― 春日部から遥か遠い未来である、C.E.の世界へ飛ばされた野原一家。
L5に浮かぶ中立国オーブの資源衛星ヘリオポリスでザフト軍の侵攻により、AAへと搭乗する事となる。
そして、数多の戦いを経て、ヤキン・ドゥーエでの最終決戦を迎える――
キラ「しんちゃん!しっかり掴まってて!」
しんのすけ(以降しん)「おおお~すごいゾ~!ほっほほ~い!」
ラウ「また君か。厄介なヤツだよ、君は!」
キラ「貴方は!」
ラウ「あってはならない存在だと言うのに!そして君もだ!しんのすけくん!
幾星霜も経ったこの世界に!例えこの世界を救うべくして現れた英雄であろうとも、
存在してはならない存在なのだよ!」
しん「いやぁ~それほどでもぉ~♪
自分でもわかってたけど、オラって凄い人だったのねぇ~ん♪」
ラウ「そうだ!知れば誰もが望むだろう、君達のようになりたいと!
君達のようでありたいと!」
キラ「そんなこと!」
ラウ「ゆえに許されない、君達の存在を!」
キラ「僕は……それでも僕達は!力だけが僕達の全てじゃない!」
ラウ「それが誰に解かる?何が解かる?解らぬさ!誰にも!」
しん「オラには変態のおじさんの話が良く分からないゾ…」
キラ「貴方は、貴方だけは!」
ラウ「いくら叫ぼうが、いまさら!
これが定めさ!知りながらも突き進んだ道だろう!
正義と信じ、解からぬと逃げ!知らず、聞かず!
その果ての終局だ!
もはや止める術等ない!そして滅ぶ!
人は滅ぶべくしてな!」
キラ「そんなこと!そんな貴方の理屈!」
ラウ「それが人だよ、キラくん!そして、しんのすけくん!」
しん「それは違ゾ……違うゾ!変態のおじさん!」
キラ「しんちゃん…」
しん「オラには難しい事はやっぱり分からないけど、
きちんとお話すれば、どんな人もみんな仲良くなれるはずだぞ!
お話を聞かないのはおじさんが何も言わないから、何もしないから分からないんだ!
何もしないで、嫌だから全部壊しちゃうなんていけないんだゾ!
そんなのワガママなだけだゾ!」
ラウ「はっ!何が違う?なぜ違う?残念だが、世界は君のように
純粋な者ばかりではない!互いが互いを憎しみ合う、それが人の全てだ!
この憎しみの目と心と、引き金を引く指しか持たぬ者達の世界で!
何を信じ、なぜ信じる?」
しん「嫌いな人がいるのは当たり前だゾ!オラだっておっさんとかは嫌いだけど、
それでもとうちゃんとか組長とか、嫌いでも仲良くなれば好きになれる人は沢山いるんだゾ!
オラはみんながオラが嫌いになっても、オラは皆が大好きだゾ!みんなのことを信じるぞ!
みんな仲良くなれるって!喧嘩をしても、ごめんなさいって謝って、
明日になったら、一緒に遊べるような世界を信じてるゾ!
変態のおじさんは、そんな世界を知らないだけなんだゾ!
そんな世界を知らないくせにぃ!世界を作れないくせにぃ!ただ逃げたいだけのくせにぃ!」
ラウ「知らぬさ!そんな理想で塗固められた世界は!
そんな詭弁でまだ苦しみたいか!いつかはやがていつかはと!
甘い毒に踊らされ、人はいったいどれほどの時を戦い続けてきた!
もはや止めるすべはない!地は焼かれ、涙と悲鳴は新たな争いの狼煙となる!」
しん「喧嘩は無くならないけど、嫌いになるのも止められないけど、
でもこんな、みんなが嫌がる戦争は止めさせられるゾ!
オラたちがこれから守っていくから、みんなと一緒に守っていくから、絶対に無くなるもん!
もし、オラがダメでも、戦うのが嫌な人達が絶対に止めるから!ぜったいに無くなるもん!
その為にも絶対に止めてやるゾ!」
ラウ「だが、もう遅い!人が数多待つ予言の日だ!」
キラ「そんなこと!」
ラウ「それだけの業、重ねてきたのは誰だ!
君とてそのひとつだろうが!!」
しん、キラ「「それでも!守りたい世界があるんだぁぁぁ! 」」
――プロヴィデンス&ジェネシス爆破――
ラウ「何故コックピットを外した?」
キラ「しんちゃん…?」
しん「喧嘩した後は、お仲直り、だゾ。
それがオラたちの世界のお決まりごとなんだゾ~」
半壊したルージュから出てくる人影
「キラ……キラァァァァ!!」」
「しんのすけぇ~~~~!!」」
しん「ズラのお兄さんにカガリお姉さん!とおちゃんかあちゃん!ヒマ、シロ~!
おおぉ~~~い!ここだゾ~~~!! ぶりぶり~ぶりぶり~」
キラ、クルーゼの元へ
キラ「人は互いに憎しみあう生き物なのかもしれない。
でも、そこから一歩踏み出して、新しい物を作れる知恵と勇気を持っている生き物だと思うんです、人って。
戦ったって、憎んだって、そこから作り出して行けば良いじゃないですか。
そして、僕が力だけの存在じゃないって事、誰にもわからないってさっき言ってましたよね。
でも今なら言える。もし僕が力だけの存在なら、こんなに沢山の仲間は出来ない」
しん「お?」
ひろし 「しんぱいかけさせやがって!このお馬鹿!!」
みさえ 「よかったぁ~。一時はどうなるかと思ったわよ」
ひまわり「たーい」
シロ 「アゥアゥ」
アスラン「大丈夫か、キラ」
カガリ 「うぅ……うううぅ……キラぁ」
キラ「一歩、踏み出してみましょうよ。
僕にもできたんだから、きっと貴方にも出来るはずです」
ラウ「…………」
――宇宙に飛び立つトリィ。そしてED――
戻る