目次
定義
宣伝戦 ( propaganda ) とは、最終的に標的となるコミュニティ全体の意思決定を操作する目的で政治上の意思決定に対して直接的に執行する権限を持たない大衆 ( masses ) の
- 支持 / 中立 / 不支持といった ( 政治的 ) スタンス
- 特定または不特定の政策に対する協力 / 妨害等のダイレクトな言動
を操作する工作活動の総称
( そんなワケで、2025 年 1 月*1 7 日時点の宣伝戦項は宣伝戦というより後述の政治活動に相当する*2 *3 )
…とは言うものの、“ 政治上の意思決定に対して直接的に執行する権限を持たない大衆 ( masses ) ” が このゲームにおいて然したる影響力を持つとは考えないのが常識的かと思う
そもそも、このゲームにおいて大衆に相当する存在がいる事も認識されていない読者の方が多いという事が推定できる事象が最近確認されたため、次項では併せて紹介する
コンセプト
まず、“ このゲームにおいて大衆に相当する存在 ” が具体的に何を指すか認識してしてもらうために、次の画像を見てほしい
この画像は、250112 現在のデスクトップ版のプロビンスインターフェースに含まれる情報ボタンをクリックし、その際にポップアップされる小ウィンドウ、「 資源詳細 」 をプリントスクリーンで捉えた画面イメージの一部である
なお左側の画像は都市部の領地、右側は非中核領地かつ地方の領地の 「 資源詳細 」 である
この 「 資源詳細 」 によると、都市部の領地には population すなわち人口が 800 万 匹 人、地方の領地には 250 万人が居を構えている事が示唆される
つまり本項、宣伝戦の標的とは領民であり、対象となるプロビンス ( に居住している領民 ) の士気 ( morale ) を巡る攻防が焦点となる
また少なくとも 250112 現在、このうちの何割が労働人口なのか、また何割が徴兵適用年齢なのかなど、細部の設定等は存在せず、かつ将来的には これらのインターフェースを廃止する方向性も ある程度は定まっているとの事であるが、依然として
- 資源生産
- ユニット生産
- 建物の建設
等のスピードが士気 ( morale ) と相関関係にある点については今後も維持される見込みである
カウンター・プロパガンダ
序論
酢豚?ま、そんなわけで…
おそらく 「 領地 ( province ) の士気 ( morale ) は時間経過に伴い順当に上昇していき、これによって資源やユニットの生産 ( production )、建物の建設 ( construction ) スピードも向上していく 」 という環境はゲームを進める上で無条件に保証される前提と考えてきたプレイヤーも多いのだろうと予想されるが、現実には そうではない
プロパガンダを伴う、あるいは単独のプロパガンダ作戦が発動されると少しずつ ( 経済 ) 成長を妨害されて延いては市場競争から脱落したり、少しずつ領土が他国に乗っ取られていき、最終的に自分の領土を ほとんど全て取り上げられてしまうという事もある
そのような顛末を回避する為には適切な対策を講じる必要があるが、ここで言う 「 適切な対策 」 とは、このような攻撃を- 未然に察知し、
- 攻撃の主体を特定し、
- 主体の意図を看破し、
最後に、対象の実施する攻撃を無害化 ( sanitizing ) する為に
- 停止させる
- 逆用する
事である
また、秘密工作においても攻撃は最大の防御である
したがってプロパガンダを伴う反攻作戦を実施したり、または- 作戦 ( そのもの ) の存在
- 作戦の意図
を
- 欺瞞
- 秘匿
する事も、対象のプロパガンダを伴う試みを無力化 ( neutralization, neutralizing ) する上で非常に効果的な場合がある
なお、この “ 標的 ” に関する周辺概念については以降でも説明はするが、特に戦術目標などの概念については航空戦術項の概念節の内容を前提とするので参考にしてほしい
方法論
酢豚?収集
酢豚?旧宣伝戦項 *4における執筆者の表現を借りるなら、前提として本節は “ 何も起きていない ” ( ものの、水面下では謀略が着々と進行している可能性が濃厚な ) 状況において、後述の行為主体の特定すら実現していない条件で、自らに対して計画されている秘密工作の存在、内容を未然に推定するという文脈である
秘密工作の開始以降、これも旧宣伝戦項 の表現を借りるなら、“ 騒ぎ ” が起きてから、つまり事後に実態を推定する文脈の場合は後述の意図の推定が該当する行為主体の特定
酢豚?前述のプロセス、収集で判明した計画が、主に誰 ( のモチベーション ) によって実施、計画されているのか推定すること
“ 誰が ”、“ 何をやったか ” を明らかにするプロセスである
少し詳しく掘り下げるなら、この時点では攻撃の内容も行った主体も不明、あるいは少なくとも全体像は不明である
しかし分かっている範囲で飛躍の大きい仮説を立てる事は可能であり、少なくとも- 「 ( 実施した主体を仮定して ) 彼らが実施したとすると、動機は何か ? 」
- 「 ( 計画の動機を仮定して ) このような動機を抱き得る主体は誰か ? 」
という命題が成り立つ
本節は、後者を追求するプロセスである
なお、もし対象の計画、攻撃が、いわゆる単独犯によって営まれているのであれば話は簡単である
実行犯が直ちに主犯かつ正犯なのだから、コイツを とっちめれば攻撃も停止するか返り討ちに遭うだろうw
しかし、もし以下のような状況が活動の実態、概況を表す構図として成立するとしたら、結果は果たしてどうなるだろうか ?
意図の推定
酢豚?“ なぜやったのか ”、“ なぜ継続できているのか ” に重点を置いて追求するプロセスである
また、前節の行為主体の特定 を既に実現している場合もあるが、原則的には同時並行で進捗する
基本的には、無作為に集められた情報を、いわゆる MOM という指標- motivation ( 動機 )
- opportunity ( 機会 )
- means ( 手段 )
に沿って整理 ・ 分析する事により、犯人像の解像度を上げていって帰納的に推論するのが原則である
また、こうした受動 / 防御的な手段に加え、囮捜査 ( entrapment、string investigation ) に象徴されるような欺瞞的 ( deceptive ) アプローチを利用して相手のミスを誘う方法も併用される場合がある
ただし、こちらのアプローチはシビアな判断を迫られるリスクが非常に大きい
したがって執行前には入念に準備を行った上で、直面する恐れのあるシチュエーションに対し可能な限り実践的な予行演習を数多く試しておく事を お勧めするこの理由についてだが、結論から言えば裏目に出るリスクが大きいためである
そもそも entrapment に該当する捜査手法は、実施せずにいれば一般論として犯意を持つ主体の行為が発生しない事が見込まれる
あるいはインシデントとして いずれは避けられないとしても、手を加えなければ最大限延期できるにも関わらず、手順を前倒しにする事で自身の対処能力を超過してしまうリスクがある
例えば人手や資金が足りないから、情報や機会に恵まれないから犯行に至らないケースで entrapment を仕掛けるシチュエーションを考えると分かりやすいかも知れない
実態は虚偽であるとはいえ、実施主体からすると対象の行動を始めるのに不可欠な要素が揃った状況と錯誤する事になるのだから、当然、意思決定プロセスにおいて実施に踏み切る公算の方が大きくなる
確かに そこで本当に失策を犯してくれれば申し分無い訳なのだが、実施主体の想定が外れたからといって必ずしも自陣の想定通りに事が運ぶ訳でもない点に留意する必要がある
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