SEED-クレしん_07-321_03

Last-modified: 2009-07-27 (月) 18:46:57
 

クレ種昔話『レイナ姫』
【その3】

 
 

しん  「えー、レイナおねいさんが求婚者たちに課題を出してから1ヶ月がたちました」

 
 

ギル  「ふむ。ここ1ヶ月彼等からの連絡がないということは……失敗して諦めた、かな?」
レイ  「そうだといいんですが……俺はもう心配で心配で。夜も眠れなかったですよもう……」
タリア 「ま、いざとなったら月に『奥の手』があるわ。どうしようもなくなったらそれを使いましょ」
レイ  「月……?」

 

ドカアァァン!

 

タリア 「きゃあ!な、なに?」
ギル  「これはどうやら……うむ。MSが着地した音のようだ」
レイ  「MSって……まさか!」

 

キラ  「レイナさ~ん!奪取してきたよ!これがNジャマーキャンセラー搭載のフリーダムガンダムさ!ははは……!
     そう、そうだったんだよ! 想いだけでも力だけでもダメだったんだ!」

 

レイ  「うげ……」
タリア 「あら? あっちからも色々とやってきたわよ?」

 
 

ディアッカ「やったぜグゥレィトォ! 海原〇山に美味いって言わせる事に成功したぜ!
      ……え?どうやってあのオヤジにそう言わせたのかって?
      そりゃあジ〇ンのおかげさ! 作ったチャーハンにこう、成熟したケシの実をまぜて……」

 
 

イザーク 「このキョシニュケがあ!注文通り宇宙クジラを生け捕りにしてきたぞ!
      感謝しろよ!オニギリの尊い犠牲にな!」
マサオ君 「死んでいませんよー! 勝手に殺さないでください!」

 
 

ムウ   「ど、どうだ!クルーゼの奴を海に叩きこんでドラグーンを使えなくしてからタコ殴りにしてやったぜ!
      俺はムウ・ラ・フラガだ! 不可能を可能にする男を舐めんなよ!」

 
 

ハイネ  「い、生き残れた……!
      白兵戦やらされたりフリーダムに狙われたり、デストロイ相手に突攻させたりしたけど……
      なんとか最終回まで生き残れたぜ!ざまあみろ!」

 
 

ギル  「どうやら……皆、課題をクリアーしてきたようだね?」
レイ  「あ、ううう…… ギ、ギル!どうすれば……どうすればいいんですかこれ!」
タリア 「ふう、しょうがないわねえ。じゃ、裏庭のシャトルでちょっと月にまで行きましょうか。
     この騒ぎを収拾するにはもうそれしかないでしょ」
レイ  「つ、月って……月に行ってどうなるっていうんです!」
ギル  「なるさ。すべてを答えは……蒼き月光の向こうにある!」
レイ  「……?」

 

   ※   ※   ※

 

キラ   「レイナさん!」
ディアッカ「課題はクリアーしたんだ!今こそ俺の嫁さんに……あれ?いない……」
ムウ   「ん?書き置きがあるぞ……
      え~『レイナ姫は生まれ故郷である月に帰りました。残念ながらこのお話はなかったという事に』……
      な、なんだってーー!」
ディアッカ「んなバカな! 俺の苦労はどうなるんだよ!」
イザーク 「ん~……それより問題なのはこの宇宙クジラをどうするかだな……こうなったらみんなで食うか?」
マサオ君 「それはいくら何でも可哀想ですよ。せめて宇宙に帰してあげるとか、もしくは飼うとか……」
イザーク 「じゃあ世話はお前がやれよな?」
マサオ君 「ええーー!?」

 
 

ゴォォォォォ……

 
 

ハイネ  「くそ……全国ツアーを蹴ってまで最終回まで生き延びたというのに。俺の苦労は一体……ん?
      なんだ?この爆音……」

 
 

ドカアアアーーーーーーーーーーーンッ!!

 
 

一同   「ひえーーーーーーーーーー!?!」

 
 

ギル  「はっはっはっ。どうかねレイ。
     私がジブリールから将棋の負け分の代わりに手に入れた、このレクイエムの破壊力は!」
レイ  「ギ、ギル……あ、あなたって人は……(絶句)」

 
 

しん  「その時、みんなの頭上にレクイエムのびーむが落ちて来ました。
     とっさにみんなでギャグ絵に切り替えたから、『あ~死ぬかと思った』の一言で済みました。
     と、まあそんなこんなでレイナおねいさんは月に移住し、
     今度は男の子としてお爺さん、お婆さんと一諸に悠々自適に暮らしましたとさ。
     めでたし、めでたし♪」

 

 

大原四十郎「………」
鈴木   「どうしました先生?」
大原   「うむ。出版社の依頼で書き始めたこの『豪快昔話シリーズ』だがな……
      自分で書いてて何だが、どうも話がごちゃまぜすぎる。
      やはりこの話は無かったという事にしてくれんか? ワシのにはこの手の話を書くのは無理のようだ」
鈴木   「ええ~!そ、そんなあ……
      もうすぐ原稿が上がると思って、せっかくホームパーティーの準備を済ませておいたのに……」

 
 

(おしまい)

 
 

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