現実は・・・阿部はそれを許さなかった。
「な、なにぃッ!!?」
爆散するかと思われたインモラルは、ゆらゆらと姿を揺らして霧散した。
――そこでミゲルは気付いた。今思えば、手ごたえが全くなかった、と。
「しっ、質量を持った残像だと!?」
「そのとおりさ」
「――!?」
背後からの、あの男の声。ミゲルの全身を絶望が抱き締めた。
「いい一撃だったが・・・俺をイかせるには不足だったな」
「バカな!MSにそんな機能など・・・」
「良い男に不可能はないのさ」

 

実際、インモラルに残像発生機能はなかった。
良い男の為せる業、である。
「じゃあさっそく、イかせてもらうよ」
ジンに背後からがっしりと組み付き、阿部は必殺の武装を展開させた。
「よ、よせっ!」
「ゲイ・ボルグ!」
股間からサーモンピンクのビームバーが伸び、ジンの両足の付け根の間

 

人で言うところのアナルを突き刺した。
『ゲイ・ボルグ』・・・インモラルの、必殺にして唯一の武装。
股間から伸びる肉色の棒は、MSのアナルに刺す事により
敵パイロットの意識を無慈悲に断ち斬る。
「ア ッ ー !!」
しかしそれは、「殺す」という事ではない。
アナルに突き刺したそれはコクピットを揺らし、シートを変形させる。
肛門の部分に突起・・・使用者のペニスと同じ大きさの突起を形成させ、
パイロットのアナルを突き穿つ。その勢いは厚さ1メートルの鉄板をも貫く。
絶妙な振動と、アナルへの一撃。常人はおろかよく訓練されたコーディネーターも
瞬く間に絶頂に導く、従来の武器の常識を覆す兵器。
それがGAT110105 インモラルに装備された超兵器、ゲイ・ボルグだった。
「いい締め付けじゃないの」
振動は使用者にも伝わる。下着とペニスがこれまた絶妙に擦れ合い、
ほどなくして阿部も絶頂を迎えた。
「まだまだ。もう一発・・・といきたいところだけど」
絶頂を迎えたミゲルは意識を喪失しており、彼のMSは力無くくずおれていた。
「もう終わりかい?最近の若い男はだらしがないねぇ」
仕方なくジンを離し辺りを見渡すと、そこには純白のMS。
ジンが犯される様をずっと見ていた、ストライクガンダム。
阿部は瞳を光らせ、舌なめずりを一つ。

 

「――いるじゃないの、イキの良さそうなのが」

 
 

「なに・・・?あのMS・・・」
技術仕官であるマリュー・ラミアスは、突如乱入してきた
MSに驚きを隠せなかった。
あの肉色のGは、自分にも知らされていなかったからである。
「おばさん!あれは一体・・・」
「おばさん言うな。私にも分からないわ」
本来一人用であるコクピットには今、キラとマリューが座っていた。
なんやかんやでこうなったのだ。
「敵なのか、味方なのかも・・・」
自分と交戦していたMSを倒してくれたという事は、
少なくとも敵ではない・・・
そう考えたいマリューだったが、どうやらそんな簡単な
問題ではなかったようだ。
「・・・こっちに向かってくる?」
「げ、迎撃します!!」
「待って!まだ敵かどうかは分からないわ!」
「そんな事言ってられませんよ!」
あのMSを見た瞬間から、キラは不吉な感覚に包まれていた。
そしてジンが撃破された時、キラはその感覚が摂理である事を悟った。
――即ち、食う者と食われる者。
阿部という捕食者の前では、キラはか弱い獲物に過ぎなかった。

 

「ンフフフフフフ」
インモラルは手を腰にあて、ストライクに向かって直進する。
させじとばら撒くストライクのバルカンの弾幕を、上半身だけでかわしながら。
その様は、さしずめメトロノームと言ったところか。カッチカッチと、
リズミカルに体を曲げながら歩み進む。
「ビ・ィ・ムかがーやーくーフラッシュバックにぃ~、俺の影~♪」
射程内に入る。キラの命運は、既に阿部のおいなりさんの中だった。
「ミゲル!!?」
と、そこで新たな乱入者が入ってきた。
赤いMS。アスラン・ザラが奪取した、イージスガンダムだった。
そのMSは、死体のように横たわるジンの元へ着陸した。
「ミゲル!しっかりしろ!何があった!?」
「あ・・・」
アスランの声に、ミゲルは意識を取り戻した。
「ミゲル!生きてるのか・・・!」
「あ、あすらん・・・」
「しっかりしろ!すぐにヴェサリウスに運んでやるからな!」
「アスラン・・・た、頼みがある・・・」
「なんだこんな時に!」
「・・・・・・、や ら な い か」

 

「・・・・・・!?」
アスランは戦慄した。
あのミゲルが、こんな事を言うなんて・・・
「ああ、分かった。帰ったら相手をしてやる」
――ミゲルが、こんな事を言ってくれるなんて。
(ひぃぃぃぃやっほぉぉぉぅ!)
アスラン・ザラ。彼もまた、ノンケでも食っちまう男だった。
ジンを抱きかかえ、離脱しようとするイージス。頭は今夜の事でいっぱいだった。
「あいや待った!」
しかし、それを許す阿部ではなかった。
イージスに向き直り、阿部は彼に訊いた。もちろんバルカンをメトロノームムービング
でかわしながら。
「ヴェサリウス・・・・・・そこに良い男はいるのかい?」
「え・・・・・・」
突然の質問にアスランは戸惑い、しかし彼は同族である事にすぐ気付いた。
「ああ・・・仮面とツンデレと脳天気とショタが」
「ひゅう。いいねぇ、俺もイっていいかい?」
「その前に一つ訊かせてくれ。・・・ミゲルをヤったのはおまえか?」
「ああ。なかなか良い具合だった」
「ヴェサリウスは貴殿を歓迎する!ついてきてくれ!」
「あいよ、っと」
ジンを抱え飛び立つイージス。阿部のインモラルもその後に続いた。
「ちょっと惜しいけど・・・縁があったらまた会おう、白いMS]

 

「た、助かった・・・?」
「そう、みたいね・・・」
インモラルの後ろ姿を見て、キラは心の底から安堵した。
「・・・あれっ?あの赤いのに乗ってるのって・・・アス、・・・アスなんだっけ?
アス・・・ザラ、ジラ、ズラ・・・あ、ズラだズラ。アズラン・・・」
かつての友(記憶にナシ)をキラは遠い目で見つめた。

 

ナスカ級高速戦闘艦、ヴェサリウス。
阿部はアスランにブリッジへと案内された。
「アスラン・ザラ、帰還しました」
「ご苦労、アスラン」
迎えたのは、仮面を付けた男。
アスランの属する、クルーゼ隊の隊長ラウ・ル・クルーゼだ。
その後ろには、アスランと同じくクルーゼ隊の隊員であるイザーク、ディアッカ、ニコルが
立っていた。
(うほっ、良い男・・・)
「おや・・・アスラン、その男は?」
「はっ。この男は――」
ジーーーーーッ
「やらないか?」
ジッパーを下ろし、そそり立つ暴君を露にする阿部。
阿部高和独自の求愛行動だ。
「ほう、これは・・・」
「き、貴様!ここをどこだと思っている!!?」
「ひゅう♪グゥレイト」
「む、剥けてる・・・痛くないのか・・・?」
「・・・アスラン?あなた、まさか・・・」
「ほ、ほほほ包茎ちゃうわ!」
「どうだい?これをぶち込まれてみたくないかい?」
自身のモノをゲーセンのスティックのようにぐにぐに弄ぶ阿部。
「ふっ・・・」
クルーゼはそれを一笑に伏す。
「いいだろう、後で私の部屋に来たまえ。ファックのなんたるかを
教えてやろう」
「そうこなくっちゃ」
「アデス、メカニックに伝えろ。彼のMSを整備するようにとな」
「隊長!このような者を我が艦に迎えるなど・・・!」
クルーゼの決定に食ってかかるイザーク。武人気質の彼は、
公衆の面前で性器を曝け出す男を同じ艦に乗せるという事を認められなかった。