W-DESTINY_第09話1

Last-modified: 2007-11-10 (土) 21:55:34

カーペンタリア基地を熱い日ざしが降り注ぐ中、シンはミネルバのクルーと共に滑走路に整列する集団の中にいた。
基地の業務を必要最小限の人数に止め、それ以外の人間は全て集まっている。

「凄いわね……今、敵に襲われたらどうするの?」
「レーダーの監視員は残っている。そもそも彼等が残っていないなら、誰がもうすぐ到着するのを伝えたのだ?」
「そりゃあ、そうだけどさ……何か、あの人の出迎えがここまで大げさになるなんて」
「今や、それだけの価値がある人だ」

レイとルナが小声で話すのを耳に入れながらシンはずっと空を眺めていた。もうすぐ来る……そう思いながら……

「見えたぞ!」

誰かが指を差すと、その方向から一機の輸送用の大型シャトルが、こちらに向かってきた。そして、周りが騒がしくなる。皆、興奮しているのだ。

「全員静粛に!ザフト軍人の品位を貶めるな!」

各部隊の上官らが部下を叱責する。ミネルバ隊も艦長のタリアが叱責するが、叱責される側の代表が副官というのが締まらない話だ。
やがて、着陸したシャトルが止まり、ハッチが開くと一人の青年が姿を現した。

『全員、アスラン・ザラ親善大使に…敬 礼!!!』

スピーカーを使い、基地の副指令が号令を掛ける。ザフト兵は一斉に敬礼し、その男性を迎えた。

(アスラン・ザラ……)

シンは心の中で、迎えた男性の名を呟いた。
アスランは姿を見せると、ハッチに取り付けられた階段を降りようとせず、周りをゆっくりと見渡している。遠くて表情も分からないが、シンはその途中一瞬目が合った気がして、心臓が跳ね上がった。

「何か、凄いね」
「静かに!」

ルナマリアの呟きをレイが嗜める。ルナの言うとおり、評議会の制服に身を包んだアスランはシンの知っているアスランとは別人に見えた。
そして、しばらくアスランが動かずにいると、アスランの後ろにいる男性が耳打ちをしだした。
その男性は、長身を赤服で身に包んだ長い金髪を持った男でシンには見覚えが無かった。
男性が身を引くと、アスランは大きく息を吸い……

「勇敢なるザフト兵諸君!!!」
「「「!!!」」」

マイクも使わずに兵士に語りかける。その声は遠くまで届き、シンの耳にもはっきりと聞こえてくる。

「2年前、私も諸君等と同様に戦場を駆け抜けた人間の1人だ!……それゆえに君達の気持も理解しているつもりである!
 かつて、戦った後、何も手に入らなかった虚無感!そして今度は戦場に立ちながら相手を憎むなという理不尽とも思える命令!

 戦場に立ちながら、相手を憎むな……それが非常に困難なことは重々承知である!……しかし!私はあえて命ずる!憎しみに駆られて敵を討つなと!どうしても憎むなら、その様な命令を下した私を憎むといい!

 だがこれだけは憶えておいて欲しい!……そうして戦い続けた君達が獲得するのは、互いの憎しみと疑心に満ちた世界では無く、安心して家族や友人、そして恋人とすごせる世界を獲得出来ると言う事を……

 君達の前で、このアスラン・ザラが約束する!
 そのためにも、是非、この困難な闘いで諸君等の力を貸していただきたい!
ナチュラルとコーディネーターが手を取り合える。新たなる世界のために!!!」

辺りが静まり返ると、何処からか拍手する音が聞こえ、やがてそれが伝染すると最後は歓声に包まれた。

「「「新たなる世界のために!!!」」」

次々と兵士達が連呼しアスランを称える。

「…………あ……」

その熱狂に、シンはただ呆然とするしか無かった。そしてアスランは階段を下り始め、歓声に沸く兵士の間を前へ進みだした。

「……ねえ、本当にあの人?」
「……間違いなく」

シンはアスランの変化に戸惑っていた。そしてルナマリアとレイの会話から二人も同じ気持なのだろうと思い彼等に声を掛けようとしたが、アスランが近付いてきたので、そちらを注視する。
やがて、ミネルバ隊のいる集団の脇を通り、シンの目の前を通り過ぎたが、アスランの眼は遠くを見つめており、一瞬たりとシンと目を合わせることが無かった。

「あ?……」

シンは、少しは期待していた事に気づく。アスランと目が合ったら、何か反応してくれると。
だが現実はアスランにとってシンなど、もはや取るに足りない存在なのだと実感するだけだった。

「何か、完全に別世界の人になっちゃったわね……シン?」

やがて、解散の指示が出て皆が散り行く中、シンは呆然としているところをルナマリアに声を掛けられ、慌てて返事をする。

「ああ、俺たちなんかとは見えてる物が違うんだろうな」
「そうだね……シン、今度から変な事を言ったらダメだからね」
「……言えるわけ無いだろ」

シンは改めてアスランが気安く声を掛けられる存在では無くなった事を実感した。

アスランは与えられた執務室の椅子に腰を下ろすと、大きく息を付いた。

「いや……凄かったな……」
「凄かったな…ではありません!」

ゼクスに一喝されて、身を竦める。オドオドとゼクスを伺うと、彼はアスランの前に仁王立ちし、説教を開始した。

「まったく!……いきなり足が竦んで動けなくなるとは……情け無いにも程があります!」
「そう言われましても、ハッチが開いたら目の前に、あれだけの人数が……それに階段の下にいた基地指令、前の俺の上官ですよ」
「今は貴方の部下です。貴方には彼等に命令する権限が与えられております」
「いや…それは……でも、大声を出すと動ける様になるって本当だったんですね」
「あの演説が、緊張で動けなくなったための緊急処置と知れば、兵士たちは嘆きますな」
「……すいません……」
「議長が手配したサクラが、反応してくれたから良かったものの……」

本来、演説は階段を下りてから始める手筈だった。しかし、アスランが緊張で動けなくなったため、あの場で始めたのだが、それはゼクスにとっても賭けだった。
最初に拍手を始めた者は、デュランダルが手配したサクラだったが、最初は戸惑ったろうとゼクスは同情する。

「それに兵士等の間を歩く際は、一人一人と目を合わせる様にするべきです!」
「無理です!あんなに熱い視線を送られていて、あれじゃ俺が凄い人みたいじゃないですか!」
「凄い人なのです!」
「そう言われましても……元の世界でゼクスさんは平気だったんですか?」
「私はこれでも王家の生まれです。この程度はものごころ付く前から経験し続けてます。ですから軍人になっても困った事はありませんな……ちなみにリリーナは養父に英才教育を受けていたようで、わざわざ、外交の場にも連れられていた様です」
「……ズルイ……俺とは基礎が違うじゃないですか……」
「その通りですな、貴方とは基礎が違います……よって、今後ミネルバ出港までの一週間は、その基礎を叩き込むための特訓をさせていただきます」
「特訓?」

アスランは、その響きに嫌な予感を感じながらも続きの言葉を待つ。

「まず最初に私に対する言葉使いと態度を変えていただきます。今後、私には敬語の使用を禁止します。
 同時にゼクスと呼び捨てで、お呼び下さい」
「え!」
「言うなれば部下に命令を下すように!……事実、私は部下ですから」

驚愕の声と同時に、ゼクスを見上げる。一つだけとは言え年長で、長身で王家出身の威圧感を持ち、髪もフサフサのこの人物に命令を下さなければならないかと思うと胃が痛くなってくる。

「次に、ここの基地指令は貴方の元上官と言いましたな……よろしいでしょう、協力して頂ける様に依頼します」
「な、何をですか?」
「……ですか?」
「……な…何を?」
「出来るだけ時間を取っていただき、食事などを同席してもらいましょう」
「え!……緊張して食事が美味しく感じない気が……」
「無論、先方は貴方に敬語を使って頂きます。そして貴方は先方を部下として対応してもらいます」
「あ………う……え……」
「何しろ貴方は今後、各国の指導者と対面する事になります。その中には、様々な方がいることでしょう……そうですな、事情を話せば基地指令も本人だけで無く、良い人物を見繕ってくれるでしょう」

アスランは、その光景を想像して絶句する。以前は会うだけで緊張した人たちと食事しながら、向こうは自分に敬語で話しかけてくるのだ。

「それでは、基地指令の元へ行ってまいりますので、しばらくお待ちください」
「あ……行っちゃった……」

アスランは、これからの一週間を想像すると、胃が痛くなり頭を抱えながら蹲った。

それから三日がたち、アスランは優雅で緊迫感に満ちた朝食の席に付いていた。

(……何で、こんなに増えてる?)

朝食の席は、長方形のテーブルにアスランを主席に配置し、左右に基地指令と副指令を筆頭に、基地の主要メンバーがずらりと並んでいた。

「それにしても、ザラ大使と同席させて頂けるとは光栄の至り」
「まったくですな」
「そ、そう言ってもらえると、私としても嬉しく思う」

緊張しながら返事を返す。この席にいるメンバーの顔をアスランは全員知っていた。
つまり、元上官として……さらに言えばアスランはザフトを裏切った過去がある。

「おや?ザラ大使……食事が進んでおりませんな」
「お口に合わなかったのでしょうか?」
「これは、いかんな……コック長へ厳重に注意せねば」
「そ、そんな事はありません!美味しいですよ!」
「「「「……………………………………」」」」
「あ…そんな事は無い、実に美味しい」
「そうですか、それは良かった」
(……絶対に皆、知っている)

アスランは確信していた。彼等が特訓の内容を理解して、あえてこの様な言動を取ってると……
しかし確認するにも聞きようが無く、このプレッシャーに黙って耐えるしかなかった。
さらにプレッシャーを増幅しているのが、アスランの背中にいる。

「………………………………」

ゼクスは食事には参加せず、辺りを威圧する様にアスランの背後に直立不動で控えていた。

(……助けて……)

アスランの心の叫びに応えてくれる者は、誰一人いなかった。

その後、ゼクスは別室で食事を始めた。アスランは基地指令等に基地を案内されている。
基地案内と言っても、内容はアスランの考えを、基地の者に語って聞かせる事だ。今のアスランに必要なものは、誰の前でも萎縮する事無く、自分の意見を語って聞かせる能力だとゼクスは考えていた。

「こんな場合、あの人なら……」

アスランの教育をするようになってから、ゼクスはリリーナの養父の事を思い出すようになっていた。
ノインの話だと、リリーナはサンクキングダムの元首になった時、国主として必要な能力は、全て兼ね備えていた。
普通なら、あの年齢では有り得ない事だが、ゼクスには思い当てる節があった。それがリリーナの養父の存在である。
彼は元々サンクキングダムに仕えていた重臣で、ゼクスも幼少の頃、世話になっていた。そしてサンクキングダムが崩壊してからは、リリーナを養女として育て、外交の仕事の場に連れて行く。
無論会議の場までは入れないが、あの年齢の少女の多感さが、周りの空気を察しないはずが無く、世の中の事を認識していったのだろう。
そして、死の直前にリリーナに出生の秘密を打ち明けた事から、最終的にはリリーナにサンクキングダムの復興をさせようと画策していたのは間違いないと思っていた。
だが、彼が凄いと思うのはリリーナの父親を同時に勤めていたことだ。未来の主として教育をしておきしながら、親の愛情をも与えていた。おそらくリリーナは、実の両親より養夫婦にこそ愛情を抱いていただろう、それがリリーナにとって、どれほど大きな影響を与えたかを考えると、頭の上がらない存在だった。

「敵わんな……それに比べ私ときたら」

AC世界の影の功労者に比べると自分という人間を嫌悪してしまう……

「こうも、胸が高鳴るとは……つくづく度し難い男だ」

ゼクスはこれからの予定を楽しみにしていた。彼が搭乗する戦艦、ミネルバのパイロットとの顔合わせと同時に彼等の力量を測ろうと思っていたのだ。
アスランの教育より、戦士との触れ合いに胸が高鳴る……リリーナだけでなく、その養父にも顔を合わせられない自分に呆れる想いだった。

(……この人は、たしか……)

シンはその人物に見覚えがあった。遠くて、はっきりとは顔が見えなかったが、アスランが地上に降り立った時、彼に耳打ちをしていた人物だと思い出す。
紹介では、プラントへの連合の核攻撃の際、核ミサイルを全て落ち落とし、その功績でフェイスに任命された人物だった。

「ゼクス・マーキスだ。本日付で、このミネルバのMS隊の隊長をする事になった。今後はよろしく頼む」
「「「はいっ!」」」

敬礼を返しながら、不快感を抑えられない。今までミネルバのMS隊は、シンの他レイとルナマリアの三人でやってきた。
三人は、レイが戦闘面でのリーダー、ルナマリアがムードメーカーを含める精神的な支柱、そして操縦技術の最も高いシンがエースと役割が分担されており、今回入ってきたゼクス・マーキスは異物としか感じられなかった。
プラントへの核攻撃を防いでくれた事には感謝するが、それとこれとは別問題だとシンは思っていた。

「諸君等のこれまでの功績は拝見させてもらった……実に見事だ。とてもルーキーとは思えん」
「「「ありがとうございます!!」」」
「特にシン・アスカ、先日の働きは歴戦のパイロットでも、こうは行くまい」
「光栄です!」

だから、アンタなんか要らないんだよ。と内心で付け加える。

「そして、最初のフォーメーション……自分たちの戦力を把握している……考えたのは誰だ?」
「私です」

答えるレイを見ながら、レイほどこの部隊を知っている人間はいないと実感する。
何より、レイは敵を甘く見ない。そんな人間はザフトでは稀有の存在だ。そのレイがゼクスが来たせいで、パイロットスーツを白から赤に変更していた。

「良く考えたな。大したものだ……」
「そう言って頂けると光栄です」
「…が……今後はどうする気だ?」
「え?」

問われたレイでは無くシンが反応する。たしなめる様に隣でルナマリアが目配せをしてきて、大人しくしたが、不満は消えなかった。

「私は今後の戦闘では、どうするかと聞いているのだが?」
「……はい、基本的には同じですが、隊長が入った事で、更に外からの攻撃に機動性が加えられます」
「……なるほど、今まで通りシンが囮を勤め、貴様等は外からの狙撃、そして私がセイバーの機動性を生かして敵の脆い所を突けと?」
「その通りです」

シンはそれを考えると、この男にも価値があると思った。セイバーなら敵の集団を迂回して、上下左右あらゆる方向から攻撃が加えられる。
それは小隊行動を取る連合には効果的だ。バックアップしようにも全く異なる方向から攻撃が来れば、対処しづらい。

「……他に意見はあるか?」
「「「……………………」」」

何を言っているのかシンは疑問に思う。レイの作戦は悪く無い。新しく入ったセイバーの性能も充分に把握しているではないか。

「貴様等は認識が甘いようだ」
「なっ!」
「シン!」

激高するシンをレイが抑える。だがゼクスはそれを無視して話を続ける。

「口で言うより体で教えた方が、分かりやすいだろう……これより模擬戦を行う」
「―!」
「内容は貴様等三人がかりで、私を落とす事だ」

(なめやがって!)

シンは怒りを滲ませながらフォースインパルスを機動させる。

『では始める。好きな様に掛って来い』

シンは上空をMA形態で旋回するセイバーにビームライフルを撃ちながら接近する。だが、セイバーはセカンドシリーズ最速と言われるだけあって、高速移動で接近を避け長距離からアムフォルタス、プラズズマ収束ビーム砲を撃ってくる。

「クソッ!チョロチョロと、蝿みたいに!」
「シン、落ち着け!」

レイが一声掛けるとオルトロスをセイバーの進行方向に放つ、続いてルナマリア機も同様に動きインパルスとセイバーとの距離が狭まってきた。

「……そうか」

シンはレイの考えを読むと、セイバーの動きを予測しながらライフルを撃ち、距離を縮める事に専念する。万能型のセイバーと距離を取って戦えば不利は否めない、だからフォースインパルスの土俵である中近距離に持ち込まなくてはと判断する。

『ほう…少しは考えてるな』
「どういたしまして!……これで……俺の距離だぁぁ!」

この距離なら、セイバーの長射程武器のアムフォルタスは連射製の遅いデカブツに過ぎなかった。

『だが、私の距離でもあるな』
「え!?」

セイバーは変形しMS形態になる事で方向を変えると、再びMA形態になり、インパルスに突っ込んで来た。

「な!…だが!」

レイは一瞬虚を突かれたが、すぐにオルトロスでシンの援護を行う。
だが、セイバーは高機動で的を絞らせずにインパルスに接近すると、直前でMS形態になりビームサーベルを抜いた。

「正気かよ!」

セイバーは近距離から遠距離まで全ての武装を備え、同時に高機動を兼ね備えた万能MSである。だが万能だからこそ特出した物が無く、遠距離の場合はブラストに近距離の場合もソードシルエットのインパルスに劣る機体だった。そしてフォースは中近距離、ライフルの撃ち合いやサーベルの斬り合いではインパルスに部があった。
だからこそセイバーはMA形態での加速性を生かして、相手の苦手な距離へ移動して戦うのが、基本戦術なのだが……

「ワザワザ、こっちの土俵に!」

シンは接近するセイバーに対応して、ビームライフルを捨て去りビームサーベルを抜き斬り結ぶ。

『だから認識が甘い!』
「クッ!」

想像以上に速い斬撃に戸惑う、だが勝てない相手では無いとも同時に思った。

「確かに強いけど!」

一旦、距離を取り、仕切り直そうとすると……

『認識が甘いと言ったはずだ』
「えっ!?…ちょっ!」

セイバーは再びMA形態に成ると、インパルスから離れレイとルナマリアのザクの方へ向かった。シンは攻撃しようにも先程ライフルを捨てた為、慌てて追いかけ始める。

「こっちに!?」
「最初から、こっちが狙いか!」

加速の差があり、インパルスはセイバーから離されていく。
二人は慌ててオルトロスを放つが、セイバーは回避しながら接近し、二人の中間地点で立ち止まった。

「え?」
「クッ!」

一瞬、攻撃を躊躇う。まさか挟まれる位置で立ち止まるとは思ってもみなかったのだ。

『雑魚は放っておいて、まずは頭からやらせてもらう』

そう宣言するとレイの方へ向かってくる。

「なめるな!このぉ!」

雑魚扱いされ、挙句に背中を見せられたルナマリアは怒りに任せオルトロスを放つ。が……

「なんで!?」
「チィッ!」

だが、セイバーは背中に目が有るかの様に避けると、ビーム光はその先にいたレイ機に当たりかける。
レイはオルトロスを回避したが、その時はセイバーに接近を許していた。遠距離様のガナーに万能機が接近した。それが意味するものをレイは充分理解した。

『まずは一機』
「……………」

レイ機にサーベルがヒットし、戦闘不能のブザーが鳴る。

「レイ!……クソッ!」
『悔しがるのは構わんが、サーベルだけで私とやり合う気か?』

シンはライフルを構えながら近付くセイバーを憎々しげに見つめた。