舌苔の治療法

Last-modified: 2010-12-13 (月) 16:08:58

舌苔はありすぎてもなさすぎてもよくないものです。無理してとろうとすると、舌を痛めることになるので注意が
必要です。歯科でも、明らかに口臭の原因となっている場合のみ除去を勧めています。口臭原因とか見た目
の悪さなどから、付着しているととにかく「取り除くこと」という傾向にあるようですが、実は「舌診」という診察
方法もあり、舌苔は単に除去するばかりではなく、健康状態を知るための重要な指標なのです。

 

最近妙に舌苔が増えた、舌苔の色が変わった、というような場合は、単に舌苔の除去・治療を考えるよりも、
そうなることに起因している他の部分のトラブル改善や治療を考えることも大切です。場合によっては原因が
分からず、舌苔がびっしり付着した状態がいつまでも続くようなら、歯科医か消化器科で治療を受けた方が
良い場合もあります。

 

舌苔は、舌の上に付着する白い苔のようなものですが、その正体は防御反応として発生しているものです。
時に、食道、胃、十二指腸などの上部消化管に吸収等の障害がある場合にも発生するものです。これに
ついては、上部消化管の吸収障害で弱ってしまった粘膜を保護することと、弱った消化管に食べ物があまり
来ないようにするための作用と考えられています。そのため、舌苔の発生を抑えるためには、上部消化管の
状態を改善することが重要となります。

 

舌苔が口臭の原因になると考えられていますが、舌苔そのものである糸状乳頭自体には、殆ど臭いはあり
ません。臭いの原因となりえるのは、舌苔に定着する菌(特に嫌気性菌が定着すると悪臭を発する)の影響
と考えられています。

 

舌苔をしっかり取り除くことを推奨して、舌の表面を強く(・・)こすって除去する方法が口コミ・レビューサイト等で
紹介されていますが、舌苔の発生原因を考えれば、そのような強制的な除去方法は行うべきではありません。
舌苔を取り除く場合は正しいやり方で舌ケアを心がけましょう。