歯周病の原因

Last-modified: 2010-12-13 (月) 14:54:26

歯垢(プラーク)

歯垢は口の中の食べかす等に細菌が繁殖することで生じます。ついているかどうか調べるにはプラーク染色剤を使います。
歯並びや歯磨きの悪さでついた歯垢が、歯肉(歯茎)を炎症させます。歯垢を放置すると歯磨きでは取り除けない歯石になります。歯石は歯垢がつきやすい性質があり、歯周病の症状を進行させます。また歯周病になると『歯周ポケット』が深くなり、歯垢が溜まりやすくなります。歯周病はこのような悪循環によって悪化します。
予防には日頃からの歯磨きと、定期的に歯医者で健診を受けることが大切です。

歯石

歯石は唾液中のカルシウムが歯垢と混ざり、石灰化したものです。歯垢とちがい、歯石は歯磨きでは落とせません。スケーラーという専用器具で除去します。個人差はありますが、歯垢は二日ほどで歯石になるといわれています。
歯石そのものは歯周病の原因ではありません。しかし歯石には、表面が凸凹しているため歯垢がつきやすく、また落としにくい性質があります。そのため、放っておくと歯垢が集まり、間接的に歯周病を招きます。
最低でも半年に一度、できれば2、3ヶ月に一度は定期健診を受け、歯石を取り除いてもらいましょう。

タバコ(喫煙)

ニコチンは血流を悪くし、免疫力を下げるといわれています。またそのほかの有害物質が唾液の分泌量を減少させたり、歯垢をつきやすくしたりします。そのため喫煙は歯周病を悪化させ、治りにくくするといわれています。喫煙者は吸わない人より2~6倍、歯周病になりやすいというデータもあります。喫煙歴が長く、喫煙量が多いほど倍率は高くなります。歯周病を治し、再発を防ぐには禁煙が近道です。

歯並びの悪さ

歯並びが悪い場合、同じように歯磨きしても、磨き残しが生まれることが多く、歯周病リスクが高まります。

歯の噛み合わせが悪い

噛み合わせは歯に加わる力のバランスを変化させます。歯の許容範囲以上の力は、歯周病を悪化させやすくなります。

詰め物、被せ物の不適合

虫歯の治療では詰め物(充填)・被せ物(銀歯)をします。これらが合っていないと、隣の歯とのあいだに隙間や段差ができ、食べカスや歯垢が溜まりやすくなり、取り除きにくくなります。
詰め物・被せ物をしている歯やその周囲が歯周病になったら、もともと歯に合っていなかったか、古くなって合わなくなった可能性が考えられます。その場合は詰め物・被せ物を歯に合わせる治療が優先されます。
入れ歯についても同じことが言えます。

歯ぎしり

歯ぎしりは歯周病の進行を早めるといわれています。強い力が加わることで、炎症を悪化させるからです。ストレスを解消し、しっかり休んで疲れをとることが大切です。それでも歯ぎしりが解消されないときは、マウスピースなどの器具を使って歯ぎしりを防ぐ治療をします。

全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常)

風邪や疲労、ストレス、加齢などで免疫力が落ちると、歯周病菌に侵されやすくなります。とりわけ糖尿病は歯周病を招きやすいことが知られています。唾液の分泌量が減り、また白血球の機能が低下するため、口の中の細菌が増えるからです。歯科で歯周病と診断されたことで糖尿病が見つかったり、またその逆も珍しくありません。
ほかにも高血圧、ホルモンバランスの崩れ、ビタミン欠乏症、薬の長期服用による副作用などが、歯周病に影響するといわれています。