Seed-NANOHA_まじかるしん_第22話

Last-modified: 2007-12-24 (月) 12:37:07

「シン」

戦艦ミネルバで待機しているシンにレイが話しかける。

「なんだよ、レイ?」

いつもは話しかけないのに、珍しいなと思うシン。

「あれは大丈夫なのか?まだ試した事はないのだろう?」

レイの言葉にああとシンは言う。

インパルスに隠された最後の昨日は、まだ試した事がないのだ。

「一度議長のところ練習したけど、意外と難しいんだよな……まあ、使わないのに越した事はないけど……」

その昨日はモビルジャケットを装着していないと発動できない。

しかし、一度発動するとそのまま通常のバリアジャケットに戻る事はできるらしい。

「練習中に、議長の家のメイドがそれを見て大騒ぎしたよな」

シンは練習中のアクシデントを思い出し、二人はつい笑う。

「まあ、使うかどうかは穴の大きさを見てから決めるさ。一応はやり方もちゃんと覚えてるしな」

そういった後、「コンディションレッド、コンディションレッド発令」と言うアナウンスが聞こえてくる。

そろそろ作戦が始まる時間が迫っているのだろう。

二人は席を立つと、誰かに呼び止められる。

そこには既に二人を除いた六課の前線メンバーがいた。

「今回は、初めての他の部隊との共同戦線になるけど、いつも学んできた訓練の結果をちゃんと出していこう。

それに、こういう機会もめったにないからいい勉強になるしね。今回の任務、絶対に成功させるよ」

なのはの言葉に、はい!と一同は敬礼する。

そして一同は配置へと憑くのであった。



「各員、配置に着きました」

オペレーターの言葉にイザークは頷く。

目の前のモニターには目標である基地が移されていた。

よくもまあこんなところにあんなものをぬけぬけと作ったものだとイザークはため息を付きたくはなる。

だが、それがデメリットと言うことばかりではない。

今までブルーコスモスの行動は広範囲に及び、どこに在るのかさっぱりわからなかった。

だが、今更こんな基地を作るという事は、もしかすればこの世界にやつらの重要なアジトでもあるのかもしれない。

考えてみれば、ブルーコスモスが起こしているテロ行為はこの世界かミッドチルダで起こっている事が多い。

そして今回の件だ。これは近いうちに両国での会議が開催されるだろう。

だが、そんな事を自分が気にしても仕方がない。

今は目の前の事だけに集中すればいい。

「そういえば、奪取されたものは提督の古巣だと聞きましたが?」

イザークの言葉に、クロノははい、と答える。

「自分だけではありません。自分を含め、六課の隊長陣、副隊長陣にとっては、アースラには散々世話になりましたから。」

クロノをはじめ、他の元アースラにかかわるものはそう思っているだろう。

「了解した。よし、全艦発進させろ!」



そういってイザークは艦長席を立つ。

「今回は俺も前線に出る。アーサー!」

イザークの言葉に、副艦長であるアーサー・トラインは、ハ、ハイ!とイザークのほうを見る。

「しばらくは艦を貴様に預ける。だがその前にタンホイザーのチャージをしておけ。撃つタイミングは俺が指示する」

そういってイザークはタンホイザーの起動キーをアーサーに渡す。

「提督、彼はまだ新人の域を出ていないひよっこです。出来ればサポートをお願いします」

そしてすぐにイザークはその場を後にする。

いきなりの事でしばし呆然としていたが、アーサーはすぐに気を取り直す。

「タ、タンホイザーの展開準備を!!」

アーサーの言葉に、了解!といって陽魔力砲「タンホイザー」の準備に取り掛かった。



「あらまあ、今回はやけにおおいことで」

ブルーコスモスの基地の前で、エドワード・ハレルソンはため息を付きながらモニターを見る。

今回の数は今までの比ではない。

さらに、今回は最近噂になっているミネルバ、さらには時空管理局からも増援が来るという。

まあそうだろう、このアルカンシェルを持つ艦船はもともとはあちらのものなのだ。

「これは大乱戦になるな」

そういって、エドはロケットを取り出す。

そこにはエドのほかに一人の女性がいた。

(そっちはうまくやってるか?ジェーン……)

今はお互い別任務で離れ離れになっているエドの恋人、ジェーン・ヒューストン。

今は別任務でここにはいない。

彼女のためにも、自分はまだ死ぬわけには行かなかった。

たとえブルーコスモスの言いなりになったとしても……



ミネルバとは別行動でストームレイダーはコニールの案内で例の洞窟へと向かった。

「坊主、大丈夫なのか?」

ヴァイスはシンに尋ねる。

洞窟を見ると、本当に真っ暗なのである。

こんなところ、ライトの無しにどうやって移動するのか。

「大丈夫ですよ、このようにね」

そういってシンはモビルジャケットになる。

瞬時に青と白を基調とした機械的な体になる。

そして、その目からライトが照らし出される。

「夜間や宇宙での作業に、たいていのモビルジャケットにはカメラアイからライトが出るようになってるんですよ」

シンの説明に。へえ、とインパルスをまじまじと見るヴァイス。

このインパルス、他にも何かあるのだろうか、とつい思ってしまうヴァイスであった。

『シン、そろそろ作戦を開始するけど準備はいい?』

なのはの念話が聞こえ、シンは頷く。

『じゃあシンは先に行ってて、出口付近で待ってて。指示が出たら作戦開始。わかったね?』

なのはの言葉にもう一度頷いてシンは洞窟に突っ込んで言った。



『隊長、タンホイザーの発射準備完了しました。ですが、周囲の状況を考えると、本来の60%の出力が限界ですがどうしましょう?』

アーサーの言葉にイザークは考える。

タンホイザーを使う理由は、新兵器を実力を測るためである。

したがって、できる限り高威力で撃ちたかったが、周囲の状況を考えると、それが妥当といったところか……

「かまわん。タンホイザー発射させろ!」

「ハ!」

イザークの言葉で、アーサーはタンホイザーの発射キーを差し込む。



「タンホイザー……イグニション!!」

アーサーの号令とともに、ミネルバの先端部分からまばゆい光が放射された。

それは真っ直ぐにのアルカンシェルへと向かっていく。

それと同時に、向こうのほうにも動きがあった。

例の魔道機械の集団が規律よく密集し、同士にフィールドを展開。

タンホイザーはそのまま直進するはずが、それは完全に魔道機械のバリアによってふせがれてしまう。

「えええ~~~~!!?」

その光景を見てアーサーが驚く。

データでは聞かないときかされていたが、まさか本当に防がれるとは思わなかったのだ。

逆にそれを冷静に観察するイザーク。

やはり最初から考えた手段で行くしかない。

「あの魔道機械はデータと交戦経験のある管理局が相手をする。俺達はモビルジャケットを相手にする。

それと、あまり前に出すぎるな、敵をひきつけろ!」

イザークの言葉と同時に各員が行動を開始する。



「はぁ…はぁ……」

暗い、とても暗い洞窟の中で小さな少女を歩いていた。

その腕には鎖につながれたトランクが二つほどある。

その重さで思うように体が動かせない。

さらに、ここは本当に暗く、今時分がどこにいるのかわからない。

しかし、止まるわけには行かないのは自分でも理解できた。

しかし……

「あ……」

彼女は石につまずいてこけてしまう。

その時、一瞬緊張の糸が切れ、少女にどっと疲れが襲い、少女は目を閉じ、意識をそこで途絶えてしまった。



「本当に暗いな」

シンは洞窟を進み、洞窟の暗さに少々ため息をつく。

まあ、村の人ですらあまり知られていないというのだからライトがついていないのは仕方がないのだろうが……

そう思い進んでいく。

さっきから捜索しながら進んでいるが、敵の類は見られなかった。

順調に進んでいると、インパルスがある反応を見つける」

『マイスター、魔力反応が。すぐ近くです』

「なに?……くそ」

シンは舌打ちする。

そう思ったときに敵がいるとは、しかもすぐ近くと言う話だ。

シンは急激にスピードを落とし、周囲を探る。

確かに、微弱ながら魔力の反応がある。

シンはゆっくりとその場に近づいていく。

罠なのだろうか。

しかし、罠だろうが進まなければどうすることも出来ない。

向こうの自分に気付いていないのか知らないが、動こうという気配が全然ない。

シンはゆっくりと反応するほうを見る。



既にソードフォームに変更し、ゆっくりとエクスカリバーを構え敵に向かって気入りかかろうとした。

しかし……

「誰もいない?」

周囲を探しても、ライトで探しても敵はどこにもいない。

しかし反応は自分おそばにある。

罠だろうか。

しかし、なにか岩とは違うものをふんでしまう。

なんだろうとおもいシンは下を見ると、シンは人間の後頭部を踏んづけていた。

「おんな…のこ?」

シンはライトを当てると、そこにはおそらくヴィータよりも年下見に得る女の子が倒れていた。

何でこんなところに?

ふと、シンは女の子が手錠をつないでいる事がわかった。

そしてその手錠につながれているトランクを二つ見つけた。

しかもそのトランクに見覚えがあった。

(これって……)

察したシンは、すぐにストームレイダーにいるシャマルに通信を入れる。

(シャマル先生)

(シン君。どうしたの?)

シャマルはいきなりのシンの通信に疑問に応じながら応じる。

(それが……洞窟で倒れてる女の子を見つけたんです。それも……レリックを二つももって)

「え!?」

一瞬、シンが何を言っているのかわからなかった。

こんな暗い洞窟に、さらにレリックを二つも持つ女の子が倒れているというのだ。

普通は耳を疑うだろう。

(それで、どうすればいいんですか?)

シンは今任務中、今引き返すわけにも行かない。

そう考えたシャマルは。

(わかったわ、詳しい座礁はわかる?)

(ええ、なんとか……)

そういって、周囲の詳しい座標を送る。

それを確認したシャマルは魔法陣を展開する。

「うお!?」

シンは魔法陣からシャマルの腕がいきなりニョキっと現れてきた事に驚く。

(シン君。私の腕に女の子とレリックが入ったトランクを乗せて)

シャマルの指示にわかりましたといって、シンはシャマルの腕に少女とトランクを腕に乗せる。

置いた後、すぐにシャマルは腕を引っ込ませる。

(後ははやてちゃんに指示を待つから、シン君は任務を続行して)

(わかりました)

シンはそのまま同つくを進む。

しかし……

(いっけね、逆だ)

少しした後逆走した事がわかり、すぐに引き返すのだった。



「はあ!」

シグナムは周囲のガジェット1型をレヴァンテインを間接剣の様なシュランゲフォルムに変形させ、まとめて破壊する。

邪魔なものを破壊した後、シグナムは真っ直ぐゲルスゲーのほうを向く。

「あれが噂の蜘蛛型か」

データでも見たが、なるほど、確かにぱっと見は蜘蛛かもしれない。

「くらえーー!!」

魔道機械と思われたものから声がでて、魔法陣が展開される。

なるほど、といシグナムは察した。

魔道機械なのは下の蜘蛛の足の部分ようなもので、後はモビルジャケットと化した魔術師が乗っているのか。

おそらく陸戦魔術師用のサポート器具といったところだろう。

八本の足を動かしてあら地をすすみ、時にはは飛行能力も持つ事ができる。

なるほど、たいしたサポート能力だ。

それにプロテクションの防御性能もなかなかのものである。

しかし……

「そうそう機械にばかり頼るのも、考え物だぞ」

そういってシグナムはカートリッジをロードする。

それと同時に、レヴァンテインの周囲から炎が舞う。

そのままシグナムはゲルスゲーに向かって突撃する。

それを見たゲルスゲーの魔術師はさっきタンホイザーをはじいたバリアを展開するが、一瞬わが目を疑う。

いきなりシグナムの姿が消えたのだ。

いや……違う。

「どこを見ている?」

シグナムは瞬時にゲルスゲーの後ろに回ったのだ。

「受けろ!紫電一閃!!」

先ほど纏っていた炎がよりいっそう激しさを増してゲルスゲーに襲う。

反応できず、乗っていた魔術師はゲルスゲーのパーツを破壊され、さらには紫電一閃によるダメージで気を失う。

(これでカニを含めて3つめ……)

シグナムは倒した大型の魔道機械の数を確認する。

あれを一つでも多く倒せばタンホイザーの二発目も撃ちやすくなるだろうし、その分敵もこちらに向かい、囮がやりやすくなる。

その時、シグナムはかすかな反応に気付き、本能のままにレヴァンテインを後ろへ振る。

そこには、赤いバリアジャケットを身にまとった男がシグナムに向かい剣を振り下ろしていた。

シグナムはそれを何とかはじく。

「エドワード・ハレルソンか」

シグナムの声にその男、エドワードハレルソンは意外そうな顔をする。

「俺も有名になったもんだな。ザフトはともかく管理局の連中、それもこんな美人に俺の名前が知れ渡ってるとはね」

エドは軽い調子でいいながら、再度二つの剣を構えるエド。

その剣は、シンが持っているエクスカリバーに似ているような感じがした。

シグナムもそれにあわせレヴァンティンを構えるのだった。



「でやあぁぁーーーーーー!!」

スバルは勢いに任せてリボルバーナックルをザムザザーにぶつける。

ザムザザーはシールドを展開し、スバルの攻撃を防ぐ。

「こんのおぉーーーーー!!」

スバルはそのまま押し返そうとするが、向こうのバリアは強力で、なかなか打ち破る事ができない。

その時、ザムザザーの背後から魔力弾が命中する。

スバルが動きを止めている間に、隠れていたティアナが後ろから射撃したのだ。

ただ、威力は抑えてあり、ティアナの射撃は相手を見るませるためのものであった。

ザムザザーは所詮AI、頭脳戦は苦手のようで、すぐに引っかかりティアナのほうを向く。

「もらったーーー!!」

そこへ容赦なくスバルは一撃を見舞い、ザムザザーは爆発する。

ティアナの読みどおりあのシールドは片方しか張れないみたいであった。

さっきのように二人でかかれば倒せないことはない。

(スバル、この調子で行くわよ)

(うん!)

その時、ティアナはスバルの周囲に異変に気付く。

(スバル、右!!)

「え?」

ティアナの行ったとおり右を向くと、そこには何かの足が既にスバルの目の前にあった。

『プロテクション』

マッハキャリバーが急遽プロテクションを張り相手のけりを防ぐ。

どうやら魔力も何も使っていないただの蹴りみたいだったようで、何とか攻撃を防ぐ。

(あの人って確か……)

男の顔を見ると、ブリーフィングのときに確認した要注意人物「スウェン」だった。

スウェンは無駄だとわかるとさっと身を翻す。

それと同時に、男から二丁拳銃を取り出す。

『マルチショット』

スウェンは一つをスバルへ向ける。

もう一つは、隠れているティアナのほうへ向けられる。

(ばれてる?)

そう思ったと同時に、スウェンは魔力弾を放出された。





予告?

???「さあて皆さんお待ちかねぁ!アルカンシェル突破作戦はとうとう中盤に差し掛かったときです。

機動六課とザフトの前に強敵が立ちはだかることになります。

それは、地球連合、そしてブルーコスモスのエース、「切り裂きエド」ことエドワードハレルソン。

そして「黒い魔手」と呼ばれるスウェン・カル・バヤン!

彼らに対峙するのは烈火の騎士シグナムとの新人、ティアナ・ランスターとスバルナカジマ!!

シグナムは互角の激闘を見せるが、圧倒的力を見せるスウェンに、ディアナとスバルは苦戦する事になります。

彼女たちに勝ち目はあるのでしょうか!?

次回!魔道戦士まじかるしん23話「力を合わせて」にぃ、レディィ、ゴー!!」

シ「また変なのが乱入してきた上に、一番予告偏してるのがなんともいえないなあ……

レ「ああ……」

な「つぎはどんな予告編になるんだろう……」

フェ「それは作者の好みだから……私にはなんとも言えないよ」