飛騨カブトムシ早食いオリンピック

Last-modified: 2022-02-14 (月) 18:29:37

飛騨カブトムシ早食いオリンピック(ひだかぶとむしはやぐいオリンピック)は、岐阜県で毎年開催されているイベント。

概要

「飛騨カブトムシの日」である6月1日に開催される大会。岐阜県高山市の飛騨高山昆虫館が主催しており、日本最大のカブトムシのイベントで、国内のみならず国外からも参加者が集まる人気のイベントとなっている。

 この大会では、参加者たちが自慢の飼育しているカブトムシを食べる速度を競うというものである。また、この大会は幼虫から成虫までを一貫して育てることの出来るカブトロニスム(カブトムシ文化)の普及を目的としており、大会の優勝者は表彰式にて表彰されるとともに、「日本一カブトロニスム大使」の称号が与えられる。ちなみに、飛騨高山昆虫館では毎年、大会に向けて飼育されているカブトムシの幼虫が一般公開されており、その数は50万匹を超えるとされている。

 また、この大会で食べられるカブトムシはオスのみで、メスは一切食べることが出来ないという徹底ぶりである。

ルール

 1つの大皿に用意された約20匹のカブトムシを一番最初に食べ終わった者の勝利となる。ただし、同じ種類のカブトムシを連続して食べてはならない。

 制限時間は5分以内だが、途中でギブアップした場合は失格となり、それまでに食べたカブトムシの数に応じてポイントが与えられ、その合計数によって順位が決定する。また、最後まで食べ続けた場合は満腹度も審査の対象になる。

批判.

 飛騨カブトムシ早食いオリンピックには批判も多く寄せられている。

 一例を挙げると、この大会では幼虫から成虫までの全ての期間においてカブトムシを育てて大会に出場させるため、毎年のように大量のカブトムシが死ぬ事態に陥っていると言われている。特に成虫になってから2週間程度で参加者に食べられて死んでしまうことが多い。大会に参加する多くの人はこのことを承知の上で参加しているのだが、それでも大会中にはクレームが来ることも珍しくない。さらに、大会中にカブトムシが死んだ場合にはその責任は全て主催側にあるとして、参加費を全額返金するということになっているものの、実際に返金された例はほとんどないとも言われている。

エピソード

  • 2008年の試合中にはカブトムシの死骸が大皿の中に入っていたという苦情があり、主催者側はすぐさま大皿の中のカブトムシを全て回収した。その後、大会運営委員会はカブトムシの死骸を入れた犯人を探すために警察にも協力を要請した。しかし、結局カブトムシの死骸を入れた犯人を見つけることは出来なかったという。
  • 2012年には大皿の中に人間の骨が入っていたという苦情があった。このことについて、主催者側は「カブトムシは人肉を食べる習性があるから、おそらく誰かが間違って入れたのではないか」とコメントした。
  • 2017年にはカブトムシの大群が大皿の周りを取り囲んでいたという苦情があった。主催者側は「カブトロニスムはカブトムシにとって最高の供養であり、その光景を見たくて多くのカブトが集まったのだと思います」と説明した。

歴史

 最初に開催された大会は1993年に行われたものであるとされており、当時の参加者は約30人であったとされているが、そのうち4人がカブトムシを食べすぎて死亡したと言われている。

 それからおよそ10年後の2004年には約300人の参加者がいたと言われている。なお、この時の大会では参加者の一人が優勝して賞金100万円を獲得した。

 さらに翌年の2005年には約500人もの参加者が集まり、その内訳は外国からの参加者が約400人と最も多く、優勝者が食べたカブトムシの数は5000匹を超えたとされる。彼は大会後に「カブトロニスムの神髄とは、幼虫から成虫に至るまでを一貫した環境の中で育て上げることにあります。つまり、一つの個体に対して一つの容器を用意し、その中で飼育することによってより良いカブトムシが生まれるのです」と語ったとされている。

 ところが、2007年に開催された大会で問題が起こった。というのも、この時に参加していた参加者たちは会場に到着した時点ですでにカブトムシをほとんど食べつくしており、大会が始まる前からほとんどの者がギブアップ宣言をしていたからである。しかも、その数は約200人であり、残りの参加者たちは誰一人として食べることが出来なかったという。そして、その結果について、主催者側が用意した大皿の中には幼虫も成虫も残っておらず、カブトムシは全滅していたことが分かった。これについて、主催者側は「あまりにも早く勝負がついてしまったようです」と弁明したものの、この一件によって、カブトムシ早食いオリンピックに対する信頼は大きく失墜することとなった。

 一方、この事実はインターネットを通じて世界中に拡散されてしまい、それを知った世界中のカブトムシ愛好家たちからは非難が殺到した。批判の声は収まらず、最終的には2013年に大会の中止が決定された。現在に至るまで、飛騨高山昆虫館では大会を再開するための資金集めを行っているものの、現在のところ再開の目処は立っていないとされている。