Seed-NANOHA_まじかるしん_第23話

Last-modified: 2007-12-24 (月) 12:37:21

スウェンが放った魔力弾は、真っ直ぐ、正確にティアナのほうへ向かっていった。

しかし……

「幻術か……」

ティアナは魔力弾が命中すると同時に霧のように消えた。

スウェンはすぐに察知し、一旦距離を置こうとする。

おそらくどこかに隠れてこちらを狙い打つつもりだろう。

「クロスファイアー…シュート!!」

すると、スウェンの左から多数の魔力弾が襲う。

ティアナが先回りをしていて、フェイクシルエットを作ってずっと機会をうかがっていたようだ。

魔力弾は不規則は動きをしながらスウェンを襲う。

(なかなか訓練されているな……しかし!)

スウェンは一つ一つ見切り回避していく。

次はおそらく。

「うおーーーーーー!!」

スウェンが攻撃を回避している間にスバルが高く飛び上がり、自分を攻撃しようとする。

やはり……

「ノワール、フラガラッハ」

スウェンの言葉と同時に、双銃から瞬時に二つの剣になる。

そしてそれを使ってスバルの攻撃を受け止める。

「え!?」

相手が瞬時に全く用途の違う武器になった事にスバルは驚きを隠せないでいた。

勿論、スウェンはその隙を見逃さない。

もう一人、ティアナもこれだけ接近していれば撃てないだろう。

スウェンは二人のちょうど間くらいに魔法陣を展開。

『リニアカノン』

そしてその状態から射撃魔法が発射させる。

『プロテクション』

その攻撃はマッハキャリバーが自動的にバリアを張る。

ダメージはないが少し隙ができてしまう。

「アンカー射出」

その隙に、スウェンはまた双銃に戻し、銃に備えられているアンカーを射出した。

そのアンカーはスバルをぐるぐる巻きにする。

「くっ」

手足も巻かれているのでスバルは身動きも取れない。

「終わりだ……」

スウェンは小さくつぶやき、ぐるぐると遠心力を利用してスバルをティアナのほうへ投げ飛ばす。

スバルは何とかプロテクションで出来るだけティアナと自分への衝撃を和らげる。

スウェンはそれを見て再度魔法陣を展開。

今度は一つだけだが、リニアカノンのときとは地が大きさが段違いであった。

「スピンストーム!!」

珍しくスウェンが叫ぶと、魔法陣からおびただしい量の魔力が二人を襲う。

先ほどのオレンジ頭の女がフェイクだとしても、青髪のほうはフェイクなんてく連れないしオレンジ頭も青髪の分のフェイクも作る暇はないだろう。



少なくとも青髪の方はつぶせる。

そう思ったときだった。

「何!?」

スウェンの周辺に帯のようなものが出現する。

『ウイングロード』

それはスバルから発せられたもので、スバルはウイングロードを使いスピンストームを回避した。

ティアナも本物らしく、スバルはティアナを抱えながら攻撃を避けた。

「ち」

スウェンは舌打ちして銃を構える。

(本当に、よく訓練されているな)

スウェンは二人の力を賞賛するが、すぐに目つきが変わる。

(だが、コーディネーターに与するのなら、容赦はしない!)

気持ちを新たにスウェンが武器意を構える。

そろそろ向こうも増援が来る頃だろう。だが、そんな事をさせはしない

「閉鎖空間、発動」

スウェンの言葉と同時に、スバルとティアナ、そしてスウェンを囲んだ結界が発動する。

「これは……結界魔法!?」

つまり、自分達は鳥の個sレたと言う事になる。

「たいした魔力じゃないと思っていたが、少々なめていたようだな」

スウェンはフラガラッハを構え、二人を見る。

決界をはっても、そこから破られる可能性がないわけでもない。

決着は早目がいいだろう。

「だが、これまでだ。お前達には死んでもらう」

スウェンの気迫に二人はおされ気味になるが、すぐに前を見る。

(スバル、ここはコンビネーションで行くわよ)

(うん、わかってる)

個人能力では相手が格段に上である。

ならば、二人のコンビネーションで戦うしか勝てる手段がない。

二人はそう思い、スウェンと対峙する。

しかし、そこにいたのはスウェンではなく、黒いロボットがいた。

二人はあれに似たようなものをしていた。

「あれってまさか……」

そう、同じ機動六課であるシン・アスカのデバイス、インパルスにもある能力。

「モビル……ジャケット……」



「これは……結界魔法?」

なのははアクセルシューターでザムザザーを落とした後、結界魔法が張られた事に気付く。

「それに、スバルとティアナの……」

それと同時に、スバルとティアナの魔力を感じ取れなくなってしまった。

結界に取り残されたのだろうか……

「ヴィータちゃん」

「なのはも感じたのか、スバルとティアナの事を」

ヴィータに聞こうとしたら、ヴィータも気付いているみたいであった。

なら話は早い。



「ヴィータちゃん、私はスバルたちの救援に向かいたいんだけど、ここを頼める?」

なのはの言葉に、任せろ、とヴィータはアイゼンを構える。

「これくらいなら、何とかあたし一人でも大丈夫だ」

それを聞いたなのはは、おねがいね、といって急いで決界魔法が確認されたところへと向かっていった。

その時、なのはにはさっきシャマルから連絡があったシンが拾った女の子の事を考えていたのだった。

「さあて……」

なのはが離れるのを確認して、ヴィータはザムザザーやゲルスゲーを見る。

そしてクラーフアイゼンを前に突き出す。

「なのはがいねえ分、がんばらないとなあ。いくぜえ!」

そういって、ヴィータは真っ直ぐザムザザーに向かって突撃していった。



「はあああ!!」

「うおおおお!!」

叫びとともに聞えるのはガン、キンと剣と剣がぶつかり合う音。

「こんな相手がいたなんてな……久々にアドレナリンが沸騰してきたぜ!」

対峙している一人の男、エドワード・ハレルソンはシュベルトゲベールを構える。

大してシグナム構えるが、その表情は曇っていた。

「私もだ、お前のような相手もなかなかいない。だが……何故お前のような男がブルーコスモスのような組織に」

確かに、人にはいろんな考えがある事は自分でもわかっている。

しかし、彼のような男がブルーコスモスにいるということが解せなかった。

これほどの男が何故……

「ま、俺はブルーコスモスじゃなくて地球連合軍なんだがな……無理やり傘下に入れられてね。

結局、俺もただの一兵士って事さ。兵士はただ命令を聞くことしか出来ないものでね」

そう所詮自分は一人の兵士。

兵士はただ上の命令を黙って聞くだけ。

さらに、無理やり協力させられている状態でもある。

「ま、それでも俺は俺の好きにやらせてもらうけどな!」

『モビルジャケット、セットアップ』

叫びとともに、エドワードの姿が機械的な姿に変わる。

(やはりあったか……)

シグナムは黙ってエドワード……ソードカラミティを見る。

あのかにと蜘蛛を除けば明らかに穂あのメンバーとは違う武器ではあった。

シンのようにモビルジャケットを持っていてもおかしくははかった。

「いくぜ!」

エドはシグナムに向かって走り出し、両手に持っている剣を振り下ろす。

(あれだけのサイズの武器が二つだと、防ぐのは無理か)

シグナムは受けきれないと判断すると、さっと後ろにとび態勢をと整える。

『マイダスメッサー』

しかし、ひるまずエドは連続で攻撃を加える。

シグナムに向けてつい美声の魔力人が向かっていく。

シグナムは回避態勢を取るが、何故かそれはシグナム周りを回るだけであった。

それで少し反応が遅れてしまうシグナム。

『パンツァーアイゼン』

その隙に、エドは両腕に装備されているシールドのようなものからアンカーを射出する。

「なに!?」

シグナムは両腕をアンカーにぐるぐる巻きにされたあげく、両腕にアンカーに挟まれる。

(A´s7話のあれにアンカーがあるようなもの思ってくれ…あれまでひどくはないが)

もはや身動きする事ができないシグナム。



「もらった!」

エドは魔法陣が展開し、そこから魔力が収束していく。

『スキュラ』

そしてその砲撃が放たれようとしている。

(持つかどうかはわからんが……)

「レヴァンテイン、パンツァーガイスト」

『ja』

シグナムの甲冑に魔力の壁が展開される。

とりあえず、今は防御魔法で耐えるしかない。

そう思ったときだった。

「プラズマランサー、ファイア!」

突然、上空から雷撃が飛んできた。

それはパンツァーアイゼンのアンカー部分を切断し、さらにはエドにも襲っていく。

「なに!?」

それをすぐに察したエドは魔法陣を消し、回避に専念する。

一体誰が……

エドはそう思い先ほどなんかが飛んできたほうを見る。

そこには、長い金色の髪をした、黒いバリアジャケットを似見つけている女性がいた。

「テスタロッサか…助かった」

シグナムは少し冷や汗をかきながらその人物、フェイト・テスタロッサを見る。

フェイトはバルティッシュをハーケンフォームに変え、それを構える。

「珍しいですね、あなたが追いつめられるなんて」

フェイトの言葉に、シグナムはまあ、そういう時もあるといってレバンティンを持ち直す。

「先ほど助けてもらっておいてなんだが……こいつとは一人で戦わせてくれ」

シグナムの言葉に、フェイトは、はあ…とため息を付き呆れる。

さらに、その気持ちがわかってしまう自分にも。

やはり、自分はバトルマニアと言われてもおかしくないなと思った。

「じゃあ、私はエリオとキャロのところへ行ってくるね」

そういってフェイトは高く飛翔する。

それを見たシグナムは、相変わらずの子煩悩だな、と心中で思った。

さて、とシグナムはエドを見る。

1体1で戦いたいといったが、そんなに時間を割くわけにもいかない。

ならば……

(次で決めるか……)

そう思い、シグナムはレヴァンティンのカートリッジをロードさせる。

「紫電……」

それと同時に、レバンティンの周りに炎が立ち込める。

それを見たエドも二本あるシュベルトゲベールを重ねるように持つ。

そして少しの間沈黙が続き……エドが全魔力を使用し駆け出す。

「はあああ!!」

そして振りおろされるシュベルトゲベール。

「一閃!!」

そしてシグナムも剣を振るう。

それと同時に、二人の周囲に爆発が起こった。

「がは!」



倒れたのはエドで、エドは胸部にやけどを負ってどさりと倒れた。

シグナムも肩をやられて、頬にも傷を負ったが、足は大地を踏みしめていた。

そして叫ぶ。

「勝った!!」

第23話、完……いや、まだ少し続きますよ。



「はぁ……はぁ……」

そのころ、結界内では未だに戦いが続けられていた。

しかし、その結果はスウェンの圧勝であった。

最初は意外に善戦するスバルとティアナに驚いたが、Bランクの二人と、ブルーコスモスのエースであるスウェンとでは格が違った。

二人は息を切らしながら目の前にいるスウェンを見る。

「どうした、もう終わりか?」

逆にスウェンは、二人を見下したような目で見る。

「ま…だ…まだあーー!!」

痛みに耐え、スバルは立ち上がり、ファイティングポーズをとる。

まだだ、まだあきらめちゃいけない。

ティアナも何とか立ち上がりクロスミラージュを構える。

「まだ大丈夫だね、マッハキャリバー」

『問題ありません』

「もう少しお願いね、クロスミラージュ」

『イエス』

2人のデバイスもまだまだヤル気のようだ。

2人があきらめない様子を見ると、スウェンもフラガラッハを構える。

そしてお互いが動こうとしているときだった。

突然の事だったので反応が遅れたが、スバルたちとスウェンの間に巨大な光が降り注いだのだ。

その砲撃は、スウェンが張った閉鎖空間すらも打ち抜いた。

3人はその光がしたほうを見ると、そこにいたのはスバルたちの隊長であった。

「なのはさん!」



「よかった、間に合った……」

なのははスバルたちを見てほっとした。

夜張る予測どおり、二人は結界に閉じ込められていた。

しかもその相手がスウェンだとわかったら最初いたときは驚いたが……

(よくもっててくれた。これも訓練の成果かな)

そう思ってスバルを見るなのは。

(二人とも一度下がって。そろそろシンが来る頃だと思うから、シンが来たら他のメンバーと一緒に援護してもらってもいい?)

なのはの言葉に頷いて、二人は一度下がる。

そろそろシンが所定の位置につくころなので、せめて彼だけでも足を止めておく必要がある。

「今度の相手はお前か。俺はそんなに管理局に狙われているのか?」

スウェン新しい相手、なのはを見ながらがフラガラッハを構える。

先ほどからザフトではなく管理局員との戦いばかりである。

「まあいい、いくぞ」

スウェンは気を取り直しなのはに切りかかる。

なのはもレイジングハートを構え迎撃する。

「アクセルシューター!」

なのはは多数の魔力弾を生成し、スウェンに向けていっせいに発射させる。



「ち」

『アンチマジックシールド』

先ほどのティアナのものとは桁違いの威力と数の魔力弾に、スウェンは舌打ちしながらシールドを張り防ぐ。

「ディバイーン……」

その隙になのはの18番であるディバインバスターの準備をする。

だんだんと膨れ上がる魔力。

「バスターーー!!!」

そして放たれる砲撃。

「く!」

スピンストームでは歯がたたないと感じたスウェンは跳躍して回避する。

だが、なのはの攻撃はまだ終っていなかった。

スウェンは後ろから何か奇妙な感覚を覚えたスウェンは後ろを振り向く。

そこには先ほどのアクセルシューターがまだ残っていて、それがスウェンに迫っていたのだ。

シールドをハルヒまもなく、シューターはスウェンを直撃する。

「ぐ……」

スウェンは痛みに耐え、なのはを見る。

「まだだあ!!」

スウェンは叫びながらフラガラッハを持つ。

「ナックルボンバー!!」

そしてフラガラッハを持ったまま構え、スウェンは手の部分をロケットパンチのように飛ばす。

それは真っ直ぐなのはのほうへ向かう。

「こんな使い方まで」

なのははモビルジャケットの様々な戦い方に驚くが、フラガラッハを持ったナックルボンバーを紙一重で回避するなのは。

「そこだ!ダイナマイトキーック!!」

だあ、先細野お返しとばかりに高く舞い上がり、魔力をまとったけりを放つ。

「レイジングハート」

『イエス、マイマスター、プロテクション』

なのははプロテクションを展開し、スウェンからの攻撃を防ぐ。

魔力と魔力の衝突で火花が飛び散る。

その量さはかなりのもので、二人の魔力の大きさが高い事を伺える。

「ち」

『バースト』

向こうの防御がやけに高い事を察したスウェンはまとっていた魔力を爆発させて距離をとる。

「く」

その爆発の際の衝撃がなのはを襲う。

だが……

(これだけ時間を稼げば……シン、もういいよ)

なのはの合図とともに、ある地点から二つの砲撃が放たれた……