Seed-NANOHA_tiger氏_第01話

Last-modified: 2007-11-18 (日) 16:12:31

C.E73地球オーブ近海…
少年たちは戦っていた…。

コーディネーターとナチュラルに分かれた世界、
それは争いの火種となり瞬く間に戦争という大火になった。
そしてそれは未来あるもの達を巻き込み、
彼等の体に憎しみと怒りを植え付けた。

紅の翼を背に持ったMSデスティニーを操る少年シン・アスカ
彼も憎しみを力にして戦う者の一人であった。

「くっそお!!何なんだよこいつは!!」

彼は今、天空から舞い降りた白いMSに苦戦を強いられていた…。
白い四肢に青い翼、間接の部分は金色に輝いている。

かつてシン自らが討った機体ZGMF-X10Aフリーダムを思わせるフォルムだった…。
まぁそれが当たり前なのだ、このMSを操縦しているのは彼なのだから…。

すばやい動きと強力な武装でデスティニーを翻弄するのは
ZGMF-X20Aストライクフリーダムを駆る青年キラ・ヤマトだった。

かつて友と討ち合い二度とそんなことを繰り返さないために、
自分たちのように苦しむものを少しでも減らすために、
彼は戦争を終わらせるために戦っていた。

デスティニーが放つビームをシールドで受け止めつつ
自由なもう一方の腕でビームサーベルを抜き放ち突進するが
そこへ一度に数十本のビームが介入してくる。

「シン!!」

「レジェンド・・・?!レイ!!」

デスティニーのコクピットに整った顔立ちの金髪の少年が映し出される。

「大丈夫か?シン。」

雨のようにビームを放ちながら少年レイ・ザ・バレルはシンに問いかけた

「あぁ…なんとかね。」

「お前らしくないなシン、腕が落ちたんじゃないか?」

「そんなこと言ったって…ちっ!!」

確かに一人ではこいつを相手にするのはなかなか難儀に感じていたが
今は2対1だしレイほどの腕ならなんとかなるとシンは確信していた。

案の定2機は見事な連携を見せフリーダムに反撃の隙を与えなかった。

(そんな…あの機体…)

フリーダムのコクピットでキラは思考を巡らせていた。
戦闘に介入してきたレジェンドを見て内心驚いていた、
ヤキンドゥーエで戦った機体・・・
自分から愛するものを奪い去っていた機体…
しかしそれはこの手で葬り去ったはずだった。
だがそれが今ここに現れたのだ、
いや、厳密にはそうではない。
ZGMF-X666レジェンドそれがこの機体の名前だった…。
かつて最強と詠われた機体プロヴィデンスのフォルムを受け継いだ
この機体にはそれを象徴するかのごとく背中に後光のような
ドラグーンシステムを付けていた。

必死に逃げ回るフリーダムを相手にシンはイラついていた。
しかしそこへチャンスが訪れる、

レイが放った数本のビームがフリーダムをシールドごと吹き飛ばし、
完全にバランスを失わせたのだ。

「今だシン!撃てーっ!!」

レイが止めを刺すように指示してきた。
そんなこと分かっているなどと考えながら背中にマウントされた
ビーム砲を向ける。
トリガーを引こうとした瞬間声が飛び込んできた。

「やめろぉーっ!!」

フリーダムと対を成すこの紅の機体、
それはインフィニットジャスティスだった

「アスラン?!そんな…なんで…。」

シンは困惑していた。
かつて自分を裏切り自分が殺したはずの男
アスラン・ザラ
彼がまだ生きていたなんて…
喜びなんて感情は起きなかった、むしろ更に怒りが増す。

「やめろシン!!お前にオーブを討つ理由がどこにある?!」

「怒りに任せて戦うのはやめろ!!」

自分はどうなんだと言い返そうとするが
レイが言い放った一言がそれを停止させる。

「裏切り者の死に損ないが何を今更ノコノコと!!」

「惑わされるな!シン!!」

ジャスティスに襲い掛かろうとしているレジェンドの行く手をフリーダムが阻む。

「目を覚ませシン!!」

シンは押しつぶされそうなプレッシャーを体にか感じ始めていた。
様様な記憶が体の中で渦巻いていく

「くそーーっ!!」

シンは絶叫した、途端に先ほどまで重かった体が
嘘のように軽くなり何もかもがクリアに感じられた。
襲い掛かってくるデスティニーを目にアスランも覚悟を決める
彼もシンと同じような感覚になった。

近くの空ではフリーダムとレジェンドが激しく交錯していた。
ビームサーベルで切り掛かり合い激突する。

「くそっ!アスラン!」

病み上がりの体を押してジャスティスに乗っているアスランの援護に行きたいが
レジェンドがそれを拒むかのように立ちふさがってくる。

シールド同士で衝突した直後奥ではジャスティスとデスティニーが切り結ぶ
その瞬間4人は強大な白い閃光につつまれた。

被弾した?!
シンはコクピットで謎の光を眺めていた
機体のコンディションを確認するが損傷は無いようだ。

しかし次の瞬間急激なGに襲われる。
腹が押しつぶされるような感覚、
その上目まで回ってくる。
そのままシンは、いや、4人の少年は気を失った…。

C.E73オーブ近海、そこから4機のMSと4人の少年が消えた…。

次回予告

海岸で目を覚ました少年たち、
彼等を待ち受けていたのは信じがたい世界だった。

時空管理局嘱託魔道師と名乗る少女、
そして魔法が存在する世界、
彼等はここで何を思うのか…。

次回魔砲戦士リリカルSEED Cross Magic
第2話「魔法と少年」