嵐を呼ぶ!キョーレツ、コドモ王国誕生だゾ
【その4】
チーター 「よう、ガングロのにーちゃん…久しぶりだな」
ディアッカ「むっお前は…たしか、ターキー井上だったか?」
チーター 「チーターだ!正確には河村やすお!通称チータ河村だ!」
ディアッカ「ああ、そんなのも居たなあ。で?そのチーターが俺に何の用だ?」
チーター 「以前、サッカー勝負で俺たちに恥をかかせてくれたよなあ…?
リベンジだ!もう一度、サッカーで勝負を挑むぜ!」
ディアッカ「ほう…おもしろい。ぐれぃと!受けて立つぜ!
俺達が小さくなったからって、勝てると思ったら大間違いだぜ!」
チーター 「ルールは簡単。5対5で先に3点取ったほうの勝ちだ!さあチームのメンバーを選びな!」
ディアッカ「そうだな…(辺りを見渡して)イザークは外せないよな。
ニコルは…ちょっと無理か。あの調子じゃなあ…
あっ!お~いアスラ~ン!」
アスラン 「ん…何?ディアッカ」
ディアッカ「決定。これからサッカーやるからお前、俺のチームに入れ」
アスラン 「え~僕の意思は考慮されないの~?とほほ…」
ディアッカ「これで3人。後2人は…おっ、砂場でトンネル作ってるあの姿は!
みりぃ~。サッカーやるから力を貸してくれよ~」
ミリアリア「イヤよ。私、トンネル掘るのに忙しいの。何でサッカーなんか……」
ディアッカ「そんな事言わないでさ~。そうだ!元に戻ったらチャーハン5人前、ただで奢るからさ~」
ミリアリア「……10人前。それならチームに入ってあげる」
ディアッカ「ぐれぃと!少々複雑な気分だが感謝するぜ!さて…後1人か。誰がいいかな……?」
しんのすけ「(ディアッカの耳元に息を吹きかけて)うう~ん、お水臭いぞ~おらに声をかけないなんて~」
ディアッカ「ひゃあ!し、しんのすけ!気味の悪い事すんなよ!
…でも、悪くないかもな。しんのすけの悪運の良さは折り紙つきだし…しんのすけ、頼まれてくれるか?」
しんのすけ「ブ・ラジャー!おらにお任せだゾ!」
ディアッカ「いよぉぉし、これで5人揃ったぜ!見てろよチーター!必ず勝ってみせるぜ!」
しんのすけ「で、何をすんの?おら何も知らないんだけど」
ディアッカ「(ガクッ)知らずに引き受けたのかよお前は!」
しんのすけ「いや~オラ、照れるなあ~」
ディアッカ「誉めてない!」
* * *
メイリン 「はい!思いっきり晴れわたった青空の下、ここ双葉幼稚園では
ディアッカくんチームとチーターくんチームのサッカー勝負が今始まろうとしています。
実況は毎度おなじみメイリン・ホークでお送りいたします」
風間くん 「…じゃあお互い正々堂々と、フェアに試合するように。バッティング、肘打ちは反則で…」
チーター 「そりゃボクシングの注意事項だろうが」
メイリン 「主審は風間君、副審はボーちゃん、マサオ君です。両チームのメンバーを発表します。
ディアッカくんチームは、ディアッカくん、イザークくん、ミリアリアちゃん、アスランくん、
しんちゃんの5人!
一方チーターくんチームは…チーターくん!と子分A、B、C、Dの5人です」
子分A 「ひどいよ~ちゃんと名前で呼べ~!」
メイリン 「だって名前知らないもん。じゃあ適当に佐藤、鈴木、田中、近藤って呼んどく?」
子分C 「うわっ、投げやりすぎてもっとイヤ!」
メイリン 「(さくっと無視して)さて、ルールは普通のサッカーと変わりませんが、
お互い5人しか居ない為GKは固定されてません。
その代わり、ぺナルティエリア内なら誰でも自由に手が使えます。
フィールドもそんなに広くないですし、ボールを奪い的確なパスを繋げる事が勝利のかぎになりそうですが……
あっ!いよいよ試合開始のようです!」
風間くん 「ディアッカ君のボールでキックオフです!始め!」
ディアッカ「よっしゃ、いきなり先制点貰うぜ!行くぜイザーク!」
イザーク 「言われるまでも無い!付いて来いこのきょしにゅけーー!」
子分B 「うわっ抜かれた!は、速すぎるよう…」
ディアッカ「ヘっ!コーディネイターを舐めんなよ!まずは1点いただ」
チーター 「甘いぜ!(素早いスライディングでイザークからボールを奪った。そして前線の味方へロングパス)
行けー!速攻だ!」
子分D 「了解!シュート!」
メイリン 「き、決まったー!ゴール前で待機していた子分Dが、チーターくんからのパスをワンタッチでシュート!
無人のゴールに突き刺さりました~!すごいです!子分のくせにかなり高度な技量を持っています!」
チーター 「へっ見たか。俺たちは毎日サッカーの練習をしているんだ!時々遊びでやるお前達なんかに負けるもんか!」
ディアッカ「……ぐれぃと!それでこそ勝負しがいがあるってもんだぜ。
こっちだってこのまま終わると思ったら大間違いだぜ!」
チーター 「望むところだ!こい!」
メイリン 「さあ、しょっぱなから白熱してきましたサッカー勝負!果たして勝つのはどっちなんでしょう!」
* * *
シン 「あれ?あっちの方が騒がしいけど…何かやってるのかな?」
ステラ 「ん、ご飯おかわり」
ルナ 「はいはい。まったく何杯食べれば満足するのかしらこの子は……」
ネネちゃん「だからあんた達、ちゃんと脚本通りやりなさいよー!
…こうなったらリアルおままごと第4弾はとびきりディープな話を作ってあげるんだから!覚悟しなさい!」
* * *
ディアッカ「必殺!ぐれぃとバスターシュート!」
メイリン 「決まった~!子分Aのファウルで貰ったフリーキックを、
ディアッカくんの絶妙のピンポイントシュートが見事ゴールネットを揺らしました!
これで1-1です!」
チーター 「くそ、振り出しに戻っちまったか…ならば次は…よし、あれで行くか!(ニヤリ)」
メイリン 「チーターくんチームのゴールキック!あっミリィちゃんがボールを取りました。
前線に1人だけしか居ないのにロンパスを放り込んでもすぐにボールを奪われるって分かりそうなものですが…
あ!アスランくんを残して全員攻撃に参加するようです!一気に2点目を取るつもりでしょうか?!」
イザーク 「向こうは今のゴールキックでの攻撃をあてにしていたのか、守りはチーターと子分1人しかおらん!
攻めるなら今がチャンスだ!」
しんのすけ「ほっほ~い、みーちゃんパス」
ミリアリア「ちょっと。そのみーちゃんって呼び方はやめ…きゃあああ?」
子分D 「油断したな!ボール貰った!」
ディアッカ「しまった!みりぃがマークされてたとは…も、戻れ~!」
メイリン 「ああっ!チーターくんチームの子分が3人、どフリーのエリアを我が物顔で駆け抜けて行きます!
残ってるのはアスランくん1人。これは2点目取られるか?」
ディアッカ(いいか?アスランはここに立って俯いてればいいんだ。
俺が合図をしたら顔を上げてボールを奪う。それだけでいい)
アスラン 「……なんてディアッカは言ってたけど…なんで顔を伏せてなきゃいけないんだろ?」
ディアッカ「今だアスラン!顔をあげろー!」
アスラン 「ふえ?う、うん分かった!」
ピ カ ッ ! ! !
子分A 「うわあああ?何だこりゃ?!」
子分C 「ま、眩しいよう~。」
メイリン 「出ました!アスランくんのプチ太陽拳!あまりの眩しさに子分くん達、完全に怯んでいます!」
アスラン 「ううっ…僕ってこんな扱いしかされない運命なのかなあ……えい!」
チーター 「ちい!カウンター失敗か!あのハゲのロンパスの落下地点に居るのはしんのすけだな…
足で受けるか、頭で受けるかどっちか知らんが、ボールを持った瞬間に奪ってやるぜ!」
しんのすけ「ほっほ~い、おらにおまかせだゾ~……てい!」
チーター 「何ぃ!ケツで壁パスだとう?しまった…裏を突かれた!」
イザーク 「しんのすけ!貴様のパス、無駄にはせん!とう!」
メイリン 「決まりました~!しんちゃんのパスにイザークくんが飛び込んでへディングシュート!
回転しながら水平に飛んでいく銀色のおかっぱは、まるで銀色の銃弾そのものです!
……ぞうさんなんて言っちゃダメよ?」
ディアッカ「ぐれぃと!どうだチーター!この調子で一気に決めてやるぜ!」
チーター 「ちくしょ~、いい気になるなよ!まだまだ勝負はこれからだあ!」
* * *
チーター 「うりゃああああ!」
ディアッカ「ぐれぃとおおおおお!」
2人 「この!この!この!」
メイリン 「ディアッカくんとチーターくんが1対1でボールを奪いあっています!
かなり高度なフェイントの応酬です!この勝負を制するのはどっちでしょうか?!」
チーター 「ちっ!(耐えかねてバックパスした)」
ディアッカ「ぐれぃと!そう来ることは読んでいたぜ!しんのすけ!」
しんのすけ「ほッほ~い!とう!」
メイリン 「あ~と、チーターくんの後ろで待ち構えてたしんちゃん、すかさずシュート!決まりました……けど、
あれ?このゴールは…」
風間くん 「ぴーー!チーター君チームの得点!2-2!」
イザーク 「このアホー!そこは俺達のゴールだろうがー!」
しんのすけ「……いやあ~オラ照れるなあ~」
イザーク 「誉めてないわ!」
アスラン 「まあまあ、まだ負けたわけじゃないんだし」
チーター 「よっしゃ…一気に勝負を決めるぜ!行くぞお前ら!」
子分一同 「お~~!」
メイリン 「チーターくんチーム、全員攻撃に討って出ました!一気にとどめを刺すつもりのようです!」
ディアッカ「くっ…みんな、守れ~~!」
メイリン 「両陣営入り乱れての壮絶な攻防が始まりました!
正確なパスを繋げつつゴールに迫ろうとするチーターくんチーム!
一方、執拗にプレスをかけて必死にボールを奪おうとするディアッカくんチーム!お互い苦しい展開です!」
ディアッカ「まずい…プレスを仕掛けているこっちの方が不利だ。このままじゃみんながぶっ倒れてしまう……
そうだ!アスラン、顔を上げろー!」
アスラン 「え~またやるの~?(ピカッ)」
チーター 「くそ、またあのデコか!ま、眩しい……だがそう何度もうまくいくと
しんのすけ「ほい!貰ったゾ!(チーターが持っていたボールをカットして、チーターのゴールの方へ大きく蹴り上げた)」
イザーク 「ナイスクリアだ、しんのすけ!…だが、少しクリアが大きすぎるか?
これじゃ向こうのゴールキックで再開か…ん?」
ミリアリア「ね、ねえ…何かあの軌道だとボール、相手のゴールに入っちゃいそうな……」
チーター 「お、おいおい、まさか……?」
ぽすっ(チーター側のゴールにボールが入った)
メイリン 「や、やった!入りました~!しんちゃんの決勝ゴール!これで3点目!ディアッカくんチームの勝ちです!」
イザーク 「でかした!2点目のミスを帳消しにする見事なゴールだったぞ。しんのすけ!」
しんのすけ「いやあ~おら照れるなあ~(ふう~少し焦ったゾ…)」
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・・・
チーター 「くそ!得意なサッカーでまた負けるなんて…!俺は一生コイツ等に勝てねえのかよぉ……」
ディアッカ「いいや…今回は俺達、紙一重でようやく勝てたって感じだったぜ?
チーター、お前とサッカーすんのすげえ面白かった。
また勝負しようぜ!もちろん手は抜かねえがな!」
チーター 「あ、当たり前だ!次は絶対に負けないからな!覚悟しておけ!」
ディアッカ・チーター「…………ぐぅれぃと!」
* * *
~サッカー対決が大いに盛り上がっていた一方で~
エリート商社マン、アスラン・ザラは由緒ある家柄の子息である。
幼き頃から親が決めた許婚、ラクス・クラインに振り回される日々……彼はこの時点ですっかり女性不信になってしまった。
ラクスの機嫌をとる為に、ハロを毎日作り続ける幼きアスラン・ザラ。彼の胸中はいかばかりか……
そんなアスランもようやくラクスから開放される日がきた。
アスランの親友、キラ・ヤマトをラクスが気に入って乗り換えたからだ。婚約は事実上無効となった。
ただ…ザラ家の体面を重んじる為に、表向きは婚約関係は続いてる事になっているが。
アスランは家を出て1流商社に入社した。そこでカガリ・ユラ・アスハと出会い、恋に落ちてしまう。
「君は俺が守る…」
「(目をとじて)アスラン……」
「…………うえ~、やっぱり無理だよ…男の子相手にキスするなんて~」
「こ、この!失礼なこと言うな!私は女の子だあ~~!(げんこつ)」
「いたい~ぶつこと無いじゃないか~!」
「うるさい!」
ま、まあともかく……カガリと恋人同士になったアスラン。しかしアスランに迫る影があった!
「あいどるのミーア…じゃなかった、ラクスで~す!
私とアスランの婚約してるんだから、恋人同士みたいなものよね!」
なんとアスランの家の財産を狙ってラクスそっくりのアイドル、ミーア・キャンベルがアスランにアタックしてきたのだ!
当然アスランはカガリとミーアの板ばさみになる訳で……アスランは苦脳の日々を過ごすのだった。
「先輩…お茶どうぞ。」
「ああ、ありがとうメイリン君(ん?湯飲みの裏に折りたたんだメモが。何々…今夜8時、例の店で待っています……か)」
彼女の名はメイリン・ホーク。アスランの後輩であり、同僚。そして……
「メイリン君…この間の事は忘れてくれ。俺にはカガリやミーアが……」
「分かっています。私、先輩の重荷になる気はないんです。
ただ…私が苦しんでいる先輩の心を少しでもやわらげてあげられたらと思って」
「メイリン君……」
つかの間の安らぎのひと時をメイリンと過ごすアスラン。
しかし2人の事はカガリもミーアも、ついでにラクスとキラも掴んでいた。
果たしてアスランは、間もなく始まる今世紀最大の修羅場から生還することができるのだろうか?乞うご期待!
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ネネちゃん「出来たわ…リアルおままごと第4弾!『アスラン・ザラ、5つどもえの修羅場』!
今度こそ盛り上がること間違いなし!さあみんな!さっそく……あれ?みんなどこ行ったの……?」
よしなが 「あら、ネネちゃんまだ砂場に居たの?もうお昼寝の時間よ。ネネちゃんも早くいらっしゃい!」
ネネちゃん「しまった…もうそんなに時間がたってたなんて!
……まあいいわ。後で絶対にこの脚本でリアルおままごとやってもらうんだから!
あんた達、覚悟しなさい!」
よしなが 「だ、誰に向かって言ってるの?ネネちゃん……」