SEED-クレしん_16-302_03

Last-modified: 2009-05-23 (土) 12:27:57
 

アニュー 「大丈夫みんな?」
ブリング 「ああ。ピンクに助けられたな」
リヴァイヴ「状況に適した見事なイノベイジャーストームだったぜピンク」
アニュー 「……あまりピンクピンク言わないでください」
ヒリング 「ともあれこれでイノベイジャーはますます無敵になったわね。
      幹部もやっつけたしこれでもう……」
???  「いや、まだだッ!」
リヴァイヴ「なにッ」
リジェネ 「見ろ!……あそこだ」

 

 突如ミネルバの屋上に舞い降りた3つの巨大なロボットの姿……
 これこそはソレスタルブーイングの幹部専用メカ! その名も……

 

シン   「セッツナ―専用ロボ……ダブリオー!」
レイ   「アレハレ男爵専用ロボ、アリエナイオス!」
ルナ   「スメラーギ専用ロボ、ゲロビーム!」

 

 なんてことはない。それぞれ悪役っぽいパーツをゴテゴテ付けたデスティニー、レジェンド、フォースインパルスであった。

 

レイ   「デスティニーはもともと悪役顔だからそのままでも十分いけるな」
シン   「うるさい」
ヒリング 「こちらも合体よ!」
デヴァイン「うむ。来い!イノベイ獣……! 脳量子合体ッ!」

 

 どこからか飛んできたイノベイ獣(ガデッサとかガラッゾにガッデス)にイノベイジャーが乗り込んで、今こそ6体合体!

 

6人   「イノベイオー! 天下変革!」

 

   *   *   *

 

ルナ   「出たわね。いくわよ攻撃開始ッ!」
レイ   「手加減ビームライフル!」
シン   「手加減フラッシュエッジ!」

 

 3大幹部の攻撃を全部モロに受けてよろめくイノベイオー。しかし致命的なダメージはない。
 一応ショー向けに手加減されてるのもあるが、さすが防御力がケタはずれなスーパーロボットという所か。だが……

 

ヒリング 「それぐらい効くものですか……! さあ反撃よ!武器をッ」
リヴァイヴ「よし! イノベイ剣!」
ヒリング 「……い、いやそうじゃなくて!
      ほら、剣じゃ空の敵に届かないでしょ? ビームライフルとかメガランチャーは……」
ブリング 「無い」
アニュー 「……は?」
デヴァイン「イノベイオーに合体すると合体前の武器は全部使えない。攻撃方法は徒手空拳とイノベイ剣だけだ」
ヒリング 「じ、じゃあ、空飛んで接近戦に持ち込むとか……」
ブリング 「それも無理だ。イノベイオーは巨体が災いしたのか飛行能力がない」
アニュー 「……じゃあいったん分離してMS、もといイノベイ獣で攻撃しましょう。それなら空飛べるでしょう?」
デヴァイン「それはそうだが……あれを見てもそう言えるか?」

 

マサオ君 「がんばれイノベイオ~~!」
風間君  「あんな悪のロボなんて、イノベイ剣でまっぷたつにしちゃってくださーい!」

 

アニュー 「う……」
デヴァイン「確かに分離すれば勝てるだろう。だがそれは……戦隊ロボの戦い方ではない!」
ブリング 「ファンはイノベイオーでの勝利を見たがっているからな。不利を承知で合体状態で戦うしかない」
ヒリング 「仕方ないわね……でもどうやって戦えば!」

 

シン   「そうさイノベイオー唯一の弱点、それは空を飛べないこと……
      つまり空から攻撃する限り、奴等に勝ち目はない!」
ルナ   「さあ、とっとと『負けましたごめんなさい』と言いなさい!」

 

 3大幹部ロボの容赦ないビーム攻撃は続く。
 このままで攻撃を受け続けていたら、いずれダメージの蓄積でイノベイオーは破壊されてしまうだろう!
 と、そのとき……

 

ティエリア『(毎度おなじみ脳量子通信で)苦戦しているようだな、イノベイジャー』
リジェネ 「ティエリア? この忙しいときに何の用だ!」
ティエリア『ご挨拶だな。せっかく良いものをそちらに送ったというのに』
デヴァイン「良いもの……?」
ティエリア『もうすぐそちらに到着するはずだ…………ほらきた』

 

   *   *   *

 

レイ   「さあこれでトドメ……ぐあッ!?」
シン   「どうしたレイ!」
レイ   「と、突然ビーム攻撃を背中に受けた。こ、これは一体……」
しん   「……お? 空になんか鳥みたいなのが」
風間君  「鳥にしては大きすぎるぞ! あの白いのは……まさか!?」

 

 ティエリアがイノベイオー救援に送ったそれは!大空を舞う巨大な翼……
 その名をMAエンプラス! 

 

デヴァイン「……ああそういえば、私がなんでガラッゾに乗っているのか前から疑問に思っていたのだが……
      これの伏線だったのか」
ティエリア『あれは君の機体だろう? さあ乗りこみたまえ』
デヴァイン「よし。みんなイノベイオーを頼むぞ……とう!」
ルナ   「あっ! レッドがロボからぴょーんと飛んで、謎のメカに乗り込んだわ!」
シン   「戦隊ヒーローはあいからわずムチャな乗りこみ方すんなあ……」

 

デヴァイン「コクピットはそのままか。ではいくぞ……GNキャノン!」
レイ   「くッ……こいつ大出力のビーム砲をもっているのか……!」
デヴァイン「避けても無駄だ! エグナーウィップ!」
レイ   「うわっ! ぐ、ぐゥ……!」
シン   「あいつ、ただの戦闘機じゃあないぞ! まさか……モビルアーマーか!?」
ルナ   「厄介ねえ。
      こちらは機体性能のほとんどを半分以下に抑えられてるから、ああいうのが出てくるとやばいのよね」
シン   「ショーの安全対策だな……
      実をいうとこちらは空が飛べることだけが唯一のアドバンテージなんだよなあ……」

 

デヴァイン「よしッこのままトドメを!」
リヴァイヴ「まったデヴァイン! こうなったらいっそエンプラスもイノベイオーに合体させるってのはどうだ?」
アニュー 「え、そんなことできるの?」
ティエリア『どうだろうな? まあ、なんとかなるんじゃないか』
リジェネ 「またそんないい加減な……」
ブリング 「成せば成る……か。いくぞみんな! 超脳量子合体!

 

 イノベイオーの背中にデヴァインのエンプラスがドッキングする……これぞ脅威の7体合体!

 
 

6人   「テンクウイノベイオー! 天下変革!!!」

 
 

ルナ   「そんな! さらに合体するだなんて……」
リジェネ 「飛行制御は僕に任せてもらおう。テンクウイノベイオ-浮上!」
アニュー 「そ、空を飛んでいます!」
リヴァイヴ「そう……その通り! イノベイオーは遂に!大空を我が物にしたんだ!」
デヴァイン「これでハンデなしだ。いくぞソレスタルブーイングのロボットども!」

 

 イノベイ剣をかざしてテンクウイノベイオーが突進する。
 まずゲロビームを斬り、返す刀でアリエナイオスを突き刺し、そして……

 

シン   「ルナ!レイ……! く、くそ~一方的すぎるだろこれじゃあ!」
アニュー 「残りはダブリオーのみよ! デヴァイン、必殺技を!」
デヴァイン「よし! イノベイ剣……天空唐竹脳量子斬り!
5人   「天空唐竹脳量子斬り!」
シン   「う、うわ――――ッ!?」

 

ドゴゴ――――ンッ!

 

 ……とまあ、残ったダブリオーもあっけなく斬り捨てられた。
 鋼の天使か、それとも悪魔の翼か。こうして4度目の戦いは大空を手に入れたテンクウイノベイオーの大勝利とあいなったのであった。

 

   *   *   *

 

しん   「おお~~~!やったあ~~!」
風間君  「いやー大空を飛ぶイノベイオーもいいなあ」
マサオ君 「格好いいよね~」

 

 ちびっこ達が大興奮のなか降り立つテンクウイノベイオー。そしてロボから降りてくるイノベイジャーたち。

 

リヴァイヴ「みんな! 悪のソレスタルブーイングがいかにパワーアップしようともイノベイジャーは負けないぞ!」
デヴァイン「頼もしい味方イノベピンクの登場でますます大活躍必至のイノベイジャーを応援してほしい」
アニュー 「そうそう私が………て、ええ!?」
ヒリング 「だってこんなに大人気なのよ、今さらこれっきりはないでしょ?」
アニュー 「だ……騙したわね!」
リジェネ 「騙される方が悪い。ほら観客の子供に手をふって。
      これから握手会と撮影会だぞ、仕事はまだこれからだ気を抜くな」
アニュー 「あ、あううう~~~。ラ、ライル……こんな私を嫌いにならないでえ~(泣)」

 
 

 こうして既成事実を作られ、イノベイジャーに正式に参加せざるをえない状況に追い込まれたアニュー・リターナーであった。
 まあプトレマイオスの従業員と兼用になるから毎回必ず、というわけでもないだろう。

 

 一方、控え室に退場した3大幹部どもは……

 

シン  「か、体中が!体中が痛いッ! あ、○青龍がッ……○青龍があ~~~!」
ルナ  「うう……に、2度とクロックアップなんて……使わないッ!……い、いたたたた!」
レイ  「ううむ、こんな苦労をしなければならんとは。悪役もつらいな……」

 

 3人揃って禁断の技クロックアップの後遺症に苦しんでいた……
 ともあれ脳量子戦隊イノベイジャー、まずはここまで!

 

 《完》

 
 

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