XXVIIIスレ999 氏_いろんな意味で逆襲のシン=アスカ_第一話前編

Last-modified: 2009-05-29 (金) 23:28:21
 

「奴ら」は言った、
吹き飛ばされたらまた植えれば良いと、
それが俺たちの戦いとも言った………

 

それで戦いが無くなって、マユやステラのような悲しい思いを誰もしなくなるなら、
俺はプライドや恨みを捨てる、
そう思って手を取ったんだ……………

 

 だが奴らは本当に「吹き飛ばされたら新しく植えた」んだ…………

 

 俺にとって最悪、いや、他者の死を受け入れた者にとってあり得ない方法で……………………

 
 

 それが俺、シン=アスカが「奴ら」という花を吹き飛ばすと決断した日だった。

 
 

第一話《Life Recycle 前編》

 

『ラクス=クライン議長によって施行されたLife Recycle法によって
 今期のプラント国内総生産は12ポイント上昇し……』
『Life Recycle法に対しアマルフィ財閥代表、ロミナ=アマルフィ顧問はまたも遺憾の意を表し、
 プラントから資本の総撤退の意志を…』
『ラクス=クライン議長と、カガリ=ユラ=アスハ地球連合同盟代表との代表者間会議で
 双方の主張は平行線のままに終わりました。
 これに対しアスハ代表はプラントへの食料輸出の全面停止も辞さないとコメントし…』

 

 ニュースは日々流れてる。あの日からすでに三年の月日が流れた。
俺、シン・アスカは キラの副官としてプラントにいた。
正確にはまだアプリリウス1の地表と港を結ぶエレベーター内だ。
上官のキラはタバコをくわえ火を点け、その紫煙を美味そうに吸い込み吐き出す。
タバコを吸わない俺にはイラつかせる理由にはなるが今は上官だ、我慢する。
大気をフィルターで浄化する宇宙都市では本来タバコは論外だ。だがキラは許されていた。

 

それはキラがラクス=クラインの男だから、ではなかった。

 

今のキラはオーブ軍宇宙方面軍の一佐だ。ラクスとは完全に道を違えている。
わかりやすく言えば破局だ。その時俺はなにやってんだ、この電波なつがいは?と思ったが…………
そのおかげか、キラは責任を持つ一人の大人になり、名もキラ=ヒビキに改めた。
それにどんな意味があるのか、俺には関係ないことだったし、知るつもりもなかった。
あの日俺に「吹き飛ばされたらまた植えれば良い。」と無責任に開いた口は、皮肉なことに、
かつての恋人の一つの法案で物事をよく考えてから話す、といった機能を覚えた。

 

 だからといってキラはアスハの犬に成り下がったわけでもニートになったわけなく、
軍人として、社会人として完全に一からやり直した。
その努力のおかげか、スーパーコーディネーター故か今ではすっかり軍人として、
一人の大人としての威厳と常識がついた。
かつての聖剣伝説「不殺」も、その行為の後、酸欠や身動きが取れないまま大気圏に突入して燃え尽きたり、
抵抗、帰還できずに死亡するケースが怒濤の勢いで報告され、偽善にすぎないことを知った。
だからキラは変わった。戦闘になったとき、可能なら全員を達磨にした後じわじわなぶり殺す。
恐らくボイスレコーダーや通信には、被害者の恐怖の命乞いや断末魔が記録されているだろう。
本人曰く一人を惨殺し、敵を怯えさせるためだと言う。
サディストだな、と思っているが敵の士気はくじけるし、事実キラ=ヒビキの名はプラント、連合全てに知れ渡っていた。

 

 なお、俺がキラの副官をやっているのにはわけがある。
あの日、あの事件がきっかけでラクスをフルボッコにしたうえ、逆ギレしたアスランを撃沈、
生え際の頭髪をむしり取り、砂漠にした後、キラから決闘を申し込まれた。
結果は二勝三敗、汚い手段を使われたが負けは負けだ。だからいやいやながらキラの部下になった。

 

「シン、北米と西欧はまた動くと思うか?」
「ええ、十中八九、あとはここが火薬庫ですね。」
 キラは盗聴されてることを知った上で急に話を振って来たのだろう。いつものことだ。
「あちらは、民族ごとに内部で不安煽れば勝手に分断、内乱にまで持ち込めます。」
 あの日の後、俺も変わらざるをえなかった。様々な勉強に訓練、実戦を繰り返し
ザフトにいた頃よりも強くなった自覚もある。
戦術と戦略、補給などを重視し、前線でキラと共に敵を滅ぼす。
そんなC.E最強の力を持った二人、血と硝煙と殺気を纏いつつ、エレベーターを降りその場所を目指す。
「楽しみですか?俺は心配ですよ、」
 俺はキラに話しかける。だがキラは不敵に笑い、
「さあ、行こうか、俺達の戦場へ。」 
 とつぶやく。
そのキラが向かう先

 

 『アスカタン14歳誕生日記念ライブ☆くじ引き水着撮影会♪』

 

とあった…

 
 

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