●『キングダム ハーツ HD 2.8 ファイナル チャプター プロローグ』 2017年1月12日発売 対応機種:PS4*1
略称は「KH2.8」等。
KHシリーズのHDリマスター第3弾だが、完全新作を含むなどそれまでに発売された2作とは少々毛色が異なる。
「HD 2.8 ファイナル チャプター プロローグ」は「エイチディーツーポイントエイトファイナルチャプタープロローグ」と読む。
KH2.8
3DS用ソフトである3DをHDリマスターし、さらにKHIIIと同じ環境で制作された新作ゲームのKH0.2と、同じく新規の映像作品であるχBCを収録している。
- KHIIIと同じ環境のため、対応ハードもKHIIIと同じPS4になった。
KHIIIに関わる話であるアクアとロストマスター達のストーリーを描いた新作を、KHIIIの序章である3Dのリマスターとセットにすることで、このソフトが文字通りKHIIIに対する「ファイナルチャプタープロローグ」となる構成となっている。
KH1.5とKH2.5に収録されたシリーズ作品から3Dのみ外れてしまったことについてディレクターは「要検討課題」と話しており、3D単品でリマスターする等いくつかのパターンを思索していた。
しかしその頃、諸般の事情からKHIIIの開発エンジンをルミナスエンジンからアンリアルエンジン4に変更せざるを得なくなる事態が発生し、ほとんど一から作り直しとなってしまったことで当初のスケジュールより遅れが生じてしまう。
そこでKHIIIに密接に関わる新作をKHIIIと同じエンジンで制作し、それを3Dのリマスターとセットにしたパッケージにすればユーザーに少しでも早くKHIIIの世界を感じてもらえるのではないかという結論に至り、今作のラインナップが決定した。
- なお、KH2.8の開発によってKHIIIの開発スピードに遅れが生じることはないと発表当初から強調されていた。
タイトルの「2.8」は、3DがKH2.5の次なので「2.6」、KH0.2がそのまま「0.2」、χBCがソラ達が不在の「0」、ということでこの3つを足して「2.8」とされている。
- …が、その命名には無理があるんじゃないかと発表当時から総ツッコミが入ったことはファンの間でも語り草となっている。
ディレクターは、KHIIIの直前なのに「2.9」ではない理由について「KHIIIをプレイすればわかる」と話していた。
今作収録のKH0.2のエピローグはそのままKHIIIに直接つながる構成となっており、KHIIIではプロローグであるオリンポス編が始まる際に「KINGDOM HEARTS II.9」と表示される。
つまり、KHIIIの前フリである今作が「2.8」で、そこからKHIIIのプロローグが「2.9」、そしてKHIII本編が始まり「3」になる…ということのようである。
3Dはオリジナル版が3DSだったのをPS4に対応させるために単なるリマスターだけではなくシステムにまで手が加えられており、フレームレートも30fpsから60fpsに上がった。
ディレクターは他のリマスター作品よりリメイク色が強いと話しており、そのためかHDリマスターされた作品群の中では唯一タイトル及びロゴが変更されている。
収録作品
各作品の詳細や変更点については各記事を参照のこと。
- KINGDOM HEARTS Dream Drop Distance HD
- KINGDOM HEARTS 0.2 Birth by Sleep -A fragmentary passage-
- KINGDOM HEARTS χ Back Cover(映像作品)
余談
発売は2016年12月が予定されていたが、「他タイトルとの発売時期調整の結果」1ヶ月後の2017年1月に延期した。
この「他タイトル」が何なのかは明らかにされておらず、ディレクターは「近接するタイトルがいくつか重なった」とも言っているが、その一つは「FINAL FANTASY XV」であるとほぼ確実視されている。
FFXVは2016年9月30日発売と大々的に発表されたが、発売まであと1ヶ月というタイミングになって急遽発売日を11月29日に延期することを発表。1ヶ月のうちにPS4のビッグタイトルが複数出る事態を避けるためにKH側が発売日をずらすことになったと推測される。