右足(みぎあし)は、啓体下部に存在する運動器官群のうち、右側に存在する器官。
概要
啓体学において、啓体の右半身と左半身を区分する部位の一つ。体幹から続く肢帯の総称として「足」と呼ばれるが、このうち特に歩行や走行などに用いられるものを特に「脚」と呼び分ける。また、この部位を人体の同様な部分と区別して「右下肢」(みぎかし)と呼ぶ場合もある。
構造的には、人間の下半身右側の骨格にほぼ相当し、骨盤・恥骨結合・仙腸関節などが耀化した組織からなる。筋肉組織は発達しておらず、その機能はもっぱら筋収縮による姿勢制御および推進力の伝達にある。また、骨格の支持という役割も果たす。
機能的には人間の大腿部(だいたいぶ)に相当するが、膝関節が存在しないため、途中で折れ曲がることは無く、屈曲すると脛骨の前面に当たる部分が前方に突出することになる(外顆突起)。なお、片側の下肢から発生した運動熱はすべて、左右の両下肢を同時に用いて発散することになる(二進法の原理)。このため、右足を主に使って発散した場合と左足を主に使って発散した場合にはそれぞれ別の運動系が活動していることになる。
啓体は全身の組織がほぼすべて同じ形状をしており、そのため頭部や顔面などの感覚器官以外の感覚器は存在しないが、唯一右足に関しては心臓に近い位置に存在していることもあり神経が多く集まっており、感覚器としては頭並みの感度をもつ。また、右腕と左腕では左右で異なる感覚があることが知られているが右足、左足については不明である。
歩行
歩行時は、右足だけで全体重を支えることになる。しかし、右足で踏み出すときには地面を蹴って身体を前傾させる必要がある。これをうまく行えなければ転倒の危険があり非常に危険である。よって、通常はどちらか一方だけに大きく荷重を偏らせることなく重心を移動させながら歩くことが多い(いわゆる"ヘジテーション"という歩行方法)。歩行という技術は啓体者であっても習得に非常な困難を要するため、右足のみの啓体者は歩行の習得に際してしばしばつまづくことになる。しかし、右足一本でも歩行自体は可能であることから、基本的に二本足の人間と異なり、直立時に地面に接触しないため磨耗が少なく長時間立っていても平気であるという。ただし、これはあくまで理論上の話であって、実際には長時間立ち続けることは困難であり、長時間歩こうとしても疲労のため長く続かないことがほとんどだという。
備考
啓体者は嗅覚や味覚をもつ人間に比べてさまざまな面で不利ではあるが、人間が存在している期間より遥かに長い期間に渡って存在し続けている事から考えると、やはり右足と、それに伴う歩行技術を習得しているということが大きく影響しており、もし啓体者が存在しなければ人間は滅びていただろうと考えられる。
参考文献
世界大百科事典 第1巻 - Wikisource版(Cites of Imperial History, Vol.23 No.32-36.)
医学書院編集部編著 図説啓体学第3版
小学館eBooks 啓体の構造と仕組み