Seed-NANOHA_まじかるしん_第6話

Last-modified: 2007-12-24 (月) 00:31:55

シン達、機動六課のフォワード陣+ヨウランとヴィーノは、シンのデバイスの性能チェックと調整のために、模擬戦室へ向かっていた。

ヨウランたちは、その間にスバルたち他のフォワード陣に自己紹介を済ませてある。

その途中に、ある人物と遭遇する。

「あ、ちょうど良かった」

その人物、高町なのはが誰かと話していて、シンたちも探していたらしい。

「何ですか?高町教導管官」

レイがなのはに尋ね、なのはは笑いながら言う。

「明日から休暇だけど、その前に早速訓練をしておきたいんだけど、大丈夫かな?」

なのはは、一度シンとレイ。この二人がどんな戦い方をするのか見てみたくなり、一度訓練をさせて、どのポジジョンにつかせるかを考えるために一度訓練をさせておこうと思ったのだ。

なのはの言葉に、全員がはい、と敬礼をしながら答える。

シンも、チェックや調整なら訓練でも出来るだろうと思った。

「へぇ、君がそのデバイスを持ってたんだ」

ふと、なのはと話していた女性が、シンに話しかけてきた。

その目はインパルスを見ている。

「あんたは?」

シンの質問に、ああ、と女性はシンを見る。

「私は、皆と同じ機動六課に入ったシャリオ・フィニーノ一等陸士。皆はシャーリーって呼んでるから、皆もそう呼んでね」

はぁ、とシンはシャーリーを見る。

ヨウランが言っていた人だというのはわかった。

けど、なんというか…初めて顔を合わせるのにやけになれなれしいな、と思った。

元からこんな性格なのだろうか。

「今回の訓練では、私も見せてもらうことになるからね。それでいろいろ調整とかしなきゃいけないから」

シャーリーがそういって、一同は機動六課の訓練室へと到着するのだが……

「ここでするんですか?」

レイが不思議そうに尋ねるのもわかる。

目の前には、訓練場と思われるところなんてない。

「心配ないよ。シャーリー」

なのはの合図に、はーい、と元気よく合図をして、なにやらいろいろ設定をしているシャーリー。

「機動六課自慢の訓練スペース。なのはさん完全監修の、陸戦、空戦なんでもござれの空間シュミレーター。ステージセット」

設定お終えると、なにやら廃墟みたいなのが出現する。

いきなりのことで、驚く一同。

「すごい……」

エリオがつい口をこぼす。

「シン、応援してるからがんばれよ」

ヨウランに茶化され、はいはい、と簡単な返事をしてシンは訓練場所へと向かってゆく

こうして、シン達の訓練は開始される。



「ヴィータ、ヴィータは訓練に参加せんのん?」

別のところでその様子を見ていたヴィータは、はやての声が聞こえて声のほうを向くと、フェイトと他の八神家のメンバーがヴィータのところへやってくる。

「はやて!…あ、えっと……まだ新人はよちよち歩きのひよっこだから、私が教導を手伝うのはもうちょっと先になると思う」

そういいながら、ヴィータは訓練場を見る。

そこには、6人が話し合いながら準備体操をしたり、相談しあってたりしていた。

「ほな、なのはちゃんがどんな訓練をして、新人達がどんな戦いをするんか、うちらもみよか」

そういって、皆が新人の訓練を様子を見るのだった。

その中フェイトは

「じゃあ、私はなのはにあれを渡してくるね」

そういってフェイトはその場を後にする。

(それにしてもすごい……)

フェイトは手に持っている資料を見て思う。

それはやっと届いたシン・アスカとレイ・ザ・バレルに関するものだった

(二人とも新人だけどAAランクの魔術師なんて……)



『よし、みんな聞こえる?』

なのはの声が聞こえ、返事をする新人達。

周囲を見ると、これって本当にシュミレーター?と感じるほどの再現を持っていた。

さっきシンが何気なく硝子を触ると、本当に硝子の感覚もあり、壁を小突いてもちゃんと衝撃も痛みもある。

『じゃ、さっそくターゲットを出すね。まずはウォーミングアップで……12体かな?』

なのはが言って、シャーリーが設定する。

『動作レベルC動作制度Cってところですね』

シャーリーの言葉に、なのはも頷く。

『私達の仕事は、ロストロギアの捜索と保守管理。その目的で、私達が戦うのは複数あるけど、まずはこれ』

設定が終了し、出てきたのは傀儡兵が6と、傀儡兵とはちがう、浮遊している機械が6。

そのうちの一つはオレンジ色をしていて、形状も違う。

シンは、これに見覚えがあった。

「メビウス……メビウスゼロも……MA(モビルアーマー)相手かよ」

シンの言葉に、そう、と頷くなのは。

『ロストロギアを使って、悪事を働いているテロリスト、『ブルーコスモス』が使う、傀儡兵とは別の、自立行動型の魔道機械、MA。通称『モビルアーマー』』

なのはは最初にしてはちょっと難しかったかな?と思いながら続ける。

『MAと傀儡兵のコンビネーション攻撃に気をつけてね』

ところで、となのははシンに質問する。

『どうしてMAのことを?新人にしてはよく勉強してるね』

なのはにいわれて、レイが特務隊Xにいたときのことを話す。

「俺とシンが特務隊Xにいたとき、シュミレーションで幾度となく戦わされました」

レイの言葉に、素直に驚くなのは。

最も、シンは別の意味でも知っているのだが。

レイの言葉に、ちょっと簡単だったかな?と思う

これでも少しやりすぎたかなと思っているのだが……



「じゃあ、期待しているよ、目的は、ターゲットの破壊、もしくは捕縛を10分以内。それじゃ、スタート」

その言葉と同時に、傀儡兵とMAが動き出す。



「なのは、これ」

なのはは新人達を見ていると、フェイトが資料を持ってなのはのと頃へやってきた。

「あ、フェイトちゃん。ありがとう」

なのはは早速その資料を目に通す。

スバルたちはともかく、まだシンたちのことは良く知らない。

「新人達、がんばってるみたいだね」

フェイトは訓練場に目を向ける。

「まだ危なっかしくて私もどきどきしてるけどね」

なのはは笑いながら言って、再度訓練の様子を見る。

「けど、今のところ予想以上ですよ、特にアスカ一等空士とバレル一等陸士は」

シャーリーも二人の働きに驚いている。

そりゃあ、とヨウランが言う

「あいつ、地味にランクがAAだしなあ」

そうそう、とヴィーノが頷く

一方、AAと聞いてとシャーリーは驚く。

「AA!?まだ入局してそんなにたってないんでしょ!?あの二人って」

なるほど、じゃあ二人にMA相手は簡単かもしれない……

「けど、まだ粗が多いから、鍛えがいがありそうだね」

一方、なのはは笑いながらシンのほうを見る。

流石、魔法を習ってすぐにAAAクラスの魔力を持っているのは伊達ではない。



「はあぁぁあーーーーー」

メビウスの攻撃をかいくぐり、スバルは右手に装着されているされているリボルバーナックルのローラーを回転させ、殴りつけ、メビウスは爆散する。

「次!」

そう思い後ろを向くと、最後の一つ、メビウスゼロのパーツが分離し、それぞれがスバルを取り囲むように配置されている。

「やっば……」

「スバル!前に出過ぎだってば!」

ティアナがいつものようにスバルに突っ込みをいれ、メビウスゼロを狙おうとしたときだった。

上から魔力弾が数発飛んできてメビウスゼロに向かっている。

数発は外れたが、最後の2発は命中し、崩れるメビウスゼロ。

「くそ。やっぱなかなか馴れないな」

そういって、上からシンが降ってきた。

さっきの射撃魔法はシンのものだったのだろう。

シンの手には、ティアナの銃よりも大型の銃を持っていた。

これがヨウランに頼んでおいたもので、中距離用の魔法の組み込みを頼んでいたのだ。

それでインパルスと相談し、非人格型のデバイスをインパルスに組み込むことにしたのだ。

ちょっと無茶だったと思ったが、ヨウランが言っていたシャーリーの手伝いもあり、完成にこぎつけた。

「インパルス、調子は?」

『上場です』

どうやら相性もなかなかいいらしい。



「こっちもすべて終らせました」

横を見ると、エリオが最後の傀儡兵を倒したところだった。

「って!射撃魔術師が突っ込んでどうすんの!!」

いきなり叫ぶティアナに少々驚いたシン。

まあいいたいことはわかる。

射撃用のデバイス持ってるのなら、さっさと下がって撃ってろってことなのだろう。

ただでさえシンがもっているのはライフル状のデバイスなのだから、接近には向かないのは解る。

「しょうがないだろ、まだこれに馴れてないんだから、遠くで撃ってもあたんないんだよ」

それに対し、開き直るようにい言うシン。

そんなシンを見て、レイは笑う。

あいつらしい、と。

『はいはい、喧嘩はそこまで』

そこへ、なのはは二人を仲裁する。

もっとも、どう見ても喧嘩には見えないし、そこまでする余裕があるということでもある。

『意外と早かったね、けど、次が本番だからがんばってね』

なのはがそういって次に出したのは、長い円柱型の形をしているものが現れる。

数は12体。

さっきよりも数も多く、今度の敵は見たことがなかった。

『最近出現している自立行動型魔道機械、ガジェットローン。これはいろいろと厄介だよ。どんな能力を持っているかは自分で肌に感じてね』

要は、何か特殊な能力をもってるけど、それは自分で確かめろ、ということらしい。

まあ、能力があということを教えてくれるだけ優しいということか。

『流石にこれだけいるから時間は30分。目標は襲ってくる敵を全部完全撃破。けど、誰かがやられたらそれで終了。後衛を守りながら戦ってね』

次の瞬間、敵の目らしきものが奇妙に光る。

『それじゃ、始め!』

なのはと号令とともに、先に動いたのがガジェットローン。

「うわ、早!」

スバルがつい叫んでしまうのも納得がいく。

ガジェットローンは全部で行動するだけいいものの、そのスピードは速い。

「はぁ!」

エリオはガジェットローンに向かい攻撃するが、ひらりとかわされる。

「くっこの動き……」

この奇妙な動きも厄介である。

「ちびっ子、魔力強化お願い」

ティアナの言葉に、キャロは頷く。

「はい、ケリュケイオン」

『ブーストアップ・バーストパワー』

キャロのデバイス、ケリュケイオンが輝くと同時に、ティアナのアンカーガンにためてある魔力が増幅される、ガジェットローンに向かって魔力を発射するティアナ。

『ファイアビー』

レイも複数の魔力段を出し、攻撃する。

しかし、そのどの攻撃も途中で阻まれてしまう。

「魔力バリア!?」

驚くティアナに、キャロは首を振る。



「違う、あれはAMF」

キャロの言葉に、なのはは頷く。

「そう、あれを展開されると攻撃魔法をかき消される。倒し方はいろいろあるけど、それは自分で考えてね」

なんつう魔術師泣かせな能力……とシンは思う。

普通の攻撃では通じなさそうだ。

さてどうするか、とシンなりに考えていると

「だったら!」

スバルはガジェットローンウイングロードを展開させ、それに乗って移動しようとする。

「スバル!バカ危ない」

ティアナが静止も聞かずに、突っ込むスバル。

しかし、ウイングロードは途中で掻き消え、少しずつゆがんでいく。

「え?ちょ・・・なにってうわわわわ…」

いきなりのことでバランスを崩すスバル。

「AMFを全力で展開されると、足場つくりや移動系魔法の発動も困難になる」

それ早く言ってよ、と思うスバル。

だが、さっき「どんな能力があるかは自分の肌で感じて」といわれたので何もいえない。

「うわーーーーーー!」

そのままスバルは勢いで、車がジャンプ台から飛ぶような感覚で飛んでしまう。

そこには壁。

(やっば……)

そう思いながら不意に目を閉じる。

しかし、壁には衝突せず、別の衝撃がスバルを襲う。

「なにやってんだよ馬鹿!」

「え?」

目を開けると、そこにはスバルの腰を左腕で包むように持っているシンがあった。

シンはそのまま地上に降り、スバルを降ろす。

「あ、ありがとう」

まだきょとんとしているスバル。

『スバル、大丈夫?』

なのはにわれて、はい、と返事をするスバル。

『シン、ナイスフォローだったね』

いきなりいわれてどうも、と簡単にかえすシン。

どうやら褒めるところは褒めるらしい。

『さあて、これをどう倒すか、見物させてもらうよ』

なのはにいわれて、シンはあることを考える。

「レイ、ちょっと考えが」

考えといっても力技なのだが……

「解ってる、俺も少し考えていた」

そんなレイの言葉と同時に、シンは飛ぶ

「ちょっと敵を足止めしておいてくれ!」

シンに言われて、え?と聞き返すスバル。

いきなりいわれても……

「インパルス、ブラストシルエットを」

『解りました』

シンの指示でライフルは消え、その代わりにシンの背中に巨大な二つの砲門があるデバイスになる。



「高出力の砲撃魔法で、一気にぶち抜いてやる!!インパルス、カートリッジロード」

『ケルベロス』

2個のカートリッジを消費し、それぞれの砲門に魔方陣が展開される。

少し違うのは、ミッドでも、ましてやベルカ式のものでもなく、見たことのない術式だった。

「なによあれ?」

そばにいるティアナとキャロは、そんな魔法陣を、そしてデバイスの形が大きく変わったインパルスを見て疑問に思う。

だが、今はそんなことそしている場合ではない。

自分外まで気宇rことをしなければいけない。

「いくぞ、ファントム、カートリッジロード」

『オルトロス』

レイもカートリッジを使い砲撃魔術を使用する。

レイのデバイスは、ちゃんとミッド式の物だった。

一方スバルとエリオは、足止めのために橋の上に立っていた。

「あ、きたきた」

目の前には、二人が立っている橋を通り過ぎようとしているガジェットローン。

「タイミングを合わせるよ」

「はい!」

少しでもずれれば失敗。

二人は意識を集中する。

((いまだ!))

「「はぁーーーー!!」

二人は同時に動き、橋を破壊する。

それで8体のガジェットを生き埋めにする(機械に生き埋めという表現も変だが)

残ったガジェットも、動きを止めるには十分だった。

「いまだ、ケルベロス」

「オルトロス…」

「「ファイア!!」」

シンとレイ、二人のが放つ砲撃は魔手具がジェットに向かう。

勿論ガジェットもAMFを展開する。

AMFと砲撃魔術が衝突し、激しく火花が散る。

その結果は……

「2体か……」

砲撃魔術が命中した場所を見ると、2体のガジェットが機能を停止していた。

「へえ、無理やりAMFを破るなんて、魔力数値はなかなかみたいやな」

はやては、二人の砲撃魔法を見て思った。

あのAMFを無理やりぶち破る魔術師自体新人にはそうはいない。

「それに、あの魔法陣も気になりますね」

シャマルの言葉に、シグナムは頷く。

ミッド式でも、ベルカ式でもない魔術形式。

「だが、まだ練りが甘い」

「ああ。まあ、ド新人にしたらなかなかやるほうだな」

だが、シグナムとヴィータは二人の攻撃に少しから口のようだ。

「まあ、そこはなのはちゃんとヴィータちゃんがどうにかするんでしょ?」

シャマルの言葉に、まあな、とヴィータは腕を組んで訓練場を見る。



「続けていきます。フリード、ブラストフレア」

「キュー」

キャロの指示で、フリードは火炎弾を放つ。

最初は小さな火炎弾だが、命中したときには爆発が広がり、周囲が燃え盛る。

「我が求めるのは、戒める物、捕らえる物。言の葉に答えよ、鋼鉄の縛鎖」

キャロが詠唱を始め、魔法陣が展開され、ガジェットの下にも、四角形の魔法陣が展開される。

「連結召還!アルケミックチェーン!」

四角形の魔法陣から、いくつもの実態を帯びた無機物の鎖を召還し、生き埋めから脱出したガジェットのうち、3体のガジェットを絡ませる。

「今です、スバルさん、エリオさん」

キャロの合図とともに、二人は一斉に飛び出し、捕らえられているがジェットを攻撃し、撃破する。

これで5つ目。

その横でティアナとレイ。

「こちとら射撃型。無効化されてはいそうですかって下がったんじゃ、生きていけないのよ!」

ティアナはアンカーガンを構え、魔力を集中させる。

さっきと違うのは、魔力弾をさらに膜状のバリアで覆っている。

(AMFを貫通するほどの膜状バリアで覆えば、本命の弾は無事なはず)

フィールド系防御を突き抜ける多重弾殻射撃。

本来はAA級の技なのだが……

(固まれ!固まれ!固まれ!)

ティアナは必死で弾殻を作る。

「固まれー!」

なんとか膜状バリアを精製できたティアナ

「俺たちも行くぞ、ファントム」

『ファイアビー』

一方レイも同じように魔力弾を膜状バリアで覆う。

ティアナよりも多くの弾を、ティアナよりも早く。

(なんなのよこいつ……)

ティアナは驚いてレイを見る。

自分があれだけ苦労したのを、あんなに簡単に、それに多くの数を……

「ティアナ」

レイに呼ばれえて、え?とレイのほうを見るティアナ。

「俺が作ったバリアはあのAMFを突き抜けるほど強固に作っていない。だから俺が足を止めるから、お前が本命を撃て」

レイはそういって、ガジェットを見る。

「いけ!」

ファイアビーは、ガジェットを襲い、ガジェットもAMFを展開し、その場に止まる。

「いまだ!」

レイの指示に、ティアナは意識を集中する。

「バリアブル……シューーート!!」

放たれた魔力弾は、簡単にAMFを突き破り、2つのガジェットを破壊する。



『ティア!』

ふと、スバルが念話で話しかけてくる。

『ナーイス!ナイスだよティア!やったね、流石!』

まるで自分のように喜ぶスバル。

ティアナはさっきの魔力の形成で魔力を大いに消費して、息もたえたえである。

「うっさい!」

ティアナはいつもスバルが言ってくるときに使うセリフを使い、大の字に倒れる。

「これくらい…当然よ!…はぁ…はぁ」



「がんばってるねぇ」

ヨウランたち二人は訓練場をみて思う。

自分達には無縁の物を見て、まるで楽しむように見ている。

実際楽しんでいるのだろうが……

なのははそんな二人を見て笑う。

「まだ危なっかしくて、ドキドキ物だけどね」

少しため息を付きながら言うが、予想以上の結果に喜ぶなのは。

「さあて、残り5つ。どうなるかな?」