今日も暑い野原家の前で、玄関でチャイム鳴らしている3人組の姿があった……
ピンポンピンポーン!
アウル 「お~いシン~。クソ暑くて暇だからなんかスポーツで勝負しようぜ~~」
ステラ 「し~ん~ちゃん、あーそーびーましょ~」
スティング「おいやめろよ小学生じゃあるまいし……」
そのとき、玄関のドアが開いてみさえが顔を出した。
みさえ 「あら、みんな揃ってどうしたの?」
アウル 「あッか、母さん! い、いやそのですね、シンとしんのすけいますか?」
みさえ 「あ~……ごめんね。
シン君はしんのすけ、ルナちゃん、マユちゃんと一諸に昨日秋田の実家に帰っちゃって……」
スティング「え、それじゃいないんですか?」
みさえ 「そうなのよ~ごめんね」
アウル 「む~……どうするよ?」
ステラ 「秋田かあ……ステラもいきたかったな……」
スティング「しょうがない、今日は図書館に涼みにでもいくか…」
アウル 「いや! あいつらだけ楽しい思いするなんて許せねえ! 俺たちもいこうぜ!」
ステラ 「え~行きかた、わかるの?」
アウル 「秋田行きの電車に乗りゃすぐ着いちまうだろ。さあさあそうと決まったら支度すんぜ~~~!」
スティング「……大丈夫か?おい」
※ ※ ※
その頃、実家に帰ったシン達は……
シン 「ぜー、ぜー……とうもろこしとってきたぜ……よいしょっと!」
飛鳥母「ご苦労様。じゃあ次は、水で洗っといたそこのトマトの泥拭き、お願いね♪」
シン 「これ何千個あるんだよ!? これを全部やれってのかこの鬼ッ!」
ルナ 「文句言ったって数は減らないわよ。ほらぐずぐずしないでさっさとやる!」
シン 「ち、ちくしょ~……
えーと、これは良し、これは熟してない、これは割れてる、これは腐っててダメ……ッ!」
しん 「やっほ~♪ シン兄ちゃん元気してる~♪」
飛鳥母「あらしんちゃん、いらっしゃい」
しん 「どうもどうも~。爺ちゃんもあいからわずでしたし、こっちは………あれシン兄ちゃんどうしたの?」
シン 「……心配しないでくれ……ただ疲れただけだから。
と、トマト選別して拭くだけで8回も種割れしちまったぜ……疲れた…」
カガリ「でもシンのおかげでずいぶん早く終わったぞ」
マユ 「そうだね~さすがマユのお兄ちゃん♪」
シン 「誉められたってう、嬉しくないやい!」
飛鳥母 「みんなスイカ切ったわよ~」
ルナ 「やったあ♪ ここのスイカは甘くて美味しいから好きなのよね~~♪」
しん 「じゃあ遠慮なくオラもおよばれしますゾ♪」
アスラン「シンは食わないのか? 美味いぞ」
シン 「みんなタフだな……んじゃあ俺もひとつ」
そしてその夜……
マユ 「じゃ~ん!」
ルナ 「どう?シン」
シン 「……金魚と……朝顔?」
ルナ 「柄の浴衣。いいでしょ、シンのお母さんに仕立ててもらったのよ♪」
シン 「ふ~ん」
マユ 「うわーすごい興味なさそうな反応だー。張り合いないなあ~」
シン 「で、なんで浴衣なんか着てるわけ?」
アスラン「近くで小さな花火大会やるんだとさ。で、みんなで見に行こうってことになってな。
お前もこい、シン」
シン 「はいはい……どうせ嫌だって言っても無理矢理連れ出すんだろうしな」
カガリ 「分かってるじゃないか♪」
しん 「んじゃあ花火見物にしゅっぱ~つ♪」
※ ※ ※
その頃アウル達は……
スティング「……おい。ここはどこだ?」
アウル 「っかしいなあ……電車の乗り場は間違ってないはずだけど……」
ステラ 「さっき通過した駅、『サセボ』とか書いてあった」
……電車で春日部を出て、いまは日本のどこかを彷徨っていた……