Seed-Crayon_6-527_1

Last-modified: 2008-07-15 (火) 23:19:22

おれがアイツであいつがオレで、だゾ
【前編】

 

 その日…スーパーミネルバの昼休み。地下食品売り場にて。

 

シン  「ふう~…腹減ったなあ。お~いメイリン~!」
メイリン「あ、シン。それにアスランも。これからお昼ですか?」
アスラン「ああ。メイリン、今日はどんなのがある?売れ残りの弁当とかでいいんだが」
メイリン「そうですねえ…ま、色々ありますけど…
     あっそうだ!お昼ご飯ついでに、ちょっと2人に試してもらいたい物があるんですよ!
     ちょっと待っててくれます?」
シン  「え?何だよいきなり…お、おいメイリンちょっと?……奥に消えちまった」
アスラン「なにか…すごくイヤな予感が……」

 
 

メイリン「おまたせしました!2人共、これを飲んでみてください!」
シン  「う……なんだ?この妙な色と香りの不思議飲料は?」
アスラン「メ、メイリンこれは?」
メイリン「私自ら調合した、特製ミックスジュースです!
     2人が飲んでみてイケそうだったら商品に加えてみようと思っているんで……
     ささ、2人共ぐいーっと、どうぞ!」
シン  「ぐ、ぐいー…って言われても、なあ?」
アスラン「あー…悪いがメイリン、俺達急用を思い出し」

 
 

しんのすけ「お!シン兄ちゃん達だゾ!ほっほ~い!」
シン  「…あれ?しんちゃん。それに風間君、ネネちゃん、マサオ君にボーちゃん…何故かキラさんとラクスさんまで。
     なんでここに居るの?この時間はまだ幼稚園じゃ…」
風間君 「僕達、幼稚園の社会見学でスーパーミネルバに来たんです」
アスラン「ああ…誰かがそんなこと言ってたな。俺達は担当じゃないので、あまり知らされてはいなかったが」

 

マサオ君「さっきまで、お店のバックヤードとか見せてもらっていたんですよ。それで今は自由時間になって…」
シン  「なるほど。それで俺達の様子を見にきたってわけかい?」
しん  「ううん。お腹すいたから試食コーナーを食べ歩きしようと思って」
シン  「…………こいつは」

 

アスラン「キラとラクスは……幼稚園の先生で、か?」
ラクス 「ええ♪今日はしんちゃん達の引率役ですの」
キラ  「僕は…まあ、病院の方が暇なもので、ね…」

 

ステラ 「あ…シンとしんちゃん達だ。うぇ~い」
シン  「ステラ!お前、学校は…」
ステラ 「創立記念日」
シン  「あ、ああ…そう。……買い物?」
ステラ 「うん。スティング達と、夕飯のおかず買いにきたの」

 
 

しん  「ん?ねえおねいさん。そのコップなに?」
メイリン「え?ああ、これは試作品の特製ジュースで……そうだ。
     しんちゃん達、ちょっとこれ飲んで、感想を聞かせてもらえないかしら?」
シン  「お、おいメイリンちょっと!」

 

キラ  「へえ?不思議な香りのジュースだね。」
ラクス 「ちょうど喉が渇いていたところですし、いただきますわ」
マサオ君「けっこう美味しそうな色のジュースだね」
ネネちゃん「……そう?」
メイリン「ほらほら!みんなもああ言ってる事ですし、シンとアスランもしんちゃん達と一諸に飲んでみてくださいよ♪」
アスラン「むう…」
シン  「しょうがない、か……いい加減、覚悟完了するしかないようだな」
ステラ 「初めて飲むジュース…ステラ、ちょっとわくわく」

 

しん  「じゃあみんなの手に、紙コップは行き渡った?それじゃ……かんぱーい!
みんな 「かんぱーい!(ごくごく)……………うぐ?!

 
 

メイリン「あ、言い忘れていましたけどこれ、うまく発売できたらキャッチフレーズは
     『思わず幽体離脱してしまう美味しさ』にしようと思っているんですよ!どう思います?なかなかいいと……
     あれ?どうしたんです?みんな倒れてピクリとも動かないですよ。あの、ちょっと………?」

 

          *          *          *

 

??? 「………ん」

 

シン  (……ううっ?誰だ…俺を呼ぶのは…)

 

??? 「……ちゃん!」

 

シン  (あ……だんだん体の感覚が戻ってきた…さすがにそろそろ起きないと、な……)

 

??? 「しっかりして!しんちゃん!

 

シン  「……え!?(がばっ)」

 

よしなが「…あ!しんちゃんも気が付いたみたい!良かった……」
シン  「え…?何言ってるんですか?しんちゃんって……うお?(コケた)
     おお?な、なに?この体の不自由さは…?」
アスラン「シン、遂にお前も目覚めたか。…目覚めなければいいと思い知るだけなのに」
シン  「え、え?な、なにを言っているの?風間くん……」
アスラン「論より証拠とはよくも言ったものだよ…シン、この鏡を見るんだ!」

 

シン  「え?ほうほう…この短い手足、坊主頭にぷにぷにほっぺ。これ、これってまるで……ちょっとまさか!」
アスラン「そう。あの不思議ジュースを飲んだお前は幽体離脱をして…しんちゃんの体に乗り移ってしまったのだあーーー!
シン  「な、なんだってーーーーーーーー!(MMR風)」

 
 

シン  「じ、じゃあジュースを飲んだ、他のみんなもこんな風になっちゃったの?!」
アスラン「ああ。僕は見ての通り、風間君の体に乗り移った。キラとラクスは……」

 

キラ  「うえ~ん!どうなってるのこれ~~?!」 ←マサオ君に乗り移った
ラクス 「どす!(うさぎにパンチを入れて)……うるさい。だまれ」 ←ネネちゃんに乗り移った
キラ  「ひぃぃ…いつものラクスじゃない~~!」
アスラン「……と、いう訳だ。そしてステラ嬢は」

 

ステラ 「やあ、シンちゃん」
シン  「ボ、ボーちゃんに乗り移ったのか~。ステラ、体だいじょうぶ?」
ステラ 「男の子の体って、ステラ初めて。これで念願のぞうさんができる、かも」
シン  「やめた方がいいと思うゾ」
アスラン「あ~…それで、だな。今現在の俺達の体はというと、だな……」

 
 

しん  「おお~~!足なが~い!背も高いし~?それになかなか男前~♪これが大人ってやつなんですなぁ~♪」
風間君 「視点がいきなり高くなったから、少しびっくりしたけどね。
     でもなんか、デコの生え際が涼しすぎる気がするな……」
ネネ  「う~ん。ラクスさんって結講美人だけど……何か釈然としないものがあるわね」
マサオ君「うえ~ん!どうなってるのこれ~~?」
ボーちゃん「……体、変わっても鼻水は、垂れるみたい」

 
 

メイリン「ご、ごめんなさい~~。私が作ったジュースをみんなが飲んだばかりに、こんな大変なことに……」
シン  「ねえ!これ元に戻るの?も、戻るんでしょ?」
メイリン「え、え~と…ジュース飲んでこうなったんだから、もう一度みんなで飲めばもとに戻る……かも」
シン  「おお~それだゾ!さあしんちゃん達!はやくみんなで元の体に戻ろう!」

 

しん  「え~。せっかくオラ達大人になれたんだから、もうちょっとこのままでいたい」
アスラン「いや、でもだね……」

 

よしなが「ラクス先生、キラさん。そろそろ幼稚園に戻りますよ?園児達を連れてきてください~」
ネネ  「は~い♪わっかりました~!ささ、キラ。しんちゃん達を連れて帰りましょ♪」
ラクス 「あ、あのちょっと、ネネちゃん?」
キラ  「ひ…引っぱらないでよう~」

 

しん  「じゃあね~♪」
風間君 「スーパーの方は、俺達が何とかしときますんで~」
シン  「お、覚えていろ~!俺達は必ずここに帰ってくるからなー!あいる・びー・ば~~く!
メイリン「ありゃりゃ…た、大変なことになっちゃった。どうしよう……」

 
 

スティング「お、いたいた!探したぞステラ。今までどこほっつき歩いていたんだ」
アウル  「うん?風邪でもひいたのか?鼻、垂れてんぞ?」
ボーちゃん「ん……(ずずっ)」

 
 

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