XXVIIIスレ999 氏_いろんな意味で逆襲のシン=アスカ_第五話後編

Last-modified: 2010-06-05 (土) 01:22:52

「それは傲りだろう、お前は今までの戦争から何も学んでいないのか?
 コーディネーターはナチュラルを見下s…」
「カガリさん、そうではないのです。」
 ラクスの声は静かだった。

 

「エビデンス01…あれが発見されたのと同時に、旧連合、プラント上層部は戦慄を覚えました。」
「何言って…」
「考えてみてください…人は人同士でも争うのです。まして未知の生物は…」
 まさか宇宙怪獣?笑わせないでよラクス。
「滑稽なこと、とお考えかも知れませんがもし、外宇宙に地球以上の文明があったら?
 それが悪意あるものだったら?…仮定でも自ら身を守るため人はある計画を立て、
 今もそれは続いています…」
「よしラクス、一度心療内科行こう。」
 いやー電波スゴいと思っていたけどここまでメンヘラーならなんとかして別れないと…
「キラ、ふざけてはいません。」
 ラクス無理だよ、そんなメルヘン信じr
「成る程、それがコーディネーター計画の本来の目的なんだな?」
 へ?カガリも心療内科行き?やだよ、こんなメンヘラ・ザ・ワールド。
 助けて黄色い救急車!まともなのボクだけだなんておかしすぎる。
「キラ、信じられないかも知れません。
 ですがコーディネーターは地球とナチュラルを護るそのための兵器、尖兵なのです。」
「ラクス、証拠が無いじゃないか!止めてよね?無理な話は!」
「これが一般の人の対応です…だから明かせないのです…世界には…」

 

 ラクスの悲しそうな顔を見ると少し罪悪感がでる…わけないよね。だって電波だもん。電波電波毒電波。
 …あのカガリ、なんでボクの背中に回るの?
 胸押し付けてくるなんて、おっぱいが!ラクスに無いおっきな膨らみキター!
 でもフレイの方がおっきいよね…
 近親婚もボクの為?姉攻略フラグ?オッケーVIPにスレ立てしなきゃね。
 そんな、情熱的に抱き締めないで、ってか苦しい、抱き締め過ぎだよ!首わダメェ!頭がぼぉーっと…

 
 

第五話 (戦場の掟 後編)

 
 

『プラント政府はライフリサイクルで適応外として廃棄処分される規格外品について、
 この度制式に転用する事を決定しました。具体的な利用法としては娯楽、軍事…』
『先のユニウス7落下にて地球規模の気象変動が確認された件で、
 地球温暖化が後退したことが確認されました。これについて連邦政府は…』
『先頃のアベック襲撃事件の続報です。
 テロ組織《クリスマスは子供の為のモノ!》は犯行声明で
 クリスマスだ正月だ関係ねぇ!リア充即滅! と訳のわからないことを…』

 

 バンディッツは一見すると窮地だった。少し、だが確実に狭まる包囲網。
だがシンは笑っていた。ザフトはバンディッツに銃撃をかけられないのを知っているからだ。
ザフトの機体にはあるロックがかかっている。だからバンディッツには砲撃できない。
ロック…単純な、それでいて絶対のモノは、ザフトのMSはプラントを攻撃できない、といったものだった。
シンにとっては今のザフトは弱い。弱すぎる。だが数には勝てない…それも真実だ。
だが今の窮地も計画のうちだ。そろそろキラが、信頼できる男が来るはずだ。
昔は信頼できない軟弱な坊やだったが今は違う。
連邦陸軍の二等兵からシンが徹底的に、それこそ親の仇のごとく
(いつのまにかカラミティが仇になった気がするが…)超地獄の特訓
(ちくわやはんぺんを身体中に巻き付け断食した猫でうめつくされた部屋へたたき落とすなど序の口)で
鍛えたキラは信頼できる戦友だ。だから待つ。
 その時までシンはバンディッツの左右ローエングリンランチャーを構え、光の濁流を再度放つ。
光波防御体を持たない機体がまとめて撃破される。不用意に近づくからだ。
 シンが息を吐く。

 

「守りたいのは同じなんだよ!だから退けよ!」

 

 シンが吐き捨てた…

 
 

「ハッハー!落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ落ちろォォォォォォォォォォ!」
 クロスアウトは敵を虐殺していた。機動力が限界まで高められ、
さらに邪魔な装甲を排除したことでビル=ゲイツにはロックオンできない動きをしていた。
たとえマニュアルしたところで『弾けた』キラにあたるはずもなく、
弾薬やビームはむなしく永遠に宇宙の果てを進んでいくだろう。
クロスアウトは的確にビルゲイツを葬る。
ある機体は低出力にしたライフルをラピッドショットに切り替え蜂の巣に、
ある機体はコクピットを一撃で貫かれ、またある機体はビームサーベルで切り裂き…
全てを葬る白い旧スクール水着型の装甲を施された機体が舞うたびビル=ゲイツは次々撃破されていった。
 いや中にはまだ生きている機体もある。
かつてやった不殺のように推進機や武装を無力化された機体がいくつか…
キラは自分の所に迎撃に来たビル=ゲイツを片付けるとパイロットが生きているだろう機体に近づく…
獰猛な笑みを浮かべながら…

 
 

 
 バンディッツは無傷だが流石に動きは悪くなって来ている。
継戦時間はすでに45分を越えシンの疲労が見え始めたからだ。
ヤタノカガミを装備してなければ中破くらいはしていただろう。
コクピットにはアラートが常に鳴り響き高機動運動をしながら敵をまとめて葬る。
もし昔のシンがそれを見たなら間違いなく噛み付いているだろう。
「また戦争がしたいのか!」と。
だが今のシンには戦争が外交手段の一つと理解しているし、
ウズミが外交無能者であったことを理解している。
 少なくともあの時ウズミは徹底抗戦ではなく、連合に組するべきだったし、
それ以前に交渉で民間人を逃がすべきだった。
プラントと手を組むことも視野に入れ、のらりくらりやりつつエネルギーを連合に輸出、
マスドライバーを高値で貸し出しする代わりに外交的アドバンテージを取ればよかった。
当時の自分も戦士ではなく外交官になればステラは死ななかったかもしれない。
だがそれは仮定の話で無意味なことだ、
特にラクス達には外交は意味が無い。奴らは言葉が通じないのだから…
 だが今現在のプラントはテロの温床である上に非常に危険な存在になっている。
それはコーディネーターを滅ぼせ、ということではなくプラントの内政が連邦、
それも一般市民を危険に晒したからだった。

 

 だからシンはプラントの敵として今攻めていた。
 その危険性を知っているのは今現在、今回の作戦に参加した者と連邦上層部だけだ。

 

そんな考えを一瞬浮かばせ、シンは周りを伺った。
ビル=ゲイツは光波防御体を展開しながらゆっくり近づいて来る。
作戦参謀の予想通り近づいてバンディッツにしがみつき捕獲する気だろう。  
その時バンディッツのレーダーがアラートを奏でた。高速で接近する物体…それも複数が接近している。
識別信号は敵、単純に考えるなら増援だがその中にクロスアウトを発見し、
キラが作戦を無事遂行し、計画通りにしてることがわかる。
シンは胸部の拡散陽電子砲をばらまく。光の散弾が全ての敵機に降り注ぎ、
バンディッツは接近してくる敵機に向け加速した…

 
 

 あるビル・ゲイツのパイロットは無線から流れる悲鳴に顔が引きつっていた。
悲鳴の主達は皆断末魔の声と表情をしている。
その声が全て女性だったこともパイロット達が浮き足立つ原因だったのかもしれない。
 キラに向かった機体のうち、いわゆるダルマにされた機体はクロスアウトにより蹴り飛ばされ、
背部推進機や燃料タンクを狙撃、爆発した勢いでプラントに向けて高速で接近するデブリと化した。
デブリと違うのは人間、それも女性パイロットが乗っている点だろう。
バンディッツと相対していた機体のうちいくつかは受け止めようとしている。
 だがそれらの機体は同じように接近していたクロスアウトの狙撃によりコクピットを打ち抜かれていく。
「妙な仲間意識持つから!」
 シンがバンディッツを駆りながら叫ぶ。と同時にビームサーベルですれ違う機体を切り裂いていく。
迎撃に出ていたザフトの全滅は確実になった瞬間だった。

 
 

「いいのですか?クライン議長?」
 ラクスの政治的補佐をしていたオーソン・ホワイトはラクスに問う。
 ラクスは悲痛な顔を見せずに頷く。
「今必要なのは戦う力ですわ、彼を…バーサーカーの投入をお願いします。」
 ラクスが短く告げた。
 そしてその命令はエターナル級2番艦「ティーガー=マシーネン=ピストーレ」に迅速に伝わる。

 
 

 その部屋にいた額に大きすぎる傷のある男は焦点の合わない目でモニターを眺めていた。
モニターの中には幸せそうな大家族がいる。
その男はそれを憎悪の目で見ていた。憎悪だけではない明確な殺意。
それを隠さず男は立ち上がる。ようやくの出撃。相手を殺していい合法的な場所。
男は殺意を隠さずにゆっくり自分の機体に近づく。スタッフは退避しているのか誰もいない。
男が見つけたら殺しかねいからだ。
 男は機体の起動を始めた。モニターにはそれが核を動力とすることを示している。
異常はない。モニターには作戦目標、つまり敵殲滅全とだけが書かれていた。好都合だ。

 

「クッ…アハハハハハハハハ」

 

 男の哄笑がコクピットに響く。
やっと殺せる、敵を斬り殺す、刺し殺す、打ち殺す、撃ち殺す、焼き殺す、握り殺す、殴り殺す、
色々試したい。八つ当たりしたい。
 男は発射シークエンスを慣れた手つきで行う。機体は電磁カタパルトに接続される。そして、

 

「アスラン=ザラ、シャイニングジャスティス、敵を殲滅する!」

 

 その言葉と共にかつての英雄は明確な殺意と共に戦場に吐き出された…

 
 

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