舌苔(ぜったい)とは

Last-modified: 2010-12-13 (月) 11:41:49

通常舌の表面は、ピンク色の地にうっすらと白みがかかって見えますが、この白みがかかった部分が濃く、
ぼってりと厚い感じになるときがあります。舌についているコケのようなもの、これが「舌苔(ぜったい)」と
呼ばれるものです。

 

舌の表面は、食事中に食べ物が接触します。言葉を発することによっても歯や上顎の口蓋(こうがい)
粘膜と触れ合います。そのため常に舌の粘膜上皮は剥離(はくり)し、そのはがれた上皮に食べかすや
唾液、バクテリアなどが混じり合ってできたものが舌表面の糸状乳頭(しじょうにゅうとう)に絡みついて
舌苔となります。

 

昔から、漢方医は脈診とともに舌診を、体調や病状の診断の拠りどころとして重視してきましたが、
近年になって、胃カメラによる胃粘膜の臨床所見と舌苔の状態が関連づけられました。胃炎が進行している
人ほど舌苔が厚く、吐きけ、胃もたれ、胃痛などの自覚症状ともよく合うようです。膵(すい)臓の働きが
弱っている時にも 舌苔が厚くなります。

 

暴飲暴食やヘビースモーカーの人は舌の色がどす黒く悪く、黄色の濃い厚い舌苔が付着しています。これも、
日常生活の不摂生が胃腸に負担をかけていることの反映と思われます。また、舌苔が堆積することで、
口臭の原因となります。