真岡総合振興局

Last-modified: 2020-12-17 (木) 15:51:25

真岡市

  • 総合振興局中部に位置する、人口約12万人の都市。総合振興局内で最大の人口を擁する。「まおか」と読む。
  • 戦前より大規模な港湾開発がなされ、樺太西海岸随一の港湾都市となった。真岡港は日本最北の不凍港であり、冬季の樺太の海運を支えている。また、港湾に隣接して樺太工業の製紙工場も存在し、中心部は同社の企業城下町という一面もある。臨海工業・漁業・水産加工業が主要産業である。
  • 名前に使われる漢字が全く同じ栃木県真岡(もおか)市との関係は全くない。
  • 山間部の池ノ端地区にある手井貯水池は、戦前に王子製紙が作った人工湖である。池の脇をJR豊真線の列車が走る景観が有名で、いわゆる「撮り鉄」の間で名撮影地として人気を博している。
  • 池ノ端地区からやや山奥に行ったところには、豊真線のループ線・通称「宝台ループ」がある。ただし、1985年にトンネルが開通したため現在は使用されていない。
  • 中心部は山が海岸間近に迫った急峻な地形であり、坂が非常に多い。可住域面積もかなり狭く、山の斜面にへばりつくように住宅地が広がっている。また、水平方面の開発には限界があるため、高いビルやマンションを建設することで発展してきた。そのため、人口の割には中心部ビルが多く都会的な景観となっている。
  • 平成の大合併では広地町・蘭泊村を編入。
    • 旧広地町の中心部は、海沿いの低地と海食崖上の高地に分かれており、JR樺太西線広地駅は低地に、町役場(現・市役所広地支所)などの行政施設は高地にある。

本斗市

  • 総合振興局南部、真岡市から約45km南にある、人口約4万5千人の都市。
  • 県で最も南にある市である。海流の影響で比較的温暖であり、不凍港・本斗港を擁する。戦前には稚内とフェリーで繋がっていた。
  • 市内には製紙工場は無く、林業や漁業を中心に発達した都市である。近海に生息する昆布は日高・利尻・羅臼と並ぶ高級品として名高く、豊洲市場などでは高値で取引される。また、タラ・ニシンの漁獲量は県内有数のものとなっている。
  • 平地は真岡市よりもさらに少なく、山と海の間のわずかな平地に街が広がっており、市街地は南北に極端に細長い。
  • 同総合振興局の真岡市に加え、西樺太山脈の八眺嶺を挟んだ留多加町との交流も深く、2004年に本留道路が開通して以降はそれが顕著である。
  • 間宮海峡上、本斗沖合約60kmの場所に浮かぶ海馬島も、本斗市の市域に含まれる。1973年までは海馬村という独立した一つの村であったが、単独の村としての存続が難しくなったことから1974年に本斗市に編入され、その後1998年までに全島民が島を後にした。現在は定住者はおらず、動植物や地質の研究者が短期滞在するのみである。固有種を含む多くの植物が自生しており、「海馬島の植物群落」(戦前の海馬島特殊植物群落地帯)として県の天然記念物に指定されている。春から秋にかけては観光客も訪れる。
  • 2007年にマグニチュード6.8の本斗沖地震が発生し被害を受けた。

泊居市

  • 総合振興局北部に位置する、人口約2万4千人の市。「とまりおる」と読む。
  • かつては王子製紙の企業城下町として製紙業が盛んだったが、現在は農林水産業や水産加工業が産業の中心である。戦前よりビール工場が稼働しており、地元で生産された大麦を使い、地元の工場で製造されたビールを「泊居ビール」としてブランド化、地域振興に生かしている。
  • 1980年まで使用されていた、JR泊居駅から王子製紙の工場へ延びる旧・王子泊居軌道の美しいアーチ橋は鉄道ファンに人気が高い。
  • 戦前からの市街地は川沿い・海沿いの平野部であるが、1980年代以降は海食崖上の高地の開発も進んでいる。
  • 真岡から約80km、豊原・恵須取からは100km以上も離れており、西樺太自動車道が1999年に開通するまではまさに陸の孤島であった。市は「東京から一番遠い市」と名乗り、PRに繋げている。

樺太清水町

  • 真岡市の東に位置する、人口約1万人の町。県内に2つしかない(あと1つは樺太長浜町)、名前に「樺太」を冠する市町村である。真岡支庁の市町村の中で唯一、海に面していない。
  • 真岡市とは熊笹峠を挟んで隣接しており、昔から関係が深い。峠を直線的に抜ける熊笹トンネルが出来て以降はそれが顕著である。
  • 農業・林業が主要産業である。
  • 北部の山間部には富沢ダム・緑紅ダムがあり、下流にある留多加町の水資源を支えている。緑紅ダムの近くにある緑紅地区は非常に山深く、町立清水小学校緑紅分校はへき地3級の指定を受けている。
  • 逢坂・清水・瑞穂・大豊など複数の集落が散らばっており、中心地ははっきりとしない。

内幌町

  • 総合振興局最南部にある、人口約1万2千人の町。
  • 中心部となる内幌地域は椎内川の河口に位置する。1970年代までは炭鉱で栄え、人口約2万人を数えたこともあったが、1984年の閉山以降は急速に人口減少と町の衰退が進んだ。
  • 現在の基幹産業は漁業で、町の北の本斗市と同様に昆布やニシン・タラなどの漁獲量が多い。
  • 暖流の対馬海流が気主岬にぶつかるため、県内で最も温暖な地域となっている。
  • 平成の大合併では好仁村と合併し、樺太最南端の西能登呂岬まで町域が広がった。
    • 旧好仁村最南部の白主地域は、江戸時代に松前藩が商館を設置した地であり、江戸時代末期までは樺太の玄関口であった。

野田町

  • 泊居市の南にある、人口約1万2千人の町。
  • 1921年に王子製紙の工場が操業を開始し、紙やパルプの生産で栄えたが、戦後工場の集約が進められると衰退。かつて約3万であった人口は半分以下にまで減少した。
  • 市街地は間宮海峡に面した野田川・鉢子川河口に位置し、東側には標高約150mの山が迫る。野田川流域を「南沢」、鉢子川流域を「北沢」という。かつて製紙工場があり、工場や社宅などが点在していた北沢に対し、南沢は農村地帯である。
  • 久良志地域には梅香温泉があり、近年はこれを観光資源として町おこしを進めている。

小能登呂町

  • 真岡市の北にある、人口約9000人の町。
  • 小能登呂平野といわれる三角州の内陸上に、中心地の小能登呂地区をはじめとする主要な集落があり、人口は平野部に集中している。平野上は農地となっており、畑作や畜産が行われている。また、漁業も盛んである。
  • 真岡市の蘭泊地域(旧・蘭泊村)にもまたがる羽母舞原野は、樺太十五勝にも数えられる。フレップ(コケモモ)の群生地でもある。また、原野の最西部には間宮海峡に突き出た小能登呂岬がある。
  • 真岡総合振興局唯一の空港・小能登呂空港(愛称・まみや空港)が存在する。戦前は陸軍の飛行場であり、戦後改修を加えて旅客営業を始めた。現在も自衛隊が利用している。

間宮町

  • 総合振興局最北部に位置する、人口約6800人の町。
  • 2009年、久春内村と名寄村の対等合併で誕生した。町名は両村が面する間宮海峡に由来する。
  • 久春内地域は樺太西線と真久線が分岐・合流する交通の要衝であり、久春内駅には特急が停車する。また、同駅は西海岸における電化区間の最北端でもある。
  • 産業は漁業中心。
  • かつては久春内競馬場があったが、1970年代後半に閉鎖された。