知覚過敏の薬

Last-modified: 2010-12-13 (月) 15:03:26

歯科医で知覚過敏と診断された場合、まず選択されることが多い治療法が『薬の塗布』することです。
その薬のMSコートやグルーマなどの知覚過敏用の薬を塗布してもらえる場合があります。各々の具体的な
使い方は下記のようになります。

 
  1. MSコート
    液状の塗布剤MSコートを知覚過敏の患部にフェルトチップでたっぷりこすり塗りし、その後エアー乾燥して
    使用。2~3回繰り返して水洗、終了。ナノサイズMSポリマーとシュウ酸が歯質のカルシウムと反応し、
    保護皮膜を形成して象牙細管を緊密に封鎖します。
     
  2. グルーマ ディセンシタイザー
    象牙質知覚過敏の抑制に用いる1液性の材料です。直接、象牙細管に浸透作用して知覚を遮断します。
    簡単な操作で即効性があり、また効果が持続します。着色や接着阻害を起こさないため、広く応用できます。
    知覚過敏が発生する過程とは、エナメル質が傷つき削れ、象牙質が露出し、象牙質に刺激が加わる事で
    「歯がしみる」症状なので、露出した象牙質を薬で覆う事によって外部からの刺激を遮断し「歯がしみる」症状を
    抑える効果が期待できるというわけです。このメカニズムをイオン化レベルで治療する装置に以下のようなものが
    あります。
     
  3. バイオキュアー
    パイオキュアーは、フッ素をイオン化し、フッ化リン酸カルシウム(フルオロアパタイト)を形成させることで
    う蝕に抵抗性のある歯質を作る、フッ素イオン導入装置です。
    う蝕予防に効果を発揮するとともに根管治療にも使用でき、歯科医療の幅広い分野で活躍します。
     
     
    また、上記の薬とは別に、「レジン(樹脂)・歯科用セメント」など、薬ではなく物理的に象牙質を
    カバーするコーティング材を使用することもあります。ただし、このコーティングの方法では、日常の
    歯磨きによって必ずコーティング材が擦り減っていってしまうので、数ヶ月ほどで効果がなくなってしまう
    ことが普通です。
     
    薬の塗布およびイオン化、あるいはコーティングをし、その間に「歯の再石灰化(唾液に含まれる
    カルシウムやリンが傷ついた歯のエナメル質にくっつき、歯を修復する)」がうまく進めば、薬の効果が
    なくなったり、コーティング材が擦り減ってなくなってしまっても「歯がしみる」症状は出なくなり、
    知覚過敏が治ることも十分期待できるのです。
     
    知覚過敏を克服するための大前提は、原因を追究して、その原因に対する対策を取ることが大切です。