コードギアスSEED
EXTRA Cの世界
――白き世界の中、様々な絵画がその場所では並んでいる。
その絵画を一枚ずつ見て回る白き拘束着を着た緑色の髪の少女……C.C.――
「……さて、これまでお前達は私達が介入してきた世界のいくつかを見てきたわけだが、
登場人物の多さ、話の順番がバラバラで、話が上手くつかめないものもいるだろう。
今回はそういったことを整理するために、私自らが説明をしてやろう。有難く思え。
あくまでこれは番外編だ。なぜ私がルルーシュと一緒にいないのか、などという野暮な質問は受け付けないぞ」
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「まず初めに、私達が様々な世界をを彷徨っている理由を話さねばならないな。
私達の世界(コードギアス本編)において、ルルーシュの両親であるシャルル・ジ・ブリタニア皇帝とマリアンヌ妃が、彼らが『神』と称す人類の無意識的集合体を、《C》の力を借りて抹殺をしようと企んだ。
ルルーシュはそれを邪魔し、私やスザクとともに人類の未来を願ったことで、二人の野望はその命と共に潰えた。
だがそれは、世界に二つの大きな異変を起こした。
まず1つは、私達が皇帝の下に来た時、既に『神殺し』の儀式が始まっていたことで、何人かの《ギアスコード》を持つものが《Cの世界》から解放され、様々な世界に彷徨い出ることとなってしまった事。
彼らを連れ戻す必要が出てきたのだ。
もうひとつは、ルルーシュや私達が願った『人類の未来』……それは私達の世界だけでなく、様々な世界の未来も指し示していた事だ。
それ故、私とルルーシュは、様々な世界の人類を混乱と絶望から救うために彷徨うこととなった。
私達が目的を達成させ、その世界に未来を齎すことができたならば、再び別の世界に旅立たなくてはいけなくなる。
それがどこの世界かはわからないわけだが……
まったく、困った話だ。
こんなことを永遠と繰り返していたら、命が幾つあっても足りないぞ」
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C.C.は一枚の絵画の前に立つ。
キャンバスには、辺り一面を火の海に変えている黒い巨人――デストロイと、それに挑む白き戦士――インパルスが描かれている。
「これは、私とルルーシュがカレンとともに介入した《コズミック・イラ》と呼ぶ世界だ。
私達はそこで戦乱を勝ち抜き、様々な勢力の力を吸収しながら、戦争をなくすための努力をしていくことになった。
そこに立ちはだかったのが、《歌姫の騎士団》を率いるラクス・クラインだった……」
C.C.は絵画から離れるとゆっくりと歩き出す。
「ラクスは私達がC.E.世界に来る以前に《ギアス》を与えられていたが、ギアスに飲み込まれ、
私達が来た時には善悪の区別が付かない程に精神を蝕まれていた。
彼女のギアスは、かつて私が持っていたそれと同じ『魅了』のギアス。
相手を自分の虜にして、思うがままにするという代物だ。
中々に手強かったが、仲間になってくれたステラやシン達の協力もあって何とか倒すことが出来た」
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別の絵の前に立つC.C.。
描かれているのは、ラクスと白き騎士――柩木スザク。
「今回のスザクの話は、私達が来る以前の話になる。
スザクもまた、私達とは別にこの世界の未来を救うために《Cの世界》――集合無意識から遣わされた存在であるといえよう。
スザクが誰を倒さなくてはいけないのか、という話は、これから明かされることになるぞ。
今回のスザクのように平和をただただ訴えるラクスの傍にいるのは、ルルーシュにとっては稀だな。
それが『反逆者』と呼ばれたスザクの今回は対比なのかは分からないが。
現在の勢力としては……ラクスとスザクがいるエターナル・アークエンジェル・クサナギの三隻同盟、ムルタ・アズラエルが実権を握っている地球連合軍、ビスマルク率いる《ラウンズ》とラウ・ル・クルーゼがいるザフト軍……となっている。
誰が本当の敵で誰が味方なのかはまだこの段階ではわからないが……
ちなみにビスマルク達も《Cの世界》の意志によって導かれた。
その理由は、スザクと同じく本編で明かされることになるそ」
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「ラクス・クライン……C.E.世界において、もっとも鍵となる人物だ。
どうにも悪いイメージで囚われがちだが、彼女自身は良くも悪くも平和を祈る世間知らずなお嬢様に過ぎない。
ただ、慰問を行うにつれて、彼女の心の中で『このままではいけない』という想いだけは強くなっていったようだ。
それが強くなり過ぎたために、無謀な戦争撤廃行動(フリーダム強奪幇助)を行い、最終的にはプラントへの謀反を起こすこととなった。
現在、ラクスはギアスに精神を侵され、心の『闇』を開放しつつある。
彼女はそれと闘いながら、事態を良き方向に進めていこうとしていくことになる。
彼女がこれからどうなるかは本編で明かされていくわけだが、もともとの彼女は善人であり、世界の破壊など望んではいなかったということだけは、はっきりと断言できる。
ルルーシュのように生半可でない覚悟と目的を持ち、その目的を実行し得る『過ぎたる力』を以て物事をこなすことは、かなりの精神的な部分に負荷をかけることになる。
ラクスの場合はその精神的な部分が響いたのかもしれない。
世界の英雄となるにはそれなりの覚悟が必要というわけだ」
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「次には科学技術の話となるが……
ロイドとラクシャータがパーフェクトな科学者だからだという理由で、これはいいか……
ナイトメアフレームとMS技術とでは形容は違うが、同じロボットということでそのMSの機体性能・製造過程を研究し、それを応用することは可能だ」
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「この世界が私達の介入後、どのようになったかは……わからない。
だが、私達が飛ばされずにすんでいるということは、皆元気にやっているということだろう。
今度、またステラにでも会いにいってやろうか。
今回このような話をしたのは……、
まぁ、たまには纏めてみるついでに本編を休んでもいいんじゃないかということだ。
スザクとラクスがいかにして、あのヤキン・ドゥーエを納めたかは、次回にと続くぞ」