207系

Last-modified: 2024-05-04 (土) 22:53:03

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207系はJR西日本が製造・所有している通勤型車両
かつて国鉄が製造しJR東日本が所有していた207系とは別車両

車両データ

製造年:1991年~2003年
製造数:484両
運用開始:1991年4月30日
編成:3・4・7両
軌間:1067mm
電気方式:直流1500V(架線集電)
最高速度:120km/h
起動加速度:2.7km/h/s
減速度(常用):3.5km/h/s
減速度(非常):4.2km/h/s
編成定員;1115人
車体体積(全長×全幅×全高 単位mm):20000×2950×3700
車体:ステンレス
制御方式:VVVFインバーター制御

概要

片町線と福知山線を連絡する地下の片福連絡線(JR東西線)に乗り入れ、老朽化が進む103系の置き換えも兼ねて登場
福知山線の宝塚~大阪は阪急宝塚線と競合するため221系を基本として内装のグレードアップを図った
製造当初から半自動ドアや耐雪ブレーキといった寒冷地対策を施しており直流区間全てで走ることができる

207系は旧国鉄→JR東日本にも900番台が存在していたが設計思想が大きく異なっており本系列とは何の関係もない
本系列の車番は1から付与されており900番台が存在しないため車番の重複はない

番台別解説

0番台

片町線にいた103系の代替えとして147両が製造
制御装置はGTOサイリスタの昇降圧チョッパ回路+パワートランジスタによる3レベルインバーターで構成され
主電動機は出力155kwのWMT100を搭載する

先行試作車

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導入に先駆け7両固定編成1編成が1991年に落成した
2010年3月まで学研都市線京田辺~木津は4両までしか走れなかったので東海道山陽線で限定運用となっていた
2012年3月からは他の207系と共通で運用に入るようになった
2022年4月6日に吹田へ回送され翌日7日付で廃車された、事故廃車以外での廃車は当編成が初となる

量産車

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1991年から製造が開始、車番は先行試作車が1なので2から付与されている(モハ207形は3から付与)
このグループから4両と3両に分かれて製造され4両単独・3両2編成をつないで6両で運用できるようになった
置き換えの対象となった103系は4両4本が広島へ飛ばされた

1000番台

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東海道山陽線の103系置き換えとJR東西線の開業準備として1994年から製造開始
このグループからMM'ユニット方式が廃止され0番台にはなかったクモハ車が登場した
制御装置は東芝製GTO-VVVFインバーターを搭載し1台のインバーターで1基のモーターを駆動する個別駆動方式となった
JR東西線は急勾配が多いため主電動機は出力200kwのWMT102形、3次車以降は出力220kwのWMT104形を搭載している
パンタグラフは耐寒・耐雪性能に配慮し耐雪用カバーを取り付けたものとなった

2000番台

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学研都市線の輸送改善と103系の置き換え目的として2002年から製造開始
外観は変わっていないが機器類は223系2000番台を踏襲している、電動車の戸袋窓部分は機器冷却用の通気口が設けられた
制御装置はIGBT-VVVFインバーターで主電動機は1000番台と同じWMT102B型を搭載
内装ではドアが開く際もチャイムが鳴るようになり車端部には車椅子スペースが設置された
落成時からATS-P保安装置を搭載している

運用

和田岬線以外321系と共通事項

  • 東海道山陽線 草津~加古川
    主に普通列車で運用される
    日中は高槻~西明石間で運用、京都乗り入れは日中以外、草津・加古川乗り入れは平日朝ラッシュのみ
  • JR宝塚線 尼崎~篠山口
    日中は尼崎~宝塚で運用、篠山口乗り入れは朝夕のみで基本的に東海道山陽線・JR東西線・学研都市線直通の普通・快速で運転される
    大阪発着の場合上り1本を除いて列車線を走行するため普通列車でも塚本駅は通過する
  • JR東西線・学研都市線
    JR福知山線・東海道山陽線直通または学研都市線内完結の普通・区間快速・快速で運転される
  • おおさか東線・大和路線(久宝寺~木津)
    奈良~新大阪間の直通快速のほか早朝と深夜に学研都市線との直通列車が設定されている
    直通快速は2023年3月改正から221系に置き換わるので撤退予定
  • 和田岬線
    過去に103系が検査でいない時に代走で起用されたこともあってか2023年3月改正からは207系が運用に入る予定

2016年までは湖西線近江舞子駅まで乗り入れており神戸ルミナリエ開催時には臨時で新快速運用に入ることもあった
2002年には相生~播州赤穂でも臨時で乗り入れていた

体質改善

2014年のZ22編成から体質改善がスタート、内容は以下の通り

  • 前照灯をHID灯(一部編成はLED)へ変更
  • 前面カラーデザイン変更
  • 行先表示器のフルカラーLED化したうえで号車番号表示機能増設、種別表示器はそのまま
  • 化粧板張り替え、消火器は座席下に移動
  • 座席のバケットシート化、袖仕切大型化
  • 座席定員を7人から6人に
  • スタンションポール設置
  • 室内等を蛍光灯からLEDへ変更
  • 制御装置は電子部品を総取り換え、0・500番台は三菱、1000・1500番台は東芝が担当

など
なお先行試作車のF1編成は最初から体質改善の対象外になっていた

体質改善についての小ネタ

  • 体質改善を受けた編成はVVVFがGTOからIGBTへ変わるがS39編成とT19編成はVVVFがGTOのまま出場した
    またその2編成は一定速度以上で行先表示が消えるという他の編成では見られない特徴もあった
    現在その2編成はVVVFが更新されたのでその機能も削除されている
  • ↑のあとVVVFは更新されたが車内の照明が蛍光灯のままの編成が出てきた
    更新車でありながら未更新時代の暖かみのある雰囲気を楽しむことが出来る
    現在もまだいるが何ならさらに増える可能性ありいつ消えるか分からないので記録はお早めに
  • さらにGTOとIGBTが合わさったような音を出す編成がいる
    どうやらインバーター素子の一部だけをIGBTに変えてそれ以外は全てGTOのままだからこうなったらしい

種別表示器LED化

221系の種別表示器がLEDになりだしたすぐ後の2023年3月8日、今度は207系も種別表示器がLEDになりだした
最初の編成はZ23編成+S16編成、221系と違い似合っているなど好評な模様

廃車

2023年現在以下の編成が廃車となっている

  • 0番台F1編成
    先行試作車、7両固定故に扱いづらかったのかもしれない
  • 0番台Z16編成
    JR福知山線脱線事故による事故廃車、なお連結相手の1000番台S18編成は休車扱いとなっている
    この事故が起きて編成数が足りなくなり森ノ宮から103系が貸し出された他JR東日本から103系8両を購入し代走起用した
    また321系を予定よりも3編成多く製造した

塗装コレクション

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旧塗装、福知山線脱線事故被害者遺族配慮のため帯を紺とオレンジのツートンカラーに変更された
また321系もこの塗装で登場予定だったが変更となり鉄道模型ではTOMIX製のNゲージが製造中止となりKATOでは製品化中止となった
その後TOMIX製のNゲージは塗装が変更され販売再開、旧塗装は再販されていないので中古でもプレミアがついている
一応「電車でGO!」なら見ることができる(ただしPSP版東海道本線編・PLUG&PLAYは事故後に製作されたものなので新塗装に変更されている)

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現塗装

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リニューアル車、ライトがLED・HIDになり321系に近い外観となった
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中間先頭車のライトはシールドビームのままになっている

カオスバトルでの技

  • Ptr-VVVFインバーター*1
  • GTO-VVVFインバーター
  • IGBT-VVVFインバーター
  • ミュージックホーン

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*1 東武快速のカオスバトルNo.5ではこれをチートモードに採用した