嵐を呼ぶ!キョーレツ、コドモ王国誕生だゾ
【その1】
北春日部 「郷君、いやアクション仮面!出来た!遂に出来たよ世紀の大発明が!」
剛太郎 「落ち着いてください北春日部博士。世紀の大発明って…今度はどんな発明なんですか?」
北春日部 「うむ、よくぞ聞いてくれた!
この装置を見たまえ。手のひらサイズの小さな物じゃが、この赤いボタンを押すと…
何と!怪人を心身共に5歳前後の幼児に変えてしまうのじゃ!」
ミミ子 「すご~い!この装置があればアクション仮面の戦いをずっと楽になるわね!」
北春日部 「ミミ子君の言う通りじゃ。
だが完成したとはいえこれはまだ試作品でな、完全に実用化するにはもう少し改良が…」
剛太郎 「あの、博士…装置のボタンを押しているみたいなんですが」
北春日部 「え?…あっ!しまった!」
その時、装置から放たれた強烈な光が四方に拡散した。その光は春日部一帯を一瞬で覆い尽くした…
北春日部 「まずいのう…幼児退行化装置のエネルギーが春日部中に広まってしまったわい」
ミミ子 「大変!それじゃ春日部中の大人が子供に…!」
北春日部 「いや、装置は怪人用に調整してあるから、普通の人は影響を受けないはずじゃ」
ミミ子 「良かった、それなら安心ですね!……あれ?郷さんどうしたの?」
剛太郎 「いや…確か…今の春日部には、ちょっと普通じゃない人達が大勢いると思って…」
ミミ子 「……あ!ま、まさか……」
その『まさか』だったりする……
~その頃 野原家~
??? 「………」
しんのすけ「………どなた?」
??? 「俺はシン・アスカだゾ!」
しんのすけ「オラは野原しんのすけだゾ!」
2人 「………おお~(なぜか2人でテレ顔)」
みさえ 「シン君もしんのすけも、大声出して何やってるの…きゃあ!
し、しんのすけがふ、2人居る?!」
ルナ 「私もいます~。どうなってるのこれ~?」
* * *
北春日部 「え~そういう訳でして、春日部に住んでいる別世界の方々全員が幼児化してしまったと、
そういうわけなんです」
みさえ 「そういう訳で、じゃないでしょ!子供になっちゃった人達は元に戻るの?!」
北春日部 「試作品という事で効果の持続性は低くしていましたから…
早くて今日中、遅くても数日以内には元に戻ると思いますけど」
ルナ 「そんな無責任な!それまで私達、子供のままって事なんですか?」
北春日部 「ま、まあそういう事に……なりますね、やっぱり」
ひろし 「しかし…臼井絵で同じ5歳児だと、しんのすけとシン君はホントそっくりだよな…
同じ坊主頭にしたら多分見分けがつかないだろうな……」
しんのすけ「……」 ←シンをじーっと見つめている
シン 「……」 ←同じく、しんのすけをじーっと見つめている
2人 「えへへ~、同じ顔にそんなに見つめられると、オラ(俺)照れるぞ~」
みさえ 「…反応も同じね」
ひろし 「ともかく!シン君やルナちゃんがこんな有様だと、
ギルバートさんやタリアさん達が気がかりだ!俺ちょっと様子を見てくる!」
みさえ 「じゃあ私はひま連れて、マリューさん達やまたずれ荘の様子を見てくるわ!」
ひまわり 「たー!たーい!」
ひろし 「しんのすけとシン君、ルナちゃんは…あれ?あの3人どこに行った…?」
北春日部 「遊びに行ってくるって其処から外へ出て行きましたけど」
みさえ 「な、なんで止めなかったのよ!大丈夫かしら…しんのすけはともかく、あの2人が外にでて……」
* * *
~河川敷~
一同 「じゃんけんぽん!」
ルナ 「レイ君の鬼~!」
アスラン 「みんな逃げろ~!」
レイ 「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10!
こら待てー!ギルに逆らうラクシズは全員死刑だー!」
キラ 「デスティニープランはんたーい!遺伝子に支配されるなんて間違ってるよう!」
レイ 「うるさい!ギルのする事に逆らうと、れくいえむでみんなやっつけちゃうぞー!」
しんのすけ「おお~レイ君、目がマジだぞ~。」
ラクス 「ええい、このままじゃ捕まってしまいますわ!お前達、囮になりな!」
キラ 「お、鬼さんこちら!手のなる方へ!」
アスラン 「鬼さんこち…うわぁ!恐いよ~!」
ラクス 「ほ~ほっほっほっ!捕虜になったら特殊部隊をまわして助けてあげるから安心しなさ~い……あっ」
レイ 「油断したね。タッチ」
シン 「ラクスちゃんの鬼~!」
ラクス 「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10!
待ちなさ~い!私達は戦ってもいいのです!
だからボロいノート一冊を根拠にプラントに宣戦布告しましょう!
そして世界を私達のものにするのです!」
マサオくん「それってラクス帝国を作ろうって事?イヤだよそんなの~帝国主義はんたーい!」
アスラン 「まずプラントの偉い人と話し合いのテーブルにつくべきだと思います!」
ラクス 「そんな悠長な事を言ってたらオーブが討たれてしまいますわ!先手必勝!先に殴った方の勝ちですわ!」
シン 「あ、あんたって人はー!」
キラ 「あっ!シンちゃんがラクスに向かって行く!」
シン 「たー!くらえ!正義のパルマ……」
ラクス 「タッチ。…ひっかかりましたわね、オスカー級のわたくしの演技に」
ルナ 「今度はシンちゃんの鬼~!」
シン 「1、2,3、4、5、6、7、8、9、10!
待てー!脱走の罪はどんな理由があろうと許されないぞー!覚悟しろハゲ~!」
アスラン 「うわ~ん名指しで呼ばないでよ~!」
ラクス 「名指しじゃないでしょ!」
シン 「たとえメイリンを盾ににても無駄だぞ!
どこまでも追いかけてアロンダイトで突き刺してやるー!覚悟しろやデコ~!」
アスラン 「だから名指しで呼ばないでってば~!……うわ!(コケた)」
シン 「脱走の罪は重いんだぞ…ほい、タッチ」
キラ 「次はアスラン君の鬼だー!」
アスラン 「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10!
え~んもう裏切ったりしないからさ、ボクを仲間外れにしないでよう~!」
ルナ 「いや!信じられないわ!妹と一諸に駆け落ちしたくせに!」
マサオくん「何か同じ裏切り大臣どうし、アスラン君と気が合うような感じがしてきたな。ボク」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
シン 「……なあしんちゃん。みんなでやる『リアル鬼ごっこ』は…何か楽しいよな。何でだろう?」
しんのすけ「ん?みんな一諸に遊べば、どんな遊びをしても楽しいと思うゾ?」
シン 「そうか…うん、そうだよな!」
子供たちは夕日に向ってどこまでも走り続けた。時間を忘れてどこまでも、どこまでも……
* * *
~一方、大人組のほうは…~
ギル 「ふむ…五歳児になってみると思い出すな。
あの頃はよく赤い三輪車で公園を走りまわっていたものだよ…」
つんつん
ギル 「?」
タリア 「んちゃ!たりあだよ!」
ギル 「た…タリア…」
タリア 「ねえ、あそぼあそぼ」
ギル 「いいとも。で何をしてあそぶ?」
タリア 「んーとね、んーとね…かけっこ! でも、あたしすご~く速いから、ぎるは三輪車でいいよ」
ギル 「?…いいとも(ふっ…私の輝かしい幼少期を知らないな)」
タリア 「じゃあ準備はいいね?…よーい、どーん!」
キコキコキコ…
ギル 「どうだ!私の『通常より3倍速いスタートダッシュ』にはついてこれまい!」ちらっ(後ろを見る)
タリア 「よっ!」(後ろにピッタリくっついている)
ギル 「なっ、何ぃ~!!」
タリア 「きぃ~ん」
だだだだだだだだだだだた……
ギル 「えぇい!幼少期のタリアは化け物か…?」
~アークエンジェル組~
ムウ 「や~いナタルのぱんつはまっ黒くろだ~!」
ナタル 「うえ~ん!お姉たまぁ、むー君がいじめるよう~!」
マリュー 「こらムウ!ナっちゃんをいじめちゃダメ!」
ムウ 「べ~だ!ちっちゃくなったマリューなんか恐くないもんね~。」
マリュー 「何ですってえ~!ムウ、待ちなさーい!」
ムウ 「やだよ~だ!」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
みさえ 「やっぱり…!みんな心身共に子供になってるわ。これじゃ、またずれ荘の方でも多分…」
~またずれ荘~
イザーク 「このきょしぬけ!根性叩きなおしてやるからそこへ直れ!」
ニコル 「うえ~ん、うえ~んここは何処?ママに会いたいよう~!」
ディアッカ「ぐれぃと!ちゃーはん作ってやるから、泣くのはやめろよニコル」
~デュランダル家~
ステラ 「すー…すー……」
アウル 「この大変な時に、よくぐーすか眠れるな…ステラは」
スティング「ほら寝る子は育つ、て言うだろ?ふあ…何か俺を眠たくなってきちゃったな…3人一諸に寝るか?アウル」
アウル 「ほんとだ。子供に戻ったせいかすごく眠いや……すう…すう…」
~エンジェル派出所~
カガリ 「アスランはどこだー!お前ら探してこい!」
ノイマン 「え~何でボク達がそんなことを…」
サイ 「そうだよねえ。自分で探せばいいのに」
カガリ 「うるさーい!ぐだぐだ言ってるとぶっとばすぞう!」
トール 「は、はい!すぐに探しにいきます!
(カガリく…ちゃんは子供の頃はガキ大将だったのか。どうりでワガママなわけだ…)」
~公園~
チーター 「お前、この辺じゃ見ないガキだな。この公園は俺達の縄張りだぞう!」
アズラエル「え?え?そんな事言われても…僕も何がなにやら……」
チーター 「うるせえ!やっちまえ!」
??? 「待てーい!」
チーター 「何だてめえ!」
クルーゼ 「通りすがりのコーディネィターだ。それ以上その子をいじめると僕が許さないぞ!えい!たー!」
(瞬く間にチーターの子分を倒した)
チーター 「ちっ!き、今日の所はこれで勘弁してやる!憶えてろよー!」
クルーゼ 「大丈夫かい?アズラエル君」
アズラエル「う、うん…ありがとう。コーディネィターにもいい人がいるんだね…」
クルーゼ 「コーディネィターとかナチュラルとかは関係ないよ。困ってる時はお互い様、だろ?」
アズラエル「う…うん!そうだね!」
春日部のあちこちでCE出身の大人達が子供になったが、不思議とこれといった混乱はなかった。
果たして…これから装置の効き目が切れるまでどうなることやら。