幻の美少女を探せ!だゾ【前編】
夕暮れの河川敷。そこにシロの散歩をするしんのすけの姿があった。
しん 「も~シロ走るの速すぎるゾ~?…あいて!(転んだ)」
??? 「……君、大丈夫…?」
しん 「ん…?おおっ!(す、すごい綺麗なおねいさんだぞ!)
お、オラ野原しんのすけ5歳!おねいさんニンジン好き?ピーマン食べれる?納豆にはネギ入れる方?」
??? 「え?…ふふっ。おもしろい事言うのね、しんのすけ君って」
しん 「おお~!おねいさん、笑顔がステキすぎるぞ!」
??? 「ありがとう。誉めてくれて……あっ!そろそろ行かなきゃ。じゃあね…しんちゃん」
しん 「あっ!お、おねいさんちょっと……行っちゃった…」
ムウ 「おっ?坊主どうした?こんな道の真ん中でぼーっとして」
しん (ぼーーーー……)
* * *
シン 「しんちゃんが恋をした?」
ルナ 「うん…何でもすっごくキレイな女の人に出会ったんだって。
すぐに行っちゃったから名前も聞けなかったようだけど」
シン 「ふーん……それでさっきからしんちゃん、どこか虚ろな目でぼけーとしてるのか」
しん 「……ふう。こんな気持ち初めてだゾ…まるでお尻に穴があいたような……」
シン 「しんちゃん…ななこさんはもういいのか?」
しん 「…!ううっそ、その…おら…おら…!」
シン 「結婚を前提にお付き合いするハズだったつばきちゃんは?」
しん 「うう~~っううう~~~っ」
シン 「……何かおもしろいな」
ルナ 「やめなさいよ!しんちゃんは真剣に悩んでるのよ?!」
ひろし 「………ただいま~」
みさえ 「あら、あなたお帰りなさ……ど、どうしたの?しんのすけと同じような目をして!」
ひろし 「いや…駅前ですっげえ美少女に出会ってさ…そりゃもう可愛いの何のって…」
しん 「…!と、父ちゃん!
その子って金髪で、清楚な感じの性格で、どこはかとなく高貴な気品を感じる美人?!」
ひろし 「そう!そんな感じ!何だ、しんのすけも出会ってたのか?」
しん 「うん!…今までにないタイプのおねいさんだったゾ」
ひろし 「そうだな。春日部であんな子見かけた事はなかったな…最近この辺りに引っ越してきたのかな?」
みさえ 「あんた達、私達の前でよくもまあ女の子の話できるわねえ…」
ひろし 「しょうがねえだろ!それだけ衝撃的なほどに可愛い子だったんだよ!みさえも一目見れば納得するって!」
みさえ 「……本当かしら(ジト目)」
シン 「幻の美少女ねえ……ま、俺には関係ないからいいけどね」
……シンです。関係ないから大丈夫……そう思ってた時期が俺にもありました。
まさかこの日の翌日に思いっきり巻き込まれる事になろうとは……
* * *
~翌日、スーパーミネルバ~
??? 「……ランさん。…スランさんってばあ!」
アスラン(ぼーーーー……)
メイリン「アスランさん!私の話、聞いてますか?!」
アスラン「…え?ああ、すまない……それで、何の話だって?」
メイリン「もう!やっぱり聞いてなかったんじゃないですか~。
昨日、この辺りで目撃された謎の美少女のことを話していたんですよ!
アスランさんも見たんでしょう?その子を」
アスラン「ああ…昨日の夕方、キラとカガリと俺の3人で夕飯の買い物をしてた時にな…
不覚にもついキラと一諸に見とれてしまってな。2人してカガリからキツいパンチをくらったよ…」
シン 「見覚えはないんですか?どこかで見たことは……?」
アスラン「いや、無いな。もし前に見かけた事が一度でもあれば見とれたりしないはずだしな…」
ルナ 「イザークさんとかディアッカさんとか、色々な人達に目撃されているようですねその子。
男達はみんな虚ろな目をしてボーっとしてたけど……レイはどう思う?」
レイ 「さ、さあ…俺は見なかったからな。何とも……」
メイリン「あっ!もう昼休み終わっちゃうよ?続きは店が終わった後にしようよ」
ルナ 「そうね…じゃあ私、お弁当のゴミ捨ててくるわ」
レイ 「……シン。すまないが、ちょっとこっちに来てくれ」
シン 「ん?何だよレイ」
~事務室~
レイ 「これからある人物に会ってほしいんだ…ちょっと待っててくれ」
シン 「ある人物…?」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
シン 「…遅いな。何時まで待たせる…」
??? 「お待たせしました」
シン 「うっ!!す、凄いびじ…んん?あれ…?ちょっと待て……まさか!」
レイナ 「さすがシン、気が付いたようだな…そうだ…俺なんだ。
今、巷で話題の謎の美少女、レイナ・デュランダル……」
シン 「レ、レイ!お、俺…お前に女装の趣味があるとは知らなか
レイナ 「違うわ! シン、いつかミネルバでやったミスコンを憶えているか?
あの時、ギルと店長の頼みで1回だけ女装したのが始まりだったんだ…
その時は結局出場するのをためらったために、それでお終いだったんだが…昨日、そのちょっと、な…」
シン 「何があった?」
レイナ 「ギルと店長と俺で桃○をやったんだ。ビリになったヤツはコスプレをして町を1周する、いうルールでな。
ちなみにギルが負けたら赤い彗○。店長はキシ○ア。俺は…この姿で、だ……」
シン 「……それでゲームでビリになって、女装して街を練り歩いたって訳か」
レイナ 「さすがに俺だと悟られたらまずいから、知り合いに声を掛けられても必死に演技してごまかしたんだが…
まさかこんなに大事になるとは……ど、どうしたら良いと思う?シン!」
シン 「お、俺が知るかー!頼むからその姿で俺に迫るなよ!な、何か変な気分になっちまうだろ!」
レイナ 「ううっ……たった一人の親友にまで見放されてるなんて…これから私どうしたらいいの…?」
シン 「だから女のフリをするなよ!……ああっもう!分かったよ!どうなっても責任はもてないからな!」
……シンです。女装したレイにちょっとクラッときたのは内緒にしておいてください。
これからどうなるやら…さっぱり分かりません。
どうしたらこの騒ぎを収める事ができるんだろ?……